<1973年9月15日発行 第205号>
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目次
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1. バセドウ病
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医学博士 遠藤 仁郎
バセドウ病は、甲状腺(喉頭の下にあり、ヨードを含んだホルモンを出す内分泌腺)の機能のたかまっている病気(甲状腺機能亢進症)。甲状腺が腫れ、眼球がとび出し、指や手がふるう。脉がはやくて、動悸がする。気分がいらいらして落ちつかぬ。汗をよくかく。時には下痢もある。食欲はよく、いくらでも食べるがドンドン痩せてゆく。
これにも、私どもは、次のような理由から、緑葉食・青汁、ことにイモ・マメ・ナッパ・青汁といった完全食がよいと考えている。
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バセドウ病では、甲状腺からのホルモンの分泌がたかまっているのだが、甲状腺の機能は脳下垂体(脳底にぶら下っている内分泌腺)からの刺戟ホルモンによって調節されている。そして、この脳下垂体は、さらに上位の中枢(間脳というところにある神経中枢)によって調節されている。で、甲状腺の機能に変調がおこるのは、甲状腺自身の異常によるか、それを調節している脳下垂体や間脳の、どこかの異常によるのでなければならぬ。
ところが、それらに異常が現われるのは、甲状腺や、その調節機構(脳下垂体や間脳)のいずれかに、もともと抵抗力の弱いところがあり、それが、何らか他の障害因子によっておかされ、変化をおこして来るためであろう。そして、この障害因子にも、おそらく、いろいろのものがあろうが、栄養のあやまり、したがって、その結果、招ねかれる代謝の異常、による血液の変化(いわゆる「血の濁り」)も大いに関係しているにちがいない。
とすると、正しい栄養、すなわち、よくバランスのとれた栄養をとり、代謝を正常化し、血液状態をよくすることが大切であろう。というのが一つ。
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次に、バセドウ病では、一般に代謝がたかまり、体の消耗がはなはだしいので、十分の栄養、ことに蛋白質や熱量を補わなければならない。そのためにも、すべての栄養素が量的に十分にある、と同時に、質的にもすぐれ、利用効率の食構成であることが望ましいわけで、これにも、緑葉食がもっとも適当しているということ。
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さらに蛋白質では、肉類・卵など動物性の蛋白質は、その体内処理にあたって、過剰のエネルギー消費を要し、無駄が多いが、大豆や緑葉などの植物蛋白質は、その度合が少ないので、それだけ少量で足る点も有利だと考えられること。
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なお、十字科植物ことケールの仲間には、バセドウ病に用いられている、サイオユラシール系の薬剤と同様の作用、つまり甲状腺機能をおさえる作用、のある成分がある。但し、その効力は加熱することで失われてしまう。そこで、そういうナッパを生で食べ、青汁にして飲むことは、いくらかでも、甲状腺機能を低める効果が期待できないだろうか、ということ。こうしたことがらから、バセドウ病には、徹底した緑葉食・青汁、ことにイモ・マメ・ナッパ、そして青汁(ケールの)という食がよいと考えられるし、事実、青汁を飲むだけでも、時に、かなりの効果がみとめられている。(46・7)
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2. アカメカシワ
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医学博士 遠藤 仁郎
アカメカシワ。わかい芽が紅赤色だから。1名ゴサイバ(5菜葉)。
むかし、この葉に食べ物をのせて食べたからで、菜盛葉ともいう。楸や梓の字があててある。
古くからヨウ(癰)やチョウ(疔)の妙薬とされた。
楸葉
楸葉は癰疸の奇薬なり。先年、大和より癰疸のみを療する人出で、煎薬のみ、膏薬を用ひずして全功を羮せり。甚だその方を秘す。後、その人漂白して東都に至り、大に債を負ふ。
1薬舗購ふに2百金を以てして、遂にその方を得たり。即ち楸葉単煮なり。楸葉はアカメカシハなり。(蘭軒医談)
梓葉
土生玄碩曰く、余、梓葉を用ふること、之を和田先生に得たり。先生、大津薬舗某に得らる。
某家治瘍奇薬あり。世にその法を知る者なし。
某嘗て病あり。殆ど危し。先生之を療して医す。因って治瘍方を得んと欲す。
某辞するに、先祖斬秘する所を以てす。
居ること1年。某復た病む。先生復た之を療す。
某その徳に感じ、その方を書し、先生に詣て、席上に置きて帰り去る。
その方、梓葉一味、水煎して用ふ。蓋し、梓葉発揮の妙效あるを以てなり。尓後先生之を用ひ、累々奇験をうと。(水野善慶 師談録)こうした効能は、どんな菜っ葉にも、青汁にもみられることだが、これは煎じ汁だから、おそらく、ないか特効成分があるのだろう。これからつくった新薬にガロゲンというのがある。健胃整腸効果がいわれている。
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3. 続・青汁を飲む心(1) 前記を要約すると
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友成 左近
青汁を飲むのは、いうまでもなくカラダの健康をはかるためであり、食事にかかわることがらです。が、この青汁を精出して毎日飲んでいると、それが手がかりになって、食事全般をだんだんと改めるようになるだけでなく、その理解や心がけがしぜんと食事以外にも波及して、生活各面をなにがしかずつ改めるようになり、それにつれて、ココロも健康になってくるようです。
であればお互い、そこをひとつ積極的にすすめてみては、どうでしょうか。
ところで、青汁を精出して毎日飲むのは、前記のように、その他の食物と少し様子がちがって、とくにその意義や効能を理解して、これで健康をはかっていこうと心がけているからです。が、前記は少し混雑していたので、念のため、それを少し筋道たてて要約すると、こうです。
毎日飲むように なったしだいは
まず、精出しもし、また少しは習慣化もして毎日飲むようになったしだいは、およそつぎの通りです。
- 飲みはじめたキッカケは、厄介な病気その他なんぞカラダにおぼえがあって、それを治して人並に健康になりたいと思い、また、人並に健康ではあるが、よりいっそう健康になりたいと思っているところへ、体験者にすすめられたことです。あるいは、体験者にすすめられて、そう思うようになったことです。
- けれどもはじめは、その意義や効能がよく分らず、それに、なんとも風変わりで、まずくて飲みずらかったのです。が、体験者の親身なすすめを信頼して、これを飲んだら健康になれるだろうと、飲みずらいのは辛抱して、とにかく毎日飲んでみたのです。
- すると、やがてその効果があらわれてきて、その意義や効能がまずカラダに分かってきたのです。そこで、それにひかれて、さらに体験者その他にも見聞して、それがアタマにも分かってきて、今度は、これを飲んで健康になろうと、精出して毎日飲みつづけるようになったのです。
- そうなると、事実ますます健康になって、その意義や効能がさらに深くカラダにもアタマにもよく分かってきて、いよいよ精出して毎日飲みつづけるようになったのです。そしてそのうち、まずいことは相変らずまずいが、そのまずいところがえもいえず、というぐあいになり、また少しは習慣化もして毎日飲むようになったわけです。
- と共に、これを友人知人にもすすめるようになり、そこでも同様の体験を共に喜んでいくうちに、青汁は、どんな病気の治療にも予防にも、健康のよりいっそうの増進にも、必要不可欠であり、その最も重要な決め手であると確信するようになったしだいです。
健康と青汁についての 理解と心がけは
こういうふうに飲みはじめもし飲みつづけもしているのは、健康と青汁について、およそつぎのように理解もし心がけもしているからであり、飲みつづけているうちに、そう理解もし心がけもするようになったのです。
- その根本は、いかにも平凡なことですが、病気その他なんぞカラダにおぼえがあれば、それは治して人並に健康にならねばと心がけ、また人並に健康であっても、人間ナマミであれば、よりいっそうの健康をはかっていかねばと心がけているからです。そしてこれは、はっきりと意識しているかどうかはともかく、生命は大切にしなければと心がけているからです。
- それには、必要に応じて医師の診療もうけねばなりませんが、その土台として最も重要なことは、毎日の食事で栄養を十分まかなうことです。そしてこれは、いろいろ人の世話にはなりますが、つまりは自分でつとめなければならないことです。そこで毎日の食事は、それで栄養が十分まかなえるようにと心がけているのです。
- ところが、この食事の習慣や好みには間違ったところがいろいろあって、習慣通り、好みのままの食事では、栄養は十分まかなえないのですが、この習慣や好みには、かけがえもなく大切なもののように執着します。けれども真実かけがえもなく大切なものは生命であり、それを支えていくのが健康です。そこで食事は、習慣や好みよりも健康と生命を大切にして、と心がけているのです。
- そして、生きたカラダの健康と栄養の成り立ちは、人々の習慣や好みにはかかわりのない厳然とした自然の事実であって、これは人為的に変えることはできません。が、それにひきかえ習慣や好みは、生来学習して身につけてきたものであり、事実たえずうつりかわっているのであって、これは、その気になれば変え改めることができます。そこで食事は、ただ全く習慣通り、好みのままにとは執着せず、できるだけ健康と栄養の事実・理法に従うように改めねば、と心がけているのです。
- そして、この理法に従って栄養を十分まかなう最も重要な決め手が青汁であれば、これは、まずくて飲みずらくても、そこは辛抱して飲まねばと心がけているのです。と共に、それを手がかりにして、さらに食事全般も改めていかねばと心がけているのです。
- こう理解もし心がけもして青汁を飲み、さらに食事全般も改めていくと、事実ほんとうに健康になってきます。そこで、これは友人知人にもすすめて、その喜びを共に喜ばねばと心がけているのです。
- とはいっても、青汁についても、また食事全般についても、理解は不十分であり、思慮も足りず意志も弱いところがあるので、とかくそれまで身につけている習慣や好みに従いやすく、また時代の間違った流行にも流されやすいのです。そこで、たえずみずからいましめ、また友人知人とも互いにいましめあうと共に経験や見聞を分かちあって、よりいっそう食事に気をつけなければと心がけているのです。
- そして青汁は、この食事に必要不可欠なものであり、その最も重要な決め手であるが、長いこと飲みつづけて少しは習慣化してきても、まずいことは相変らずまずいのです。そこで、あえてこのまずい青汁を精出して毎日飲んで、みずからいましめるムチにもしようと心がけているのです。(つづく)
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次回参照 |
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4. アメリカ便り 危ない日本製食品
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シアトル M.S.
暑い気候となりました。毎月、遠いこのシアトルまで、かかさず青汁紙をお送り下さいまして、感謝しております。三度三度青汁をつくるのが、とてもいそがしい時など、出来ないので、一ぺんにつくって、フリーザーに入れておくと、ドロドロしていやですから、ひまでのみたい時だけで、あとは純正のミカン、ナツミカン、ブドウなどの汁をのんで、食事には、できるだけ青物をつけるようにしております。
更年期なので、とくに食物があまり美食ですと、てきめん熱(ハットフラッシ、註 ほてり、のぼせ)が出ます。青物ばかり、青汁の会のような食をしますと、この熱くなるのが来ません。
日本へ行った時、肉というものは、どこでも出してくれませんので、このハットフラッシがなくなってしまったのです。そのかわり、お腹がすいて肉がほしくてたまりませんので、買って来て食べましたら、たちまちハットフラッシが来ました。
ある医者(白人)は、食事に関係ないと申しますが、たしかに菜食は、誰にでもすすめたいものです。米国生れの二世が早死にするのが多いのは、肉食が多すぎるのです。肉食をする人たちは、へんな病気になります。仏さまが肉を廃しこともわかります。
肉食動物は目と歯が早くダメになり、長生きしないが、草食動物は丈夫で長生するのをみても、いかに青物がよいかわかります。人間は混食動物なので、そのバランスがとれないため、らくなようで、むずかしいことです。どこの家をのぞいてみても、偏食が多いです。
日本から来た学生が、日本物より料理を知らないので、日本品(インスタントの)ばかり食べていて、病気になってしまって、化学製品ばかり食べているらしいといわれ、この人、初めて気がついたのです。
もう1人の学生も、お腹がへんで困るというので、私の妹が注意し、色々もっていって食べさしてあげてなおりました。私の娘が、日本からの土産とて、きれいな紙に包んだアメをいただいて、それを食べたら、ひどい病気をした。これ見て下さいとて、もって来ました。人工の色とニオイをつけたもので、味は変りませんが、吐き気がしましたので、日本物は食べるな、と申しました。
インスタント・ウドンもダメです。
マッタケ・インスタント汁など、味はかわりませんが、吐き気が来て吐いてしまいました。チョット便利だし、おいしいので、送ってやったのです。大変おこられました。
日本物だけは、やはり日本人ですから、時々ほしいのです。
キナコ 初め使う時は別に何とも思いませんが、残ったのをビンにつめておいて、今度使うとき、ヘンなニオイとともに、ニガくてニガくて(口の中にいつまでも残るニガ味です)食べられないのです。色つけか防腐剤か、何かまざっているにちがいありません。
アンコ キャンづめでも別に変ったことがありませんから、まず、何も入れてないとみています。
キッコウマンのキャン入り醤油、錆の出ないようにしたキャンに入っています。1ギャロン買って、半分頃になるとドロドロになり、まっ黒くなるので、あけて中を見ましたら、錆どめがはげて、錆がでて大変のありさま。以後、ビンづめを買っています。あれも防腐剤が入れてなかったら、と思っていますが。
政府は何をしているのでしょうか。
人間の金の欲が、みな、そうさしているのです。
食物は人生の一つのたのしみなんで、大事なものですからね。
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5. 冷汗の出る思い
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熊本県 E.H.
29才になる主婦でございます。
過去6年の間に、父を癌で、去る三月には母を脳卒中で、亡くしてしまいました。
私自身も、高校2年の時、左耳の聴神経のマヒとかで、2〜3年治療しましたが、よくなりませんので、あきらめてしまいました。
薬や注射でも駄目ならば病気の進行を防ぐことからも、毎日の食生活に十分気をつけなければと、その頃から、自然食というものに興味がありましたが、なかなか実行までには行きませんでした。
しかし、結婚して、台所をあずかるようになりますと、有害食品や、いろいろなことが目について、これでは、家族の命をあずかる食事の仕事もおろそかには出来ないと思い、今までいそがしくしていました洋裁もやめて、主婦専業にきりかえ、家庭菜園をはじめて、いろいろ作ってみようと、適当な本をさがしている時、先生の「青汁と健康」の本が目にとまりました。
これだ、これだと、一気に読んでしまいましたが、今までの間違いだらけの食生活を考えますと、まったく、冷汗の出る思いです。
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6. がんこな肝炎
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滋賀県 Y.M.
毎日、食後に2合、1日計5〜6合のんでおります。
材料は、ケール、キャベツ、コンフリー、人参葉、大根葉、などです。
おかげさまで、だいぶ健康も回復し、がんこな慢性肝炎が徐々によくなりつつあります。
黄疸指数が15から、さいきん8にまで下りました。
これに勢を得て、ますます青汁をのみ、病気を克服したいと思います。
コンフリーについてのご注意
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7. こんどの子にものませたい
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羽曳野市 K.I.
日毎に暑さに向かっております。
7月出産予定の子供のために、ケールの種子をまきたいと思います。
前の子供のときも、お乳がよく出て、助かりました。
前の子供といえば、その子も、今年から幼稚園へいっておりますが、そこで気づいたことは、なんと他家のお子達のか弱いことか、という驚きです。
身心ともになのです。
ささいないたずらをされるといっては幼稚園へ行くのがいや。
耳をなぐられたといっては中耳炎。
大げさにいえば、日本人の先が思いやられます。
最近の号にも、子供の骨折についてのお話がのっていましたが、子供にしてやれることはたった一つ、「丈夫な体」と念じています。
遊びにみえるお子達に飲ませてやっても、一口も飲めないので、今度の子供も、やはり、生後3ヶ月から飲ませよう、と心に誓っています。
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8. 神さまの教のよう
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京都府 T.O.
近所の農家からキャベツの外葉をいただいて、青汁にして飲んでおります。
愚妻が、3年前に血圧にてたおれまして、なんとか杖をたよりに歩かれるようになりました。
毎日、便通に苦労しておりましたが、青汁を飲みましたら、2日目からは楽にあるようになり、こんなによいものと思いませんでした。
本当に神様の教のように思われます。3年前にこのことを知っておりましたら、半身不随にならなかったろうにと、今更にくやまれます。
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9. 青汁を知った感激
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大阪府 K.I.
あと30年は進行するといわれるPCBの汚染。大気汚染、水質汚染等々も、この世に生きているかぎり、逃れられるものなら。また、この世に子供をおくり出す母としても、私の心のよりどころは、本当にケールしかないのではないかと思い、青汁を知ったことに、ふかい感激を覚えます。
全国の誰れにでも、ただで種子を下さるなんて、私等凡人は、いまだに驚いているくらいです。
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10. 支部だより
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11. ソラニン
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12. 膿みやすい子供
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おてきがよく出る。ちょっと怪我しても、いや、蚊やブトに刺されただけでも膿む、といった子供が少なくない。
今では、よい薬があるからよいようなものの、膿むことをしらぬ体になっておくに越したことはあるまい。
緑葉食・青汁を中心にした完全食にすることだが、せめて、甘い菓子をやめ、味つけの砂糖、精製穀(白米飯・白パンなど)をへらし、青汁をしっかり飲ますことだ。
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13. 青汁の適量
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14. 8回目の丑年
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15. 質問箱
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広島市 N.
問
下痢に青汁とバタがよいといいますが、本当でしょうか。
答
ふつう、下痢の時は野菜や油はよくないようにいわれています。
しかし、青汁と一緒にバタを食べると、奇妙にとまります。
これで、ながい間悩んでいた下痢が治った人も少なくありません。まあ試してごらんなさい。
バタの分量は、まず親指の頭くらいでしょうか。多くてもかまいません。
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