健康と青汁タイトル小 <1977年4月15日発行 第248号>
 目次




1. アレルギー(カブレ)体質

     医学博士 遠藤 仁郎 

     アレルギーとは、ふつうとはちがう反応をしめすこと。
     すなわち、ふつうには全然反応しないか、少なくとも大した反応はおこさない程度の刺戟(食べもの、薬品、毒虫、毒草その他)にたいしてもひどく反応し、はげしくカブれたり、あたったりすること。

    カブれかた
     ジンマシンその他の発疹、あるいは痒みだけ。むかむかしたり嘔吐する。腹痛したり下痢する。胸苦しかったり、喘息をおこす。頭痛、筋痛、関節病、神経痛、メマイ、耳鳴り。寒気がし、熱が出る。など、雑多な症状が出る。

    アレルゲン
     アレルギー(カブレ)反応をおこす外因(アレルゲン)には、食物や薬品、化粧品、衣類、装飾品、家具、什器、家畜、草木、また天候・気象の変化(気圧、気温、気湿、前線の移動など)、環境(住居、職場)など、これまた数限りなくある。
     そこで、原因不明の病気のばあい、一応アレルギー(カブレ)を考えなければならない。
     ところで、なにか変ったものを食べ飲みしたとか、触ったとかがわかれば、それと察しもつく。けれども、それらの反応は2〜3日から5〜6日つづくこともあるので、原因がくりかえされると、連続してあらわれるため、それと気づきにくく、ともすると、ほかの病気と思いちがいされる。
     ずっと以前のこと、38〜9度もの高熱が3〜4ヶ月にもおよんだ女性があった。
     できるだけの検査はしてみたが原因がつかめず、アレコレと試みた薬も全然無効。
     困りはてて、ともかく一度白紙にかえそうと、一切薬をやめたところ、たちまち熱がひいてしまった。(薬にカブれて出ていたのだった)という大ミソをつけたことがある。

    アレルゲンの検出
     以前から、アレルギーが疑われるばあい、その2〜3日前までにあったこと、したこと、食べたもの、飲んだもの、身につけたものなど、詳しくメモしておけ、といわれたものだ。
     そうしているうちに、思いあたることが出てくることがあるからだ。
     そしたら、症状がおさまるのを待って、わざと試してみる。同じ反応が出れば、それが原因(アレルゲン)だから、それを除けばよい、というわけだ。(もっとも、これは、ひどい反応がおこって大変なことになるかも知れないので、うっかりはやれない)
     いまでは、アレルゲンのエキスによる皮膚反応で簡単にテストできるようになっており、そのエキスにより脱感作法も行われている。
     しかし、アレルゲンは必ずしも発見できるとはかぎらないし、また、たとえうまく見つかって、それを避けたり脱感作をやっても、完治するとも限らない。というのは、かぶれやすい下地(アレルギー体質)があるかぎり、次々に、また、いくらでも新しいアレルゲンがあらわれるかも知れないからだ。

    アレルギー反応の成因
     さて、アレルギー反応は一つの免疫反応。アレルゲン(抗原)によって感作されると、からだには、これに対抗する抗体(特殊の免疫反応物質)ができる。
     そして、新しく、同じ抗原(アレルゲン)がやってくると、これに反応し、(抗原抗体反応)、はげしい症状がひきおこされる。それがアレルギー反応。

    体質をかえる
     ところで、同じアレルゲンにさらされても、すべての人が同様の反応をおこすわけではない。
     つまり、その素質のある人だけに、特殊の反応物質が発生するのか、あるいは、そういう人だけがとくにそれに感じやすいからであろう。とすると、これに対処するには、ただアレルゲンを除いたり、それにたいする脱感作を講ずるだけでなく、もっと進んで、その素質をかえて、反応物質の発生をへらすか、感受性、反応性の緩和をはからなければ、根治の望みはうすいわけだろう。

    アレルギー体質
     これには、遺伝あるいは生れつきのものもあろう。が、多くは、その後の日常生活の間の諸因子――食のまちがい、運動、鍛錬の不足、精神的ストレス、さらには、感染や外傷(手術)、寒冷、その他の刺戟など――に感作されて生ずるか、強められて、ついに発病するようになるのでないか。

    食の影響
     一般に、アレルギー体質の人は美贅食にかたむき、精製穀(白米飯、白パン)、肉(獣鳥、魚介)、卵の濃厚食を飽食し、菓子、酒を好み、野菜・果物をきらうものが多い。
     この、熱量や蛋白質ばかりが多くて、これらの体内処理に不可欠のミネラル・ビタミンの不足した不完全食(欠陥栄養)では、代謝は不完全となり、血のにごり(?血)を生ずる。そして、すべての組織・臓器の機能に異常をおこしやすい。
     たとえば、カルシウムの不足は感受性をたかめ、肝機能のおとろえは代謝の異常あるいは異物処理の不全をまねき、アレルギー反応をおこしやすくなるのではないかとかんがえられる。
     環境の汚染、有害有毒食品の氾濫、運動の不足、ストレスの過剰等の影響も無視できないであろう。
     ともあれ、こうした、栄養のあやまりを中心とする今日のあまりにも不自然不合理な日常生活によって、アレルギー体質の下地ができ上るのではないか。

    対策
     そこで、アレルギーにたいしては、
     1、アレルゲンを除くこと。ただし、これは必ずしも成功しないことは上記のとおりなので、
     2、体質をかえること。つまり、感受性を低めて、何が来ても、ビクともしないからだにしておけばよいのではないか。そして、それには、食の合理化(安全・完全食)を中心とする日常生活の合理化・自然化をはかることが、より根本的であろう。

    抗アレルギー食
     食品はすべて安全で、新鮮な自然物、または自然にちかいものをえらぶこと。
     危険な農・蓄・水産用薬剤、産業廃棄物、添加物などに汚染されたり、そのおそれのあるもの、したがって貯蔵・加工・インスタント食品は、なるべく避けること。
     主食品には玄米または粗搗米。小麦は全穀粉、少なくともフスマのはいったもの。
     むしろ雑穀、・豆、さらにはイモ類。蛋白食品、肉・魚・卵よりは大豆、ナッツ類。副食には、安全良質(ビタミンにとみ、吸収されやすいかたちのカルシウムにとむ)を主とする野菜・山菜・海藻・果物を十分(主食・蛋白食の2〜3倍量)そえる。

    調理・調味
     調理はなるべく簡単に。ナッパはなるべく多くを生食し、青汁にもする。洗剤の使用はさける。

    調味
     うすく。調味料もなるべく安全な自然物。味噌・漬物・佃煮など、つとめて自家製。

    酸味
     安全な果物。

    油脂
     純正品。サラダの調味用には、むしろ、キナコ、スリゴマ、ピーナッツ、クルミなど。

    嗜好品

      果物
       農薬汚染のないもの。

      菓子
       栄養のバランスをみだすうえ、添加物の害もさけられない。

      飲料
       安全性に注意。ジュース類、コーラ、乳酸菌飲料、氷菓子など、いずれも問題がある。


       農薬汚染のないもの。草茶、笹茶。


       純正品の少量。

      タバコ
       なるべくやめる。

     要するに、緑葉食・青汁、イモ・マメ・ナッパ・青汁食に徹底するか、せめて青汁だけでもうんと、1日少なくとも3合(もとのナッパ750グラム)以上のむ。
     多いほどよい。なお快便、快眠、適度の運動、鍛錬、ストレス解消など、日常諸般にわたり合理化・自然化をはかれば、さらに効果をたかめることができよう。
     いわば、なるべく原始的な自然生活にかえろうというのだ。なにぶんにも、長い間に培われた体質の異常だから、一朝一夕に根治できるはずはない。
     けれども、この方針で根気よく、少しづつでも、合理化するよう努めれば、ついには多年の悩みから解放されることも、けっして不可能ではあるまい。
    (51・9)



2. 猫背

     医学博士 遠藤 仁郎 

     年寄りの、かたまってしまった猫背は、もう、どうにもなるまい。
     しかし、多くのものは、努力しだいでなおすことはできる。

      1. 猫背の原因の第一は前屈みの姿勢のくせがついていることだから、まず、姿勢をよくすること。
      2. そして、背すじの筋肉や、背柱をささえている靱帯が、そのままかたまろうとしているのだから、つとめて背すじの筋肉をやわらげること背柱を中心にした運動、前後への屈伸、左右への屈折、回転など。
      3. も一つは、食べもののまちがいをなおすこと。菓子や味付けの砂糖(ことに精製糖)をへらすこと。白米飯、白パン、白メン類など精製穀食をひかえ、肉・卵類もすぎないよう。

     これらがすぎていると、熱量や蛋白質ばかりが多くて、これらの代謝に不可欠のビタミンやミネラルが不足し、血が濁って来るため、筋肉の代謝がうまく行かず、こわばり勝ちになる。そこで、良質ナッパを主にした野菜、山菜、海草、果物などを多く食べるようにすると、食全体としてのバランスがとれ、血がきれいになり、筋肉の代謝もよくなり、こわばりがとれ、しなやかになり筋力は強くなる。こうしていれば、猫背もしだいによくなって来る。
    (50・12)



3. 外科手術と青汁

     名のいわれについて、大言海には、毒痛の意が、とあるが、何のことやらわからぬ。
     緑葉食にし青汁をしっかり飲んでいると、手術時の出血が少なく、痛みが凌ぎやすい。また、化膿などといったこともおこらず、傷の治りが早い。



4. やっぱり年だ(カゼの反省)

     医学博士 遠藤 仁郎 

     もともと私はよくカゼをひいた。ハナカゼだけですむこともあったが、大抵は気管支をやられ、2〜3週はおろか、1〜2ヶ月も咳や痰が出た。
     そのうえ、いつも、からだの調子がわるく、だるい、疲れやすい、憶怯で一向に元気がない。まるで年寄のように、万事控え目。決して無理をせず、おかしいと思えば、すぐ寝こみ、すっかり回復するまで十分休むことにしていた。

     それが、もうかれこれ25年にもなるが、ナッパを食べ、青汁をのみ出してから、すっかり変り、少々無理をしても何ともない。
     だるいと感じることも、疲れることもなく、カゼもひかなくなった。たまにひいても、ちょっとハナミズやクシャミが出るだけ。精々、アスピリン一服、ホットウイスキー1杯のんでねれば、それっきり。ねこむことなどは、まるで無くなっていた。

     ところが、今度という今度は、完全にやられてしまった。45年(70才)の6月上旬。いささか過労気味ではあった。初めクシャミや鼻水が少々出る程度だったが、2〜3日して咳が出だした。
     1週間で、痰は黄色がかり、切れよくなったのに、咳がしつこく出る。
     そこで、咳止めをのんだところ、小便が出にくくなったので、すぐやめた。
     ほかに変ったことはなく食事もうまい。「なんのこれしき」と、平常通りの勤務についていたが、11日めの朝から頭痛が出てきた。帰宅後、検温してみると、なんと38.5℃もある。
     咳も痰もひどくなったので、薬(抗生剤)をもらって、ねこんだ。
     翌日は最高37.6。翌々日は37.3まで。その後平熱になり、咳や痰もしだいに減ってはきた。
     X検査は異常なし。気分はちっとも変らないので、6日(最初から16日)目は半日、7日目から普通勤務についたが、咳や痰はよく出るし、血沈が仲々よくならぬ。
     初め90以上。50、40が3週間つづき、1ヶ月でようやく20。正常にもどったのは、最初のハナカゼからはちょうど2ヶ月。

     ナッパを食い、青汁をのんでいると、カゼなんかひくもんじゃないと、高言切っていた手前、面目は丸潰れというわけだが、それにしても、どうしてこういう仕儀と相なったのか。
     静かに反省してみて気づいたのは、「年」という大きな忘れものをしていたこと。2〜3年まえまでは、本当にカゼをひくことはなかったのに、去年は軽いカゼのあと1ヶ月あまり咳や痰が出た。そしてこんどは、熱を出して寝こんでしまい、回復には2ヶ月もかかってしまった。これはどうしても、年(老化)による抵抗力の低下、防衛能のおとろえの結果と考えざるをえない。

     全くのところ、これまで「年」を感じたことはなかったといいたいのだが、数年来、顔や手に「シミ」や白斑が目立たぬながら出てきたし、眉毛に白毛が混ってきた。景気のよい朝マラも近頃トントなくなった。
     静かな山の中で、ふと、かすかな耳鳴りのあることに気づいたのはおととしの秋だが、去年の夏からは、遠くの蝉の声のようになっている。
     カゼ薬で小便の出にくくなったのも年のせいなら、夜間の排尿回数がふえたのもそうだろう。もっともこれは、世間並みの食事にすればなくなるから、野菜食・青汁のためでもあろう。

     それにしても、これという自覚症のないままに、忘れていた「年」を、そして「やはり年は争えぬ」ということを、しみじみ思い知らされたわけだ。
     もう一つ。ナッパ・青汁で能率(からだのはたらきの)はよくなるが、能力(本来の体力)そのものまでは変るものでない、ということ。

     兵隊検査で第二乙だった私の体力(能力)は、甲種にくらべれば、かなり劣っている。しかも、意識的に控え目にもなっていたので、いたって能率はわるく、実際の能力(体力)の80%も発揮できればよいところであったろう。
     それが、ナッパ・青汁食に切りかえてから、おそらくフルに発揮できるようになっていただろう。けれども、さいきんの体力は、年とともに下り、多分80%、あるいは、もとの不調の時くらいか、それ以下にもなっていたであろう。
     それを、相変らず体力一杯(その時点での限界をこえた)の活動をつづけていたので、ついに破綻を来した。いぜんの不調時代ならば、早くねて用心したであろうに、なまじっか好調がつづいていたために、忍びよる老化のハンディーにも気をとめず、いつまでも若い気で(40代50代の気持でいた)、無理をおせばおし切れると、思い上っていた(自信過剰)ところに誤算があった。
     しかもそれが、ナッパ・青汁に由来しているとすると、これは、一種麻薬的の作用というものかも知れない。

     それはともかく、いかに好調ではあっても、調子にのりすぎてはいけない。年はやはり年。つねに、身のほどをわきまえ、あくまで慎重に振舞うべきだ。
     まこと、年は気にしてはならぬが忘れてもならぬものだ。

    (46・9)




5. 便通で大事なこと

     便秘の影響には、便秘そのものや、腸内の分解産物によるもののほか、便秘家のあやまった食事によるところもある。
     だから、通じは、どんなばあいにも気をつけなければならない。また、ただ「毎日ある」だけでなく、大切なことは、いつも気もちよく出ること。
    すなわち出したあとがいかにもすがすがしくなるまで十分出ること。
    しかも、薬や浣腸にたよるのでなく、自然の方法、食事と運動とでうまく出ること。



6. 便秘と血のにごり

     便秘すると、便秘そのものによっても、また、便秘を原因する食事や運動不足によっても血がにごる。

    分解産物によって
     便秘で食物の残渣が、ながく大腸に停滞していると、バイ菌のために分解が異常に進み、いろいろ有害なもの(ことに肉食で甚しい)ができる。
     一部はガス(放屁)として排出されるが、あとのすべては吸収されて肝臓におくられ処理される。そこで、肝臓のはたらきが十分でなければ(便秘のさい肝臓は負担荷重でくたびれがち)、有害物が全身をめぐる。

    便秘食と運動不足でも
     便秘のおこるような食事は、一般に消化のよい(カスが少ない)美食に傾いている。主食は精白米飯、白パン。おかずは肉・魚・卵が主で野菜類が少なく、しかもやわらかいものばかり。味つけの砂糖が多く、甘い菓子を好く。
     つまり、熱量・蛋白質は十分だが、それらの体内処理になくてはならぬミネラル・ビタミンの不足した、甚しい不完全食になっている。
     この欠陥栄養のため、および、便秘家に多い運動不足とのため、代謝は不完全となり、血はにごる。

    自家中毒
     こうして一種の中毒状態(自家中毒)となり、そのにごった血で養われるからだの中の細胞・組織・臓器の機能をいため、抵抗力をよわめ、感じやすく、炎症をおこしやすくもなるなど、自衛能・自癒能にわるい影響をあたえる。
     そこで、便秘は胃腸その他近接臓器だけでなく、ひろく、あらゆる病気、ことに文明国に多い病気にふかい関係があるわけだ。

    便通のよいこと
     で、どんなばあいにも、便通のよいことは大切だが、それも、薬によってではなく、正しい食事と適度の運動とによって、毎日快通することが望ましい。



7. 便秘によい食事

     医学博士 遠藤 仁郎 

     常習便秘によい食事は、簡単にいってカス(繊維)の多い完全食。
     すなわち、

      主食 米ならば玄米。パンは黒パン。全穀パン。雑穀・豆。さらによいのはイモ類。せめてこれらの混食。そしてなるべく控えめ。
      蛋白食 肉(獣鳥魚介)、卵類よりは大豆やナッツ類。
      副食 主食・蛋白食にたいし十分(2〜3倍)の良質(ビタミンにとみ、吸収しやすいかたちのカルシウムにもとむ)ナッパを主とする野菜・山菜・海藻・果物をそえる。
      調理 なるべく簡単。自然のままか、自然にちかいかたちで食べること。
      調味 うすく。たとえば、緑葉食・青汁、イモ・マメ・ナッパ・青汁食。
      青汁 1日少なくとも2〜3合(もとのナッパで500〜750グラム)。多いほどよい。ほかに生菜粥(ミキサーで粥状にした生ナッパ、果物その他で適宜調味)コップ1〜2杯をのむ。(青汁のしぼりカスでもよい)。
     間食の菓子(オカキ、饅頭なども)をやめ果物にし、味つけの砂糖もできるだけへらす。砂糖や菓子がすぎると便秘はなおりにくい。
    (51・9)



8. またのびた平均寿命

     厚生省発表の昭和50年簡易生命表によると、男の平均寿命は71.76、女の平均寿命は76.95と、それぞれ、前年にたいし、0.60、0.64年ののびをしめしている。



9. ピロサンのアミノ酸

     蛋白質のよしあしは、それを構成しているアミノ酸のあり方でわかる。
     この図は、田辺食品研究所製造のピロサン(乾燥青汁)のアミノ酸と、牛肉のそれとをくらべたもの。
     そして、そのあり方が殆んど同じであることは、ナッパの蛋白質が、動物蛋白にまさるとも劣らぬ優秀なものであることを、はっきりしめしている。
    ピロサンと牛肉のアミノ酸組成比較



10. 「心筋こうそく」を防ぐには・・・

    高井大阪市大名誉教授に聞く

     あっというまに一家の支柱を奪ってしまう心筋梗塞(こうそく)。食生活の変化とともにその犠牲者がふえている。若年層にも広がっている。
     いまのところ死亡率では3位だが、やがてアメリカのように1位になるのではないかともいわれる。この病気は動脈硬化が原因だけに治療はむずかしい。予防が最大の決め手である。
     そこで、会員を募って組織的に予防を進めようという運動が大阪市大名誉教授高井俊夫さんの提唱でスタートした。とくにむずかしい理論や実践ではない。これまでもよくいわれてきたことをまとめたうえで、みんなでいっしょにやっていこう、と呼びかけている。
    高井さんに、この運動の背景やねらいを解説してもらった。

    食生活に注意が肝心
     心筋梗塞によって死ぬ人が、この20年の間に4倍にも増え、しかも若い年齢層に移りつつある。
     この勢いでは、わが国死亡の第1位を占める脳卒中、第2位を占める悪性腫瘍(しゅよう)を通り越して、目下、第3位の心筋梗塞が、アメリカと同じように第1位にのしあがって、死因の王座を占めるのも近い。
     これがほとんどの医師の考えである。脳卒中も心筋梗塞も、ともに脳や心臓(冠状動脈)の動脈硬化によって起こるのであるが、働きざかりの一家の支柱を一瞬にして失うのが、この二つの病気に共通した特徴であり、医学のこんなに進んだ今日も、なぜ、このような家庭の悲劇にストップをかけることができないのかが医学の大きな課題でもある。

    初恋のころに
     問題は、あるアメリカの研究者が言ったように、動脈硬化は、もう初恋のころから起こるということである。昨年のアメリカの専門学会でも、ほんとうに動脈硬化を主因とする心筋梗塞や脳卒中を防ぐには、動脈硬化を予防する正しい食生活を子どものころから指導せねばという意見が強くだされたといわれる。
     つまり、動脈硬化という器質的な変化が起こってしまってからでは、いかに老人病学の専門の医師が治療に苦労しても、薬物治療の効果にも限度がある。
     したがって、このような国民病としての心筋梗塞や脳卒中の場合も、治療よりも予防に主力をおいた医学的な運動が展開されねば、根本的な解決は困難だということである。
     それでは、初恋のころから起こる動脈硬化は、どうすれば予防できるかである。約20年前、ニューヨークで起こったACC運動とその効果に私たちは注目する。

    米で市民運動
     ACC運動は、ANTICORONARY CLUBの略で、心臓の冠状動脈を守る運動である。
     千2百人の市民が、新聞やラジオの呼びかけで参加し、10年間にわたって、医師、栄養士の指導のもとに、守りやすい食生活十ヵ条を実行した。
     その結果、この人たちの中からは見事に心筋梗塞の死亡を減らすことができたのである。
     このような研究は、市民の協力で10年以上にわたる忍耐づよいデータの積み重ねが大切で、苦労は多いが、一番に信頼性のあるデータである。
     これにつづいてロサンゼルスで退役軍人寮の人々を中心に、またヘルシンキでも精神病院の長期入院患者について、それぞれ研究がなされ、どの研究でも、40歳から60歳ぐらいの、かなり高い年齢からはじめても、また、たとえそのなかに過去に発作を起こした人があっても、大ざっぱにみて三分の一程度に死亡の低下をきたすことのできることを実証した。

    野菜を十分に
     このようなACC運動は、食生活で
      1. 動物性脂肪を少なくし
      2. 代わりに植物性脂肪を多くすること
      3. 他に野菜を十分に
      4. また砂糖のとり方を少なくしよう、
     というような内容である。

    (42・5・26 朝日)



11. この六つは守ろう

     冠状動脈を守るための6ヵ条は高井さんのほか、慶応大の五島雄一郎教授、久留米大の木村登教授ら5人の専門医の協力でつくられた。
     その具体的な内容は次の通り。

      1. 味つけは薄味に、食塩をとりすぎないように。味つけだけでなく加工食品にも気をつける。即席ラーメン、つくだ煮、くん製などは食塩量が多い。
      2. 油は植物油で。コレステロールの少ない食品を。コレステロールの多い食品は、卵黄、タラコ、ウニ、レバー、エビなど。
      3. 主食をひかえめに。副食物は野菜と魚、肉をとりまぜて。肉や魚、とうふ、大豆などのタンパク質とほぼ同じくらいの野菜をとることが大切。
      4. 砂糖をとりすぎないように。チョコレート、和洋菓子、アイスクリーム、ハチミツ、市販ジュースなどはひかえめに。果物も果糖が多いので、あまりたくさんとりすぎないように。
      5. ふとりすぎないように気をつけましょう。食べすぎないようにゆっくりおかずから先に食事をする。やせるためには、市販の「やせる本」などで勝手にやらないで専門家の指導を受けるのがいい。
      6. 精神生活をさわやかに、ゆったりと。また適当な運動を。ストレスは血圧を上げ、たいへんよくない。たばこの吸いすぎも心筋梗塞を起こしやすい。

     この6ヵ条をさらに要約していえば、何を食べてもいいが量をとりすぎないこと、とくに塩分をひかえめにし、動物性脂肪をやめて植物油に切りかえること。



12. 動脈硬化 元気な子もご用心

     欧米風食生活が原因 脂肪分を3割以下に

      厚生省研究班調査

     元気そうな子どもたちにも動脈硬化の危険が忍びよっている。
     厚生省研究班のはじめての全国的な調査によると、動脈硬化の目安になる血液中のコレステロール値が高すぎる子どもが全体の4−27%おり、研究班は「食事指導など本格的な対策が必要」といっている。

     子どもの動脈硬化は欧米では10年ほど前から問題になっているが、日本ではここ1、2年の事。コレステロールはホルモンの元になったり、細胞の成分になるなどからだの発育には欠かせない物質だが、多すぎると血管の壁にたまり、動脈硬化の原因になりやすい。
     そこで、研究班はコレステロールの“要注意”の基準を血液100cc中2百ミリグラム以上とし、全国の小中学生を調べてみた。
     都立小児病院では、千人を測定した。
     コレステロール値は平均150−170だったが、二百以上の子どもも50人(5%)いた。
     このほか、日本医学部では693人中27人(4%)、阪大医学部では178人中16人(9%)、岩手医大では100人中12人(12%)、東京女子医大では333人中90人(27%)などのデータが出た。
     研究施設によって測定方法の違いによるパーセントのバラツキがあるが、研究班長の熊谷通夫・都立小児病院副院長は「子どもの動脈硬化がじわじわ広がっていることがはっきりした」という。
     この大きな原因は、欧米並みになってきた食生活らしい。
     バター、チーズ、牛乳、脂肪の多い肉類などを多く食べるようになったことが、体位の向上をもたらす一方で、コレステロール値を高くしているという。
     熊谷副院長は「動脈硬化の子どもがそのまま成人すると、青壮年期のうちから脳卒中や心筋こうそくを起こすのではないか」と心配する。
     動脈硬化を防ぐには食事療法が第一だ。
     50年秋に東京で開かれた国際動脈硬化学会でも「20歳ごろまでに身につけた食習慣は、その人の一生を支配する」として、子どものうちから食生活に気をつけるよう多くの学者が提案した。
     では、具体的には――。
     熊谷副院長は

    1. 理想体重を保つ
    2. 脂肪からとるカロリーを全体の3割以下にする
    3. 植物性脂肪を多くとる
    4. 砂糖を抑える
    などがポイント、と話している。

    (52・1・17 朝日)



13. 便秘と心臓発作

     便秘のために心臓発作がおこり、狭心症、心筋梗塞かと、驚かされることがある。
     便秘でできるガスが、大腸にたまり、横隔膜をおし上げ、その上にある心臓の調子をくるわすからだ(大食して胃が張っても同じことがある)。
     心臓に故障のあるばあいは、とくに便通に気をつけ、いつも快通をはかるべきだ。また、あやしい発作のばあい、腹がはっていれば、ともかく浣腸でもしてガスや便を出してみることだ。



14. 食物はつとめて家庭の手作りで(4)
前回参照

    手作りの心がけを生活各面におしすすめて
     これまでみてきたように毎日の食物は、時流に従って加工食品とりわけ既製食品に依存するのは極力さけて、つとめて原材料を買い入れて家庭で調理すること、また原材料も、野菜などのように非農家でも作れるものは、屋敷内外の余地を最大限に活用して自作することが大切です。
     というのは、実状こうつとめなければ、栄養を十分に、それも安全にまかなって、人生なにより大切な健康を保持増進することができないからです。
     が、こうつとめていると、所期通りに健康が増進するだけでなく、その派生効果として、この健康と共に人生なにより大切な愛情が家庭の間により深く培われ、また、とくに手作りの当人には、心の底からの喜びと生きがいが増し加わってきます。
     ところで生活は、モノにしてもサービスにしても多面にわたっていますが、めいめい個性的に、各面互いに関連し作用しあって全体的に統一して、実情その最も重要な根幹になっているのが食事です。
     従って、毎日の食物をつとめて家庭の手作りでまかなっていると、その心がけが生活各面に格別強く波及するので、そこは積極的におしすすめていくことが大切です。

     たとえば衣服は、あげて既製品に依存し、そして使い捨てにすることなく、ふつう家庭の手にかなう限り、材料を買い入れて縫製もし補修もし再生利用もするように、食住その他およそ生活に必要なモノは、つとめて家庭の手作りでまかなうわけです。
     また、病気にかかった場合、あげて病院まかせにすることなく、ふつう家庭で可能な限りの看護には身をもってあたるように、教養、娯楽その他およそ生活に必要なサービスは、万事人だのみにすることなく、実状家庭でできることは、つとめて家庭互いに身をもってあたるわけです。
     こうすれば、それだけ家事の手数がふえるので、あるいは多少ともカネがかせげなくなり、また、時流に従って遊び楽しめなくなるかも知れません。が、生計が実質的に安定もし豊かにもなり、そのうえ、カネでは買えない愛情がなおより深く培われ、また日々の生活に喜びが増し加わって、家庭が名実ともに生活の本拠になってきます。

    子どもには手を正しく上手に使うしつけを
     とはいっても、こうしたことは、なにぶん時流に逆行しているので、こうつとめていくには、その心がけと共に、それ相応に手作りの技能が必要であり、その習得には格別努力しなければなりません。
     が、ここではその工夫は省略して、ただひとこと言い添えておきたいのは、とくに子どもには、日常生活で道具が正しく上手に使えるように、シカと家庭でしつけることが実情格別重要であるということです。
     というのは、たとえば

      • 箸や鉛筆の持ち方や使い方が間違っている、
      • 小刀で鉛筆が削れないとか遊び道具が作れない、
      • ヒモがきちんと結べない、
      • 金槌で釘が打ちこめない、
      • ハサミやホウチョウがうまく使えない、

     というふうに、食事や学習が作業その他およそ日常生活に必要不可欠で、しかも、ごく基本的な道具が正しく上手に使いこなせない子どもが目立って多くなっているからです。
     ゆらい人間は「道具を使う動物」であって、手で道具を使うことが人間個有の生活文化の発達基源です。従って、生活に必要な基本的な道具が正しく上手に使えなければ、それだけ日常生活が不自由になります。そしてこれは、運動神経が発達する子どもの間にしつけなければ、あとでは容易に取り返せないだけでなく、心身全面にわたる正常な発達も阻害されます。

     従って、たとえば小刀を、子どもにもたせると危いからといって、学校からも家庭からも取り上げて、代わりに鉛筆削り機を備え付けるといったことは、機械文明と消費経済に禍わいされた、まことに愚かなことです。
     この小刀について大切なことは、子どもが使いこなしやすい性状のものをもたせて、鉛筆削りであれ遊び道具作りであれ、正しく上手に使えるように、そして安全に保管するようにしつけることです。
     そしてその間、小さなケガは何度かするでしょうが、その体験から後々大きなケガをしないコツを学ぶので、そこをシカとしつけることです。

     こうしたことは生活各面にわたって同様であって、およそ日常生活に必要な道具とりわけ基本的な道具は、子どもの間に正しく上手に使いこなせるようにしつけることが肝要なのです。
     そうして初めて、心身ともども正常に発達し、とりわけ自然の理法と対処の仕方を身をもって学習し、また、みずからモノを作る喜びを味わって、明るく生き生きと成長していくのです。
     なお念のため、とくに女の子どもには、実情そのうち一家の主婦になって炊事をあずかるので、年令に応じて炊事を手伝わせること、そしてその間、とくにその基本的な動作と、本当に身につく料理の味わいを体得させることが大切であって、これは女の子の家庭教育で最も重要な課題です。
    −おわり−
     

    (51・5・25)



15. 屑米の方がよい

     医学博士 遠藤 仁郎 

     邑久郡の池畑房明さんから、

    「屑米は普通の玄米に比し栄養が多い、というのですが、消化がよいというのですか。今年の稲作は青米が特に多いようで、農家では鶏の飼料にしたり捨てたりしています。私は(82才、玄米党)味が悪くても、消化がよく栄養の多いものなら、買うてでも食べたいと思いますが」
     というたよりをいただいた。
     これは、私がずっと以前本紙(52号 昭35・12)にのせた「くずものの効用」で、「屑米の方が上等米より栄養的にはすぐれている」」と書いたのを思い出されてのおたずねだった。

    上等米 よくふとった上米の大部分は胚乳部で、ここは殆んど澱粉ばかりだが、胚芽や胚皮(糠としてとり去られる)の部には大切なビタミン・ミネラルや蛋白質もある。
    屑米 胚乳部のみいりの悪いのが屑米だから、その大部分は胚芽と皮の部であり、したがって、大切な栄養分ばかりが、少なくとも、上等米にくらべその比率が高い。
     だから、栄養的には屑米の方が上等米よりずっとすぐれているわけだ(消化の点では玄米なみだが)。
     池畑さんの仰言るとおり、鶏にやったり捨ててしまうのはまことに勿体ない。
     味はよくはなかろうが、なんとか利用したいものだ。
    (51・12)



16. ハッカ

     鎮痙、健胃、通経の効がいわれ、本草綱目には、「邪毒を辟け労気を除く。」
     骨蒸・労熱(いずれも結核性の病気)や丹毒、また吐血・衂血など諸出血によい。
     本朝医談には、「三位法眼伝に、打身に用ふといへり。またいふ、婦人血の薬にはなすべからず。」
     食用としては、本草綱目に、「生食しう」(唐本)。「四季これを食ふがよし。」(土良)とあり、大和本草には、「生葉をきざみ、膾に加へ、又、煎茶・煖酒に和してのむ。本草にも茶に代へてのむと云えり。」
     救荒本草抜萃には、「葉と茎と炊ても煮ても漬物にしても食ふべし」とある。
     但し、「菜にして久く食すれば腎気を却く。」とか、「?たべると勃起を妨げ、精を溶して体を弱める。」(ヒポクラテス)とあり、「痩弱の人、久しく食ふべからず」(大和本草)と注意されている。
     どうやら、食べすぎると体力・精力を消耗するらしい。
     また、「よく婦人の乳汁を消す」(和蘭薬鏡)ともある。
     青汁には、少量を矯味料として加えるくらいが無難だろう。
     なお、「猫くらへば酔ふ。猫の酒なりといふ」(大和本草)
     南方先生によれば、「チクマハッカ、英語でキャットミント(猫の薄荷)。マタタビ同然、猫好むこと甚しく、かいだり、咬んだり、身を摺付けたり、終には転げ廻る。
     ホフマン説に、猫の様な人も、これを咬むと、怒って喧嘩をしだす。
     おとなしい刑事有りて、いつもこの草の根を噛み、焼糞になりて後、罪人を殺した、といふ」

    (南方熊楠全集七)



17. 便秘と喘息

     喘息や慢性気管支炎で、便秘すると、発作がおきやすく、治りにくい。
     ガスで横隔膜をおし上げ呼吸を妨げること。便秘や便秘食による血のにごりで、気管支の分泌物(痰)がふえることにもよるようだ。
     古方では、気道と腸とは相表裏するとしており、潟下によって気管支粘膜の腫れがひき、分泌(痰)がへるとの考えから、喘息や、痰の多いばあい下剤をかけている。
     少なくとも、毎日快通するよう注意したいものだ。それも、なるべく食事や運動によって。



18. 肝臓と便秘

     便秘すると、腸内でいろいろ有害な分解産物ができる。
     そして、排出されるガス(放屁)のほかは、すべて吸収されて肝臓におくられる。
     肝臓は、体外から来るものも、体内でできるものも、あらゆる有害有毒物を始末し、解毒する臓器なので、便秘すればそれだけ仕事がかさみ、過労状態に陥り、抵抗力をよわめることにもなる。
     肝臓の悪いとき尿に出るウロビリノゲン反応が、便秘の時にも出るが、これは、便秘するだけでも、肝臓がいくらかくたびれていることをしめすものであろう。
     そこで、肝臓をまもるためには、また、故障のあるばあいはなおさら、便通をよくし、負担をなるべく軽くすべきだ。
     古くから、肝臓病には、少なくとも1日1〜2回快通(むしろ下痢気味)がのぞましい、といわれているのはそのためであろう。
     しかも薬だけにたよらず、かならず、繊維にとみ、よくバランスのとれた完全食(なるべく安全食品ばかりの)、緑葉食・青汁、イモ・マメ・ナッパ・青汁食といったものと運動とによって。



19. 腎炎と便通

     腎炎でも便通はよい方がよい。それは、血がきれいな方が腎臓のためにはよいだろうし、大腸が、ある程度、腎臓の代りをしている(古くは、腎臓と腸とは相表裏するといって、互に代り合うとかんがえていた)という点からも、毎日快通、あるいは下痢(下痢によってでも)が望ましい。
     腎臓から尿が出なくなると(無尿)、やがて尿毒症で死ぬのだが、毎日数回の下痢がつづいて、一ヶ月以上ももったのをみたことがある。



20. 腎盂炎と便通

     原因はたいてい大腸菌で便秘性の婦人に多い。便秘があると、大腸菌が腸管から侵入しやすくなること。
     便秘や、便秘食による血のにごりで、抵抗力がよわることなどによるのであろう。
     治療にも、予防にも、便通をよくすることを忘れてはならない。



21. 青汁で便秘

     青汁をのむと、たいていは便通がよくなる。
     しかし、時に、かえって便秘する人がある。
     胃腸の吸収がよくなりすぎるためかも知れない。
     そういうばあい、なるべく繊維の多いものを食べること。主食は、玄米、全粒パン(ホールホイート)、豆、芋などにし、青ナッパを主にした野菜、山菜、海藻をうんとそえること。また、青汁のしぼりカスを食べたり、しぼらずに、すりつぶしたままの全部を食べてもよい。



22. 痔 通じが悪いと

     イボ痔(痔核)やキレ痔(痔裂)は、便秘が原因。
     糖分や精製穀食(白米飯、白パン、白メン類など)がすぎ、野菜・海草や果物類が不足すると、便の分量が少なく、硬くなり、便秘傾向になる。
     そこで、ひどく気張ることで、肛門部の静脉にうっ血してイボ痔ができる。
     かたい大きい便塊を、むりに出そうとすると、肛門部が裂ける。キレ痔。また、こういう食事ではバイ菌にたいする抵抗力がよわくなるので、感染をおこしやすく、肛門部が化膿し、深部に及び膿瘍(肛門周囲膿瘍)になると、破れて痔瘻になる。
     だから、どんな痔のばあいでも、まず、食べものを、緑葉食・青汁、イモ・マメ・ナッパ・青汁といった、繊維の十分ある(軟かすぎず硬すぎず、ちょうど頃合いの便になるよう)、また、栄養分の完全にそろった(バイ菌にたいする抵抗力の強くなる)食にすること。
     そして、運動その他、日常生活に注意して、毎日、あまり気張らずに排便するクセをつけることだ。



23. 91才の青木さん

     倉敷徒歩の会の最長老、青木さんは91才。
     なおかくしゃくとして、若い連中と一緒にいつも15.6キロの行程を歩るかれている。
     この青木さんは、長生きの秘訣らしいことは何も申されたことはないが、あるとき、「わしが今まで元気でいられるのは、子供の時からナッパばかり食べているからだと思う、よう虫はわかしたが」、とわらいながら話された。

    (51・12)



24. 社会に奉仕したい

    山形市 S.S. 

     初めて総会にお伺いしてから、今度で5年生になりました。
     第1年目は、先生に負けじと、早速、6月から畠を耕したものでした。
     今度は5年目ですので、3月末に、雪どけを待って深耕し、現在、大きな葉が出ており、総会前から自家用を飲めるようにまでなりました。
     土も5年前と全く変り、植え方もすっかり自信がつきました。
     あい間をみては、周囲の草を刈って、藁と台所屑とで堆肥作りをしており、1日4〜5回畠へ行きます。
     本当に馬鹿がつきます。青汁は全くよいことですので、一人でも多くの人々にすすめて、社会に奉仕をしたいと、毎年、心をあらたにしています。



25. 青汁と麦飯で糖尿完治

    ソウル J.K. 

     1964年以来の当地緑汁会の会員、鄭鐘九氏(盛岡高農・九大農学部出身、農学博士、現東国大学教授)は、糖尿病であったのが、青汁を64年春、夏、秋のんでから、糖尿も治り、以前には、冬には、絶えずカゼばかりひいていたのが、ひかないようになって、今も継続してのんでいます。
     青汁だけでは糖が絶滅は出来ませんでしたが、純麦飯を1年つづけたら(3年前に)、わざとお菓子類を沢山食べてから検尿しても、糖があらわれない相です。
     鄭博士は、30年来、醸造菌を培養していますが、米よりも麦がよく培養できるので、麦により一層消化素が多いからではないかと気づいて、試験したそうです。



26. 一米以上の積雪を除いて苗作り

    北海道 M.M. 

     7年間、青汁のみ頼りに生き続けております。毎年今頃(3月中頃)ケールの種子を頂だいて、一米以上の積雪を除き、ビニールハウスに苗床をつくり、6月中頃よりケールの高級青汁のお世話になります。出来上った苗を20人位に分けて栽培しています。



27. 体調よろし

    和歌山県 K.Y. 

     愚息、もう7ヶ月間、毎日かかさず600ccづつ服用いたし、このごろでは、大変体調がよいとよろこんでおります。
     この春いただきましたケール、大切にそだてまして、今では、1日に4〜5枚づつ取りまして、不足分は、主にハコベを加えております。



28. 毎日ゆかい

    茨城県 G.Y. 

     「青汁の効用」発刊と同時に愛読、実行しております。大変調子がよく、毎日ゆかいにくらしております。時々本棚より出して読ませていただいてます。



29. 質問箱 ニキビに泣かされて

    島根 N. 


     ニキビに泣かされています。青汁がよいそうですが。


     若さのシンボルも、うるさく出られるといささか憂うつ。
     糖分(菓子ことにチョコレート、味つけの砂糖)、肉類、白米飯をひかえ、野菜・果物を多く。
     緑葉食・青汁、イモ・マメ・ナッパ・青汁の少食。
     せめて青汁だけでもうんとのむ。便通をよくすること。



 コラム紹介

    つねに心を足に止(と)むれば、
    よく一切の病を治す

     摩訶止観



    医学の要旨は造做もないものだよ。
    君は大天地と小天地とを窮めるのだ。
    そして詰(つ)まる所は、矢張、
    神の思召どほりになるが儘にさせて置くのさ。
     ファウスト



    あいつも医者だから、
    薬がよくきくように禁厭(まじない)をして
    飲ませなくては気が済まないのです
     ファウスト



    万物一体の理(ことわり)を守らざる故
    万病生ず
    楠正成



    野獣の中に在っても、
    最も臆病なる動物が
    最も馴らし難い者なのである。
    之に反して勇猛にして自信強き野獣は
    却って人間に最も馴れ易き者である。
     プルターク



    ドイツの農民は馬鈴薯と亜麻油で働きつづけている
     ヒントヘーデ (宮入 食べ方問題)



    病に遭ふて後に強の宝為るを思ひ、
    乱に処して後に平の福為るを思ふは
    蚤智に非るなり。
    福を倖ふてその福の本為るを知り、
    生を貪って先づ其の死の因為るを知るは
    其れ卓見か
     菜根譚








ご意見・ご要望はこちらへクリック
階層リンク 田辺食品 青汁 健康と青汁 上の階層へ
サービスリンク 更新記録 全体構成 商品紹介 注文方法

Copyright 2006 02 田辺食品株式会社