<1976年7月15日発行 第239号>
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目次
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1. こどもの癌
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医学博士 遠藤 仁郎
現在、わが国幼少児の死因の第1位は事故。次が癌。
戦後間もないころ、アメリカにはこども専門の癌病院ができていると聞いてたまげたのは、ついこないだのことのように思い出されるが、何のことはない、日本も、もう、そこまで来てしまったのだ。
こどもの癌は、主に白血病。
その他、淋巴系や神経系のものなどで、ふつう大人にみられるような癌は殆んどない。
が、ともかく、どんどんふえており、まだ適確な療法もないままに、あたら、いたいけな生命が次々にうしなわれている。
環境汚染
原因には、遺伝ももちろんあろう。
けれども、やはり、主には環境性。発癌性の化学物質や、放射線の影響とされている。
つまり、わが国でも、そうした汚染がアメリカなみに、あるいはそれ以上になっていること。
また、こどもの体質も、アメリカなみに悪くなり、抵抗力がよわくなってきていること(欧米模倣により妊産婦やこどもの食をはじめとする日常生活が不自然不合理化された結果)によるのであろう。
抵抗力
発癌刺戟にたいする抵抗力は幼弱なものほどよわい。
切迫流産の治療のために用いた合成卵巣ホルモンのスチルベストロール(動物実験で乳癌や子宮癌ができることがわかっていた)で、母体には何の影響もなかったのに、生れた女児には、生後20年もたって(年頃になって)から、性器(膣)に発癌することが知られている。
また、グリセオフルビン(水虫薬)によるマウス(南京ネズミ)癌は、幼仔では、成獣のわずか4000分の1という微量でも発癌する。
これらは、ともに、いかに胎児や幼仔が、発癌刺戟にたいして感じやすい(抵抗力がよわい)かをしめすものだ。
また、胎仔の発癌剤にたいする反応も、胎生の時期によってちがい、早い時期(胎生の初めの1/4期)ではたいてい死亡(流産)し、次の1/4期では、奇形を生じ後半期では発癌する。
しかも体内ですでに発癌するものもあれば生後ある期間(潜伏期)をおいて(長短まちまちだが)発癌する。
つまり、後で癌になる下地をもって生れるわけであり、この下地(素因)のうえに、生後、同じあるいは別の発癌刺戟が加わると、いっそう発癌しやすくなる。
また、こどもの癌には先天異常をもつものが多い。
とすると、癌(こどもの癌はもとより、成人癌にしても)の芽ばえは、すでに幼時、ことに胎生時や乳児期において、あらかた形づくられており、その上に、その後くりかえされる発癌刺戟によって、ついに発癌するようになっているのかも知れない。
癌の予防
とすると、その予防は、なるべく早く、妊娠の初期から(性細胞の遺伝子への影響もあるだろうから、理想的にはもっと早く、両親の日常から)始められなければならない。
そして、それには、今のところ、
- 発癌刺戟を極力さけることと、
- 抵抗力のつよい、本当に健康なこどもをうみ、健康にそだてること、
しかない。
発癌刺戟
さて、発癌物質は、いまやいたるところ、大気にも、水にも、大地にも、食べものにも、職場にも家庭にもいっぱい。
しかし、妊産婦や乳幼児で問題になるのは、主に食べもの、および、精々、医薬品や放射線の害くらいであろう(職業上接触のさけられないものを除き)。
薬や放射線
薬品のうちにも、発癌性のあるもの、体内で発癌性になるものがあること、放射線に発癌性のあることは、よく知られているが、これらの害は、妊産婦や乳幼児が本当に健康で、医療をうける必要さえなければ、少しも問題にはならない。
また、本当に健康であれば、発癌にも抵抗しうるわけだが、そういう本当の健康のもとは正しい日常生活、ことに正しい食=安全で、栄養素の完全にそろい、バランスのよくとれた食にある。
食の合理化
すなわち、癌の予防は妊娠中から幼児期にかけての母・児食の合理化(安全化・完全化)から始められなければならないわけだ。
食の安全化
食品には、発癌性のあるものはもとより、危険な農畜水産用薬や、産業廃棄物、あるいは、各種の添加物や洗剤などに汚染されていたり、そのおそれのあるもの、ことに、加工食品、貯蔵食品、インスタント食品は、つとめて避け、なるべく、自然の安全食品をえらぶ。
それは、これら汚染物の中には、発癌性(発癌を原因したり、発癌をたすける)のあるものもあれば、それ自体には、直接発癌性はなくても、いわゆる複合汚染で、それら相互の間の作用によって、発癌性を生じたり、強めるものもあり、あるいは、大切な組織や臓器を傷害して、一般抵抗力をよわめ、関節に発癌をうながすように働らくかも知れないからだ(医薬品についても、同じことがいえる。)この意味からいって、現在市販の食品中には、まず、本当に安心して食べられるものはないわけだが、主食品では、米麦よりは雑穀、豆、芋。
蛋白食品では、肉、卵類よりは大豆もの、安全水域産の小魚が比較的安全であろう。
なお、発癌性を生ずるおそれのある調理法(肉類の焙焼、フライ油のつかい古しなど)、化学調味料の乱用などもさける。
食の完全化
バランスのよくとれた完全食には、主食品・蛋白食品にたいし十分(大凡そ2〜3倍)の良質ナッパが必要(もちろん農薬汚染のない安全なものでなければならない)。
そして、過度の加工(精製・調理)をさけ、調味はうすく、なるべく、自然にちかいかたちで食べる。
すなわち、緑葉食・青汁、イモ・マメ・ナッパ・青汁食といった自然食が適当であり(食の自然化)、あるいは、せめて青汁だけでもウント(1日3〜4合、もとのナッパ7、800〜1000グラム)飲むべきだ。
なお、嗜好品にも十分の注意が肝要。
嗜好品
果物
もっとも無難だが農薬汚染に注意。
菓子
食のバランスをみだし、体抵抗力に不利にはたらくだけでなく、安全性(添加物)にも問題がある。つとめて避ける。
コーヒー
発癌性がうたがわれている。控えめ。また、砂糖にぬき。
コーラ
同様疑問の多いもの。なるべく避ける。
酒
胎児の発育に悪影響。病弱児・奇形を原因する。禁。
タバコ
厳禁。発癌性がある。発育不良、奇形、病弱児を原因。こども部屋での喫煙も危険といわれている(間接喫煙)。
妊産婦食
妊娠の初期ほど危険は大きいので、妊娠と気づいてからでは、実は、もうおそい。理想的には平素から。少なくとも妊娠計画のはじめから、こうした安全で完全な食を中心とする合理的日常生活をおくれば、妊娠や分娩の障害を防ぐことができ、胎児の発育はよく、本当に健康なこどもをうむことができる。また、産後の経過は順調であり、母乳の分泌もよい。
乳児食
乳児の理想食は、健康な生母の乳を初乳からのますこと。母乳には免疫成分があり(初乳はとくに富んでいる)、感染予防だけでなく、癌防衛能もあるという。
幼児食
離乳後の幼時にも、同様の安全・完全食をあたえること(青汁だけでも余程ちがう)。
なお、幼児でとくに気をつけなければならないのは間食。いまでは、こどものお八つはほとんど菓子。
チョコレート、ケーキ、キャンデーなど、危険なものばかりになっている。
栄養のバランスをみだすうえ、添加物の害も加わる。
コーラ、ジュースや氷菓類また同じ。
これらにたいする無関心が、あるいは、こどもの癌多発の原因になっているのかも知れない。
なるべく安全なもの。イモ、マメ、コンブ、スルメ、あるいは手製の安全なものにしたい。
こうして、胎生期から乳児・幼児期をとおして、発癌物との接触をできるだけ避け、健康で抵抗力のつよいこどもをうみ、そだてるよう努めるならば、可愛いざかりのこどもを、むざむざ奪ってゆかれる悲劇も、そうそうはおこらないであろうし、その後の癌にしても、あるいは、もっと減らすことができるのではあるまいか。ともあれ、がん予防の第一歩は、妊娠中から幼児期にかけての母・児の食の合理化・自然化(安全・完全化)にあるといっても、少しもいいすぎではあるまい
(51・1)
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2. 西欧の砂糖消費
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1700年代初期の西欧では、砂糖の消費量は、年間わずか2キロ程度だったが、現在は50キロ。熱量の15〜20%を占めている。
イギリスでは、その%は、パン、小麦粉、肉、鶏、魚、牛乳、チーズ、卵などよりも多く、10代の子供では、実に、その熱量の50%にも及んでいる。
(J.Yudkin,Nature,1972.9.22号より)
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3. 野菜の硝酸塩
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野菜、ことに硝酸塩肥料を施用しているところに育った野菜には、硝酸塩が多い。
この野菜を室温におくと硝酸塩が、還元されて亜硝酸塩になり、アミン類と結合すると、発癌性のあるナイトロサミンになる。
というので、また、ナッパ、青汁にケチをつけるご人があらわれるかも知れない。
だが、ご安心下さい。
2〜4度という冷温に貯蔵すれば、この還元作用はおこらないし、ナッパに多いビタミンCにも同じ作用があるので、たとえ硝酸塩が多くても、少しも心配はない。
なお、有機質肥料による自然農法では、硝酸塩肥料のばあいにくらべ、もともと硝酸塩の量も少ないだろうから、いっそう問題はないわけだ。
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4. 薬は毒
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医学博士 遠藤 仁郎
このごろ、薬にたいする批判がかなりきびしくなって来た。
これは、よくは効くが、ともすると、ひどい副作用をおこす薬が多くなったこと。
そして、いささか、つかい過ぎの傾向がないではないこと、にもよるようだが、結局は、「薬は毒」ということを知らぬ、
薬好きの国民性が根本になっているのでないか。
きつい薬がふえた
私どもが医者になった当時(50年もまえのこと)の薬にも、危険なものがないわけではなかった。
しかし、問題になることは、ずっと少なかった。
いまは、すごくよく効く薬ができ、昔なおらなかった病気が治るようにもなった。
けれども、それだけに副作用もきつい。
薬は毒
だいたい、薬はすべて毒。
毒をもって毒を制しようというのが薬。
ごくふつうに使われているアスピリンのようなものでも、厳格には、決して無害ではない。
もともと栄養素で、本来無害の筈のビタミンやミネラルでも、薬となると、必ずしも安全とばかりはいえない。
まして、さいきんの新薬ともなればなおさらだ。
後からわかる
新薬が発売されるまでには、無論、くわしい検査が行われる。
しかし、動物の成績を人体にあてはめること自体すでに無理だし、メーカー側にしてみれば、発売を急ぐのあまり、どうしても、ききめの検査に重点がおかれ、副作用のほうは、発売後の広汎な使用(いわば人体実験)によって、はじめてはっきりする、といったことになりかねない。
(発売の当初には、無害だともてはやされていたのに、やがていろいろの副作用が出、ために、使用されなくなったものも少なくない)
使い方も変った
薬のつかい方もいささか無造作。
どこか調子がわるいと、当然つとめなければならない手当は、まるで怠って、何でも彼でも薬にたより、しかも、速効をもとめようとする気持、薬の多いのを喜ぶといった気持が、病人側や医者側にあることも否めない。
薬をつかうほど儲けが大きいようにできている今の医療制度も、たしかに問題。
薬治には主薬・補佐薬があり、それを、いろいろ組み合わすことは、昔も今も変りはない。
が、いぜんは、大抵、1日1〜2剤、精々3剤に調合され、1剤の分量もわりと少なく、水薬はもとより、散薬でも、よほど不機用なものでも、オブラート1〜2ヶで、らくにのめる程度だった。
いまは、殆んどの薬がメーカー品の錠剤やカプセル剤。
それを、あれこれとり合せるのだから、いきおい、数もふえ、かさばり、手提げ袋でもちはこびせねばならぬほどにもなるし、分量のこまかい加減もむつかしい。
それをのんで、胃・腸・肝その他がおかしくなったり、カブれたりすると、また、それぞれに応ずる薬が追加される。
そのうえ、皮下や筋肉注射。はては大層な点滴静注。欧米先進国では、10人診察して、薬を出すのは精々3〜4人。注射など殆んどしないそうだから、つかいすぎの傾向にある、といわれてもしかたあるまい。
医者だけの責任ではない
それにしても、病気を治すためには、これも止むをえない。
けれども、隣りの人には注射して、自分にやってくれぬのは差別待遇だ、とすごむ患者がいたり、私のように、薬はまるで出さなんだり、精々、むかし流儀のチョッピリだけの薬では、機嫌の悪い患者が少なくないのだから、薬の使いすぎも、決して医者や制度だけの責任ではない。
薬好きの原因
これは、文化程度のちがいによるものでもあろう。あるいは、高い保険料を払わされているんだ、病気せにやァ損だ、薬をのまにやァ、注射もさせにゃァ、という貧乏根性のせいかも知れない。
また、薬品メーカーのあくどい宣伝にふりまわされてい るためかも知れない。
が、結局は「薬は毒」という理解が足らないからではないか。
それはともかく、薬好きの原因の一つは、いまの、文化的という、あまりにも不合理・不自然な日常生活――環境の汚染、騒音、はげしい生存競争(精神的ストレス)、運動不足、不完全きわまる贅美食と有害有毒食品(精製穀・肉・卵・糖・脂食に傾き、ビタミン・ミネラル源である良質ナッパの欠乏した、そして、農薬・産業廃棄物や洗剤に汚染された食品、高度に加工され、危険な添加物いっぱいの既成食品)の氾濫。
タバコ、アルコール、薬品類の乱用といった――のため、実際に、国民の多くが不健康化され、薬なしには、しかも、きつい薬なしには、もたないからだになってしまっており、薬にたより、薬を有難がる気持が大きくなっているからであろう。
だから、根本的には、正しい食を中心とする日常生活の合理化・自然化によって、本当に健康な、薬のいらないからだになることが先決だ。そうすれば、たとえ、不幸にして病気しても、少々のことは薬なしでもすむし、少量の、しかも比較的無難な薬でも、こと足るから、厄介な副作用に悩まされることもなくなるだろう。
病弱だった私
私は、もと病弱だった。そして、大学でおしえられた通り高熱量・高蛋白食をつづけている間、ずっと不調。製薬会社のプロパの提供してくれる新薬の見本で、机はいつも一杯になっており、あれこれと、期待をかけてのんだり、注射したりもした。
けれども、全然だめ。それが、30年余りまえ(医者になって20年たった時)いまの緑葉食・青汁に切りかえてから、体調はしだいに好転。
いつか薬はいらなくなり、毎日のように出入りしているプロパも、まるで寄りつかなくなった。
机の上にも中にもサンプル一つなく、わが家の薬といえば、沃丁とエビオスだけ。
ともあれ、薬は毒。
いかによいといわれる薬でも、まこと、かなわぬ時だけに限るべきで、決してむやみにのむべきものではない。
まして、薬をのんで健康になろうなど、とてもかなわぬこと。
本当に健康になるには、「薬は毒」ということをよく心得、薬によってではなく、あやまった日常生活の建直しによるほかない、ということを銘記しておきたいものだ。
(49・11)
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5. 青汁食養生に精出すには(3) 生活と食事に実効的な配慮を
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前回参照 |
友成 左近
青汁食養生に精出しかねるのは、ひとつにはなにか余計なカネやテマがかかるように思うからでしょう。
が、ものは思いようで前二稿でみたように、まず広く生活と家計全般にわたって、そこでカンジンカナメなことはなにかと、よく考えた実効的な配慮をすれば、「イノチあってのモノダネ」と、生命を大切にして健康の保持増進に最大の関心をよせ、「食は命なり」と、食事と食費に最大の配慮を払うようになります。
そしてこの食事と食費について、そこで肝要なことはなにかと、よく考えて実効的に配慮すれば、「生命の源泉は緑葉」と、良質青野菜を(それも必ず安全なものを)十二分に食べて完全栄養をはかることに最大の配慮を払い、そこに必要なカネもテマもそうおしまないようになります。
良質青野菜の最も実効的な食べ方が青汁
ところで、良質青野菜を十二分に食べるには、人々ふつうの食習慣では、コマツナ程度のもので日に少なくとも500g(めいめい体重の1%)と、その10倍以上になります。
従って、これだけ多量のものを年間通して手に入れ、その成分が最高度に消化吸収するように、また胃腸をいためないように食べるには、それ相当の工夫が必要であって、実情その最も実効的な食べ方が、青汁にして飲むことです。
そしてこれは、人々ふつうの習慣や好みや世間の風習や流行とは少々かけはなれていますが、この意味をよく理解すれば、習慣や好みなどはタナあげして、それ相当にカネもテマもかけて飲むようになります。
良質青野菜でも生のままよくかむことが大切だが
広く野菜果物もさることながら良質青野菜でも(その大部分はゴワゴワもしアクッぽくもありますが)、口ざわりや味わいはともかく、成分を最高度に消化吸収し、また胃腸をいためないようにと、実効的に食べるには、生のまま(固いジクは取り除いて)よくかんで食べることが大切です。
といって、ふつうの大根葉や人参葉などのように刺激性が強いものやセンイが固いものは、それ相当に湯がいたり煮たきしなければなりません。
が、そうでないものまで、そんなことをすると、成分によっては、多少とも分解して無効になり、ゆで汁にとけ出て捨てたり煮汁にとけ出て食べ残したり、あるいは化学的に変質して消化吸収や吸収後の利用が劣ってきます。
また、よくかんで食べないと、大切な栄養分は固いセンイ組織のなかにあるので消化吸収が劣り、そのうえ胃腸をいためます。
なお、湯がいたり煮たきした場合(成分の損失防止のため、つとめて軽くするので)かえってシワくなって、生のままより(かみつぶしやすいように、ほどよく冷やしてピンとさせておくので)、口ざわりはよいようでも実は十分かみつぶせないことが多く、この点、漬け物はなおさらです。けれども、どんなに丈夫な歯で、時間も十分かけても、実情とうてい毎日必要量だけ十分食べることはできず、歯の悪い人や総入歯の人や、胃腸の弱い人では、なおさらです、私どもの経験では、丈夫な歯で一度に30分間以上かけても、コマツナ程度のもので、せいぜい100gか150gで、それ以上となると多少とも胃腸にこたえるようです。
そして、成分の優れているものほど、センイが固くて、かみつぶしにくいのが実状です。
青汁にすれば
そこで工夫されたのが青汁であって、ジューサー、ミキサー、ミンチ、スリバチなどで、よくすりつぶした後、汁だけしぼりとって、固いセンイは取り除いて飲むわけです。
こうすれば、250gの青野菜が1合、180gの青汁になります。
そしてこれには、もとの青野菜の栄養分が殆んどすべて(即刻利用できる生きた性状で)含まれており、また、栄養分ではないが便通その他に必要なセンイも相当量、胃腸をいためる心配はないほど、よくすりつぶされて残っています。
そしてこれなら、日に2合以上飲むのは、(少々まずいことさえ辛抱すれば)別にそうむずかしいことではないので、どんなに歯の悪い人でも、胃腸をいためることなく青野菜を必要なだけ十分食べることができます。
それだけではなく、どんなにセンイの固いものでも、さらに広く家畜の飼料でも使えるようになります。
従って、ふつうの青野菜だけでは年間通して必要量を確保するのは実状至難なのですが、家畜の飼料まで使えば、これには年間通して栽培もしやすく、坪あたり収量も多く、そのうえ成分も優れ味もよいものが多いので、年間通して必要量を確保するのに好都合です。
なおこのごろ、青汁といえばケール、というふうになっていますが、それは、もともと家畜の飼料であったケールが、こうした条件を最もよく備えているうえに、青汁を作るときのテマも少なくてすむので、これを使うようになって青汁が普及し始めたからです。
従って、青汁にケールだけを使う必要はなく、広くどんな青野菜でも飼料でも、良質であれば(そして刺激性がなければ)使ってけっこうであり、そうした方が実状より好都合です。
また、乾燥青汁にも今のところ主としてケールを使っているようですが、これも青汁にケールを使うようになってからです。
夏も冬も年間通して必要量を確保しようとすれば、春と秋には多量にできすぎてムダになるので、それを活用して良質で安全な青野菜が手に入りにくい人々、とりわけ寒冷積雪地方の人々に供給しようとしたわけです。
青汁食養上の第一要件
そこで青汁食養生では、まず第一に、良質青野菜を毎日必要量だけは青汁にして(ふつう人並の健康状態では500g・2合以上、なんぞ厄介な病気にかかっている場合は、それ以上に飲めるだけ沢山)飲むことを最大要件にしています。
それは、他のどんな食物ともちがって、実情どんなに沢山飲んでも(これまでの最高レコードは16合)別に差し障わりはなく、多ければ多いほど、よりいっそう本当に完全な栄養がはかれ、それだけ治癒力が強化するからです。
なお、この青汁には必ず安全なものを使うことにしています。
なにぶん人々ふつうの10倍以上も食べるので、農薬その他に汚染していると、その中毒症が起こるからです。
そしてそのうえで、安全な青野菜が手に入る
(つづく)
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6. これが古代食 自然食よりさらに原始的
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これが古代食 自然食よりさらに原始的
いまはやりの自然食よりさらに原始的な“古代食”という独特の食事法を研究、ご主人ともども80キロの巨体を1ヵ月半で54キロにへらした主婦がいる。そのうえ病気の巣のようだった体をカゼひとつひかぬ健康体に変えた。その効果を伝え聞いた人から問い合わせやら講習会の申し込みが殺到している。
疑問や不安の多い現代の食生活へのいわば警鐘ともとれるこの“古代食”とは、いったいどんな内容のものだろうか。
その主婦は東京都江戸川区松島1ノ42ノ13、平井小糸さん(55)。
古代の人間の食生活がそうだったように、食べものはなるべく火を使わず、自然のままの状態で食べる−のが古代食の大きな特徴だ。
たとえば、カキ、クリ、ウメ、サクラ、モモといった実のなる木(苗木を50センチ以上にならぬようにせっせと土の上の方の芽をつんで育てた若木)の新芽や葉、あるいはナガイモ(自然薯)、サツマイモ、アカメイモ、ショウガなどを鉢植えや水栽培にして、伸びてくる若い芽や柔らかい葉を生のまま食べ、野菜がわりにする。
主食は、玄米、ハトムギ、オノミを荒びきし、これにキビ、アワ、ソバ粉、ゴマなどまぜ、圧力ガマで3分間火を通し、まるめてハンバーグ風に焼いたもの。
味つけは少量の酒、うす口じょうゆ、ゴマ油で。食べるとき、大根おろしにいまごろならユズをしぼったものをかける。
おかずの中心は、豆類(大豆、アズキ、うずら豆、黒豆、インゲン、エンドウ、トラ豆など常時5、6種を砂糖を使わず柔らかに煮たもの)か、自家製のがんもどき(しぼった豆腐にシイタケ、ニンジン、ゴボウ、ゴマなど加えて揚げる)など植物性たんぱく質。
それに?ジャコやタタミイワシなど丸ごと食べられる小魚類?ヒジキ、ワカメなどの海草類?保存食各種(ユズとシソの実のみそ油あえ、大根、ミョウガ、ニンジンのピクルス、ラッキョウ酢漬、ウメ干し、マツバの焼ちゅう漬。このほかクルミやクリなどの木の実)。
ざっとこれだけのものが一食の中に組みこまれる。
平井さんは、1日2食で、主食は前記の材料を直径5センチ、厚さ1センチ程度の平たくまるめたものを2個(夜はキビダンゴにかえ、キナコと青ノリをふりかける)。
おかずの種類は多いがいずれもせいぜい二口ぐらいで食べきれる分量だ(そのかわり夜はややおかずをへらす)。
「新芽や若葉は生きたビタミンが豊富でしょ。
太陽と水だけで育てているから汚染の心配もない。
カキやクリの葉なら、5、6枚も食べればほかの野菜はいりません。
食べにくければうす口じょうゆにレモンかユズを絞ったのをつけて頂くと酢のもののような風味でおいしい」
ともいう。
ところで平井さんがこの古代食に取り組んだ動機は何か?もともと神戸で長年自動車学校を経営していた平井さん夫妻は、肉のうまい土地柄でありスタミナ保持を兼ねて好んで肉類を食べていた。
ところが中年すぎてから二人ともどんどん太り始め、ついにどちらも80キロの肥満体となり、とくに小糸さんは高血圧、糖尿病、すい臓、じん臓、肝臓みんないかれてしまった。
そのころ娘が結婚したのを機に、学校をたたんで夫妻で東京住まいを始めた。
5年前のこと。
「まず医者通いでした。でも医者は“努力してみるが、あなたの体が治る保証はしかねる”と見放されまして」
そんなら自分で治してみようと本屋で病気の治し方の本を買いこみ、必死になって実行してみたが、さっぱり効果なし。
そんな春のある日、庭に出たときカキの若芽にアリがむらがって夢中で食べているのを目撃。
「こんなに好んで食べているなら人間にだって・・・」
思わず手が出た。
平井さんは丹波の大江山近くの生まれ。
昔この山国のふるさとでは新芽を食べる郷土料理があったのを思い出したせいもある。
翌日、異変が起きた。
いつも便秘がちなのに、この朝は通じの調子がバカにいい。
味をしめてせっせと食べてみた。
どうだろう。快便のみかこれまで階段を2、3歩登ってもハアハア息苦しかったのに、さっさと足を運んでいる。
疲れを忘れ、黄色くにごっていた目がきれいになり、血色がよい。
いつのまにか体重がへって洋服もダブダブ。
「医師がふしぎだ、どうして治ったんだってきくんですよ」
これですっかり自信を得た平井さんが、自分のからだを実験台にしながら本格的につぎつぎ食事と調理法を研究していった。
しかしご主人の秀次郎さん(65)は「こんなものが食えるか」と強く抵抗を続け、夫婦ゲンカもしばしば。
が、ついに根負けし食べてみたら、やはり効果てきめん。
まずカゼをひかなくなり、持病のへんとうせんで高熱を出すこともなく、減量にも成功。
「頭の毛のうすくなったのが伸びだし、シラガまで黒くなっちゃったんですよ」
とうれしそうだ。
魚、肉、卵、牛乳、栽培野菜、それにかん詰め、インスタントもの、冷凍食品と、多彩な材料と調理法、味になれたいまの人々には、この“古代食”はいかにも味気ない感じがしそうだ。
が、平井さんはこういった。
「こういう自然な材料を自然な形で食べることになれれば、これこそほんとうの味だとわかるでしょう。第一、安い材料で食費も1日2百円程度。これでからだの血液がシンからきれいになるから、ハダもつやつやし、女性は真の健康美人に生まれ変われますよ」
(48・10・16 サンケイ)
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7. 世界の食糧
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福岡県 Y.M.
世界の生産食糧は、穀類として12億(無水物で10.6億)トン。
食糧として、体重の約4倍(平均一人あたり200キロ)の無水物が必要なので、1億トンで5億人分。
40億人で8億トン。
2億トンは残る勘定になるわけだ。
しかし、これを肉にかえると、約1/7になるので(100のものが15になる)、うまいものにして食べると不足してしまう。
(西丸震哉 医療 昭和50・11月号)
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8. モリエール
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モリエールが薬を欲しがらないのは、それ相当の理由があるんです。
薬は体力壮健、元気旺盛な人間だけの飲むべきもので、病気は勿論、薬にも耐へて行けるだけの人間が飲むべきだ。
と、さう彼は主張しています。
しかも、彼自身は、病気に耐へるだけが関の山で、とても薬まで耐へてゆけない健康状態なんですからね。
(モリエール 気で病む人 3・3 井上英二訳)
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9. 昭和51年度遠藤青汁の会
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愛媛県 K.Y.
総会便り
遠藤青汁の会総会が、かねて本紙でご案内の通りに開かれて、出席者約130名であった。
本会の運営は実情あげて先生ご夫妻に依存しているので、主要議題である昨年度の事業経過と決算も今年度の事業計画と予算も、出席者一同ご苦労を深謝して、提案通り異議なく承認議決した。
そして、主席者の最大期待である先生のお話と相互の体験発表に大部分の時間をあて、その間、本会最大眼目の青汁を飲み、また本会が最善の献立にしているイモ・マメ・ナッパで昼食を共にした。
なお、会場と青汁や昼食のサービスには、会場校の先生方と倉敷青汁教室の方々があたって下さった。
先生のお話と出席者の体験発表の一部を要約伝達すると次の通りである。
病気の療養にも予防にも健康の増進にも、毎日の食物で完全栄養を、それも安全にはかることが肝要であって、それにはコマツナやケールといった良質青野菜を安全に栽培したものが、それ相当量に必要不可欠であり、この食べ方としては、青汁にして飲むのが最も有効適切である。
というのは、他のどんな食物も成分があれこれと(主としてミネラルとビタミンが)不足しているが、ただひとつ良質青野菜だけに、すべての成分が、それも既知未知にわたって、もれなくそろっているうえに、他のどんな食物も、これをそれ相当量加えたら、ただそれだけで栄養がうまく調和するほど、各種のミネラルもビタミンも豊富であるからである。
ところで、この必要量は国民栄養の実情調査によれば、日に約500g(青汁にして2合)である。
が、「良質で安全な野菜」で作った青汁であれば、他のどんな食物ともちがって、実状どんなに沢山飲んでも少しも障害はなく、多々益々升ずるのであって、とりわけ難病の療養には、これに優るものはない、まことに重宝なものである。
といって毎日の食物には、これ以外のものも食べなければならないので、それには大豆や芋、あるいはこれに準じて栄養に調和をはかりやすく、しかも安全度の高いものが大切であって、極力ひかえなければならないのが白米と砂糖と市販の既成食品である。
もしこれを怠ると、少々青汁を飲んでいても思わぬ病気にかかることがある。
ところで青汁は、実状なんともまずいため、まだ有効な医療のない難病にかかっていても、とかく飲みずらいという思いが先立って、この意義をマトモに理解しようとせず、理解しても容易に飲み始めない人が多いのが実状である。
けれども、口先だけよりも全身の健康を分別して飲み始め、これでもかこれでもかと増量して(最高レコード16合)飲み続け、広く食養生にも心がけて、さしもの難病が軽快もし全治もしている人があるのも事実であって、いうなれば、ここに人生の明暗、それも生死の分岐点がある。
A氏は、 | 上アゴにできた治療至難のガンの手術を受けたが、日に6合以上飲んで食養生につとめたところ、術後のコバルト治療も十分うけて、しごく健康に5年が経過している。
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B氏は、 | 肛門周辺にできたガンを手術するために人工肛門をつけたが、日に9合以上飲んで食養生につとめているうちに、ガンが治ってきて、取り除く予定にしていた直腸も肛門もそのまま残して5年が経過し、しごく健康に毎日仕事に精が出ている。
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C氏は、 | 2年前に高血圧のため言語障害その他厄介な症状があらわれたが、日に4合以上飲んで食養生につとめたところ、血圧が正常になって症状も殆んどすべて快復し、体重が63kgから44kgにさがって、とまっていたメンスも始まり、毎日疲れ知らずに実業に精が出ている。
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D氏は、 | 日に3合以上飲んで人並はるかに健康にすごしていたところ、つい自信過剰になって、好きな酒を飲みすぎてか急性肝炎にかかり、ひどい黄疸がでて入院したが、早速禁酒して日に5合以上飲んで食養生に心がけた結果、食欲不振その他の肝炎症状が殆んど全くあらわれず、主治医が不審がるほど早期に快復して、以前と同様に家業に精が出ており、72才であるがセックスの満足感も若いころとほぼ同様である。
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E氏は、 | 生来心臓に不治の障害があって、日常生活も人並自由にはできかねていたが、日に4合以上飲んで食養生につとめ始めてからは、勤めも一応人並にできるようになった。
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出席者は実情全員、それぞれ程度の差こそあれ、こうしたことを体験しているしだいであって、これはいつに先生が30数年間、学界その他の無理解や非難にめげず、ひたすら調査研究もし、みずから体験もして、ご指導下さっているおかげであって、一同心から深謝すると共に、先生のよりいっそうの健康を念願し、お互い青汁食養生に精出して、来年も再会して健康を喜びあうことを約した。
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10. 台湾の民間醤油製造法
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これは蘇澳の呂百川氏からおしえていただいたもの。
「防腐剤を入れなくても腐らず、永久に保存でき、
保存が長いほどカラ味がうすくなり、香りが一層よくなる。
添加物のない無害でおいしい醤油ができる」
そうで、むこうでは、
「毎夏(6・7月頃)1回くりかえしてつくっている」とのこと。
これは、誰れにでも出来そうです。
安全食品運動の一つとして、この夏、日照りの強い土用ごろやってみようではありませんか。
製法
- 黒豆約22斤を水で洗い、鍋に入れ、適宜水を加え、食べられる程度にたく。
- 鍋からあげ、竹ザルにうすくひろげ、日のよく当る所で、時折かきまぜ、むらのないよう乾かす。
手でにぎり、はなして、豆が自然にバラけるのが手頃。
- 屋内の、比較的暗い所におき、カヤの葉(アンペラでもよい)でおおっておく。
1週間くらいで、豆全体に醗酵し、黄色いカビが生えて来る。
この際、温度が上りすぎないように注意し(高くなりすぎるとカビが黒くなりダメになる)、また冷えないよう(冷えすぎると醗酵しない)フトンをかぶせる。
- 醗酵の終った豆をザット洗い(省略してもよい)、大きな容器(低く平たいものがよい)へ、糯米(食べられる程度にたいた)4斤とまぜて入れ、全体を覆う程度に水を注ぐ。
約8時間して、水泡が立つころ、拇指と示指でつまんでみて、豆がすぐ砕ける程度にする。
- この調合を終った後、7斗入りの水カメに入れ、カメ一杯に水を入れ、塩20斤を加える。
- このカメを、日のよくあたる所におき、18日間太陽の照射をうける。
その間、毎朝1回、竹サオでかきまわす。
(水が太陽で熱くなったら、かきまわしてはならない)
雨天には雨のはいらぬよう蓋をし、天気になったら蓋をとり太陽にあてる。
- 木綿布でこし醤油の原液を分離し、鍋に入れカマドでたく。
沸騰すると泡が立つのでこれはとり除く。
原液が1/3くらい減ったところ(2/3残る)、液面にうすい塩のかたまりが出来る。
その時が頃合い。
これで製造は終了。
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11. 蛋白尿
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このごろ、学校の検診で蛋白尿の発見されることが多くなった。
蛋白尿が腎炎の症状だということも、慢性腎炎は不治の難病だということも、よく知られているので、蛋白があったと報らされた家族のおどろきはまことに大きい。
けれども、蛋白尿のすべてが腎炎のためではない。
一時的のものもあれば、全然心配のないものも少なくない。
少なくとも、蛋白尿すなわち腎炎ではない。
だから、まず、くわしい検査をうけること。
そして、たとえ、不幸にして、やはり腎炎だとわかっても、これまた軽重さまざま。
どんどん進行するのもあれば、悪くなるにしてもながくかかるもの、また、ながい間少しも変らぬものや、しだいによくなって行くものもある。
つまり、慢性腎炎かならずしも不治ではない。
なぜそうなるか、からだの条件にもよろうし、病気の性質にもよろう。
が、ともかく、一概に悲観・落胆せず、あくまで希望をもって、日常諸般のことがらについて、じん臓のためによくないことは、出切るだけ避けるか減らし、ためによいことは、できるだけ多くするようつとめる。
こうすることによって、少なくとも病勢の進行は緩和され、現状維持、あるいは、しだいに軽快、ついに完治することも、決して望みなきにあらずだ。
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12. 若年者の喫煙と肺癌
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13. 化学薬品と癌
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14. 年令と癌
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15. 急性肝炎に卓効
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岡大の学生F君が急性肝炎になり、大学で受診、即刻入院を要する、といわれたんだが、と、その友人のT君から相談をうけた。
岡大といえば、肝炎の研究で名の知れたところ。
そこでの診断だから、うっかりしたことはいえない。
しかし、T君の話のもようでは、どうやら、ごくふつうのものらしい。
そこで、肝炎治療の原則は、
- 有害有毒物(食物でも薬でも)を極力のぞくことと、
- 安全かつ完全な食をとること
に尽きる。
本人が本気でやる気なら、イモ・マメ・ナッパ・青汁食に徹すること。
もし、それで蛋白質の不足(肝炎には十分な供給が必要とされている)が気になるなら、安全な動物蛋白源として、伊部の青木氏(本会東備支部)の有精地卵(昔ながらの安全飼料による放し飼い)がよかろう、と話しておいた。
また、心配された郷里の親ごさんからも電話があったので、家庭でできるなら、下宿にいるよりはよいでしょう、とも答えておいた。
が、F君は、岡山の下宿の方が青汁をのむのに都合がよいというので、そのままやり出し、イモ・マメはもとより、青汁も毎日5〜6合以上ものんだ。
それを知った大学では、どんでもない、そんな無茶なことをやっていては死んでしまうぞと、再三入院を促がすというよりは、強制して来たそうだが、F君は頑として耳をかさず、徹底した青汁食をつづけた。
そして、薬ものまず、1本の注射もせずに、症状は日に日に好転。
1ヶ月ばかりで登校できるまでによくなったので、すっかり大学の鼻をあかした恰好になってしまった。
(51・1)
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16. 危ないといわれた脳卒中が
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三鷹市 A.T.
昨年9月5日、主人が脳卒中でたおれました時は、何よりも力強く頼りに思いましたのはケールの青汁でございました。
おかげさまで危ないとまでいわれましたが、入院もしないで自宅療養をしながら、薬のほかに、必死になってのませていただき、1ヶ月ちょっとで、その辺の散歩ができるようになり、現在では新橋のスタンドまで、約2時間を、一見、健康人と変らぬ調子で、通っております。
まだまだ曇り空とか雨の日は、右の手と足が重たく感じられるとのことですが、青汁はずっと続けようと存じております。
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17. とてものみたい
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日南市 S.H.
「青汁と健康」の本をもとめ、以来ずっと青汁をのんでおります。
初めはスリバチで、500グラムの(ハコベ、ヨメナ、クコ、キャベツなど)青葉をすりつぶし、1合8勺ほどとれましたので、1ヶ月のみました。
のみはじめて10日ぐらいの時、足がすこし軽くなったと、二度感じました。
それと、通じがあるようになりました。
1ヶ月ほどして、便が少なくなったので、なれるといけないのか、と思いました。
そのうち、夏分になり、お店が忙しくなりましたので、ミキサーにかえまして、今日にいたっております。
裏にたくさんあるアオシソ、イノコヅチ、コンフリーなど200g程、毎日3〜4合のんでおります。
1日でものまないと、とてものみたくなります。
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※ コンフリーの有害性について→
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18. 「弘益人間」の生き方
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ソウル J.K.
足掛け15年目をむかえました。
お蔭さまで、5年来苦しんだ高血圧症から解放されたのみならず、体質の改善によって、痔、水虫、化膿性疾患、疲労もなくなり、毎日健康に暮さしていただいております。
なるべく自然の摂理に沿った生き方。少しでも、他人のお役にたち、あるいは喜ばせることに生き甲斐を感ずる「弘益人間」の生き方を教えていただいたことに、仕合せを感じます。
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19. 疲れしらず
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東京都 Y.A.
昨年より会員に加えていただきましたが、例年ですと、夏季は、6月より体がだるく、十数年来、夏だけは栄養剤をつづけておりました。
今夏は、朝200ccのキャベツを主体の青汁で、疲れしらずに夏を越しました。
来夏はケール主体のをつくりたいと存じますので、種子をお願いします。
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20. レントゲンのかけすぎ
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いま、放射線学会で、医療被爆量(診断や治療の目的のためにかける放射線の量)が問題になっている。
つまり、かけすぎの問題だ。
国際放射防護委員会は、100万人が1年間に1ラド(レントゲン単位)の放射線を全身にうけると、白血病の発生が、予想される数より20人多くなり、それ以外の悪性腫瘍も、同率で増すだろう、と警告している。
1回の胃・十二指腸検査が940ミリラド、注腸検査は1184ミリラドであることをかんがえると、安易な気持で、こういう検査をたびたび行なうことは、慎しむべきである(平野長熙 長医雑47・3月号より)。
しかし、実際には、昭和35の調査で、全国のレントゲン撮影フイルム数は3700万枚だったが、10年後の昭和44には18000万枚と、約5倍にふえている(橋詰雅、日本医学放射線学会雑誌、47・11による)。
そして、この傾向はますます甚しくなりつつある。
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21. 大変好調
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22. 質問箱:痛風で悩んでいます
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徳島県 T.
問
痛風で悩んでいます。何の青汁がよろしいか教えて下さい。
答
質のよい材料からつくった青汁であれば、何でもよろしい。
青汁は、栄養のあやまりをなおして、栄養のまちがいのために悪くなっているからだの調子をよくしようというのがネライです。
どんな病気のばあいにも同じで、ふつうの食事に不足しているミネラルやビタミンにとんでいる、質のよいナッパの青汁であればよいとの考えからです。
くわしくは「青汁と健康」(主婦の友社発行)をごらんねがいます。
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コラム紹介
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人間は経験より学びしこと以外知ることなし
ウィーランド
かしこげなる人も、
人の上をのみ計りておのれをば知らざるなり。
我を知らずして外を知るといふ理あるべからず、
されば己を知るを物知れる人といふべし
つれつれくさ
人はその食する物たるのみ
フォイエルバッハ
病気も薬もともに自然にもとがあり、
それを発見して両者をうまくつなぎ合せることが医者の使命であり、
治療は自然と人間の調和を見出すにある
パラケルスス
太平御覧に、
穀気元気に勝つ、其人肥へて寿、
元気穀気に勝つ、其の人痩せて寿、
穀気少くて痩たる人の真気強きが上寿の相なり
医談抄
人を責むるに寛に己を責むるに厳なるべし
人を許すとも己を許すな
信仰は人間最上の財なり、
法を行へば楽をもたらす、
真締は諸味中の最良味にして
知によりて活くるを
最良の生活なりと人は云ふ
信仰によりて暴流を渡り
精勤によりて大海を(渡り)
精進を以て苦悩を越え
智慧によりて極浄となる
諸経要集
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