<1976年1月15日発行 第233号> | ||||||||||||||||||||||||||
目次 | ||||||||||||||||||||||||||
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1. 肉食の反省 | ||||||||||||||||||||||||||
医学博士 遠藤 仁郎
いま、肉食がすごくさかんだ。ことに、若い世代の人々の間で、そうだ。 これに反し植物蛋白は、 植物蛋白はみな劣るか では、植物蛋白は、みな、質的に劣ったものばかりだろうか。 なるほど、穀、芋、雑豆類の蛋白質はよくない(アミノ酸がそろっていない)。 けれども、大豆蛋白(ナッツ類、キノコ類も)は決して、そう劣ってはいないし、ナッパ類の蛋白質ともなれば、動物蛋白にくらべ少しも遜色はない。 そのうえ、良質ナッパはミネラル・ビタミンにとみ、蛋白質の利用効率がよくなるので、これを十分に添えることによって、そうでない場合にくらべ、蛋白質はずっと少量で足るようにもなる(節約効果)。 そこで、理論的には、植物蛋白でも栄養上何らの不都合もない。 で、どうしても動物蛋白でなければ、肉食でなければ、ならないという理由はない。 肉類は不完全食品 なお、食品としての価値(完全性)からみると、肉類は、獣鳥魚介のいずれにしても、いかにも蛋白源としてはすぐれており、熱量も相当だが、これらに釣り合うべきミネラル・ビタミンには甚だしく乏しい不完全食品だ。 したがって、その体内代謝は不完全なるをまぬかれず、いわゆる?血(血の濁り)を生じやすいわけで、これを完全な食品にするには、良質ナッパの2〜3倍量が必要(大豆は同量でよく、ナッパ自体はすべての栄養素をそなえた完全食品)。 安全性にも問題 そのうえ、安全性にも問題がある。 畜産物では、不健康な畜舎はさておくとしても、いま、殆んどの家畜飼料は、配合飼料ばかりで、有害有毒な農薬、産業廃棄物あるいはカビに汚染された穀、豆、魚粉、危険視されている石油酵母、肥肉薬(抗生剤、ホルモン、砒素など)、ついさきごろ禁止されたAF2さえ配合されているかも知れない。 また、乱用されている防疫用薬剤など。水産物では、さらに、水の汚濁(工場・鉱山の廃水、農薬、洗剤)。 そして、貯蔵・加工食品には、各種の添加物。 それらの中には、肝、腎、骨髄(血液をつくる)などをおかすもの、アレルギーをおこすもの、さらには、発癌性のあるものさえもあるから、決して100%安全とはいいきれない。 この点、大豆や緑葉など植物蛋白の方が、はるかに有利。 もっとも、加工品には若干の不安がないではないが。 たとえば、豆腐の主材料は、今では、油をぬきとったあとの大豆粉だが、その抽油のさいの溶媒につかわれる石油製品ヘキサン(発癌性がうたがわれている)や、凝固剤グリコノラクトン(同様の懸念がなくもない)の残留はないだろうか、という点。 また、ハム、ソーセージ、ミンチボールなどにつかわれている人造肉は大豆蛋白が原料だが、その製造過程でいろいろの薬がつかわれている。 食糧の浪費 となると、いよいよ、肉食しなければならぬという根拠はないわけで、結局、肉食が愛好されるのは、ただ味覚ゆえ、ということになりそうだ。しかも、家畜の飼料には莫大な食糧が浪費される。 いま、家畜の飼養をやめるなら、現在飢餓線上にさまよっている人口の数倍を救うことができると、いわれている。 このことは、世界人口の爆発的増加による食糧危機のさけばれている現在、もっとも戒心しなければならないことであろう。 それも、肉食が栄養上欠くことのできないものならばともかく、味覚を満足させるためだけの贅沢以外のものでないとすれば、それを敢てしている先進国の横暴は、人道上からも許さるべきではなかろうか。 ましてや、食糧や飼料の殆んどを輸入にたよっているわが国で、どうして、そうまでしても肉を食べなければならないのか。 肉食の弊害 なるほど肉食がさかんになるにつれて、青少年の体位は向上したといわれる。しかしその実、ただ、身長がのび、性的に早熟するようになっただけで、体力的にはかえって低下していることは、よく知られているとおり。 また、肉食は文明の尺度だともいわれているようだが、その弊害はしだいにハッキリして来ている。 もっとも目立ったものは心筋梗塞で、さいきんまでわが国にはない病気だった。 それが、戦後、生活の欧米化するにつれて、まず大都市、ついでは中小都市におよび、今では田舎の隅々にまで珍らしくなくなった。 4〜50年まえ、あるドイツ人の書いたものに、「今やドイツでは一大肉食実験が行われている。以前には決してこれほど大量の肉は食っていなかった」と出ていた。 当時は欧米でも今ほど肉は食っておらず、心筋梗塞もずっと少なかったらしい。 ところが、その肉食実験の結果、どんどんふえ出し、今や、もっとも忘れられている病気になっているわけだが、愚かにも、わが国はその轍を、そのまま踏もうとしている。 その他、癌、糖尿病、通風、結石症、アレルギー、癌、精神病、不妊症、妊娠異常、未熟児、心身障碍児などがふえ、また、これまで無かったか少なかった欧米先進国なみの難病・奇病がすごくふえつつある。 もちろん、これは、ただ肉食だけのためではあるまいが、要は、肉食を中心とする贅美食(精製穀、糖、脂)、アルコール、タバコ、コーヒーの乱用、運動不足、ストレス過剰。 といったいわゆる文明生活の所産であることにまちがいはあるまい。 猛反省すべきとき このように、肉食は、決していわれているように絶対不可欠のものではない。 また、古来、多くの先哲によって肉食の害が強調されているし、洋の東西を問わず、長寿者はすべて菜食者だともいわれている。 それはともあれ、世をあげて、ことに若い世代を風靡している肉食一辺倒の食生活は、このあたりで猛反省させるべきではなかろうか。 現に、アメリカでさえ、大豆にたいする関心が異常なほどにたかまっているという。 この意味からも、緑葉食・青汁、イモ・マメ・ナッパ・青汁食は、もっと注目さるべきであろう。とはいえ、私どもには、植物蛋白(大豆、ナッツ類、キノコ、緑葉など)だけに固執し、肉食を否定し排斥しようという気持は毛頭ないばかりか、緑葉食・青汁、イモ・マメ・ナッパ・青汁食に徹し、十分のナッパをとっていれば、栄養バランスの範囲内で、適宜、動物食(安全性を考慮しつつ)を加えて、少しも差支ないし、少なくとも、そうすることによって肉食によるケガはさけられるであろう、と考えている。 (50・2)
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2. 歩いてやせるには | ||||||||||||||||||||||||||
やせるために、毎日歩くことを1年以上つづけた11名の婦人について観察したGwinup氏によると、歩行だけでやせるためには、少なくとも、毎日30分以上あるかなければならない。 | ||||||||||||||||||||||||||
3. 健康土つくり(痕跡要素の補給) | ||||||||||||||||||||||||||
植物の生育に必要な肥料成分には、いわゆる主要成分(窒素・燐・加里・石灰・苦土など)のほかに、痕跡成分(痕跡要素)といわれるミネラル分がある。
などがある。 いずれも有力な総合的ミネラル供給法であるが、人手不足の甚しい現在の農家では、1)・2)ともに不可能。 いくらか可能性のあるのは、精々3)だけであろう。 しかも、薪や炭のつかわれなくなった今では、木灰の使用もまず不可能にちかい。 さて、緑肥・堆肥には、山野の草や若木の小枝、落葉、田畑の境界や畦畔の草、あるいは海・河・沼・湖の藻などが施用された。 山野の、ことに処女地の草木は、栽培物よりもミネラルにとむこと。 ことに根の深い草木は深層のミネラルをも吸収していること。 痕跡ミネラルは植物の種類によって含まれ方がちがっていることなどから、栽培物(稲わらなど)よりも山野自生の草木を種々とり合わせる、という昔の人のやり方は全く合理的であったわけだ。 また海藻は、すべてのミネラルにとむ海水中にそだつものだけに、あらゆるミネラルの良給源だ。 なお、これら緑肥・堆肥は、草木灰が単にミネラル補給に限られているに反し、同時に、土壌菌の繁殖をさかんにすることにも役立つので、より有利であり、主要成分源として糞尿・油粕・魚粉などが併用されれば、さらに有利なわけ。 以前(少なくとも30〜40年まえまで)は、肥料といえば、すべてこうしたものばかりで、その他には、石灰を施すだけ。化学肥料といったものは、少しもつかわれなかった。しかも、作物の出来はいつも上々。味もよかった(養分にとむ証拠)し、病虫害にも強かったので、今日のような猛毒性の農薬をつかう必要は、さらになかった。 そして、それを食べる家畜も人間も、頑健そのものだった。 これに戻すのだ。もっとも、その実行には莫大の量の材料を必要とし、小規模の家庭菜園はともかく、ひろく一般の実施には、ことに近接した採草地のないところでは、材料供給の点からだけでも容易なことではない。 けれども、国土の3/4は山であり、四面は海だ。もし国をあげて遊休山林原野の草木や海藻の利用をはかるならば、決して困難でも不可能でもあるまい。 粉砕し、細菌処理によって促成腐熟堆肥とし(粗材は動力源の燃料としその灰も利用)、適宜に圧縮、団塊にすれば輸送にも便利だ。 こうした堆肥を大々的に、かつ安価に製造、供給する機関の設置こそ目下の急務というものではないだろうか。 そして、いま一つ。少なくとも一米の天地返し可能の耕耘機を全国に配置し、全耕地に周期的(3〜数年に1回)の深耕を実施すること。 ともかく、こうして地力を回復強化し、化学肥料・農薬依存の、増産のみを目的とする不健康農法から脱却し、真に健康的な自然農法を復活、安全かつ良質の食品を供給しない限り、また、空気・水の公害にたいすると同様、すべての食糧についても(食品公害)、健康優先の方策(行政的にも企業的にも)が講じられない限り、わが国の運命は、やがて、国民の健康崩壊という破局に逢着することもさけられないであろう。 (45・8)
おことわり 本文は本紙185(47・1月)号に掲載したものですが、希望により再録しました。 (係) | ||||||||||||||||||||||||||
4. 訪台記 | ||||||||||||||||||||||||||
医学博士 遠藤 仁郎
3、4年まえから話のあった訪台。
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次回参照 | ||||||||||||||||||||||||||
5. 食べものがつまって窒息しそうなとき | ||||||||||||||||||||||||||
アメリカでは、毎日、10人くらい食べものをつまらせて死ぬものがあるそうだが、ドクターHeimlichは、次のような簡単な方法で助けることができると、発表している。 (Medical News,JAMA,1974.8.12.)
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6. オセチ料理 合成着色食品にご注意 | ||||||||||||||||||||||||||
シヤトル M.S.
食品に添加されている合成着色料、赤色104号の遺伝性毒性が問題になっているが、岡山県下で販売されている食品を対象に岡山県消費生活センターが最近、色素抽出テストをしたところ大半の食品に合成着色料が使用されていた。
−などの障害が出ており、厚生省で現在、安全性のテストが行われている真っ最中。 ほかでも「105、106号など百番台の合成着色料は催奇形性や代謝障害の懸念がある」といわれているとあっては全く恐ろしい限り。 実用的効果はほとんどゼロ これほどまでに合成着色料が食品に入り込んできた原因について岡山県消費生活センターは「一つには製造業者が売り上げを伸ばすため消費者の“目”に訴える商品づくりを進めたため」と指摘する。 普通、人間の食欲は、舌で味わう味とともに見た目に美しい“見栄え”にも大きく左右されがち。 その見栄えの決め手になるのが色素。このため、製造業者は消費者が喜ぶ商品づくりを進めたいあまりに毒々しい色素の合成着色料使用の食品をつくりだしたともいえそう。 もともと着色料には他の添加物の防腐剤などのような実用的な効用はほとんどない。 効用としては「服用薬剤などで誤飲を避けるため危険薬を区別する時色づけする効用がある程度」といわれる。にもかかわらず着色食品が伸びてきた背景には「いくら製造業者が商品づくりを進めたとはいえ、それら商品を無差別に受け入れてきた消費者にも一端の責任がある」と岡山県消費生活センターでは指摘している。 “品質表示”ラベルの確認を 今回の調査では対象品目にならなかったものの、ほかにもタラコ、ソーセージ、サケの切り身・・・など合成着色を使用している疑いの濃い食品は他にもいっぱいある。 この中で岡山県消費生活センターは、同センター展示室に代表的な合成着色料使用食品を展示して、一般消費者の注意を促すほか、機関紙を通じても合成着色料の啓発を進めていくことにしているが「その一番手として“品質表示”のラベルをよく見て購入する習慣を呼びかけたい」としている。 現在、合成着色料や人工甘味料など使用している食品は食品衛生法で品質表示が義務づけられ、ラベルなどで表示されているが「この表示を確認して購入している消費者はどのくらいいるだろうか」と同センター。 もっとも表示を確認していればこれまでいくども問題になっている合成着色料の添加食品などは避けていたはず。やはり無関心が“不要”な添加物を伸ばしてきた−ともいえそう。 岡山県消費生活センターでは「いま一度、梅干しやつけ物など本当の自然の色彩を確認、見直してはどうだろうか」と呼びかけている。 (50・7・4 山陽)
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7. 発がん物質、2日でチェック 微生物の突然変異利用 | ||||||||||||||||||||||||||
AF2やPCBなど年々新しく登場する化学物質に、果たして発がん性があるかないか――微生物を使ってそれを簡単にチェックする方法が、国立がんセンター研究所杉村隆所長らの手で開発された。 (10・1 朝日)
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8. 乳児にはまず母乳をつぎに青汁を(その一) | ||||||||||||||||||||||||||
友成 左近
造物主の手を出る時は凡ての物が善であるが、ルソーの教育小説「エミール」冒頭の一句で、その全編をつらぬいている中心思想ですが、わが国の教育には、とくに最近20年間、これを地でいっているようなところがあり、それは育児、わけてもその栄養面についても同様であって、ために病弱な乳幼児が目立って多くなっています。 そこで青汁仲間では、その是正を、早くから標題のように提唱しています。 病弱化の最大原因はまず第一に母乳軽視 病弱な乳幼児が最近目立って多くなったのは、まず第一に、ここ数年前から母乳運動が推進されているように、新生児の当初から粉ミルクに依存して、母乳を軽視する場合が著しく多くなったことです。 (なおもうひとつ、病弱になる素地をもって生まれる場合も多くなっているのですが、その最大原因は、母親の食物に、妊娠前はもとより妊娠してからも間違ったところが多いため、胎児の発育に必要な栄養が著しく不完全であるうえに、有害有毒物も少なくないことです。が、この食改善については、まだ母乳運動のように目立ったものがみあたらないようです。) というのは、乳児の健康な発育に必要な栄養には、母乳が唯一最適であるだけでなく必要不可欠であって、粉ミルクでは、母乳化などといって、どんなに改良したものでも、母乳わけても初乳の代用は不可能であるからです。 従って、粉ミルクに依存すれば、それも新生児の当初から依存し、そしてその度合が多ければ多いほど、健康な発育が妨げられ、わけても種々の病因に対する抵抗力がついてこないのです。 ために下痢、発熱、しっしん、便秘、嘔吐その他いろいろな病気にかかりやすく、死亡率も母乳栄養児より数倍も高くなっています。 そしてこの病弱化は、その後の養育では容易に取り返せないのです。 粉ミルクが母乳代用不可能なのは では粉ミルクが、どんな点で母乳代用が不可能なのか、 まず第一に、母乳わけても初乳には各種の病原菌に対する免疫が格別多いのですが、粉ミルクにはこの重要な成分が全く欠けています。ために大腸菌などにも感染して、ひどい下痢にかかる場合が多いのです。 第二に、母乳は各種の成分がうまくそろった最も完全な栄養食ですが、粉ミルクは、どんなに改良したものでも、あれこれと成分が不足しているうえに、各成分が量的にも不調和です。わけても糖分を多量に添加しているので、とかく肥満体になりやすく、また甘味が好きになって味覚の正常な発達が妨げられます。 (なお、この点について母親に大切なことは、妊娠中に必ず母乳を味わって、これより甘いもの塩からいものは健康な発育の妨げになると共に、味覚の正常的確な発達も妨げられるのだと、その基準を心得ておくことです。) 第三に、母乳の各成分は組成の点からも、また生のままである点からも、まだ発達していない乳児の消化器で、すべてうまく消化吸収するのですが、粉ミルクはこの点著しく劣っています。わけても蛋白質が、母乳と組成が異なっているので、未消化のまま吸収されて厄介なアレルギー体質になることがあります。 第四に、母乳は格別の事由がない限り最も安全なものですが、粉ミルクは、かつて砒素中毒その他の事故を引き起こしているように、乳牛飼育や粉ミルク加工で思わぬ有害有毒物がはいっていることがあるかも知れません。 (なお人によっては、母乳にPCBなどが残留しているからといって粉ミルクに依存していますが、この粉ミルクにも同様に残留していることを忘れた愚かなことであって、そこで大切なことは、必ず母乳で育てるのだと、妊娠中から食物をよく吟味して、有害有毒物は極力食べこまないようにすることです。) このほか母乳は、粉ミルクのように調乳や用器の消毒などの手数がかからず、必要に応じて、いつでも清潔に授乳することができます。また母乳を十分出すための食費などは、粉ミルク代よりケタちがいに少なく、さらに母乳をのませていると、母体の回復が順調にいきます。 もうひとつ、母乳をのませることで、母乳も乳児も精神的社会的に健全に成長します。 粉ミルク依存は栄養という自然の理法に違反 にもかかわらず、粉ミルクに依存して母乳を軽視する人が多くなったのは、戦後わが国の経済が回復成長して生活水準が向上し、まだ医療も進歩普及するにつれて(そして今のところ乳幼児死亡率は低下していますが)急増していることから、そこにいろいろな事由があげられましょう。 が、その基調は、この生活水準向上や医療進歩の主要条件であった科学技術の無分別な過信誤用であって、市場に流通してくる企業の加工製品がすばらしく、これを使うのが文化的であり、そして乳児は、大企業が科学技術を駆使して製造した粉ミルクで育てるのが文化的で、母乳などで育てるのは時代後れである、いった考え方です。 けれども、乳児が発育する生理栄養には、科学技術では操作できない自然の厳然とした理法があり、それに最も適合しているのが、出産と共に必ず自然に出てくる母乳であって、この母乳で乳児を育てるのが、その生理栄養の理法に副ったマトモな育て方です。 けれども粉ミルクは、もともと仔牛のための牛乳であって、(ふつうの食物としては最も優れたものではあっても)しょせん乳児の生理栄養には不自然なものであり、母乳化などといって、どんなに改良したものでも、とうてい母乳に代われるものではありません。 それに、科学技術には方法上きびしい限界があるうえに、製品化には企業経営上きびしい制約があるので、なおさらです。従って、こんな粉ミルクに依存して母乳を軽視するのは、乳児栄養の理法に違反していることであって、病弱化するのはその当然の帰給です。 乳児にはまずぜひ母乳をそれも必ず初乳から そこで乳児には、とくに新生児の間は母乳だけを、それも必ず初乳からのませることが肝要です。 そして、少なくとも2ヶ月いな3ヶ月間は必ず母乳をのませて(次稿でみるように青汁で栄養補足はするが)粉ミルクなどはのまさないこと、さらにその後も8ヶ月ないし10ヶ月ころまでは、なお母乳をのませながら補食して、その間に離乳の準備をすることが大切です。 というと、母乳がうまく出てこないときは、という人があるかも知れませんが、それは(まれにはあるでしょうが)本当に出てこないのではなく、妊娠中もさることながら、とくに出産後に栄養その他の手当を怠ると共に、ぜひ初乳からと本気になってのませないからです。 もうひとつ、労働条件その他で前記のような母乳哺育が困難な場合がありますが、そんな場合、最初からできないと決めてかかるのではなく、できるだけ前記に近づけるように最善の工夫と努力をすると共に、その改正を社会的政治的に推進することが大切です。 なお余談ながら、婚約、結婚、妊娠した方には、こうした母乳栄養をすすめると共に、お祝いのひとつに適切な手引書(たとえば松村龍雄著・光文社発行「母乳主義」など)を贈ってはどうでしょうか。 (つづく)
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次回参照 | ||||||||||||||||||||||||||
9. 中国の医療事情 | ||||||||||||||||||||||||||
関東労災病院耳鼻科の鳥山稔氏が東洋薬事誌(50・8月号)に中国医療事情をのせていられるが、次のように結ばれている。 「中国の診断は検査不充分であり、われわれを納得させるべき検査結果が充分でない」と中国側に伝えた。このとき常に中国側より返ってくる言葉は、 「医学の目的は疾病の診断ではなく治療であり予防である。中国はこの二つを最も重視し、そのために一般の農民、公民に充分疾病についての教育をおこなっている。現在のわが国の現状より考えると、病人は健康保険制度に毒されて、医師より薬をもらわないと損をするとか、医師のいいつけを充分守らずに治療効果のみを期待する。 そして人の生命の尊厳を常日頃はお互に考えずに、医療事故でもあれば、権利意識ばかりが強くなっている。 この点中国では、医者が苦労して自分を治療してくれるならば、自分も病気に対して闘争をしなければならないといった社会状態である。 また医師についても中国では、「はだしの医者」であろうが医者であろうが給料には差はない。 ただ、より苦労をして働いている病人にどれだけ役立つかといった点が、医師の社会的尊厳の判断にある。 こうした社会の状態が全くことなった国において、中国の医療がそのままわが国で行なえるものとは考えていない。 しかし医師の側にも、患者の側にも、我々日本人は、もう一度反省すべきことがあるのではないかと考えた。 | ||||||||||||||||||||||||||
10. 茶がらの利用 | ||||||||||||||||||||||||||
上茶は春さきの新芽を乾燥したもの。その茶がらはやわらかくて、とても食べよい。捨てるのは勿体ない。ずいぶん前のこと、これをテンプラにすることを、青森の白井雄作氏からおしえてもらったが、仲々うまい。 | ||||||||||||||||||||||||||
11. 完全度の目安 | ||||||||||||||||||||||||||
食品の栄養価は、成分表を見ればわかる。しかし、それには個々の栄養素の数値があげてあるだけで、全体としての完全度については、ちょっと見当がつきにくい。 | ||||||||||||||||||||||||||
12. 肥満体解消の極意は!! 逆効果の食事抜き | ||||||||||||||||||||||||||
浜田市 G.O.
【京都】食事を抜いてやせようとするのは逆効果、やせたい人は何回にも分けて食べる方がよいー | ||||||||||||||||||||||||||
13. ある牧師さんの話 | ||||||||||||||||||||||||||
シアトル M.S.
昨日、教会の牧師さんのお話を、大変おもしろく聞きました。
米国の金持は、みなジュー(ユダヤ人)で、金について損得に目はなく、とったら最後、絶対出さん。 そのため、ヒトラーが鬼になった心がわかるでしょう。戦争をはじめて、ひぼしにし、ジューを皆殺しし(出来るだけ)たのも、自分の人民の命にかかわることだっただけ、その恨みは強かったわけですね。 どんなに米国をうらみ、くやしかったことだろう、と思う。これ見よがしに、ひぼしにして見せつけたのです。米国のジューは日米協定でウンと儲けたから、日本様々で、おべっかつかっている。 ベトナムの戦争も、10年まえにやめていた筈。フォード大統領が、平和、平和といっていて、大きな爆弾おとして、3マイル四方の獣から人間を皆殺しした。 そして、平和、平和を、キッシンジャーとともに口にして、真の平和がどこにあるか、それはない。高い税をとりたてて人民を泣かしている。どこにも平和はない。米国が無傷でいられるわけがない」 というのです。 この牧師さんくらい、よく本当のことを話した人はありません。
というのです。
というのです。
というのです。私も同感でした。 | ||||||||||||||||||||||||||
14. ウンとやせた | ||||||||||||||||||||||||||
1、K夫人(岡山) 2、Y夫人(玉島) 20才の時、腎炎。そのためか10年来、高血圧(最高250)。 結代があり、動悸も強かった。 昨年3月15日、卒中発作、ものがいえなくなり、20日間入院。7月の青汁教室いらい、熱心にイモ・マメ・ナッパ青汁食実行。 青汁は毎日5〜6合のんだ。発病当時体重は65キロだったが、約1年たった今45キロ。 血圧正常、結代なし。いつも小走りに歩くようにしているが、動悸もない。 ある事務所につとめているが、階段を走り上ることもできる。ケール畑の仕事もさかんにやっている。 さいきん、病院で腎臓の検査をしてもらったが、機能は完全だ、といわれた。 なお、いぜんは、鼻がよくつまっていたが、すっかり通りがよくなった。 | ||||||||||||||||||||||||||
15. 心筋梗塞好調 | ||||||||||||||||||||||||||
岡山県 T.K.
本年6月より、成羽町の田辺様のご指導で、青汁をのみ、2ヶ月になります。 | ||||||||||||||||||||||||||
16. 慢性中耳炎全治 | ||||||||||||||||||||||||||
岐阜県 M.S.
ながく慢性中耳炎にて困難いたしまして、病院にも通っておりましたが、青汁服用いたしまして、3月目より、あの困難いたしました膿が少量になり、4月目より全治いたし、家内一同大喜びです。 | ||||||||||||||||||||||||||
17. 質問箱 | ||||||||||||||||||||||||||
問 | ||||||||||||||||||||||||||
コラム紹介 | ||||||||||||||||||||||||||
言語を少くし、 養生訓 御神誡御7ケ条 日々家内心得之事(にちにちかないこころえのこと) 右之條々常(みぎのぜうぜうつね)に忘(わす)るべからず 恐(おそ)るべしく恐(おそ)るべし 立向(たちむか)ふ人(ひと)の心(こころ)は鏡(かがみ)なり 己(おの)が姿(すがた)を移(うつ)してや見(み)ん 知れるを知るとなし、 知らざるを知らずとせよ、 是れ知るなり。 論語
学んで人をとがめざるに至らば、 学の至りなり 正蒙
欠点を改め、あやまちを償うことは、最高の幸福である。 ゲーテ
動物が健康であるためには土壌が健康に保たれねばならぬ。 同じことは人間についてもいえる。 土壌の科学は明日の医学である予防医学の基本だ。 ヴォアサン
こどもは自然的・野性的にそだてること。 完備した暖冷房ほどこどものためにならぬものはない。 あらゆる点で過保護ということほどこどもを毒すものはない。 聖記経に云ふ。 それ、一日の道、朝飽き夕飢え、 一月の道、盛衰を失はず、 一歳の道、夏痩せ冬肥え、 百才の道、穀食米を節す、 千才の道、独男無女。 これを長生久視という。 (医心方) | ||||||||||||||||||||||||||
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