<1971年12月15日発行 第184号> | ||||||||||
目次 | ||||||||||
| ||||||||||
1. ニガテ(苦手) | ||||||||||
医学博士 遠藤 仁郎
ニガテ(苦手)といってただ手をあてるだけで、病気を治す能力のある人があることは、古くから知られている。 支那では、古くこの能力は、程度の差はあるが、万人にそなわっているので、すぐれたものでは、まさに驚異的で、他の療治の無効だったものにも著効をしめすし、手をおくだけでなく、体の一部、あるいは衣服に触っても、その力を及ぼすという。 大智度論八には、釈迦が手を患部にふれて難病を治したことが出ているし、 新約聖書マコ伝一五には、 「ここに12年血漏(ろう)をわずらいたる婦人あり、なお、17世紀ごろ、欧州の王室に「お手つけ」ということがあった。 英国のエドワード懺悔王に始まるもので(1042)、ルイレキ、テンカンに王自ら手をおくか、王が力を移した「み手代(しろ)」が用いられた。 また、ハンガリー王は黄疸に、スペイン王は精神病、ノールウエイ王は甲状腺病に治効があったという。 その本態はあきらかでないが、古くローマ時代にアウラとよばれ、バラモンではプラナ、東洋で霊気、生気、精気、元気、衛気などとよばれているもの。 一種の放射線(動物磁気、生物磁気)で、神仏の像に画かれている後光(ごこう)はこれを表象したものだそうな。 天地宇宙の間の万有はすべて、それぞれ固有の気を発しており、その性質の強弱は体質、年令、性別、人格、健康度、精神力、生活力によって異る。 そして、強く充満すれば放散して他におよび、病者はそれによって活力をうる、という。 実際、施術にあたって、受術者は術者の手から、一種霊気に触るような感じをうけ、忽ち力づくのを覚えるそうだし、術者はその手から力の放散するのを感ずること、バイブルにある通りだという。 農薬禍をいち早く警告し健康運動に挺進していられる奈良県五条市の篤学の士梁瀬氏も、この能力をもっていられるが、同氏に直接確めたところ、やはり、これは事実だそうだ。 梁瀬氏は京大出の医学士で、もともと寺院の育ち、幼時から宗教的な雰囲気にあったこと、また純菜食家であることなど、素質的にも環境的にも恵まれていられたのだろう。 「苦手、温和掌は賢者の富貴と調ふべし矣、との、香川修庵(一本堂行余医言)のまけ惜しみもさることながら、診察にあたって、患部にふれると一種の感じをうけ、病気診断にも役立つというのだから、われわれ医者たるもの、何とか習得したいところだ。 もちろん、それにはかなりの難易があるらしい。 本格的には、斎戒沐浴、断食、あるいは酒肉を断ち、精神の統一をはかることが条件だが、ただ、毎日30分くらい静坐して、合掌、振指(バラモン法)、掌指屈伸などの運動をやるだけでもよい、ということだ。 梁瀬氏も、「そうむつかしいことではない」といっていられるが、どうも私など俗気が多すぎるとみえ、いまだにこの能力はえられない。 それはともかく、今日ではまだ十分解明されていない領域のもの。 科学医学からはむしろ否定的ないしインチキ視され、精々がとこ暗示的のものくらいに片づけられている(欧王室の「お手つけ」など確かにこの類いだろうが)。 しかし、 「この磁気療法も、催眠術と同様、おそらく遠からず科学医学にレギュラーなものとして採用されるだろう」といっている学者もあるように、やがては科学的にも解明され、有力な治療法として活用される時が来るかも知れない。 少くとも、一概に排斥したり、一笑に付してしまうべきものではなさそうだ。 | ||||||||||
2. 青汁教室の食養断想 ガンの予防について(2) ――発ガン性物質の排除 | ||||||||||
前号参照 | ||||||||||
ガン予防の食養には、すべての物をよく吟味して、発ガンの原因になるものを極力排除すると共に、毎日の食物構成を改めて、できる限りの完全栄養をはかることが大切である。 発ガンの原因になるものとして、まず第一に排除しなければならないのは、食品添加物のはいっている加工食品である。 最近いよいよ多量に使われている市販の加工食品・既製食品には、殆んどすべて多かれ少なかれ、人工の着色料・発色剤・漂白剤・甘味料・香料・防腐剤・殺菌剤・酸化防止剤・品質改良剤・乳化剤・糊料等々といった数多くの添加物があれこれとはいっている。 そしてこれらは、殆んどすべて、多かれ少なかれ有害有毒作用を及ぼすものだ。 従って、このあいだ、ズルチンやチクロなどが禁止されたように、発ガン性その他の毒性のあるものは、使用が禁止されたり制限されたりしている。 けれども、実状、その疑いのあるものが今なお少なからず許可されており、また使用基準も、それではたして安全なのか、また実際、その通りに使われているか、極めて疑わしいのだ。 このうち、発ガン性の疑いの強い主なものは、紫色・黄色・赤色といったタール系着色料と、サフロールなどの香料類。 また、ハム・ソーセージなどの発色および防腐の目的に使われている亜硝酸塩は、肉や魚のアミンと化学反応を起こして、強力な発ガン物質ができるおそれがあるもの。 またクン製品には、煙や煤の発ガン性成分がついている。 その他の添加物のうちにも、今後の研究で、発ガン性のあることが分かってくるものがあろう。 これまでの経過から、そう予想することができるのだ。 食品添加物は、発ガン性以外に、殆んどすべて多かれ少なかれ、肝臓・腎臓・神経その他に有毒作用を及ぼし、従ってまた体の抵抗力を弱めて、ガンができやすい素地をつくるわけだ。 そこで、ガンを予防するには、添加物がはいっているもの、というよりも、およそ市販の加工食品は極力食べないこと、食べるとしても、よく吟味することが大切である。 たとえひとつひとつの食品には、ごく微量であっても、どれにもはいっている以上、よせ集めると、かなりの量になり、しかも各種の添加物は相互に作用しあって、よりいっそう有毒になることもある。 それに、こうした添加物は、多少とも体内に蓄積する性質があるので、毎日食べるとなると、なおさらに有毒作用を及ぼすようになるのだ。 これはたとえば、きれいに見えるような部屋でも、掃除をしてみると、意外とゴミが多いようなものだ。 発ガンの原因になるものとして、第二に排除しなければならないのは、有害有毒な農薬や医薬や産業排出物に汚染されているものである。 この頃の食料は殆んどすべて、栽培や飼育に、また保存のために、有害有毒な農薬や医薬その他の化学薬品があれこれと使われ、それが残留していることがあり、また地域によっては、有毒な産業排出物に汚染されており、その発ガン作用は、市販の加工食品とほぼ同様である。 発ガンの原因になるものとして、第三に排除しなければならないのは、カビた南京豆や黄変米などである。 このカビが、強力な発ガン性毒素をつくるからだ。 従って、これを原料にした加工食品も、これを飼料にした食料も、この毒素が残留しているので、同様に排除しなければならない。 とはいっても、これは、添加物のはいった加工食品や農薬などに汚染された食料と同様に、いな、それ以上に、お互い素人には見分けがつかない。 であれば、業者に誠実を期待すると共に、食品行政をシカと監視しなければならない。 発ガンの素地をつくるものとして、第四に排除したり制限したりしなければならないのは、使い古した油や白砂糖や食塩などである。 油は、何回も使っていると、空気と熱で酸化して毒物ができ、胃ガンの素地をつくる。 また胃ガンそのものをつくる疑いもある。 従って、使い古した油や、これを使った市販のアゲモノは排除しなければならない。 砂糖わけても白砂糖は、たえず多量にとっていると、栄養が不調和になって抵抗力を弱める。 いったい砂糖というものは、ふつうに食物をとっておれば、栄養に必要な糖分は十分とれるので、調味上はともかく、栄養上にはなくてもよいものであって、これを極力ひかえることが大切である。 菓子もまた同じであり、なおその他に種々の添加物の害も加わる。 食塩の食べすぎも、胃癌の原因になるといわれている。 塩分は栄養上必要不可欠であり、食塩は食物の調味や貯蔵に重宝である。 だが、ふつうに食物をとっておれば、その原材料に塩分があって、ほぼ必要なだけはとれるのだ。 ひどく汗をかいたり、下痢や嘔吐をしなければ、食塩は、ことさらにはとる必要はないので、できるだけひかえめにすることが大切である。 およそ食物というものは、水と食塩を除いては、本来すべて自然の動植物であり害性毒性のないものである。 従って、それぞれ特有の色や味や香りや口ざわりがあり、時間がたてば、カビもはえ、腐りもするのだ。 そこで肝要なことは、動物とちがった、人間固有の胃腸その他の生理的構造や機能にかなうように、栽培・飼育・加工といった手を加えなければならないのが、できるだけ自然のままに近い色や味や香りや口ざわりで食べること、そして、カビもはえれば腐りもするようなものを、カビがはえず腐ってこないうちに食べることである。 決してよけいな手を加え、それも、自然の動植物以外の人工的な化学薬品を加えないことだ。 これが人間本来の食べ方であり、そうして初めて、毎日の食物がおいしくなり、文字通り、おいしいものが身について、栄養がよくなり、ガンをはじめ、その他厄介な病気を予防する体力・抵抗力が養なわれるのだ。 (友成)
| ||||||||||
3. 青汁のすすめ | ||||||||||
甲府市 H.S.
病気を直すことはなかなかむずかしいことであり、健康になるためには相当な努力のいることだと、身をもって知った時はだいぶ年月がたってしまいました。 (これは佐野さんが、
山梨日々新聞46・7・27日号に出されたものですが、 終りの方に少し手を入れさせていただきました。 遠藤) | ||||||||||
4. 総会と農園と(五) | ||||||||||
前回参照 | ||||||||||
山形市 K.K.
(遠藤青汁の会山形支部長)
| ||||||||||
5. カゼ | ||||||||||
万病院のもと。
摩擦(冷水、乾布)、空気浴、日光浴。 のど、鼻の鍛錬 口のうがい(冷水)、鼻のうがい(鼻から冷水を吸いこむ)。 適度の運動。 正しい食養。緑葉食・青汁。 青汁をのむだけでもだいぶちがう。 流行時には、人混みのところには行かぬこと。 マスクをかけ、帰宅後うがい(口及び鼻)。 もし、ひいたと感じたら、無理せず休養。 絶食して青汁だけしっかり飲む (青汁絶食)
| ||||||||||
6. 脳卒中死と食べもの | ||||||||||
穀類にたよることの大きい国ほど高率。 | ||||||||||
7. 80才でも高血圧はよくなる | ||||||||||
横浜市 Y.K.
今年80才。血圧230とは知らぬが仏。 | ||||||||||
8. 楽しみになった | ||||||||||
兵庫県 M.M.
青汁について、あちこちでおすすめしており、幸い昨年蒔いたケールから沢山の種子をとりましたので、希望者にはいくらでもあげることが出来るようになり、楽しくなっています。 | ||||||||||
9. 丈夫になった | ||||||||||
岩手県 K.T.
ケールの種、毎年お送りいただきまして、まことにありがとうございます。 | ||||||||||
10. 胃潰瘍治り風ひかぬ | ||||||||||
京都府 N.S.
1ヶ月の月日もすぐたってしまって、健康のことを忘れかけた頃に、いつも、青汁の新聞がとどきまして、もっと注意しなければ、と肝に銘じています。 | ||||||||||
11. 以前の元気を | ||||||||||
大阪府 S.A.
主人は、若い頃から血圧が高く、常に心配が絶えませんでしたが、三原では青汁をのみ、帰阪後は青汁の素を、1日もかかしたことなく、日々を健康に過しております。 | ||||||||||
12. 血圧の急騰 | ||||||||||
血圧が急に上ったときは、安静(心身とも)にし、潟血をうけ、少くとも2〜3日間絶食して青汁だけ3〜5合飲む(青汁絶食)か、野菜・果物だけをかるく食べておく(野菜果物日)。 | ||||||||||
13. 塩と高血圧 | ||||||||||
大阪府 S.A.
ネズミ(遺伝的素因のある)に食塩をあたえると高血圧をおこすが、その影響は、若いネズミほど強くあらわれる。 | ||||||||||
14. 質問箱 青汁粉(乾燥青汁)の飲み方‥‥ | ||||||||||
岡山県 O.
問 | ||||||||||
コラム紹介 | ||||||||||
愚中の最大愚は ショペンハウエル
私の知っている最大のよろこびは、 ひそかに善い行いをして、 それが偶然発見されることである ラム
その極に達した勇気とは、 みんなが見ている前でできそうなことを、 誰も見ていないところで、 してのけることだ ラ・ロシュフコオ
人生の助言 深山旅愁
求(もと)めようとして求めえず、求めようとせずして求めえられる 万病にひとしく通ずる良薬は 死をおそれざるのこと是なり。 長命の秘訣またこの真理をまなぶにあり セネカ
| ||||||||||
ご意見・ご要望はこちらへ | ||||||||||
|
||||||||||