健康と青汁タイトル小  <1975年10月15日発行 第230号>
 目次




1. 慢性肝炎

     医学博士 遠藤 仁郎 

     慢性肝炎は治りにくい。やがては肝硬変になる。
     というので、慢性肝炎といわれただけでも、少なからずショックをうける。
     ましてや、肝硬変になりかかっているなどといわれると、スッカリ気落ちしまうのも、無理はない。
     しかし、慢性肝炎は、かならず肝硬変になるときまっているわけではない。なるにしても、その経過はまちまち。ドンドン進行するのもあれば、随分ながくかかるのもある。
     また、肝硬変にしても、もうどうにもならない末期のものから、ごく初期の軽いものまである。昔は、進行して、腹に水がたまるほどにならなければ診断がつかなかったが、今は、ごく初期のものでも診断されるようになっているからだ。
     そこで、同じ肝硬変でも、今のは、ずっと治る可能性は大きいわけだ。

    抵抗力しだい
     さて、肝炎の経過にそのような違いがあるのには、いろいろの条件が関係しているが、要は、肝炎をおこしたり、悪くする傷害因子と、これに対抗し、回復しようとする抵抗力とのバランスできまる、といえよう。

    回復力の強い臓器
     肝臓はからだの中で、もっとも大きい臓器で、回復能もさかん。
     動物実験で、肝臓を何分の1かに切りとっても、やがて、もと通りに回復(再生)して来る。
     ギリシャ神話に、アトラスが、ジュピターにそむいて捕えられ、罰としてオリンポスの山上で鎖につながれ、地球を背負わされる。そこへ禿鷲がやって来て、肝臓を食い出すが、いくら食っても、後から後から出来てくる、という話がある。それほど肝臓は再生能がつよい。
     だから、たとえ慢性肝炎であろうが、肝硬変のはじまりであろうが、条件をよくしておけば(不利な条件をへらし、有利な条件をふやす)、病気の進行をとどめ、回復にむかわせることも不可能ではない筈だ。

    肝炎は近頃ふえた。
     肝臓の病気は、いぜんはこう多くはなかった。
     私が大学を出たところ(50年まえ)には、春さきに黄疸になる人が多少あるくらいで、肝硬変などはたまに入院して来るという程度で、肝炎という言葉さえまだ無かった。
     それが、終戦後からふえだし、さいきんは、物凄く多くなった。

    どうしてそうなったか
     肝炎ビールスをもっているもの(保菌者)が多くなり、それから感染するものがふえていること、あるいは、肝毒性のある新薬が次々に開発されていることも、たしかに肝炎多発の原因ではあろう。
     が、どうもそれだけではなく、一般に抵抗力ことに肝臓の抵抗力が弱くなり、やられやすくなっていることもあずかっているだろう。
     肝臓はきわめて多様の機能をもっているが、なかでも重要なのは解毒作用。体外からはいって来たり体内でできる、あらゆる有害有毒物は、すべて肝臓で始末される。
     しかし、以前には、それは、精々、体内で生ずるもの――不完全な栄養による代謝中間産物、あるいは、便秘による腸内の分解産物くらい、に過ぎなかった。それが、いまでは、それだけでなく、体外性の害毒がすごくふえて来た。環境の汚染で空気も水も汚れ、農・畜・水産の不自然化、高度の食品加工(精製・調理、各種の添加物)による有害有毒食品の氾濫、アルコール、タバコ、薬品の乱用、等々。
     これら有害有毒物による負担荷重で、肝臓はつねに過労状態にあり、ために、抵抗力の低下、防衛能の滅殺をまぬかれえなくなっている。その結果として、あるいはビールスその他の感染、あるいは肝毒性薬剤により、容易に発病し、また、回復困難になっているのであろう。

    食の合理化自然化
     ところで、肝炎には、いまのところ、まだ、これという適確な治療薬はない。
     そこで、その治療にあたっては、何としてもまず、これらの負担をできるだけ減らすべきであり、なかでも大切なのは食の合理化、自然化であろう、と考えられる。

     すなわち、肝炎食の2大要件は、

       
    1. 栄養的にできるだけ安全な食でなければならないこと(完全化)。
    2.  
    3. 有害有毒食品はできるだけ避けなければならぬこと(安全化)。

     それは、栄養が完全であれば、代謝がうまくゆき、有害有毒な代謝産物ができないか少ない(便通がよくなり腸管内での生成もへる)ため、また、安全化によって有害有毒物のとりこみが無くなるか減るため、肝臓の負担がかるくなる。そして、栄養の完全化(合理化)とともに、肝細胞の回復にも大いに役立つだろうからだ。


    どうすればよいか
     完全食にするには、十分の良質ナッパさえ添えればよいが、もちろんそれは農薬汚染のない安全なものでなければならない。また、その他の食品も、すべて安全でなければならないが、現在、市販品には本当に安心して食べられるものは、残念ながら、殆んどない。
     したがって、食品の選択には、つねにこの点に配慮し、精製品よりは、自然食品をえらび、有害有毒な生産(農・畜・水産)用薬や、産業廃棄物、洗剤、あるいは危険な添加物に汚染されたり、そのおそれのあるもの、したがって、貯蔵食品や既成食品などはつとめて避けること(自然化)。
     そして、調理は簡単に。調味はうすく。自然のままか、自然にちかいかたちで食べること。
     そして、調味料、嗜好品にも細心の注意をはらうなど、神経質すぎるくらいでなければならない。
     この意味で、私どもは、肝炎にも肝硬変にも、緑葉食・青汁、イモ・マメ・ナッパ・青汁食をすすめている。

    緑葉食・青汁
     ずいぶん前のこと。まだ青汁を始めて間もない頃だった。
     腹水がいっぱいたまり、食事もロクにできないというところまで進行した何例かの肝硬変が、緑葉食・青汁でよくなった。当時は、有害有毒食品はなかったから、ナッパ・青汁で栄養のバランスさえとれば(合理化)それだけでよかったわけだ。

    イモ・マメ・ナッパ・青汁食
     しかし、今は公害いっぱい。大気も水も食べものも汚染されてしまっているから、ただ栄養のバランスだけではなく(より大量の良質ナッパ・青汁が必要になっているうえ)、かならず同時に食の安全性に十分配慮しなければならない。

    イモ・マメ・ナッパ食は、
     主(熱量)食品には、栄養的にも安全性にも、米麦よりすぐれているイモ類を、
     蛋白食品には、同様肉や卵よりは大豆ものを主とし(安全なものでさえあれば動物食品もちろん結構だが)、十分のナッパ・青汁をというのであって、同時点において実行可能な、もっとも完全かつ安全な食(合理的完全食)といいうるものであろうと考えられるからだ。

    蛋白も不足しない
     これらの食で、いつも問題になるのは蛋白が不足しないかということ。(肝疾患ではとくに十分の蛋白質が必要といわれているので)しかし、普通食にナッパ青汁をそえる緑葉食・青汁はもとより、イモ・マメ・ナッパ・青汁食でも、少しもその心配はない。
     馬鈴薯、甘藷各300、大豆100、小松菜300、青汁4合(ケール1キロ)の総蛋白は約90。うちナッパ蛋白45〜6グラムであり、このナッパ蛋白は、肉類にまさるとも劣らぬ優秀蛋白。
     しかも、良質ナッパには蛋白質の節約効果がある(豊富なビタミン・ミネラルで、栄養素の利用がよい)ので、それらの乏しい不完全食のばあいにくらべ、ずっと少量で足るから、蛋白質不足に陥るおそれは少しもないし(もっとも消化吸収の点で劣っていることは考慮に入れなければならないが)、いくらかの動物食品があればなおさらである。
     事実、また、医者通いをつづけたり、入院をくりかえして、毎日、盛り沢山の薬をのみ、あるいは、点滴注射をうけ、しかも一向にハカバカしくなかった血液検査データが、この食べ方によって、比較的短期間に、主治医をおどろかすほどに好転したり、社会復帰できるまでに回復したという例も少なくない。

    大豆製品には注意
     ただし、大豆製品には必ずしも安全とばかりいいきれないものがある。それは、まず豆腐。
     いぜんの豆腐は大豆から豆乳をつくり、ニガリか石膏でかためたのだから、絶対安全だった。
     が、いま一般の市販品にはそういう純粋なものは殆んどない。
     原料には、主に精油会社で油をぬきとった大豆粉。
     昔の搾油はただ圧搾するだけだったが、いまはヘキサン(石油製品で毒性がないとはいえないもの)で抽出するのだが、その残留はないだろうか。
     次に、凝固剤のグリコノラクトンも無害とはいいきれないものだ。
     そこで、すぐれた蛋白源の豆腐や凍豆腐にもいささか不安がつきまとうしだいだ。
     なるべく自家製にしよう。あるいは、豆乳として、または煮豆、納豆、黄粉としての利用が望ましい。
     調味料の味噌、醤油も、また同じく大豆粉が原料であり、添加物汚染のおそれもある。
     醤油はともかく、味噌は自家製にしたい。


     市販の殆んどは合成品。原料の氷醋酸は石油化学製品であり、種々の添加物で調味したもの。なるべく、純粋の醸造酢。もっともよいのは、農薬に汚染されていない果物酢、レモン、スダチ、ダイダイ、夏ミカン、ユズ、梅酢など。

    脂肪
     バター、添加されている抗酸化(酸敗を防ぐ)剤のうちには肝毒性のものがある。
     マーガリンには、その他、固形化(水素添加)のさいの触媒ニッケルガ−ボニ−ルの残留はどうか。
     植物油、抽出溶媒ヘキサンや、脱臭・脱色用薬剤(PCBその他)の残留はないか。
     あげもの用の油はいたし方ないが、サラダなどの調味用には、むしろ、原料そのもの(黄粉、いりゴマ、ナンキンマメ、クルミなど)の方が無難。
     なお、肝炎では、脂肪が極端におそれられているようだが、ふつうの使い方程度には、少しも差支はない。

    だし
     化学調味料の多くは石油化学製品。必ずしも安全とはいえない。
     椎茸その他のキノコ、コンブ、カツオブシ、出しジャコ(安全水域産の)など自然物が無難。

    嗜好品
       果 物 農薬汚染、ワックス処理に注意。
       菓 子 糖分で栄養のバランスをみだす他、添加物の害がさけられない。
      つとめてさける。
      どうしても欲しければ、安全な材料で自家製にすること。
        酒  まぎれもなく肝毒性。厳禁。
        茶  市販品には農薬汚染のほか着色のおそれもあるらしい。
      自家製の番茶や草茶(ノエンドウ、カワラサイコなど)が安全。
      焙じれば香味もよい。
      カワラヨモギ(昔から肝臓によいといわれている)は、なおよいかも知れない。
      ジュース類多くは合成品。何がはいっているかわからない。
      純粋の天然果汁と称するものも、添加物に注意。
      自家製のしぼり汁が安全。
      コーラ類も同様、よいものとはいえない。
       タバコ よくない。禁煙。

    薬の乱用
     つとめてさける。いかによいといわれる薬も、薬はやはり薬。
     「薬は毒」ということを忘れないこと。
     医薬品だけでない、家庭用薬品、殺虫剤などにも十分注意。

    便通
     毎日快便。できれば朝夕に排便するくせをつける。
     それも、薬をつかわず、食べものと運動、とくに腹の皮の運動(ペコペコ腹を走らせたり、ふくらましたり凹まして力むなど)とで。また、撫で、さすり、もみなどして、かなり効果がある。

    運動
     適度の運動
     肝炎では安静がやかましくいわれるが、それは急性肝炎でのこと。
     慢性肝炎では、適度の運動は、むしろ必要。但し、はげしい運動、疲労の残るほどの運動はさける。

    肝臓マッサージ
     腹に力を入れて、肝臓をおし下げるようにし、腹をへこまして力んで、肝臓をおし上げるようにする運動。
     また、肝臓部、つまり右胸の下の部分を、平手か握りこぶしでトントンと叩くなど。
     肝臓の血行をよくするといわれている。

    心の安静
     精神的の影響も少なくない。
     長い慢性病だけに、検査成績によって一喜一憂しているのを、よく見かける。
     しかし、いらぬ心配、取越し苦労など、邪魔にこそなれ、何の役にもたつものではない。
     いつもほがらかに、あくまで希望をもって、熱心に、正しい養生法、緑葉食、青汁、イモ・マメ・ナッパ・青汁食を中心とする、日常生活の合理化、自然化につとめてみてほしい。
    (50・1)



2. 土療治

     医学博士 遠藤 仁郎 

     粘土には、水を吸って膠質様に膨化する性質と、ガスや毒物を吸収する吸着力がある。これを利用したもの。

    下痢
     食あたりや寝冷えの下痢によい。
     赤痢などだと、今では、すぐにむつかしい新薬がつかわれるが、以前は、よい薬がなかったためでもあるが、白陶土・カオリン・アドソルビン(いずれも粘土を精製したもの)などを飲ました。
     むかしの赤痢は、今のとは大変なちがいで、症状がひどく、はげしい痛みのため、ずい分苦しい病気だったが、分泌物や毒素をうまく吸収するためか、いく分殺菌力もあるためか(古代エジプトで土の乾燥性、保存性能力が知られ、ミイラの製作に用いられた。最近の研究で、殺菌力があり、細菌を凝集し、吸収、吸着することが確認されているという)、たしかに治りがよいようだった。

    便秘
     多くの便秘は、便の量が少ないためや、便がかたくなりすぎるためなので、私どもは、慢性の頑固な便秘に、硫苦(硫酸マグネシウム)のように腸の水分吸収を妨げる塩類下痢とともに、粘土をよくつかった。
     土だけだと、便はかたくしまるが、塩類下痢と一緒、つまり硫苦水に土をまぜるた、いわば泥水を飲むと、水分にとんだ軟い便になり、分量もふえるので、まこと工合よく通じる。
     ミミズ療法と称していたが、大学の医局にいたころおもしろい経験がある。

       さる、地方の財閥の大人が頑固な便秘に悩まされて入院された。
       レントゲンの精密検査で大腸のS字部という所が伸びて太くなり、便がそこにたまるというものだった。もとの病院(その財閥所属の病院)では、院長以下この便秘にはさんざん苦労したらしかった。
       それが、何のことはない、このミミズ療法で難なく快通。大いに両目を施したわけだが、百万(今では億万)長者と泥水の組み合わせのおかしさが、いまだに忘れられない。

    鼓腸
     醗酵や腐敗で、胃や腸がはったり、悪臭のあるガスの多いときにも、好んで用いられた。

    中毒
     毒素を吸収するから、中毒するほどの量の劇薬でも、粘土と一緒にのむと、中毒しないか、ずっとその作用が緩和される。だから場合によっては、薬効がよわめられたり、なくなったりもする。
     ふるい民間療法にも、
       誉石毒(砒霜毒)に、「地に穴を掘り、水1升を入れ、かきまわし、にごり水を用ひ吐をとるべし」(経験千方)
       菌毒に、「カワラケを削り粉にして湯に立てて呑む」(多能)。
       獣肉毒(猪・鹿等の肉)に、(竈のやけ土、細末にし水にて用ふ)(経験千方)。
       「壁の黄なる土2匁、水に和して服す」(済急方)。
     などと出ている。

    ジンマシン
     食べものや薬のカブレにもよい。
     腸内にある、あるいは出来る毒素を吸収するからだろう。本草網目「赤土」の項にそれらしいのが出ている。
     「風疹掻痒甚だ忍び難きに、赤土を研末し、空心に温酒にて一銭を服す」(御薬院方)。



3. 酢

     医学博士 遠藤 仁郎 

     ふつうの食酢。米からの醸造酢。リンゴ、柿などからつくる果物酢、といった天然酢はいずれもよい。
     ただし、このごろの市販品は、殆んどが合成もの。
     石油コンビナートでできる氷醋酸をうすめ、色も味も人工的につけた、どんなまざりものがあるかも知れないものばかり。
     醗酵酢の主成分は醋酸だが、その他にいろいろの成分(クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、味のもととしてアミノ酸など)があり、けっして合成品のように単純なものではない。
     また、そこに天然酢のウマ味もあるというもの。
     レモン、スダチ、ダイダイ、ナツミカン、ユズなど、柑橘類はさらにすぐれており、酸味とともにビタミン・ミネラル源をもかねている。

    ダイダイ
     正月用以外は殆んどかえりみられない。
     売れ残りを仕入れておくと、まことに重宝。

    スダチ
     産地徳島では、季節になると、あらゆる料理に添えられる。うらやましい限りだ。
     これらの果物汁は、ことにグリーンサラダの調味には最上。味をよくし、消化をたすける。
     農薬の心配さえなければ外皮ごと利用すべきだ。
     ミネラル・ビタミンも多いし、香りもよい。
     白い内皮部には血液コレステロールを下げる効果のあるペクチンが多い。

     これら天然酢の酸は、リトマス試験紙では酸性反応をしめすが、体内で分解されるとアルカリになる。
     つまり、舌には酸っぱいが、実際はアルカリ性の食品。そして、直接には殺菌作用もあり、体内では代謝をたすけ、活力をあたえる。
     大和本草に、「酢の性、食を消し、毒を殺し、結気を破り、一切の魚肉菜毒を殺し、諸瘡腫を直す。其の功能甚多し」。
     もっとも、合成酢の酸は天然酢のように、うまく分解されないともいわれている。それだけ質的に劣っている、というわけだろう。(48・11)



4. くすり湯

     医学博士 遠藤 仁郎 

     いろいろの、薬効のある、あるいはあると考えられるものを入れた薬湯。
     主に皮膚の機能(発汗)をすすめ、代謝をさかんにして、血液を浄化しようというもので、リウマチ、神経痛、関節疾患、糖尿病、動脉硬化、結石症(胆石や腎石)など悪血性疾患にたいして応用された。

    鉱物を利用したもの
     古くから行われた塩湯。天然の海水、または食塩を入れた風呂。
     温泉泥、湯の花を入れたもの。

    動物を利用したもの
     シジミ、アサリなど貝類の煎じ汁を入れた湯。とくに黄疸によいといわれた。
     西欧の民間療法には、蟻をすりつぶして入れた蟻湯がある。リウマチ、通風などの発汗浴に。

    植物を利用したもの
     よく知られたものは5月の節句の菖蒲湯。
     菖蒲、ヨモギ、カヤ、ドクダミ、石菖、オモナミ、トクサなどを入れる。
     冬至の柚子湯にはミカン皮、ダイダイ皮、夏ミカンの皮。
     木では、桑、エンジュ、桃、コウゾ、柳、ウコギ、イチジクの葉、松、杉、桧、モミなどの針葉樹の湯。
     シソ、セロリ−、モクセイ、ウイキョウ、菊(茎葉花とも)、カキドウシなど芳香ある草木や花。
     野菜では、昔から大根千葉湯があるが、どんな菜葉でもよい。
     ケールなどとくによいようだ。青汁のしぼりかすを入れると、もっと効果的だ。
     酒や酒の粕、醋、米糠を入れた風呂もある。酵素風呂といったものもまずこのたぐい。



5. イモ・マメ・ナッパ食の蛋白不足

     イモ・マメ・ナッパ・青汁食で、からだがだるくなったり、メマイするといったことが、時にある。
     それは、植物蛋白の消化・吸収が、動物蛋白にくらべよくないためで、歯か悪かったり、かみ方が十分でないばあい、胃腸がよわくて消化・吸収がわるいばあいなど、蛋白の不足をまねきかねないからだ。
     こういうときは、調理や食べ方に気をつけるほか、適宜、動物蛋白を加えるべきだ。
     孟子に、「七十肉にあらざれば飽かず」とあるのもこのことをいったのだろう。



6. ナッパの蛋白質

     ナッパに蛋白質が、それも、肉や卵のそれにまさるとも劣らぬ、優れた蛋白質があるというと、たいていの人はびっくりする。
     しかし、うそではない。
     それは、化学分析の成績(蛋白合成になくてはならぬ必須アミノ酸がすべてよくそろっている)にまつまでもなく、野生の草食獣、象でも犀でもキリンでもが緑葉以外のものは何も食べていない、ということからでもわかろう。
     というのは、からだの蛋白質は、食べものの蛋白質だけからしか出来ないのだから、葉だけであの偉大なからだが出来るのは、葉の中に、そのもとになる蛋白質があることをしめすものだからだ。



7. 抗生剤と睾丸

     L. Timmerman 氏が、泌尿科でよくつかわれる10種類の抗生剤についてしらべたところによると(J. Urology 1974. 9月号)、
     動物実験でも、人体でも、あきらかに睾丸の精細胞に傷害がみとめられた、という。
     さいきん、薬剤の使用の増加とともに不妊症がふえて来た、といわれている点からも、この事実には十分注目されなければなるまい。



8. 円形脱毛症

     頭のあちこちに円い禿ができるやつ。
     1ケ所だけのこともあれば、数カ所、時にはしだいに融合して頭全体におよぶこともある。
     原因は、どうやら、まるでわかっていないらしい。
     もちろん散髪などでうつるものではなく、遺伝でもない。
     ふつう2〜3ヶ月でなおるが、再発をくりかえし、ついには皮膚の萎縮をおこすのもある。
     いまのところ、これという適確な治療法はない。
     副腎皮膚ホルモンはよくきくが、十分の効果をあげるほど多量には、副作用がおそろしくて、うっかり使えない。
     塗り薬や乱切法など試みられてはいるが、大して期待はもてない。
     こういう難治病には、ともかく食べものを中心とした日常生活の建直し(合理化・自然化)をはかるべきだと、緑葉食・青汁をすすめているが、どうやらよいらしい。



9. ここまで徹底できます 食卓革命の3年有余

     有吉佐和子さんの小説「複合汚染」を読んで「食べ物を考え直そう」と一念発起した人もいるかもしれない。堺市善提町4丁に住む藤岡さん一家は、すでに3年以上も「悪いといわれているものは食べない」食生活を実行している。しかし、便利さとぜいたくに慣れた私たち。これも徹底してやろうと思えば、なかなか大変なのだ。ちょっと藤岡家の台所をのぞいてみよう。

    パン焼きに豆乳づくり
     義孝さん(32)・加代子さん(32)夫婦と和佳ちゃん(4)、義英くん(3)、孝文くん(2)、おじいちゃん、おばあちゃんの7人家族。
     2日に一度のパン焼き。3日に一度の豆乳づくり。大豆を水につけてふやかし、煮こんでこす。1時間はかかるが「なにがはいっているかわからない牛乳より安心だから」という。こどもたちのおやつはサツマイモの焼いたのや、いった大豆、ピーナッツ、クルミなど、自然のもの。たまにはクッキーやアイスクリームを、砂糖のかわりにハチミツを使って手作りする。料理の甘みは、黒砂糖と味を整えるミリンで。どうしても黒砂糖ではできないもの、たとえばすき焼きやおすしは、三温糖を使う。塩は赤穂の天然塩。お米は5分づき、季節になれば梅やラッキョウをつけこみ、ミソも2種類しこむ。

     藤岡家の食卓革命は3年半前。ある民間病院の内科医をしている義孝さんのもとへ、次々とやってくる子どもの患者が、小学校へも行かないうちから、まるでおとなの成人病のような病気にかかっている。抵抗力がない。ムシ歯の子もやたらに多い。どうやら食べものに関係がありそうだ。おとなはともかく、こどもの健康はおとなたちが守ってやらねばならない。ちょうど和佳ちゃんがかわいいさかりだった。ある日、義孝さんは宣言した。「悪い、といわれているものは食べないことにしよう」。食品公害の恐ろしさを訴えた本が、かたっぱしから家へ持ちこまれた。

    • バランスよく、多種類を少量ずつ食べる
    • 白米でもよいが、なるべく3分〜7分づきを
    • 野菜を毎日、量と種類を多く
    • 味つけは薄く、煮すぎないよう
    • 動物性たんぱく質、または大豆、大豆製品を毎日
    • 海草類を毎日

     など4項目10条にわたる藤岡家の食事憲法をつくり、台所へはり出した。

    白砂糖追放お菓子ダメ
     白砂糖を、まっ先に追放した。この3年半の間、一度も買ったことがない。アクをすくう手間がかかるが、煮ものは黒砂糖でも味はあまり変らない。藤岡家の砂糖消費量は、一家7人で1ヶ月に黒砂糖1キロと、三温糖1キロ程度。こどもたちには、甘いお菓子は与えない。たまにチョコレートやキャンディーをもらうと「せっけんよ」「これおクスリ」などといって、かくしてしまう。外出したとき、お菓子屋さんの前でだだをこねられて、閉口したことがある。それでも心をオニにしてがんばった。なぜなら、にがい経験がある。和佳ちゃんは、少しは甘いものを知っている。そのせいか、てきめんにムシ歯ができてしまい、てこずった。男の子2人はチョコレートの味をしらない。そのかわり真珠のような歯がある。

    無農薬野菜青虫ポロリ
     いま、家の小さな畑にはトマト、ピーマン、キュウリ、ナス、三度豆、サツマイモ、ジャガイモ、カボチャなどが実を結んでいる。つくっていない野菜は、露天で売っているおじいさんから、無農薬のを買ってくる。流しで洗っていると、青虫がポロポロ出てきたりして気持ちが悪いようだが、考えてみれば 〃虫もつけない〃野菜の方が、どれほど恐ろしいか。

    弁当持ちで外食やめる
     野菜中心の献立で、1日の食費は3千円。大きな魚の切り身を買うより、小魚を丸ごと食べるよう心がけている。外食はいっさいしない。どこへ行くのもお弁当持ち。この間、2泊3日で家族旅行をした。家の味つけに慣れたこどもたち、旅館の料理を食べるかしら。気になって、コブとシイタケと小魚のつくだ煮を持っていった案の定、こどもたちはそれらをおかずに、ご飯を食べた。たまに喫茶店にはいっても、恥ずかしいのをがまんして、こども2人にジュースが一つ。甘すぎるから、それを3等分して、水て薄めて飲ませる。おかげで一家中、健康そのもの。「はじめはめんどくさくって。でも、空気も水もよごれる一方だし、私たちのまわりには生命をおびやかすものがいっぱいでしょ。せめて毎日の食事くらい気をつかいたい」と、加代子さん。無医村へ行って、農業しながら暮らすのが夢という義孝さんは、近所の奥さんたちを集めて、食べものの研究会も開くという熱のいれようだ。 
    (50・7・17 朝日)



10. 漂白剤から有毒ガス 従業員が中毒死 神戸のホテル

     洗たく用の漂白剤の中に酸性物質が混入したために化学変化を起こし、有毒の塩素ガスが発生、これを吸い込んだホテルの従業員が死亡するという事故が神戸市内であった。
     兵庫県警は31日、この製品の内容分析を始めたが、製品は業務用で有毒ガス発生の注意書きもなかったことからメーカー側に「事故防止のためくわしい注意書きを表示するよう」ときびしく警告した。
     一般の主婦が使っている家庭用の漂白剤には「酸性のものと同時に使用しないでください」と注意書きがついているものの、混入する物質によっては同様の事故が起こる恐れがある、という。
     事故があったのは先月28日午前9時半ごろ。神戸市生田区山本通り2、ホテル「乙姫」=福永和夫さん経営=で、パートタイマーの従業員、竹林清子さん(50)=同区下山手通り4=がホテル地下倉庫に保管していた花王石鹸会社製の漂白剤「ブリーチ」(18P入り)を他の容器に移し替えようとフタをとったところ、内部に充満していた塩素ガスがふきだした。これを吸い込んだ竹林さんはその場にこん倒。同僚が発見してすぐに病院に運んだが、重いガス中毒で肺水しゅ(腫)を起こしており約4時間後の午後1時50分ごろ死亡した。

     神戸・生田署で調べたところ、「ブリーチ」は液状で主成分は次亜塩素酸ナトリウム(6%)。他に食塩(5%)▽カセイソーダ(0・2%)などが混じっており通常はアルカリ性。ところが酸性化すると有毒の塩素ガスが発生する。
     こんどの事故も、使用中に強い酸性物質(硫酸、塩素、硝酸など)がなにかのはずみで混入したのち、再びフタをしていたため、内部で化学変化が起き、ガスが充満していたのではないかとみられる。
     このホテルでは「ブリーチ」を食器洗い用に使っており、竹林さんはこの日、必要量を取りに地下倉庫へ行ったもので、塩素ガスがふきだしたカンには半分ぐらい中身が残っていた。
     同署は容器のカンに酸性物質が混入した経路について、従業員たちに事情を聞いたが、問題の容器を取り扱っていたのはほとんど竹林さんだけ。このためなぜ混入したかは不明で、くわしい内容物析を県警科学検査所へ依頼した。
     事故のあった「ブリーチ」は業務用とあって取り扱い上の注意書きはまったくなかった。

    (50・8・2 サンケイ)



11. 青汁食養生に精出すには 世の風習や流行に抵抗して

     友成 左近 

     生きる魚は
      流れに抗して
       生きていく

     死ぬる魚は
      流れに流されて
       死んでしまう

     だれがいったのか思い出せませんが、青汁食養生に精出する心がけに、まことに好個なことばです。
     人々だれでも生活各面にわたって、広く人々の提供するモノやサービスにあずかっていますが、それにはよしあし種々様々なものが流通しているので、無事仕合わせに生活していくには、そこをみずから分別して取捨選択しなければならないからです。わけても食養生は、なにより大切な健康の最大要件であって、もし分別をあやまると、とりかえしのつかぬことも起こるからです。そして青汁食養生は、その最も適確なものですが、世の風習や流行とかけはなれているところが多いので、ついそれに流されて精出しかねるのが実情であるからです。


    まずもって青野菜をそれも青汁にして

     青汁食養生では、広く食物全般にわたってあれこれと改めるのもさることながら、まずもって良質青野菜を、日に自分の体重の1%以上は青汁にして飲むことを最大要件にして、なおそのうえ、煮炊きしてもよし、生であればさらによし、とにかくできるだけ沢山食べるようにしています。
     それは、健康の最も重要な土台である完全栄養をはかるのに、こうする以外に妙手はないからです。というのは、数多い食品のうちで、良質青野菜以外のものはいずれも、成分がいろいろ不足しているが、良質青野菜だけは、すべての成分がもれなくそろっているうえに、その他の食品で不足している成分が格別多いので、これをそれ相当量加えたら、どんな食品でも成分がうまくそろってくるからであり、これを加えずに、どんな食品をどう取り合わせても成分はうまくそろってこないからです。
     そしてこれは、お互い日本人が食べている食品の成分と、栄養摂取の実状や栄養所要量などについて、すでに公表されている調査を、それも中学校や高等学校の家庭科教科書に出ている手近なものでも、そのまま心を開いて活用して、綜合的に判断すれば、だれにでも納得できることです。
     ところが、人々ふつうの食事では青野菜は、粗末なもの、まずいものとして、なにほども食べていない場合が多く、栄養上大切なものと理解していても、なお十分には食べず、厚生省の調査によれば、黄野菜も含めて国民総平均で、日に50gにも達していないのが実状であり、ために厚生省の食構成規準でも、同様70ないし100gてす。
     けれども、青汁食養生では青野菜だけで少なくとも日に500g以上、それも、ふつうの青野菜(といえば、まずホウレンソウやレタスなど)よりも、ケールやカキバダイコンといった養鶏用飼料の方をというのです(成分がはるかに優れた良質のものであり、反当年間収量も多いので)。そして、その成分を最高度に活用し、また胃腸をいためないようにと、まずくなるのを承知のうえで、青汁にして飲むのです。
     ために世の風習からみれば、なんとも風変わりなことで、よく人から、モノずき、ヘソまがり、青汁キチガイといわれるので、あえてこの青汁食養生に精出すには、これこそ本当に健康が保持できる人間のマトモな食べ方と、自分の体験に基づいた適確な理解と堅い信念をもって、世の風習や風評に抵抗していかなければならないわけです。


    無農薬栽培の安全な青野菜で

     それにもうひとつ、当節この青野菜その他作物の栽培に農薬を使って、見た目にキレイなものを作るのが、いわば当然なことになっており、市場に出まわってくるもの、そして人々が好んで買い求めるものは、そうしたものばかりです。
     けれども、青汁食養生では、とくに青汁材料には必ず、農薬などに汚染しないように安全に栽培したものを使うので、それ相当に苦労して自家栽培をするか、それ相当に支出して委託栽培をしなければならず、そうして手当したものは、虫くいのあとのあるもの、虫までついているものばかりです。(配達の青汁や乾燥青汁を利用すれば、支出はさらに多くなります)。
     ために、こうした点からも人々に風変わりヘソまがりといわれるので、虫もくわない青野菜では、いうなれば毒まぶしで、とうてい健康は保っていけないと、世の風習や風評に抵抗しなければなりません。


    食物全般についても

     ところで、こういうふうに青汁を飲み青野菜を食べて完全栄養をはかっても、これ以外の食物に成分不足の著しいものが多いと、その妨げになり、成分がよりよくそろっているものを多くすれば、よりいっそう有効になります。もうひとつ、農薬などに汚染したものや添加物のはいっているものが多いと、せっかく完全栄養をはかっても、この慢性中毒症にかかります。
     そこで青汁食養生では、成分がよりよくそろっていると共に実状最も安全なものとして、今のところ大豆や芋などを主要食品にして、その他は、成分の調和度と安全度を吟味して、あれやこれやをほどほどに、というようにしています。そしていずれも、できるだけ原材料を手当して家庭で調理するように、それも、その成分を最高度に活用するために必要最小限にとどめ、塩気も甘味も極力ひかえるようにしています。
     ところが、人々ふつうの食事では、白米飯や白パンを毎日の主食にするのが、いわば当然のことになっており、副食には切り身の魚や肉を加えることになっています。そして、ご馳走とか栄養食といえば、肉や魚を沢山にすること、それも濃厚に味つけすることになっています。また、おいしい間食といえば、とかく甘い菓子になっています。そしてこうした食物には、市販既製の加工食品を使うのが、あたかも文化的であるかのよう考えられており、食品店に出ているものもマスコミの宣伝食品も、こうしたものばかりです。
     けれども、白米飯や白パンも肉や魚も成分不足の著しいものであり、また肉や魚が栄養上必要不可欠というのは、栄養学についての誤解ないしは迷信です。それに精白米麦も肉も魚も農薬その他で多少とも有害化しているのが実状です。また砂糖も菓子も栄養上は有害無益です。そして市販の加工食品は、殆んどすべて成分不足が著しいうえに添加物で有害有毒化しています。
     そこで青汁食養生に精出すには、こうしたことを適確に理解して、世の風習や流行に抵抗していかなければなりません。


    栄養剤についても

     なおもうひとつ、青汁食養生に精出していると、よく人から、まずいものに手数やカネまでかけなくても栄養剤を使えば、といわれ、食事は自分の好みにまかせて、それで不足する成分は栄養剤で補足するのが、あたかも文化的であるかのように、このごろの流行・風習になっています。
     けれども、どんなに優れた(と製薬会社が宣伝している)綜合栄養剤でも、それでこと足りると考えたら大間違いが起こります。というのはこれには、習慣食で不足している成分、それも既知の成分のうち、ほんの僅かなものを配合しているだけであって、不足している成分は、それ以外に既知未知にわたって数限りないからです。それに栄養剤には、はたして有効なのか疑わしいもの、使い方によっては副作用さえ引き起こすものが多いからです。
     そこで青汁食養生に精出すには、まずもって青野菜を、それも青汁にして必要なだけ十二分に食べなければ、健康の最も重要な土台である完全栄養ははかれないのだと、こうした宣伝・流行に抵抗していかなければなりません。



12. 湯治

     医学博士 遠藤 仁郎 

     温泉浴には、熱湯効果と化学的成分(成分については、今なお明かにされないところもあるようだが)による効果。
     瀑泉では、水流の機械的効果も加わる。
     また、温泉地の快適な環境。俗事からの解放による精神的リラックスの影響。

     局所への作用としては、組織に活力をあたえ、慢性病変を刺戟し、筋・皮膚・神経等の慢性病の治癒をはやめる。
     ことに、外傷、運動マヒ、皮膚疾患に有効。

     全身作用としては、代謝をたかめ、食欲をすすめ、便通・利尿、性欲亢進、精神を賦活する作用など。
     胃腸疾患、代謝疾患、糖尿病、肥満症、通風などの悪血性疾患全般によい。
     正しく利用すれば、たしかに、すぐれた効果が期待できる自然の恩恵だ。

     わが国は世界でも有名な温泉国であり、上代から知られ、ひろく応用されていた。
     しかし今では、殆んどの温泉場は観光地、歓楽境と化してしまい、静かに落ついた湯治など思いもよらぬことになってしまったのは、まことに惜しい。
     なお、湯治は刺戟のつよい療治なので、適応に十分注意しなければならないし、その実施にも十分慎重でなければならない。
     したがって、専門の温泉医の指導の下に行うべきだ。しかし、わが国では、まだそうした施設は、大学付属の病院や研究所だけで、一般には、簡易に利用できるところは殆んどない。
     で、とかく、素人判断でやることになりがちなので、昔からいわれている心得のあらましをあげてみよう。

    まず、入湯の好ましくないもの。
     すべての急性病、ことに熱のある病気。腎炎・肝炎・関節炎などの急性期。
     慢性病の急性増悪期。
     老人、妊婦。衰弱者、重病者。
     高度の高血圧・動脉硬化・心臓病。
     出血(吐血・喀血その他)、あるいはそのおそれのあるもの。
     精神病、テンカン。

    入湯してよいもの
     症状の落ついた慢性病で体力十分なもの。また、特別な事故のおそれのないもの。
     外傷、運動マヒ、皮膚病、リウマチ、糖尿病、軽度の高血圧、動脉硬化。
     胃腸病、肝臓病。

    入湯心得
     体力・体質・泉質によるが、原則として、過労時、空腹時、食直後はさけること。
     刺戟がすぎ、疲労しない程度にとどめること。

    回数
     通常、1日1〜2回。
     虚弱者、衰弱者は1回。
     「つよき病人は1日3度浴すべし。よわき人は1日1度入るべし」(大和本草)。

    入浴時間
     温度、体力しだいだが、大体控え目に。
     「湯治するに、汗出るを第1忌む。かろく浴し、早くあがるべし」(同上)
     浴後は安静をまもる。

    日数
     「日数は7日、27日なるべし。是を俗に1廻り2廻りといふ」(養生訓)、といわれているが、通常、3〜4週。
     西欧では、昔から3週間が至適とされている。
     なお、自堕落にならないよう。規則正しい日常。
     適度の運動と休養。十分の睡眠。食事の節制(ふるくから、湯治には飲酒、濃厚食、飽食を忌む、とされている)をまもること。

    飲み湯
     1日1回、または適宜。
     量は少量をよしとするもの、大量をすすめるものなど、諸説があるが、病状、泉質にもよる。
     通常、100〜1000ccとあるが、まず1〜2合が無難だろう。

    湯あたり
     浴泉、飲泉のいずれにもみられる。
     多くは、2〜5日であらわれ、しだいに回復する。

    局所反応
     ふるい病巣の症状がつよくなる(炎症反応)。
        皮膚炎  赤くなったり痒くなる。
        関節炎  痛み出したり腫れたり、赤くなる。
     神経痛・外傷  また痛みだす。
        婦人病  分泌が増す。

    全身反応
     発汗、動悸、全身倦怠がつよく、食欲・睡眠がさまたげられる。
     頭重頭痛、メマイ、発熱することもある。
     神経質なものや虚弱者にことにつよい。



13. 作るたのしみ

     和仁 政子 

     ずっと青汁に精出しております。
     49年1年間は、116・15kgの収穫で、266日飲用し、1回平均約438gということになりました。
     44年春、当地に移りまして以来、1坪の花壇とベランダのケールで青汁をつくっておりますが、年々、少しづつ量がふえてまいりました。
     近所のお宅に、但馬よりいらっしゃったご老人が、「百姓ですごしたから好きなので、毎早朝、この団地内(480軒)の花壇を、みんな見て廻ったが、あんたさんのが、どこよりも一番だった。これだけよく作っているところはなかった」と賞めて下さいました。
     野菜屑、ぬか、油粕、鶏ふん等で、化学肥料は一切使いませんでした。
     野菜にお味があるように思います。
     石ごろごろの山土でしたので、はじめました2、3年は、大変な毒虫に悩まされ、野菜など、とても無理と思いましたが、土の変化で植物自体が強くなりましたのか、近年はその害も軽くなりました。
     友達も老の期を迎えまして、健康について話し合い、青汁をお奨めする機も多うございます。
     花は、畠の隅に菊と、鉢に白牡丹がいまを盛りと咲いております。
     作ったり育てることは楽しみでございます。



14. 青汁人間になった

    大阪市 Y.G. 

     朝夕青汁をいただき、大変元気で過させていただいております。
     もう今では青汁なしの生活は、とてもつらくて、どんなに雨が降っても、風がふいても、大阪にないときは、泉佐野市までも出かけて、キャベツの外葉をもとめ、朝4合位、夕方4合くらい、思いきって多くいただいております。
     ちょっと何かお菓子でも食べたいと思うときは、それだけ青汁の分量をふやし、1升くらいのんでおります。
     ほんとうに青汁は、私にとっては最高ののみものです。この気持は青汁をのんでいる方だけのみ知る、と思います。
     今では、すっかり、青汁人間になってしまいました。ご本に、体が自然にもとめるように、と書いてありますが、今さらながら、その事実におどろいています。



15. 日南工場操業開始

     大阪センターの田辺光正氏は、かねて、宮崎県日南市に新工場(青汁粉末)を建設、調整中であったが、このほど完了、操業を開始した。写真は日南市隈谷の田辺食品研究所新工場。



16. 家庭菜園ブーム

     食品公害、自然食の声が高まるにつれて、方々で家庭菜園運動がおきているようだ。
     まことに結構なことだ。
     しかし、同じやるほどなら、ほんとうの自然農法、ほんとうに健康な野菜をつくってほしいもの。
     まず、土をよく耕やす。
     そして、台所の残りもの、落葉、草、海草などうんと入れる。
     肥料らしいものとしては石灰(炭カルが最適、手があれないし、効力が長くもつ)、鷄糞、油粕、魚粉などの有機質肥料。(化学肥料はさける)
     こうすれば、味のよい、しかも病害虫害につよいから、危険な農薬は一切不要の、絶対安全かつ良質野菜ができる。



17. 先天異常児の増加

     先天異常児が年々ふえている。
     これは、世界中の傾向で、やがてその数は1〜2億にもたっするだろう、というのだから恐ろしいことだ。
     今にして、その根源が除かれないならば、遠からず、世界中に異常児が氾濫し、正常児の方が異常児といわれるようになってしまうかも知れない。 (50・6)



18. 少しづつよくなる

    日南市 S.H. 

     青汁をのみ始めまして、早や1年4ヶ月になります。変ったことと申しますと手の甲や足のかがとがツルツルして来たことぐらいでしょうか。
     やはり、体質が少しづつでも良くなりつつあるのかな、と思っております。



19. 質問箱

    京都府 O. 


     ジューサーではビタミンがこわれてしまう、という人がありますが?


     問題になるのはビタミンC だけですが、電気ジューサーでは、これも、殆んどこわれません。
     但し、メーカーによってかなり性能がちがいます。私どもの経験からでは、富士とナショナルがよいようです。
     なお、手圧しジューサーはダメです。念の為。








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