<1975年5月15日発行 第225号>
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目次
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1.こうしたら癌も防げるのでないか(5)
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前回参照 |
医学博士 遠藤 仁郎
調味料
食塩
食塩がすぎると胃癌になりやすい。
わが国に胃癌が多いのは塩からいもの(味噌汁、漬物、塩魚など)のとりすぎのため、といわれている。
なお、味噌、醤油には、原料大豆粉、および添加物(着色料、調味料、保存料など)。漬物でも添加物に問題。
せめて、漬物や味噌は自家製の安全なもの。
また塩も、なるべくは、安全な海域でとれた天然塩にしたい。現在市販の食塩は、殆んど純粋のクロールナトリウムだが、天然塩には、その他、海水にふくまれるすべてのミネラルがそろっている。
甘味料
砂糖
砂糖そのものとしては発癌性はない。
栄養的には粗糖(赤・黒砂糖)や糖蜜(粗糖から砂糖の結晶をとった残り)、蜂蜜がよく、蜂蜜には抗腫瘍性(発癌に抵抗する性質)もいわれている。
しかし、そのいずれにしても、すぎると栄養のバランスをみだすという点で、一般抵抗力をよわめ、発癌をたすけることにもなりかねない。
人工甘味
ズルチンもチクロも、発癌性の故に禁止された。
サッカリンも、少々あやしいらしい。
酸味料
市販の食酢は殆んどが合成品。石油コンビナートでできる氷醋酸をとかして、調味し着色したもの。必ずしも良質・安全とはいいきれない。
なるべく純粋の醸造酢、米酢。
もっともよいのは、農薬に汚染されない果物酢。レモン、ダイダイ、スダチ、ナツミカンや梅酢など。
脂味料
バター、着色料、抗酸化(酸化を防ぐ)剤に問題はないか。
マーガリンでは、さらに、液状植物油を固化する(水素添加)さいの、触媒につかわれるニッケルカーボニ−ル(肺癌を原因する)が残ってはいないだろうか。
ピーナツバター カビ毒(アフラトキシン)混入のおそれがないではない。学校給食用には、それがため、禁止された、と聞いている。
マヨネーズ 着色料、保存料はどうか。
植物油 抽出溶媒ヘキサン(発癌性がうたがわれている)の残留。脱色、脱臭につかわれる薬剤(PCBその他)の残留。あるいは混入はどうか。
昔ながらの、安全・純粋の圧搾油がほしいものだ。
そこで、揚げもの用の油はともかく、サラダの調味用には、しぼった油よりは、むしろ、もとの大豆(キナ粉)、胡麻(いりゴマ)、南京豆(カビのつかない)、胡桃など、そのままをすすめたい。
香辛料
強烈なものは刺戟になるほか、発癌性もあるようだ。
トウガラシは肝癌の発生をすすめるというし、胡椒の成分ピぺラジン(アミンの一種)からは、亜硝酸塩によって、胃内で発癌性ナイトロサミンができる。
ダシ
化学調味料に安全性に疑問があることは上記した。
むしろ、昆布、椎茸(抗腫瘍性成分がある)、鰹節、ダシジャコなど、安全な自然物のダシにしたい。(つづく)
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次号参照 |
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2.米は重宝したいのですが(4)――そこに必要な諸条件
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前回参照 |
友成 左近
遠藤先生の教えに従って青汁食養生に精出している私どもは、これまでみてきたように、健康の最も重要な土台である、よく調和のとれた完全な栄養をねらって、それに必要不可欠である良質の青野菜、それも必ず安全なものを、必要なだけ十分(少なくとも500g、できれば750g以上)食べること、それもその最も有効適切な食べ方として、それを青汁にして(毎日2合3合と)飲むことを、その最大要件にしています。
と共に、この青汁がよりいっそう有効になるようにと、その他の食物には今のところ、芋と大豆(あるいはこれに準じて、栄養に調和をとりやすく、そして安全度の高いもの)を主要食品にして、長年重宝してきた米は、毎日の主要食品からはずしています。
けれどもそれは、米本来の性質からではなく、ふつう市販の米が(それは実状白米ですが)、栄養調和と安全の点で、主要食品としては不適格であり、市販以外でも、適格な米が容易に手に入らないからです。
そこで、こうした点が是正されて、その昔通りの米が手に入るようになったら、また改めて重宝したいのですが、というよりも、わが国の食糧と栄養対策上、ぜひ早急に是正されなければならないことがらです。
重宝できるように是正が必要なのは
それはいうまでもなく、米がわが国の農業と食糧の歴史的現実的な根幹であるからです。
というのは、わが国の風土条件から、従ってまた栽培の技術や施設その他の政治経済組織の実状から、この米に代わり、米に優る主要食品は他にないからです。そして、いかに国際経済の時代とはいえ、国産の米に代えて、主要食品を安定して確保することは実状不可能であるからです。
そして事実、ふつう市販の米が主要食品としては不適格であるのに、そこがよく分かっていないのか、分かっていてもか、長年の習慣や好みのままにか、とにかく毎日の主要食品として国民大部分に重宝されているからです。そしてそれが、国民多くの栄養障害や、あれこれ厄介な病気にかかる素地の重大原因になっているからです。
では、どう是正されなければ、というと、これまでみてきたことから要約すると、つぎの通りです。
供給面では
まず主として栽培や貯蔵その他の供給面では、第1に、残留性の疑いのある危険な農薬はいっさい使わないことです(危険な産業排出物に汚染しないことはいうまでもなく)。
まだ土壌に水銀剤その他の危険な農薬がかなり残っているうえに、なお残留性のある危険な農薬を使っては、(その疑いがあるといった程度のものでも、そして使用規準や残留の安全許容量を定めていても)、とうてい毎日の主要食品にはできないからです。
というのは、時おり食べるのであればともかく、毎日食べ続けて子孫も生み育てる以上、疑いの程度であっても、危険なものは排除するのが食事の重大要件であるからです。使用規準や安全許容量といったものは、たとえ科学的に究明した(といっている)ものでも、しょせん限られた人知で(それも諸般の事情勘案の上)定めたものであって、これまでの事例からでも、とうてい信頼するわけにはいかないからです。
第2に、堆肥その他の有機質肥料を十二分に施した上、石灰分を適量施す以外、化学肥料は必要最小限にひかえることです。作物が丈夫に育って、危険な農薬は使わなくても病害虫の被害が少なくてすみ、また、水田に自然に産出する発ガン性物質の産出が少なくなって、それだけ安全で、成分も味も優れたものが作れるからです。
第3に、配給に差し支えない限り、とくに梅雨期を越するものは籾のままに貯蔵することです。貯蔵や輸送その他の都合で、玄米、さらには白米にして貯蔵すると、成分も味も低下し、ときに食糧不適格なものに変質して、凶作にも備えておくこができないからです。
その他、精米は原則として半つきまでにして、玄米でも半つき米でも白米でも随意に買えるように配給すること、精米には危険な石粉は使わないことです。
使用面については
つぎに主として使用面では、(供給面が前記のように是正されたらのことですが)、第1に、玄米で使うこと、精米にしても半つきまでにして、白米は特別な場合だけに限ることです。玄米であれば、その100gに青野菜を同量なし1倍半(半つき米では1倍半ないし2倍量)加えたら調和がとれるからです。が、白米では2倍半なし3倍量、これで日に1000カロリー(300g、2合少々)とるとすれば、ただこれだけに900gも青野菜が必要であって、それは実状至難であるからです。
第2に、在来の習慣通りに飯その他の粒食にする場合は(わけても精米を使うときは)、原則として芋や季節の青豆や野菜、あるいは昔ながらに黒い筋の幅広く残っている粗精の大麦や豆などを、それ相当量加えて、よくかんで食べることです。でないと、とかく米ばかり食べすぎて栄養不調和を招くからです。
第3に、かつて玄米パン運動があったように、小麦粉そのたをまぜた粉食も工夫することです。飯よりも消化吸収がよくなり、また他の食物とも幅広く合って味わい深く食べられ、米食偏重も防げるからです。
(なお当面、ふつう市販の玄米や半つき米は、まだ水銀剤その他がかなり残留しているので、毎日の主要食品にするのは考えものであって、使うとすれば、つとめて少なめにすることです。といって白米は、この点問題は少ない反面、栄養の点で重大問題が伴うので、毎日の主要食品にはしないことです)。
是正の前提要件
ところで、こうした是正には供給面か先決課題ですが、これには国の農政多面にわたる革新的な転換が必要です。そしてこれは、ただ待ち望んでいて行なわれるものではなく、強力な社会的政治的な国民運動をくりひろげて突き上げなければ、とうてい行なわれないのが実状です。
そしてこの運動には、国民1人1人が、健康保持の自己責任を自覚すること、そして長年の習慣や好みにとらわれずに、供給面が是正されるまでは毎日の主要食品には使わない、という意思決定と、それに基づく日常生活をすること、またさらに、供給者と連合して、供給使用両面にわたって自主的に是正していくことが肝要です。 (おわり)
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3.髪からぬける毒
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東京逓信病院の小堀辰治博士は、
水銀、カドミウム、砒素などの公害金属が毛髪の中に沢山あることから、毛にこれら貴金属を排泄するはたらきがあるのではないか、といわれている。(逓信医学 49・12号)。
とすると、頭髪の多い人は、うすい人より、こういうものにたいする抵抗が強いかも知れない。
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4.出回れば〃PCB〃 皮膚障害の恐れ 古紙再生製品から検出
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大阪市内に出回っているトイレットペーパーにPCB(ポリ塩化ビフェニール)が含まれていることが27日、大阪市消費者センター(信山清所長)の調査でわかった。ゲカ人まで出た年末年始のトイレ紙不足が、さる2月1日の標準価格制のスタートでやっと一段落したと思ったら、わずか3ヶ月足らずで、こんどは有害トイレ紙の出現。センターでは、「PCB入りのトイレ紙を使えば、皮膚にニキビ状の発疹が出るなどの人体影響の心配がある」として、通産省などに分析結果を報告、近く業者を呼んで事情を聞くとともに調査にのりだす。
大阪市消費者センター 実態調査へ
同センターはトイレ紙が標準価格制になったのを機会に、市立工業研究所の協力で市内の百貨店、スーパー、小売店で売られている22品目を抽出、JISで規定されている長さ、幅、強さなどと合わせて、PCBの検査を実施した。
その結果、調べた22品目のうち、3品目からPCBを検出した。いずれも古紙を再生したトイレ紙で、高知県と愛媛県の中小メーカーの製品だった。
トイレ紙の場合、PCBの含有量の検査(定量検査)は技術的にむずかしく、今回はPCBが含まれているかいないかだけを調べる〃定性検査〃の方法をとり、3個から、はっきり、 PCBを検出したという。同センターでは「PCBの含まれたトイレ紙を長期間使った場合、粘膜から吸収されたPCBの毒性で、皮膚に発疹状態が起きたり、周辺部がはれるなどの症状が出る恐れがある」と指摘している。
古紙を再生したトイレ紙は、上質の紙を使った雑誌、計算紙で使う紙などからつくられている。さる47年5月、静岡県衛生研究所で、当時市販されていた再生トイレ紙から最高700PPMのPCBを検出したことがある。当時メーカーのほとんどがPCBを含んだノーカーボン紙を再生していたためで、メーカー側はその後、自粛を申し合わせ、さいきんではトイレ紙からPCBが検出されたことはなかった。
〃PCB復活〃の原因について、同センターは@いまだに古紙のなかにノーカーボン紙が含まれているA印刷物のインクにPCBが付着している――などが考えられるとしている。
また、これらのメーカーは再生段階で出るPCBを含んだ汚水を〃たれ流し〃している恐れがある。このため、海水のPCB汚染を警戒する意味からも、同センターは、これらのメーカーを呼び、事情を聞くことにしている。 (サンケイ 49・5・29)
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5.ノイローゼ
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学説はいろいろむつかしくいわれているようだが、要は抵抗力のよわい神経が根本の原因だ。
しかも、それは、もともとよわく生れついたためではあろう。
けれども、それが発病するようになるには、その後の日常生活の間にうけるいろいろの影響(身体的や精神的ストレス)によって、いためつけられ、いっそう抵抗力がよわめられる結果であろう。
とすれば、ノイローゼも、一般抵抗力の低下の1症候とも考えられるわけであり、日常生活の不自然・不合理化が少なからず関係しているように感じられる。
そこで、環境ならびに身体的諸条件を自然化し合理化して、体力・抵抗力の強化をはかれば、神経も精神もいきおい強化されて来るものではあるまいか。
こういう、きわめて素朴な考え方から、私どもは、ノイローゼにも、専門治療(今では殆んど薬剤療法が主のようだが)とともに、適度の運動・鍛練・休養。
そして正しい食、緑葉食・青汁、イモ・マメ・ナッパ・青汁食。あるいは青汁だけでもうんと飲むことをすすめているが、しばしば著効がみられる。
この効果とくにこの食養の効果は、それによって、この種治療薬(向精神剤)に少なくない副作用が除かれるか弱められ、服薬をながく続けやすくするためかも知れないが、どうも、それだけではなさそうだ。
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6.ワラビを食べた牛の乳
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ワラビには骨髄や胃腸をおかす毒素があり、乳に出る。
で、ワラビを食べた牛の乳を犢にのますとその中毒症状が出る。
また、ワラビには発癌性もいわれているので、そういう乳をのむことは危険だ、と注意されている。
(Evans ら Nature 1972. 5. 12)
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7.ヤエムグラ
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八重葎。ヤエムグラ。弥重葎。
いく重にも重なりあってよく繁る故の名。
畑地、垣根などによく見かける。
八重葎しげれる宿の淋しさは人こそみえて秋は来にけり
茎も葉も……て食べし。(救荒本草抜萃)
生でサラダに加え、青汁の材料にもなる。
欧州民間薬の本には、
癌瘡に、まず下痢。ついでヤエムグラの煎汁をのむところがある。
また、しぼり汁は、水腫の利尿に、胸の疾やリンパ腺の腫れによい。
甲状腺の腫れに内・外用する。
などとある。(V. Hovo-rka a.Kronfeld)
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8.サッカリンと癌
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ヒックス氏らの実験によると、
ラットにメチ−ルNニトロソウレアという発癌剤をあたえて出来る膀胱癌が、サッカリンで促進されることがわかった。
(Hicks ら Nature. 1973. 6. 8 号)
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9.手術不能の癌
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奈良県 T.Y.
食道癌で手術不能、胃瘻をつくっていた患者。
放射能治療後遺症で、昨年7月入院。
青汁その他で、正常の1/2の血液を、短期間に正常値にしました。
退院後、元気に働いていました。
本年6月ごろから青汁をやめ、ビール、タバコを制止してもやめずにいましたところ、8月中頃に、また血液が半分になりました。
10日間にて正常値になりましたので、居住地の病院に移しました。
11月頃、青汁をどんどん飲んで好転し、12月末に退院の予定との連絡をうけました。
現在、手術不能の胃癌患者2名を治療しています。
ともに貧血なく、1名は75才。本年2月に駄目といわれた方。
他の1名は65才で、本年7月に駄目という患者です。
どちらも、元気に通院しています。嬉しいことでございます。(医師)
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10.頑張って生きたい
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京都府 R.S.
今年も余りにも暗い1年でございました。
世相は乱れておりますが、健康であればどんな困難にも堪えてゆけると思います。人生にとって健康は何にもまさる唯一の財宝です。
巷には病苦に悩む患者が充満しており、それも、慢性化し、生活苦と戦いつつの闘病生活、言語に絶するものがあり、先生の使命は重大と思います。
私たち患者も、先生と協力しつつ、健康法のために頑張って生きたいと思っております。
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11.青汁と信仰で
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三鷹市 T.Y.
「健康と青汁」214号に「長生きには精神修養が必要」とありますが、そうです。
私は、いま94才。自転車で10里位はしります。
以前には肺を病い、空洞があり、だめだと思ったのが、こんなに元気。
青汁の効用もあるが、キリストを信じると、「死も歓迎」です。死ねば魂は天国に行くのですから。信仰の有難さ。
もう一つ。人から悪いことをされても怒らない。
悪いことをする人は、かわいそう。どうか信仰をいただいて善い人になってほしいと願ってあげる。
だから決して怒らない。いやなことが全くなくなる。からだもひとりでに丈夫になってしまう。
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12.恐るべき時代
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熊本市 R.S.
3年ほど前より「健康と青汁」を拝読していますが、現在のような公害の慢性化の時代には、いよいよ、青汁の重要さを痛感いたします。
いろいろな難病奇病が発表されるたびに、青汁をもっともっと理解し、各家庭でしっかり飲んでもらうよう啓蒙に努めねば、と痛感するしだいです。
今の時代は、病気が起ってからバタバタやり出し、そうしてまた、多くの半廃疾者のようなものを作り出す、誠に恐るべき時代と思っております。
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13.とても元気
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14.ガブガブ飲みたい
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15.質問箱
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三重県 I.
問
肝炎です。青汁をはじめて大変調子がよいのですが市販の野菜なので心配しています。
答
市販の材料は危険です。今は残念ながら、安全なものはまず、ありません。
自分で作るか、農家の自家用のをわけてもらう、あるいは乾燥青汁を利用するしか、ほかによい方法はありません。
タネはいつでも差し上げます。
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16.宗忠神の教え
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東京都 Y.T.
人々、心に迷ひ生ずる時は、次の言葉をくり返し、くり返し己が心に言ひ聞かすべし。
1、取越苦労をするな
1、陰気を去れ
1、念をつぐな
1、臆病を去れ
1、邪陽に泥むな
1、御分心を傷めな
1、怠らず御陽気を吸へよ
1、下腹で息をせよ
1、毎朝毎朝生れ変った心持で日拝をせよ
1、臆病と疑が去らねば御蔭は現れぬぞ
天てらす神の御心人ごころひとつになれはいきどうしなり
天照す神の御徳に悪は去りよろずの善は心にぞある
日々に朝日に向ひ心からかぎりなき身と思ふ嬉しさ
何事も心一つに有るものと知らで浮世に迷ふ人々
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