健康と青汁タイトル小 <1976年4月15日発行 第236号>
 目次




1. 心筋梗塞

     医学博士 遠藤 仁郎 

     心臓をやしなっている冠状動脈が凝血(血栓)で閉塞され、血行が杜絶しておこる。閉塞の場所、程度によって症状はまちまちだが、ひどいのは、たちまちにも生命をとられてしまう。欧米先進国では、いぜんから多かったが、近年はとくにふえ、中・高令層の死因の一位を占め、しだいに低年令層にもおよんで来ている。そして、おびただしい研究費がつぎこまれながら、原因にも、予防法にも、適確なものは、まだ、つかめていない。わが国では、私どもが大学を出たころ(50年まえだが)には、無い病気だ、といわれていた。また、最近まで、文明国の中では、もっとも少ない国とされていた。それが、戦後、生活様式の欧米化とともにふえはじめ、今では、どこにでもみられるようになった。そして、成人病検診が盛んになるにつれて、冠不全(冠状動脈の血行が完全でない)と診断をされ、今にも心筋梗塞にやられるのではないかと、ビクビクしている人も少なくない。

    原因はなにか
     冠状動脈に血栓ができるのは、冠状動脈が変化していること(動脈硬化)と、血液自体が凝固しやすくなっている(凝血亢進状態、いわば血のねばり)のためとであり、これらの変化のもっとも有力な原因として、血液脂肪の増加(高脂血症)があげられている。つまり、血液のコレステロールかトリグリセライド(中性脂肪)、またはそれらのともに増加しているものに、血栓ができやすく、心筋梗塞にかかる危険が大きい、といわれている。しかし、高脂血症があっても、かならず心筋梗塞がおこるわけではないし、血液脂肪を低めることで発病が防がれたり、減らすことができるともきまってはいない。また、反対に、血液脂肪はふつうでも、発病することが決して少なくはない。

    血液脂肪をへらす
     が、ともかく血液コレステロールや中性脂肪をへらすことがすすめられている。すなわち、食事中の脂肪の総量をへらすこと。コレステロールを増す飽和脂肪(牛・豚・羊脂・乳脂・ヤシ脂など)をへらし、コレステロールを増さないか減らす作用のある不飽和脂肪(液状の植物油)にかえること。中性脂肪を増す砂糖や蜂蜜、精製穀(白米飯・白パン・白メン類)の過食をさけること。あるいは、コレステロールや中性脂肪をへらす薬をのむ。

    それだけではない
     脂肪ことに飽和脂肪や、糖分のとり方をへらすことやコレステロールや中性脂肪降下剤で、血液脂肪はたしかにへり、心筋梗塞の発病が防がれ、あるいはおくらすともいわれてはいるが、必ずしもそうではない。すなわち、血液脂肪の増加だけが心筋梗塞の唯一の原因ではないわけだ。
     また、血液脂肪の増加にしても、ただ脂肪や糖分のとりすぎのためだけではなく、それらの代謝に異常があるからにきまっている。それは、心筋梗塞が、高血圧や糖尿病・肥満症など(いずれも合併することが多いもの)とともに、生活様式の欧米化――肉・卵・脂・糖・精製穀食にかたよった、栄養的には甚しく不完全な贅美食の飽食家、運動不足、ストレス過剰、タバコ・酒・薬の乱用傾向にある、したがって、いろいろの代謝の変調をまねき、悪血(血の濁り)を生じやすいものに多い、ことからも理解されよう。そして、心筋梗塞=冠状動脈の血栓の真因もまた、おそらくここにあるにそういない。なお、さいきんの環境汚染、有害有毒食品の氾濫もけっして無関係ではあるまい。

    予防するには
     とすると、本症の予防には(治療にも)、ただ血液脂肪だけでなく、すべての代謝が完全におこなわれるよう注意すべきであり、食を中心とする日常諸般事の合理化がとくに必要なわけだ。

      食の合理化(完全化・安全化=自然化)
       脂肪・糖質・蛋白質についてのバランスのみならず、ビタミン・ミネラル源として、つねに十分の良質ナッパを主体とする野菜・山菜・海藻・果物を配し、調理・調味、また嗜好品にも細心の注意をはらい、食全体としてバランスがよくとれていなければならない(完全食)。そして、なるべく自然の安全な食品のみをえらび、危険な産業廃棄物や添加物に汚染されていたり、そのおそれのあるもの、とくに加工食品・貯蔵食品はつとめてさけること(安全化)。すなわち、食の自然化が肝要。

        主食
         白米飯・白パン・白メンなど、精製食品はなるべくさけ、米なれば玄米。パンは黒パン、全穀パン。むしろ、雑穀(ソバ・トウモロコシ)、雑豆。さらによいのはイモ類。これらは、いずれもミネラル・ビタミンにとむこと、また繊維にとみ腸管内ビタミン合成に有利。また過食を防ぎ、通便をよくし、吸収を妨げ、したがって肥満・高血圧を防ぎ、血液コレステロールの低下作用もある。せめてこれらを混食し、なるべく少量(粗食少食)。

        蛋白食品
         陸棲動物(牛・豚・羊など)の肉、ことに肥肉はさけ、精々やせ肉の少量。鶏肉はまだよいらしい。むしろ魚介類。これまでわが国に少なかったのは、主に魚介類をとっていたからだといわれている。(かなりコレステロールの多いものもあるのだが)

          卵類
           鶏卵ことに卵黄、魚卵など、いずれもコレステロールが多い。

          乳類
           乳脂(クリーム)、バター、チーズなど、コレステロールが多い。脱脂乳やその製品がすすめられている。

         なお、家畜では(養鶏・養魚でも)、飼料の汚染、配合薬剤(肥肉剤ことにホルモン剤)。加工品にはさらに各種の添加物などに注意。この点、大豆やナッツ類など植物蛋白の利用が有利。これらの脂肪は、コレステロールを増さないばかりか、むしろ低下作用があり、心筋梗塞の蛋白源としてもっとも適している。もっとも、消化・吸収が劣っている点は考慮しなければならない。また、加工品ことに豆腐は、材料として抽油後の大豆粉がつかわれていること、凝固剤や添加物など、安全性にいささか疑問がないではない。

        野菜類
         野菜・山菜・海藻・果物類、ことに良質ナッパを十分にそえること。それは、そうすることによって減食しやすいこと、ビタミン・ミネラルにとんでおり(とくに良質ナッパ)、栄養のバランスがとれやすいので、すべての代謝がうまくおこなわれ、悪血(血の濁り)を去り、すべての細胞、組織、臓器の機能が円滑になると考えられるからだ。なお、これらに多いビタミンC、繊維、ペクチン、あるいはメシイン(十字科やネギ類にある)などには、いずれもコレステロール低下作用がある。また、キノコ、コンニャク、海草類にも同効がいわれている。
         
        調理
         なるべく簡単に。自然のままか、自然にちかいかたちで(生食)。調理に手がこむだけ、栄養分ことにミネラルやビタミン、繊維などが失われる。

          調味
           調味はうすく。
          食塩
           高血圧を原因。
          糖分
           血液脂肪を増し、肥満・高血圧を原因。
          脂肪
           動物脂肪、ことにバター(マーガリンも)、牛・豚脂をさけ、なるべく植物油(但しヤシ油をのぞく)にする。

        合理的食
         そこで、心筋梗塞の予防にたいしても、治療にたいしても、徹底した緑葉食・青汁、イモ・マメ・ナッパ・青汁食が適当とかんがえられる。また、せめて青汁だけでも、少なくとも一日3合以上(多いほどよい)は飲むべきである。なお、食量は全体としてなるべく控えめ、必要最小限にとどめ(少食)、食事回数は少ないよりは、むしろ少量づつ頻回にする方がよいらしい。つまり、古人のいう「少餐相接続すべし」(陶弘景)。

      嗜好品

        果物
         もっとも無難。農薬などの汚染のないものは皮ごと。但し、糖分のつよい乾果物には注意。

        菓子
         つとめてさける。血液脂肪を増し、肥満・高血圧・悪血を原因する。添加物の害。

        コーヒー
         コレステロールを増すこともあるので、なるべくさけ、一日1〜2杯はともかく、5杯以上、しかもうんと砂糖を入れてのむのは問題。茶には、そういうことはないという。但し紅茶は砂糖ぬき。


         実験データは一定していないが、毎日2合以上を、長期にわたってのんでいると、動脈硬化を促進することがないとはいえないという。アメリカのある病院で調べたところによると、酒と心筋梗塞との関係ははっきりしなかったそうだが。酒の種類、のみ方、また体質にもよることなので、一概にいえないだろう。飲まぬにこしたことはない。禁酒しないまでも、せめて節酒。

        タバコ
         厳に禁止すべきもの。血液脂肪を増し、動脈硬化をすすめる。ニコチンのためもあろうが、一酸化炭素その他にもよるらしい。狭心症の最良の治療法は何かの問題について、5ヶ国から集った心臓専門家の間で一致をみた意見は、「禁煙と体重減少につとめるよう忠告する」ということであった(Medical Tribuue,1972.11.2)。

      運動
       つとめて運動すること。心筋梗塞は、血圧の高いもの、肥満しているものに多いので、減食し運動して理想体重(身長センチ−100〜110キロ)を保つこと。血液コレステロールがへり、その他、すべての代謝も順調となり、悪血(血の濁り)がのぞかれる。脂肪にとんだ食事をしていても、肉体労働をしっかりやっていれば、動脈硬化の危険はかなり防がれるらしい。

      精神的の安定
       精神的ストレスがすぎ、神経の興奮、緊張がすぎても血が濁り、動脈硬化を原因する。てきぎのリラックスが肝要。

    なるべく早くから
     動脈硬化の徴候が出はじめるのは、だいたい5才から15才の間だという。完成した動脈硬化は、もうどうにもならないが、こうした初期の変化は、もちろん治しうる。だから、動脈硬化を防ぐためには、若い時から、なるべくは子供の頃からの注意が肝要。それどころか、乳児の時からはじめなければならぬ、とさえ警告されている。GNP世界第2といい気になって、アメリカの真似をしているわが国でも(さいきんの景気のおちこみで、いくぶんひきしまって来たかにはみえるが)、このままだと、おそらく、遠からず、同じ轍をふむことだろう。少なくとも、この節の子供のように、脂こい肉類、チーズ、バター、チョコレートやケーキばかり好んで食べ、肥満児の多くなっているのは、たしかに考えものだ。(50・5)



2. 訪台記(4)
前回参照

     医学博士 遠藤 仁郎 

    利生医院
     五結では林崑智先生(内科医院)を紹介された。病人はカゼ引き、腹いたといったものばかり、と謙遜されていたが、癌はやはり多い、とのことであった。

    鰻養殖池
     このあたりの海岸では、鰻の稚魚がよくとれる。大小の養鰻池が見かけられた。以前は日本の企業がずいぶん進出していたそうだ。

    ケール栽培予定地
     近くの丘陵地を指して、陳氏は、ここにケールを栽培するつもり、と語られた。あたり一面甘藷畑。日当りはもとより、水はけもよさそう。ケール栽培には条件がそろっている。あとで、仝氏には、台北で青汁スタンドを、との意向のあることを知ったが、なるほど、ここなら、鉄道の便もトラックの便もあり、輸送の面でも有利だろう。

    蘇澳
     雨中の蘇澳。旅館(金華大旅社)は呂氏宅のすぐ前。冷泉場のちかく。隠明寺先生夫妻と私共とは陳氏宅へ。陳氏は大理石砿山会社の社長。さすが、大理石づくめの邸宅。夕食には、陳夫人手づくりの豪華な福建料理を満喫。陳氏のご両親の健康相談後、呂氏宅訪問。
     おそくまで青汁の話。呂氏は、上記のように、肝硬変で見放されていたのが、夫人の献身的な協力を得て青汁食に精進。肝臓はすっかりよくなっている。しかし、今だに困っているのは、幼時にうけた左大腿の外傷のあとが、時々、ことに冷える時にひどく痛み出すこと。食事は、緑葉食の原則を忠実にまもっているが、青汁は、材料の都合で、精々一日2合程度しかのめないとのことなので、もっと大量。できれば3合以上、5合でも6合でものんでみてほしい。また下肢の静脈瘤で難義していられる夫人には、適度の運動、マッサージ、足を高くして臥ること、などのほか、糖分の制限、そして、ご主人同様、緑葉食・青汁への徹底をすすめておいた。

    蘇花臨海公路
     21日、小雨。今日のコース、蘇花臨海公路は、蘇澳から花連への唯一の交通路。海につき出た険岨な断崖をきりひらいた難路。一方通行で、途中2ヶ所で行きちがいの待ち合わせをするので、通行時間がきまっており、1日2〜3回しか通行できないうえ、土砂くずれがよくあり、昨日も交通は杜絶していた。早朝出発。もうバスやトラックが数珠つなぎになって出発をまっている。運転手の李君は、慎重を期して最後尾から行くといってくれる。雨のため展望はきかないが、かなり高い絶壁の上を走っているらしい。時折、恐る恐るのぞいてみたが、山裾は見えない。
     約2時間、跣しの子供(高砂族)の目立つ小部落につく。行き違いの車がならんでいる。再び断崖の道。約2時間、かなり大きい部落で小休止。そして、なにしおう清水断崖(清水山2407Mの山裾にあり400Mもあるという)にかかる。いくたびか肝を冷したが最後のあたりはトンネルになっており、ようやく安堵する。

    太魯閣
     平坦地にくだって走ることしばし、橋を渡って右折。丹塗りの門をくぐり、渓谷(立霧峡)そいに行けば、やがて太魯閣の絶景。細い渓流をはさんで両岸にそそり立つ断崖。雄大な天工の奇観。ただ唖然として見上げ見おろすばかり。その昔、総督が年に一度やって来たという天祥で昼食。

    崇徳国小
     ひきかえし、丹塗りの門より蘇花公路をすこし後戻りしたところにある。高砂族の小学校。物珍らしげに集って来る子供たち。いくらか栄養不良気味だが、顔だちはきりりとして目つきが鋭い。高砂族の特長だそうだ。

    阿美文化村
     3時すぎ花連着。やはり雨。大新大旅社に落つく。夕食(丸八という日本料理)後、阿美文化村の阿美族の踊り観賞。その土産店で、日本ではもう見られなくなった、二宮金次郎の薪を背負い本を読んでいる木彫りの像を見かけ、妙な気持になる。

    南まわり高雄まで
     22日、曇。蘇澳にひきかえし台北へ直行の予定であったが、夜来の雨で蘇花公路も、花連から台中への横貫公路もともに不通。空路は僅か1時間だが、天候不良で難色あり、南まわりで高雄に行き、明日台北へと、コースを変更、12時出発。東の海岸山脈と中央山脈との間をはしる鉄道(花連〜台東線)にそう農村地帯を一路南下。

    光復
     行くこと1時間ばかり。人・車道に共用している鉄道の鉄橋(台風で公路の橋が流れたためで、台東までに4ヶ所あった)の一つを渡ったところに徐氏の砕石工場がある。小休止。

    台風の爪あと
     南下するにつれ、台風の被害はしだいに甚しく、枝葉をもぎとられた並木、河原化してしまった農地、水の流れこんでいる公路など、いたるところに見かけられる。

    瑞陽
     駅前で小休止。このあたり、北回帰線が通っているわけだが、標識らしいものもない(西には嘉義ちかくにあった)。

    台東
     夕暮ちかく、並木の美しい台東着。夕食。6時出発。

    峠の小休止
     台東からは海岸を通っている筈だが、日が暮れて何も見えない。中央山脈をこえる峠の、くらがりの霧のたちこめた中で小休止。虫の声。夜鳥の声。ホタルもいる。

    西海岸
     くだり切った楓港から西海岸を北上。雨はあがり、かすかに水平線らしいものが見えかくれする。屏東あたり、東洋一のヤシ並木だそうだが、立ちならぶミキが通りすぎるだけ。夜半ちかく高雄着。訪台後はじめて中天の月を仰ぐ。六国大飯店宿泊。

    高雄〜台北
     23日、晴。7時出発。澄清湖公園。美しい塔、静かな湖。北上するにつれ工場がふえ、車がふえ、空気の濁りも感じられて来る(それほどに、東海岸はきれいだった)。台南、鄭成功廟と砦跡(赤嵌楼)。嘉義、回帰線標識。マンゴーの並木。彰化で昼食。八卦山の大仏。

    台中
     同行五十嵐氏、旧友と市政府前で感激の対面。新竹で小休止。台北着9時すぎ。

    感謝パーティー
     10時すぎから、華江川菜餐庁の四川料理で、滞台中お世話になった方々を囲んでの感謝パーティー。

    帰途
     24日、晴。午前中、植物園、国父紀念館、故宮博物院をかけ足見学。

    昼食
     日本料理車屋でお別れパーティー。王・徐・陳・林・張・李氏ら多数の見送りをうけ、6時松山空港発、帰途につく。(遠藤)



3. 台湾あれこれ(1)

     医学博士 遠藤 仁郎 

    田舎の家
     淡水からの北岸、基隆からの東海岸にかけての田舎には、頑丈なレンガつくりで、窓の少ない、低い家が多かった。暑くて雨の多い、うっとうしい気候の所には似つかわしくないこの造りは、風のためだろうか。南下して、高砂族の居住地区になると、しだいに、竹の多い家がめだつ。

    停止脚
     町では、どの家も、一階の通路に面した部分、つまり玄関まえが、三米ばかりあけてあり(2階はその上にある)、それがつづいて通路になっている。停止脚というんだそうだが、雨よけにも陽よけにもまことに都合よくできている。日光がつよくて雨の多い土地がら。生活の知恵というものであろう。

    道路
     台北には、自慢の三線道路がある。100米もあろうという立派なもの。人道車道をわかつ緑化帯も広々としている。郊外の道も、殆んど舗装されており、雨中のバス旅行もいたって快適だった。

    清潔な街路
     おどろいたのは街路も公園も清潔なこと。台北その他の大都市や観光地はもとより、観光客のめったに行きそうもない田舎の辺鄙なところでも、紙切れや果物の皮、タバコの吸殻が落ちてない。いたるところに、「消除葬乱人々(戸々ともある)有責」というポスターが貼ってあったり、台北のど真中の歩道橋には、大きな字で、「随地吐痰、抛棄紙屑果皮及煙テイ、毎次罰600元」(痰を吐いたり、紙屑・果物の皮・タバコ吸殻を捨てたものは罰金600元=日貨6000円)。と朱書してはあった。それにしても、いかに清潔をよびかけても、いつも馬耳東風。サッパリ実績はあがらず、どこへ行ってもゴミだらけの、どこやらの国とは大変なちがいだ。さすが、孔子の教の活きている国ということか。


     季節のせいか花は少ないようだった。それでも、仏桑花(ハイビスカス)はいたるところの庭や籬に美しい真紅の花をほこっていたし、それによく似た、しかしつぼんだままの紅い花やヒルガオに似たうす紫の花、南部では、純白のジンジャーが見うけられた。大きな莢果のついたネムノキの大木が並木になっていたが、どんな花がつくのだろうか。

    農村風景
     東海岸の中南部の大部分は、稲田、甘藷・甘蔗・パイン・落花生・トウモロコシなどの畑のつづくひなびた農村。ところどころには、草をはこんでいたり、子供を背にのせて荷車をひいている水牛がいる。水溜りのあちこちには、数百〜数千羽ものアヒルの群。時には、車の横をあるいて集る大集団もある、といったいかにものどかな田園風景。しかし、ひらけた西海岸は、広々とした農地だが、工場や車のふえて来たためとみえ、なんとなううすよごれている。

    街頭風景
     街には活気があふれ、人々の表情はあかるい。自動車もずいぶん走っている。が、バイク・自転車がめだち、歩行者も多い。服装は一般に質素のようだが、かなりカラフルな若い女性もある。蒋総統の存命中にくらべると、ずっとはでになっているんだそうだ。いたるところ、大書された、「反共復国 建設台湾」、「愛国必須反共、反共必須団結」「節約儲蓄 富家強国」などの標語が掲げられている。

    学校
     雙渓という田舎でみた中学校の校門まえには、大きな掲示板があって、中央に至聖先師の像、右に教育宗旨、左に教育目標がかかれてある。

    教育宗旨
     中華民国の教育は、三民主義に根拠し、以て、人民生活を充実し、社会生存を扶植し、国民生計を発展し、民族生命を延続するを目的と為す。務めて民族独立、民権普遍・民生発展、以て世界大同を促進するを期す。

    教育目標
     国民中学校の教育目標は、国民小学の基本教育を継続し、青年の身心を発展し、公民道徳を陶融し、民族文化を濯輸し、科学精神を培育し、職業陶冶を実施し、生活知能を充実し、以て、その学習・専業技能を奠定し、或いは、升学の基礎を継続し、並びに忠勇愛国の健全国民を養成するに在り。また、校庭には、礼明、義高、雪恥、国護、性養、身強、の標語板がたててあった。このほか、都鄙、小・中学、規模の大小(台北には児童数一万何千というマンモス小学校がある)の別なく、こういう標語が掲示されており、いかに当局が、心身ともに健全な次代の養成に力を注いでいるかをうかがうことができた。そして、知育のみにはしり、いや、ただ進学のためのつめこみ教育に終始してこと足れりとし、体育も、また、ことに徳育をもおろそかにし、人間形成の確乎とした目標をなくしてしまっている、現在のわが国の教育のむなしさを、しみじみ感じさせられたのは、私ひとりだけではあるまい。


次回参照

4. 台湾に青汁を

    長崎県 N.S. 

     「人は“食”の方法によって決する」とのマルクスの言葉は哲理ありと信じます。先生の長期に亘る「完全食」のご研究と、その実践を通じてのご指導に全く貴重なり、と敬慕しているのであります。この貴重な理論と実際を国政に反映させ、国民の心身の健康増進に供すべきであると、常に痛感しているのであります。
     然るに、資本主義社会の矛盾と申しましょうか、貨幣尊重経済社会の中毒症社会と申しましょうか、商業魔術にかきまわされている現代社会は、容易に改善されるようにも思われぬのであります。ところが、中共の共産社会と、自由資本主義社会の谷間におかれている台湾の現状において、自力更生の道を発見するとすれば、自由資本主義社会の“自由”と共産主義社会の“平等”を併有した、自由・平等の理想社会の建設にむかって努力することなりと、千年渡台の際、強調したのでありました。
     
     私は、このような意味から、台湾において、先ずもって、最高の経済的・健康的“食”の研究と実践を希望したいのであります。その具体的一つの実物見本として、台湾において四季豊産できうる桑葉・コンフリー、その他各種の緑粉原料を活用して、安価な緑粉の生産を、公営的形態におかれている製糖事業等に兼営させ、わが国より数歩前進している各種粉食に混用し、経済的・健康的“食”の改善の見本とする等々。
     あるいはまた、台湾に豊産するタピオカ粉を小麦粉代用とし、前記緑粉と生産性高き家鴨卵を原料とし、先生の賞揚されるグリーンマカロニーの研究など、価値高き適地適産の優良食品なりと思います。このように展開、開発するには、今回のご渡台を起点としていただき、さらに渡台旅行を反復していただき、緑葉の効果とともに、完全食の理論をご指導いただくことと思います。
     たとえば、青汁紙上に連載していただいています「こうしたら癌も防げるのでないか」とか、9月号の「精力をもたすには」などを資料としたり、その他数多くの事実と理論を資料として、官民をご指導いただくばあい、日本内地より一歩前進する可能性ありと、私は夢をいだいているのであります。

    日本より台湾に可能性高しと信ずる理由
     日本民族より漢民族が、一般大衆の“食”にたいする常識はすぐれている。このことは、各種の飲食料や菓子類などの実情をみても明かである。したがって、日本の指導層より、台湾の指導層が、実質主義であり、かつまた、学閥等の弊害・損失が少ないこと等々。孫文の言葉に、「知るは難く行うは易し」とあります。青汁や緑粉の効果を真に知るということは、実行以外にはないのでありましょう。日本の官僚指導で、青汁の効果を知り得ているものは殆んどありますまい。知識人をもって自認するインテリー官僚指導者たちは、読書を通して何でも知っていると錯覚しているが、実は何にも知らぬ、苦労知らずの3代目のボンボンたちである。とくに日本農業の混迷の禍根はここにあると、私は訴えつづけているのであります。

    (50・11・5)


    コンフリーについてのご注意



5. 青汁食養生に精出すには―真摯な心と安易な心について

     友成 左近 

     お互い縁あって、遠藤先生に師事して青汁食養生に精出していますが、始めて間もない人でも長年続けている人でも、それは並大抵の努力ではありません。というのはひとつには、その意義や方法をマトモに理解して、その通りに実行しようという真摯な心は確かにあるのですが、それでいて、とかく安易に自分の常識や習慣や好みや世間の風習や流行に引き流され、そこに間違いがあることが分かっていても、なお安逸もし執着もする心が根強いからです。そこでお互い、幸い青汁食養生に心がけたので、それにこれは、どんな病気の治療にも予防にも健康のよりいっそうの増進にも、最も有効適切な決め手であるので、できる限り真摯な心を守り立てて、安易な心に引き流されないようにしたく、そして自分の常識や習慣や好みも改善したいものですが、それには、しごく平凡なことながら、こう努力してはどうでしょうか。

    青汁食養生というのは
     まず念のため青汁食養生というのは、健康保持の最も重要な土台である完全栄養をねらったもので、まず第一に、ほかにどんな食物をどんなに工夫しても、そこに必要不可欠である良質青野菜を、それも必ず安全なものを、必要なだけ十二分に(習慣食では日に自分の体重の1%以上)食べること、その最も有効適切な食べ方として、それを青汁にして(500gを2カップにして)飲むことを最大要件にしています。
     そしてつぎに、その他の食物には、この青野菜が完全栄養によりいっそう有効になるように、成分がよりよくそろっていると共に、実状できるだけ安全なもの、たとえば大豆や芋などを重用して、そうでないもの、たとえば精白した米麦や筋肉部だけの肉魚や砂糖など、あるいは市販の加工・既製食品は極力ひかえることにしています。
     従ってこれは、人々ふつうの常識や習慣や好みや世間の風習や流行とはかけはなれているので、体験者に親身にすすめられても、この意義をマトモに理解することがむずかしく、多少は理解しても容易に実行しがたく、実行し始めても長続きしがたく、それ相当に長続きしていても、いつの間にかやめてしまうこともあるのが実情です。

    体験を重ね見聞を広めそのあとを総括して
     そこで、まず第一に肝要なことは、お互い多少とも理解して心がけたことを、これ幸いと、この最大要件である青汁を、毎日1カップといわず2カップ以上は飲み続けることです。そうすれば、どんなに飲みずらくても、またこの意義がまだよく分かっていなくても、これは、そうしたことには係わりのない生きた体の栄養理法に、最も的確に副い従っているので、やがては必ず、その効果が体にあらわれてきます。
     そこで、この体験をさらに積み重ねていくと、やがてはおのずと体が青汁を要求してくるようになります。が、ここで大切なことは、心を新たに、その意義の理解につとめて、この体験を知的に裏づけながら、その他の食物も改善していくことです。
     と共に大切なことは、この体験や理解を友人知人に伝えもし、すすめもすることです。そうすれば、そうした人々からも体験や理解を聞くことができるので、それに深く耳を傾けて見聞を広めることです。そして、こう努力していくとき、もうひとつ大切なことは、新たに体験もし理解もし見聞もしたことを総括して、よりいっそう精出していく足がかり手がかりを確かめもし把えもすることです。それまで自分の食事にどんな不行届や間違いがあり、ために体具合がどうであったが、それをどう改めたら体具合がどうなったか反省して、それではこれから、どこをどう改めようかと当面の努力目標をたてることです。

    しつこい安易な心を自他共に認容して
     ところが、こう努力していくとき人々だれでも、たえず安易な心がしつこくつきまとってくるので、とうてい真摯ひと筋にはいきません。が、「隣りの柿は赤い」といわれているように、とかく他の人はしごく真摯ひと筋に思われます。ために、どうして自分はこうだらしないのかと、心が内にこもって悲観もし苦悩もして、精出していく気力がめいってくることがあり、どうせロクに実行できないのであれば、「毒くわば皿まで」と投げ出して、かつての間違った習慣や好み通りに逆もどりすることもあります。
     そこで大切なことは、安易な心がしつこいのは、自分だけのことではなく人々だれにも共通しているのだ、打ち消してしまおうとしても、それはムリというものだと、人の心の実情を認めもし容しもすることです。そしてそのうえで、まえに体験したことを思い起こして、真摯な心も確かにあることを認めて守り立てて、安易な心に引き流されてしまわないように工夫することです。
     たとえば、つい青汁を飲み怠ったら、つぎにはその埋め合わせをしようと沢山飲むこと、ひかえようとしていた菓子などを沢山食べたら、毒を食べすぎた、その毒消しをしなければと、それだけ沢山青汁を飲むこと、あるいは、毒を食べすぎることがあるので、その予防にと、平素から必要以上に沢山飲むことです。
     なお念のため、これは人に青汁食養生をすすめるときにも同様であって、すすめた通りに実行してくれないからといって、ヤタラとせめたてたり、ダラシのない人だと投げ出したりしないことが大切です。また、人に見聞するとき、安易な心にどう対処して精出してきたか、その工夫に留意することが大切です。

    定期に集談会を開いて
     なおもうひとつ、倉敷その他で毎月定期に開いている青汁教室や年一度の青汁総会などの経験から言い添えたいのは、地域(支部)毎に青汁仲間が、できれば定期に集談会を開いては、ということです。青汁食養生に精出すには前記のように、その体験や理解を人に伝えたり聞いたりすることが大切ですが、ごく限られた人々の間で、たまたま出会ったときにだけしていては、どうしても不行届になり、モッタイなくもあるからです。そこで地域毎に、だれか世話人になって集談会を開いて、互いに精出してきた工夫や体験を話しあい、それを「健康と青汁」紙や遠藤先生の書物で読みとった理解で裏づけあうと共に、青汁と「イモ・マメ・ナッパ」で会食もして、青汁食養生の基本を実習しては、というわけです。



6. 若返りホルモンは危険ですョ

    ガンになる率は通常の5〜14倍
    米医学誌が発表

    【ニューヨーク9日ロイター=共同】若返りのためホルモン注射を受けたり、ホルモン薬を飲む中年女性は、子宮ガンにかかりやすい―こうしたショッキングな報告が米国の医学界誌に最近発表された。この報告は「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」の最近号に掲載されたもので、これによると、こうした女性がガンにかかる危険性は通常に比べて5−14倍に増えるという。
     一日に一箱のタバコを吸う人が肺ガンにかかる確率は、吸わない人の17倍といわれている。このホルモンはエストロゲンと呼ばれ、更年期に成ると子宮内で製造されなくなり、皮膚にしわができるなどの更年期障害の原因になる。このため特に米国では若返り法としてエストロゲン補給のためホルモン剤の注射や錠剤を飲む女性が増加する一方で、年間2500万人に達するという。
     報告によると、あまり太らず、糖尿病でもなく、また高血圧症といった一般的には子宮ガンにかかりにくい女性が、子宮ガンにかかる例が最近多くなっている。また不眠症、寝汗などの障害をなくすため、エストロゲン補給の治療を受ける金持ちの女性の間にも、子宮ガン患者が増えているという。ワシントン州立大学のバイス博士は「エストロゲンが更年期障害の軽減に効果があることはほとんど疑いがないので、ガンの危険性を、こうしたホルモン薬の効果とのかね合いで判断すべきだ」と語った。
     しかしホルモン薬の危険性が明らかにされたことは社会的に不安を与えるので、米連邦食品薬品局(FDA)は今月末に公聴会を開催する予定である。

    (50・12・11 山陽)



7. 海洋資源の消費

     日本人は魚をよく食べる。それも、世界中の漁獲高の1/6というのだから、大変なことだ。しかし、沿岸の漁獲はドンドン減って来ているし、北洋漁業も捕鯨も年々きびしく制限されて来た。やがて、今やかましく論議されている領海200海里が実施されるだろうから、ますます窮屈になることは必至だ。オキアミ、深海魚と、利用範囲はしだいに拡げられてはいるが、これらとて無限ではない。これら海洋資源の消費の合理化についても真剣にとり組まなければなるまい。(50・6)



8. 風疹には罹っておけ

     風疹(三日ハシカ)が大流行とか。この絶好のチャンスをのがさず、若い女性は、年頃の娘も幼い子供もみな、わざわざ見舞に行ってでも罹っておくべきだ。但し青汁を飲むことは忘れずに。



9. 癌リスク

     全国から選んだ29保健所管内の40歳以上の成人265,118人(国勢調査人口の91〜99%)について、1965年10月から1973年末までの満8年間の追跡観察成績によると、

      265,118人(男122,261人、女142,857人)中、

     8年間の死亡者は
      21,167人(男12,599人、女8,568人)で、

     死因別にみると、
      脳卒中  6,024人(男3,564人、女2,460人)、
      悪性新生物5,560人(男3,281人、女2,279人)、
      心臓疾患 2,926人(男1,675人、女1,251人)

      悪性新生物の部位別分布は、
      2,242571612子宮頚288直腸213
      210食道160大腸159泌尿器121乳房109
      白血病69膀胱8155鼻腔55悪性リンパ腫54
      44前立腺41皮膚40喉頭37卵巣37
      口腔33ホジキン病27骨髄腫3125甲状腺17

       全悪性新生物についてみると、もっとも著しくリスクを高めているのは、紙巻タバコの毎日喫煙であって、非喫煙者とくらべ、リスクを62%も高めている。

       もっとも低いリスクは、牛乳1日360ml飲用群にみられている。
            紙巻タバコ毎日喫煙(7.04倍)、
                 毎日飲酒(3.53倍)、
            熱い日本茶頻回飲用(2.85倍)、
       下咽頭の悪性新生物については、
            紙巻タバコ毎日喫煙(2.81倍)、
       食道の悪性新生物については、
            紙巻タバコ毎日喫煙(2.57倍)、
                 毎日飲酒(1.82倍)、
            熱い日本茶頻回飲用(1.67倍)、
       胃の悪性新生物については、
            紙巻タバコ毎日喫煙(1.51倍)、
            熱い日本茶頻回飲用(1.21倍)、
                魚毎日摂取(1.21倍)
       がそれぞれ有意にリスクを高めている。

       なお、食道の悪性新生物の場合は、
            緑黄色野菜毎日摂取(0.57)、
       胃の悪性新生物の場合は、
            牛乳一日360ml摂取(0.68)
       がそれぞれ、リスクを有意に低めていることが注目される。

      (国立がんセンター平山雄中外医薬 昭50・12月号より)



10. 体質だといわれても

     「体質だからしようがない」とよくいう。また、そう思いこんで、あきらめてしまっていることも、少なくない。しかしこの「体質」といわれるもの、ほんとうになおらないものばかりだろうか。
    体質ということ
     だいたい「体質」という言葉自体、はなはだあいまいで、いろいろの意味につかわれる。体質には、遺伝的のものと、胎内できまるもの。そして、生後の日常生活のあいだにでき上るものとがある。

    変らない体質
     遺伝的のもの。真に生れつきの性質。つまり、両親の精子、卵子でさだめられた性質。これは、もう、どうにもならない。また、受胎後、母胎内で生ずる性質。これも、おそらくどうにもなるまい(固定不変体質)。

    変わる体質
     しかし、生後の日常生活のあいだにうけるいろいろの影響――不良の環境(空気・水・土の汚染、騒音)、食のあやまり(不完全食、有害有毒食品)、運動の過不足、精神的ストレス過剰、タバコ・薬品(医薬品工業薬品その他)の乱用、などなど――不自然不合理な日常生活の諸悪条件によって生ずる性質。

     これらの性質には、日常生活を合理化し自然化し、諸悪条件をのぞきあらためることで防ぐことも、なおすこともできるものが少なくないように感じられる(可変可動体質)。
     もっとも、こういう性質は、厳格な意味では「体質」というべきものではないらしい。けれども、それを、うまく表現する適当な言葉がないので、ふつう、やはり「体質」といいならわしている。ために、真の体質(固定不変性の)と混線し、治る筈の性質も、真の(治らぬ)体質と混同されているようだ。
     そこで、たとえ「体質だ」、といわれても、すぐさま、「もうどうにもならぬ」となげてしまわず、ともかく、食を中心とする日常生活の建直し、合理化・自然化に徹底してみることだ、と私は思う。事実、また、そうすることによって、思いかけぬ効果をみることもある。(50・3)



11. バランスをとるにはナッパ

     バランスのとれた食事、調和のとれた食事とは、つまり栄養素が完全にそろっている(完全食)ということで、それが、健康を保つにも、病気の治りをよくするにも、きわめて大切であることはよく知られている。そのため、いろいろなことがいわれ、食べもののことはどうもむつかしくてと、多くの人の悩みのタネになっている。
     しかし、私は、ただ、良質ナッパさえ十分にそえればいいんだ、と簡単に割りきっている。それは、多くの食べものは栄養的に不完全で、なにか(主にミネラルやビタミン類だが)足らないものがある。けれども、良質ナッパだけは、すべての栄養分がそろっており、ことに、他のものに不足がちなビタミンやミネラル分にとんでいる。そして、どんなもののばあいでも、ともかく、この良質ナッパさえ十分(その分量はそれぞれの食べものによってちがうが)そえれば、すべての栄養分の、調和しバランスのとれた完全食にすることが出来る、からだ。



12. WHOが出した乳癌の統計

     WHOの最近の統計では、乳癌が35〜54才の婦人の主な死因となっている。これから推定すると、乳癌で死亡するものが1年に250,000人とみられる。西欧、北米では25人に一人の割で、この癌で死亡している。しかも20才以前に分娩した経験をもつ婦人のほうが、30才以後に初産を経験したものより乳癌にかかる率が低い。(医人薬人Vol.25 No.1 1976)



13. 血のネバリと心筋梗塞

     Lake及びDintenfass氏らによると、心電図に出る心筋梗塞の徴候は、血のネバリ(粘稠度)と関係がふかいようだ。(Lancet,No.29:1092,1975)



14. 変化が来ないのが不思議

    静岡県 K.K. 

     先日、私は、なにげなく書店で「青汁と健康」という本を読み、私たちも、自然食というものを見直さなければならないナ、と思いました。最近は、米にしろ野菜にしろ、すべて農薬を使用しまた、市販される食品(インスタント)も、すべて、化学調味料が使用されるうち、時代の進歩とともに、肉体もあまり使用しなくなった今日、人間の体に変化がおこって来ないのが不思議なくらいです。私も、医者から、若いのに動脈硬化をおこしている、といわれ、薬をのんでいるのですが、かんばしくありません。ケールの種子をいただけますればさいわいです。



15. 慢性腎炎に

    大阪府 K.W. 

     慢性腎炎の子供に、青汁を、この4月頃よりはじめはケール、ハコベなどで、一日に1合、9月ごろよりグリーンジュースの素を、1袋約一週間を加え、のませていますが、とても調子がよいようで、たいへんよろこんでいます。



16. からだがふるえるほど

    大阪市 Y.G. 

     これからは、また、泉佐野の方で、キャベツ外葉がボチボチ出る季節になります。今のところ、京菜、人参葉、セロリ、パセリ、レタスなどまぜ合わせて、少なくとも5合のんでいます。もう青汁なしでは、とても生きていることはできないくらいです。電車のまどからキャベツが見えると、からだがふるえるほど、たまらない気持になります。



17. 家族一同で愛飲

    愛媛県 S.N. 

     昨年暮よりグリンジュースを、家族一同で愛飲しております。子供など、よくカゼをひいておりました。学校でもトップにカゼをひき、心配しておりました。それが、今ではとても元気になり、カゼかなと思っても、おし通してしまいます。おかげさまで、本人もからだに自信がついたようでございます。主人も、からだにニキビがよく出来ておりましたが、今では、すべすべした皮膚となり、胃腸のぐあいがとてもよい、と申しております。本当に、よい事づくしで、朝などジュース作るのがおそくなると、催促いたします。



18. 81才至極元気

    大分市 H.N. 

     本月8日をもって81才を迎え、至極健康です。昭和38年、高血圧のため困っておりましたが、知人より青汁の話をきき、種子をもらって今日まで続けています。現在、血圧は150〜80程度で、かかりつけの先生も驚いております。なお、ご推奨のイモ・マメ・ナッパ食を主食とし、みな私自分でつくり、農薬使用は絶対いたしません。おかげを以って大変元気です。老人会の世話をしておりますので、会員にすすめますが長続きせんようです。



19. 自然の味がわかる

    尾張旭市 K.N. 

     半年前から、玄米食とともに、家族4人、青汁をつづけております。風邪をひいても、他の方にくらべて軽くすんでおりますし、自然の味がわかるようになりました。



20. 大豆の栄養と煮方

     大豆は“畑の肉”といわれるほどの栄養を含んでいる。牛肉と百g中の成分を比較してみると、タンパク質1.7倍、脂肪3倍、ビタミンB1 8倍、ビタミンB2 2.5倍、カロリーが3倍もある。
     このように栄養価の高い大豆も柔らかく煮上げなくては消化吸収率が悪くなり、せっかくの栄養価が生かせない。大豆を煮る前に1%の食塩水につけておく、つける時間は今ごろだと12時間、夏場はその半分の6時間程度で十分。この1%の食塩水は豆の組織をいためないで、組織の中によく水が浸透する。このようにして十分に水を吸収させてから弱火でゆっくりゆで、十分に柔らかくなったら、最初に砂糖を入れ、しばらく煮たあとしょうゆを入れ、煮上げるとよい。

    (山陽新聞)



21. 質問箱

    岡山県 A. 

     問
     ケールの葉についている虫や虫の卵は大丈夫ですか

     答
     大丈夫。全然心配ありません。たとえ、そのまま食べても、腹の中で虫になることはないし、すりつぶせばなおさら。また、これも立派な動物蛋白で、栄養上大いにプラスになります。



コラム紹介

    美味とは物にあるのでなく、
    味はふ舌に合うことである

    ロック

    味覚の喜びのために食事してはならない。
    単に身体が活動し得るだけに食事すべきである。
     ガーンディー

    恣の一字を去りて忍の一字を守るべし、
    慾を恣にすべからず、忍ぶべし、
    養生の要はよく忍ぶにあり、
    忍は身の宝なり
    養生訓



    大直は屈れるがごとく、
    大巧は拙のごとく、
    大弁は訥のごとし
    老子



    善く生を養ふ者は、
    起居を謹しみ、飲食を節し、関節を導引し、
    故を吐き新しきを納れ、
    己むことを得ずして薬を用ふる時は、
    其品の上性にして良以て久服するも害無かるべきものを撰べば
    則ち五臓和平にして寿命長し   
    張杲



    愛の光なき人生は無価値なり
    シルレル



    塩と酢と辛き物、この三味を多く食ふべからず
    養生訓








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