健康と青汁タイトル小  <1971年01月15日発行 第173号>
 目次




1. イモ・マメ・ナッパ

     医学博士 遠藤 仁郎 

     このごろ、私どもは、最近の医学の進歩にもかかわらず、難治あるいは施すべき術もないといった厄介な病気にたいし、ともかく食べものを直してみることだと、徹底したイモ・マメ・ナッパ食をすすめ、時に、驚くほどの効果があることを経験している。

    その一 失明寸前の眼疾

       葡萄膜炎という眼の病気の一青年(健康と青汁129号、42・5月参照)。
       ステロイド剤(副腎皮質ホルモン剤)をつかうとよくなるが、やめると忽ちまた悪くなる。
       そういったことを2年あまり繰り返しているうちに、ホルモン剤の副作用として最も恐れられている緑内障(あおそこひ)がおこって来た。
       薬をつかわねば葡萄膜炎が悪くなって目がつぶれる恐れがあるし、かといって使えば緑内障が高じて、ついには失明するかも知れぬ。
       いずれにしても失明寸前という、全くせっぱつまったドタン場に追いこまれてしまった。
       そして、藁をもつかむ思いで、救いを私どもの食にもとめて来たというわけ。
       きくかきかぬか、効果のほどは勿論やってみなければわからぬ。
       それまでも、多少の青汁は飲んでいたのだが、ともかくやる程なら、一つ徹底的にやってみようじゃないかと、まず、初の日は青汁だけ6合。ついで、生ナッパ150グラムを加え2日間。4日目から、ジャガイモ、サツマイモ各300計600グラム、牛乳3合を加え3日間。
       その後、大豆100グラム、豆腐1.5丁を追加。つまり、主食にジャガイモ600グラム、蛋白食に大豆100グラム、豆腐1.5丁、牛乳3合。それに青汁6合、生ナッパ150グラム。イモ・マメ・豆腐とも味つけなし。
       調味料としてチリメンジャコ、味噌、サラダ油、食塩、酢、いずれも少々。間食に南京豆少量、という食。
       これでグングンよくなり、2年かかって治らなかったのが、僅か2ヶ月で完治退院、その後もずっと好調をつづけている。
       いま一人、同じ葡萄膜炎の青年があったが、これも同様の食で、約3ヶ月で退院出来るまでよくなった。


    その二 スモン
       近ごろやかましくなったスモン。これも2年あまり苦しんでいた青年。
       同様の食べ方で殆んど完治した(健康と青汁152号、44・4月参照)。
       いま一人、20才の女性。発病後比較早かった(約3ヶ月)ためか、同様の食(青汁4〜5合)約3ヶ月余で完全に治癒した(健康と青汁158号、44・10月参照)。


    その三 レントゲン潰瘍
       レントゲンを強くあてて出来た火傷部は、傷がついたら、現在の医学の常識では、まず不治とされている。
       そのレントゲン潰瘍に施した手術創(痛がはげしいために、患部を切除する手術をした)が、同様の徹底した青汁食で、丸々2ヶ年はかかったが、ついに完全に治癒した。
       そして、その後も、同様の食をつづけている間はよいが、何かの都合で、食がみだれ、青汁が少くなると忽ちジクジクして来る、ということだ(未発表)。


    その四 癌
       癌によかった例についても、健康と青汁149号、(44・1月)その他、報告をうけている。
       高血圧、動脉硬化、糖尿病などの成人病、あるいは腎炎、肝炎、アレルギー病(喘息、リウマチ、ジンマシン)その他、すべての病気のばあいにもよいし、健康食としてもよい。
       さて、この食の特長は、
      1. 栄養のバランスがよくとれ、ミネラルやビタミンにうんと余裕のあること。いや、むしろ多すぎるほどであること。
      2. すべて安全な純正食品ばかりであり、有害な農薬や、危険な添加物のあるものは、出来るだけさけていること。
      3. そして、なるべく自然のまま、あるいは自然に近い形で食べていること。


     では、なぜこういう食をすすめるか。それは、まことに素朴な考え方からだ。今の医学では、それぞれの病気について、いろいろむつかしい学説がいわれているが、古くは、すべて、ひとからげに、血の濁り(?血)によるとした。
     この血の濁りは、おそらく、広い意味で、代謝の異常にもとづくもので、日常生活のあやまり、ことに食のあやまり(不完全栄養)による所が大きい。
     しかも現在は、なおその上に、あらゆる食品が加工され精製されることによって、大切な栄養分を失い、乱用される薬品類(農薬や各種添加物)によって有害化・有毒化さえされている。

     水や空気の汚濁もはなはだしい。また医薬の乱用。こうして、食べものからも、水からも、空気からも、薬品からも、とり入れられる有害有毒物は、直接間接に、からだの組織、臓器をおかし、代謝の異常と血の濁りを招き、あるいは強めているだろう。
     そこで、現代人の血の濁りは、ただに食の組み合せのあやまり(不完全栄養)だけの場合よりも、いっそう甚しくなっているにちがいない。
     ために、病的変化が、以前に比べ、より早期に、かつより高度に現われるようになっているばかりでなく、これまでとは違った形の変化をも生ずる(新しい病気、新しい症状)ことにもなっているのであろう。

     そして今日のように成人病がふえ、また若年化し、あるいは、今まで無かった病気まで出て来るようになっているのではあるまいか。
     だから、ともかく食べ方を改め、出来るだけバランスのよくとれた完全食にするとともに、なるべく安全なものー有害・有毒物のないものにし、しかも、それをなるべく加工せず、自然のままか、自然に近い形で食べるならば、血液は浄化されようし、こうした厄介な病気の予防も出来、治すことにも役立つのではないだろうか。
     また、生食することで、生の力、生命力といった神秘の力も与っているかも知れない、と、まあ、こういう風に考えるからだ。
     が、どうも、それだけでも無さそうだ。というのは、安全食、生食についてはともかく、栄養のバランスということになると、さほど大量のナッパ、青汁の必要はない筈だからだ。
     わが国平均の食べ方、つまり主食の白米飯に肉魚をそえた食の場合でも、青汁の2合(もとの材料ナッパ500グラム)ものめば、バランスは結構とれる。
     まして、それよりも遥かに少量のナッパで済むイモ・マメ食では、僅か1合(もとのナッパ250グラム)で十分釣り合う。それだのに、少量(それでもバランスをとるには十分)の青汁では効果がなくて、4〜5〜6合もの大量(もとの材料1〜1.5キロ)ではじめて、しかも時には奇蹟ともいいたいほどの効果があらわれるというのは、栄養のバランスということだけでは理解できない事実で、どうしても、もっと他の何ものか、それも極く微量にしかない、しかも欠くことの出来ぬ大切なものー未知のビタミンか、あるいはむしろ、いわゆる痕跡因子といわれるミネラル分ーの効果ではないだろうか。
     乾燥製品(青汁粉または緑葉粉)でも、十分の量をとれば、往々、生の青汁に劣らぬ効果がみられることも、それを思わしめるもののようにも感じられる。
     それはともかく、本当の健康食、治病食の条件としては、イモ・マメ・ナッパ食といったように、
    1. 食品自体が安全であり、
    2. 栄養のバランスが完全にとれているばかりでなく、
    3. ナッパ・青汁はなるべく多く、むしろ多すぎる位にすべきで、多ければ多いほどよいといってよいようだ。
     なお、材料ナッパの栽培にあたっては、なるべく十分の堆肥、とくに根の深い草木(表層土はミネラル分ことに痕跡成分に乏しくなっているが、深層には豊富にあるので)や海草の堆肥を施すことが大切と思われるわけである。


    熱量蛋白質脂肪糖質カルシウムB1B2
    ジャガイモ 3003603.90.683.1721202.190.450.1290
    サツマイモ 3002315.70.351.9151261.500.300.0945
    大豆    10039234.317.526.71904707.060.500.200
    豆腐   1.5丁34836.021.011.47205168.400.120.1201丁400
    牛乳     3合318.615.717.824.35404860.545400.160.810
    コマツナ  100202.30.32.6170633.320000.100.1590
    青汁     6合291.631.83.2134.23132αα486000.6723.3481134
    青汁   (1合)(486)(5.3)(0.54)(5.7)(522)(α')(α')(8100)(0.112)(0.558)(189)
           計 1,961.2129.760.74234.24,8391,783+α22.84+α511552,3024,8381,359
             (1,718.2)(103.2)(58.0)(205.7)(2,229)(1,783+α')(22.84+α')(10,655)(1,742)(2,048)(414)
    理想栄養量2000〜240070〜80  1.51.5〜3.010〜1550002.02.0100
       カロリーグラムグラムグラムミリグラムミリグラムミリグラム国際単位ミリグラムミリグラムミリグラム




2. 酒と癌

     アルコールそのものには発癌性はない。
     しかし、食道癌や胃癌には、酒好きの人、ことに強い酒のグイ飲みをする人に多いようだ。
     強いアルコールでは、直接粘膜の損傷がおこるし、それが慢性にながくつづけば、癌発性の下地をつくることにもなるだろう。
     南米プエルトリコに食道癌が多いのは、自家製のラム酒(サトウキビの汁を醗酵させてつくる酒でアルコール分は60〜80%)による、といわれている。
     また、酒の醸造につかわれる材料に発癌性のものがあったり、醗酵中に発癌性のものが出来、あるいは混りこむこともありうる。
     わが国をはじめ、米食人種には胃癌や肝癌が多いのだが、米につくカビに関係はないだろうか。
     米には、黄変米をおこすカビ(肝臓をおかし癌をつくる毒素を出す)だけでなく、アフラトキシン(南京豆に多いカビの毒で、同じく肝臓をおかし強い発癌性がある)様の毒素を出すカビがつく。
     そういう変質米がまぎれこむことはないだろうか。
     また、酒の醸造につかわれるカビ(日本酒やインド・南方・中国などの酒の醸造には、カビの糖化酵素が利用されている)はどうだろうか。
     その道の学者の研究によれば、わが国の醸造用カビにはアフラトキシンをつくるようなものは絶対にない、とのことだ。
     もっとも、動物の実験上からは、ふつうのコウジそのものにも肝毒性があるといわれているが。
     アフリカや欧米のビールや、それを蒸溜したウイスキーの醸造には、麦芽の糖化酵素が利用されているので、カビ毒の心配はない。
     しかし、アフリカの土人、ことにザンビアに食道癌が多いが、これは、かれらが飲むビールその他の酒に、醗酵の際に生ずるアミン(いろいろのものが出来る)から、発癌性の強いナイトロサミンが出来るためだ、という。
     ウイスキーに発癌性がいわれているのも、同じことによるのだろうか。
     日本酒にも僅かにはあるが(5PPM以下)、この程度では、特別の意義はおけないそうだ。
     なお、酒がすぎると、直接食道、胃、また解毒器としての肝臓を傷害するだけでなく、食べものがとかく偏りがちとなり、全体としてのバランスがくずれ、ために体抵抗力をよわめることになりやすい。
     こうした点からも、発癌にたいして不利な条件をあたえることになろう。特殊の発癌物質があればなおさらである。



3. ?(ちとり)の術

     医学博士 遠藤 仁郎 

     潟血=ちとりは、歴史のおよぶ限りの古代からあった。
     出血すると、気分がよくなり、疲れないし疲れがとれる、頭痛その他の痛が軽くなり、なくなる。腫れがひく。熱がとれる。などといった経験から生れたもの。
     血をとるためには、皮膚を乱切したり、吸角をかけたり、蛭をつけ、あるいは血管を切開したり刺したりすることは、未開人の間にも広く行われているし、最古の民族にも知られていた。

    乱切
     植物のとげ、魚の骨、鋭利な石片、または硝子片、小刀、剃刀で切ったり、三稜針を打って、皮膚を傷つけ出血させる。

    吸角
     陰圧によって血を吸い出すもの。吸角は、名の示すようにもとは角製。後に金属製のや硝子製のも出来た。
     本邦では、古く角嗽と称した。
     医心方には「ちとるかめ」と訓んでいる。形が瓢に似ているので「すいふくべ」ともいった。
     角製は、広い口を皮膚にあて、細い口から吸って、蝋で閉じた。金属製や硝子製は釣鐘状をしており、中で綿を燃やし皮膚にあてる。
     私が知っているのもそれで、アルコールをしませた綿を入れ、火をつけて肌におしつける。火が消えると陰圧になって強く吸いつき、うっ血し皮下に出血する。(乾吸角)。
     あらかじめ傷をつけておくと、ドス黒い血が吸い出される(湿吸角)。
     母がよく肩をこらしていたので、三稜針をうち吸玉をかけるのを度々見たこともあるし、実際やらしてもらったこともある。
     これらは、「ちとり」とはいっても出る血の量はごく僅かなものにすぎず、むしろ按摩や灸や鍼と同じく、局所の血行やリンパの流れをよくして、老廃物をのぞき、滲出物の吸収をすすめるもので、主として局所の炎症、腫れ、こり、痛みなどに応用された。
     また、反射的の効果をねらった応用法もあった。
     ヒポクラテスは、「月経をとめるために乳房に大きな吸角を施す」といっているし、奇魂という本には、越前に、卒倒したものの舌尖に針して黒血を出して蘇生さす術を伝へている、と書いてある。
     グリムの童話の忠臣ヨハネスに、卒倒した妃の乳房から3滴の血を吸出すと忽ち蘇生する、という条があり、史記、扁鵠篇に、卒死した太子の外三陽、五会を刺して蘇せたこと、など。


     これも古くから行われた。欧州では、紀元前130〜140年頃のニカンドロスの書に出ているそうだ。
     19世紀の初め、フランスで大流行し、1829〜36年の間にパリの病院で使われた水蛭の数は、毎年、実に5〜6百万匹に上ったという。
     支那では、隋の宗侠の書経心方に、「水蛭を以て悪血を食去る」とあるが、わが国でも上古神代の時代からあったらしい。
     蛭飼(ひるかい)、蛭食、蛭針などとよばれた。
     鎌倉、室町時代にさかんだったが、江戸中期から衰え、西欧医術の輸入で再び行われた。
     私どもが若い頃、大学病院でも、まだ使われていた。
     処方すると、薬局から、痩せた真黒い元気のよい蛭ーシマビル(縞蛭)だが、痩せていると黒くみえるーが届けられた。
     それを、清潔にして砂糖水を塗った所へ吸いつかせる。少々気味は悪いが、十分血を吸うと、コロリと自然に落ちる。
     それに要する時間は約1〜1.5時間。もし途中で止めたければ食塩をふりかける、といった具合。
     1匹の吸う血の分量は、精々10〜15ccだから、小潟血に適しており、老人や小児、衰弱者にも応用出来るし、蛭の数を多くすれば相当量の潟血にもなるので、血管を刺したり切開しての潟血になれぬ時代には、かなり重宝がられた。
     この蛭は、乱切や吸角と同じ局所刺戟と潟血を兼ねたもので、場所をえらばず、どこにでも応用出来る消炎法として、各種の炎症、疔、癰、?疽、あるいは筋・関節・骨の化膿、耳下腺炎、扁桃炎、甲状腺炎、肺炎、脳膜炎などに好んで用いられた。

    潟血
     血管を切開したり穿刺して潟血することも、すでに古代のエジプト、バビロン、インド、中国で行われていた。
     バビロンでは青銅製の刺絡針があったそうだし、漢方の鍼にも披鍼というのがあって潟血に用いられた。
     欧州中世では、すべての病気は炎症によるとされ、衰弱法で防ぎうるというわけで、消炎的の潟血が大いに行われた。
     甚しくは、数日の間に30〜50回も潟血するという調子で、31年間に1309回という記録を持った婦人があったそうだ。
     わが国でも、?(ちとり)の術として古くからあった。
     古事記や書記に釣鈎の説話がある程だから、治療用に鍼の無かった筈がない。
     素問(中国の古医書)に、「?石は東方より来る」とあるのはわが国のことだ、と主張している学者もある。
     しかし、おそらく鍼や灸と同じく中国から伝来したものであろう。
     けれども、真の潟血が始ったのは江戸中期、蘭学以来のこと。私どもが大学を出た頃は、まだ熱心にすすめる学者もあり、かなり広い範囲に応用されていたが、今では極く限られた僅かの適応だけしか行われなくなった。

    潟血量
     ケルズスの如きは、「失神するまでとれ」といっているし、最少有効量は150ccだともいわれているが、もとより、その人の体格、体力、栄養状態、病状によることで、30〜50〜100ccのこともあれば、500〜1000ccとってもよい場合もあった。
     適量のばあい、潟血の直後、全身が軽くなり、いかにも爽快に感じられ、活気づき、食欲が出、快く眠れるようになる。
     しかし量がすぎると、失神したりショックをおこすことがあり、衰弱感、倦怠感、違和感、めまいなどがあらわれる。
     したがって適応や潟血量には十分慎重でなければならぬ。古方では実証のもの、いわゆる邪気の実したもの、つまり、美食の飽食や運動不足で、はち切れんばかりよくふとり、外見上にはいかにも健康そうだが、その実、内には?血がいっぱい。
     そういうものには、潟血して血を浄めることが、保健上にも治療上にも、何より大切だとされ、高血圧、動脉硬化、糖尿病、通風、リウマチ、結石症、喘息、肺気腫、脳出血、外傷その他の出血、妊娠、産褥の合併症予防、更年期障碍、肺炎その他急性感染、癲癇、ヒステリーなどと、ひろく応用され、健康法としても賞用された。
     ただし、反対の、いわゆる虚証のもの、精気に乏しい、虚弱者、衰弱者には、うっかりやってはならない。戦時中のことだが、外傷をうけた友人を救うため血液を提供し、まもなく、肺結核になった中学生があった。

    強健法
     古の武士は、臂力を強くし疲労を防ぐために、潟血した。紀国の和佐氏は、「通矢(とおしや)といふものを射んとせん人の手を刺して、たちまち、健に射了る」と、その道の書に記しているし、楠正成の楠氏軍法には、「征前に手足より?る」とある。
     牛馬鳥魚でも、時々、血をとらぬと病気する、という。
    「土生玄碩曰く、馬、時に刺絡せざれば、則ち病む。けだし、その多血を以てなり」(師談録)。
    「牛馬の療治に、針刺して血を出すこと甚多し、即効あることにて、刺さざれば忽ち死するなり」(山脇東門)。
     これは、ともに?血ゆえであろう。人間はいうまでもない。動物でも、自然界の正しい自然の生活をやっているものには、あり得ないことであろうが、人間に飼養されると、鳥獣魚類も、不自然な飼料をあたえられ、運動不十分となる結果、血液の変調をおこして来るに相違あるまいからだ。
     中神琴渓は、「乱世には兵刄に触れ、屡々出血するを以て、疾患尠(すくな)く、昇平の世には、出血なきに依り、雑病多し」といっているが、これまた、ただ出血だけによるものではなく、戦時中の食糧難、したがって粗食雑食の少食に甘んずるの結果、かえって栄養のバランスがとれやすく、また、からだを動かす機会も多いこと。
     ために血液状態が、より正常化されているためであろう。
     フーフエランドはもう百年も前に、潟血について、「以前は乱用され、生命および健康に有害であったが、今日では、廃止が、また不利の結果をもたらしている」といい、ドイツのアシユネルは50年前に「栄養過剰、運動不足し、血液濃縮の傾向の著しい時代には、潟血は保健上極めて必要なことだ」と警告し、その体質療法の第一に潟血をあげているが、それは、そのまま、今のわが国にあてはめることが出来よう。
     いや、今日こそ、さらにその度は甚しい、といってもよいであろう。
     折から、輸血用の血液の不足に悩んでいる時だ。元気のよい人は、時々、たとえば、古人の推賞している通り、春秋2回くらい潟血し、自らの健康をまもるとともに、献血、あるいは預血しておくのはどうだろう。これこそ、まさに一石二鳥の妙案というものではなかろうか。



4. 86才の特別青年

    千葉県 Y.Y. 

     失礼ながら、私は、暦の年齢は正に86才なれども、特別青年を自認して、現在、手も足も、眼も耳も丈夫で、毎朝、宅地内の天拝山の霊社へ、百七段の石段を昇下して、祖先を崇拝し、夫れから山羊の搾乳・飼養管理、庭掃除、訪問の御方に接し、午后は盆栽の水かけ、趣味の詩、歌、俳、書道など、の趣味に耽り、時折人様より、御丈夫になる妙薬でも呑んで居るのか、秘密にしないで教えて下さいと、其の度毎に、私は、今から10年前、即ち一昔前、主婦の友社より、遠藤博士著「青汁の効用」なる本を求め、「田辺式青汁ミンチ」を求めて、毎日青汁を、冬は大根の葉を乾燥して、これを飲んで居るおかげにて、同年輩の方々は、エンマ様の許へ参りて蓮の台に乗りて悠々たるに、私は残されて、皆さんの御厄介になり居り云々、と其の度毎に申上げ、早速皆さんは実行されて、御陰様にて、神経痛や、心臓が丈夫になりて薬がいらぬとか、糖尿病が不思議に全治したとか、其の他、持病が全快したと感謝され、或はゼンソク、高血圧、胃病が治って助かるなど、私も喜悦の余り禿筆を揮い、遠藤先生に遥かに感謝する次第であります。



5. 長寿健康の原始食

    三重県 Y.N. 

     野菜高、果物高にも青汁は大いに役立ちます。
     私は児童画と古代人画を研究しています。児童の表現に、潜在的に幾万年前の人の表現が、本人も知らずに、はっきりあり、児童は、生きた考古の例証を、次々にさぐっています。
     食物にも、このようなもの(長寿健康の原始食というもの)があるように思われます。
     青汁もその一つ(その文化化した)と思います。



6. みちのくの遠藤先生随行記

    山形県 K.K. 

    なめこ狩
     10月23日、朝5時44分。
     急行出羽号で来られた先生ご夫妻を、愚妻と山形駅にお迎えする。
     楯岡駅まで同車して降りたら、新庄支部の隠明寺先生の一行十数人が、車数台で来て居られて迎えられる。
     ところが大きな落物に気づく。
     上野から随行せられた横浜青汁スタンドの田辺弘氏が見えないのである。
     寝すごしで次の大石多駅で気がついてあわてて降り、タクシーでもどって来た同氏の笑顔を見て、一同ホットする。
     今日のスケジュールのなめこ狩の案内役は、当地のなめこ生産組合連合会々長の井沢政次郎氏で腹の出張った太い声の持主、半ズボンといい如何にも土地の顔役風。
     車中での「なめこの知識」の話を少し紹介しましょう。
     なめこと云うと、すぐ、味覚的にばかり考えるが、制ガン食品として、又精力的な面からも価値あるものと、最近見直されている。
     昔は天然産のものばかりで、貴重品扱いにされ、生産地ですら容易に口にすることが出来なかったが、現在は、大部分が人工栽培で生産される様になり、大衆食品となった。
     然し年中生産されるわけでなく、湿度が80から90で、温度は5度から10度の条件の下、ブナなどの伐木のある標高千米の奥山の秋が、もっとも良いという。
     途中、大久保の県の天然記念物、臥龍松を観る。
     樹令450年。一本の松の枝が東西に十八米、南北に二十米、地を這う様に広がって居り、其の偉観に驚く。
     ここから約15分走って、岩野の天台宗の古刹大円院に着く。
     葉山の登山口となって居り、葉山の祈願所として千二百年前に建立せられたと云う由緒のある寺で、昔は随分遠く県外からも参拝者があったらしい。
     庫裡には大きな囲炉裡に、炭火が赤々と燃えていた。
     思わず郷愁に近い感情が湧いてそのそばに行って手を延ばした。
     手伝の方が数人居って朝ご飯が出る。なめこ汁にジャ香米の新米飯。
     米飯から遠ざかって居る遠藤先生もこれはうまいの連発。
     環境も手伝っているのか、こんなうまい精進づくめの朝飯は、生れて初めての気がしないでもなかった。

     9時半に出発。稲刈の終った村々をつっ走って、最上郡に入る。
     周囲の山々は紅葉が真盛であり、すすきも綺麗で、1時間のドライブも飽きなかった。
     大蔵村の牧場に着いて車からみんな降りた。ここからは徒歩で緩かな山道を登る。
     ブナの原生林が紅葉して居って、太陽の光線が縞の様に洩れ、カサカサと落葉を踏みながら音を立てて歩くのは、気持のよい限りであった。
     時々見える秋空も全く晴れて、一点の雲もない。
     1時間余で11時半頃標高八百米の山小屋につく。
     ここはブナの原生林の中にあって、5月中旬頃でも、雪が二米もあると云う。
     小屋はブナの丸太をそのまま針金か何かでしばられて造られたもので、婆さん一人居て何か煮物をされていた。
     小屋の主人の井沢さんからビニールの袋が1枚づつ渡されて、愈々なめこ狩。
     ピーと云う合図の呼子こそ鳴らなかったが、みんな今来た山道の両側に、真剣な顔をして散って行った。
     自分の女房があそこに居るなあと解っても声をかけるでなし、なめこのありかを探した。
     大きなブナの木が倒れたのに簇生している無数のなめこを発見し、それを指先で摘んだ時のよろこびは、山の幸、山の幸と大声をあげて叫びたい様な気になるのであった。
     指先で摘もうとすると生々とした弾力の様なものが感ぜられた。
     1キロほどが40分で採れた。
     山ブドーもまだ残っていてスッパイ純な味が又何とも云えない。
     午飯には勿論なめこ汁が出た。大きな鍋に水を一切使わないで、大きく開いたなめこだけを煮たものだが、何とも云えないうまさであった。
     山を降りはじめたのは2時半頃。
     樹々の間から洩れる秋の午後の陽光は、黄色にもみじしたブナやナラや其他の潤葉樹を照らして、登るときにも増して、綺麗で、下界に帰りたくない気も起るのであった。
     秋の日の暮るるのは早く、もとの岩野部落にもどった時は、もう暗かった。
     ここから楯岡。さては芭蕉ゆかりの地尾花沢を通り、銀山温泉に着いたのは7時頃であった。
     宿は能登屋で、改築されて居り、感じはまづ悪くなかった。
     来春から放送されるドラマのロケーションに、つい此の間、山本陽子、関口宏の一行が泊っていたという。
     食膳には矢張なめこ汁が出た。今日は朝から三度ともなめこ汁で、こんな事は、もう、一生に二度となかろうと思った。
     新庄節、真室川音頭、さては番頭の手踊などと、秋の田舎温泉での夕食も楽しいものであった。
     倉敷から正味16時間。夜行で来られた先生ご夫妻のお顔には、お疲れの様子もなく、にこにこされていたのはうれしかった。

    銀山温泉郷
     渓流を中にはさみ、二階建の木造旅館が両側に軒を連ね、山もせまっていて、県下に数ある温泉地の中でも、最もひなびたところと云えよう。
     道がせまくて自動車も玄関までは来ないし、静かな車も此上もない。
     山々の紅葉は今が見頃。朝湯から出て2階から眺められていた先生のお顔も晴々として居た。
     出発の1時間前、先生達と銀山川を遡って滝の方向に散歩する。
     精冽な流れ、奇岩、紅葉、晴れた空。洗心峡とはよくも名づけたものだと先生が云われる。
     先生も奥さんも田辺さんもカメラをパチパチさせること、させること。
     少し登ると今度は、長蛇峡と書いた石標があった。
     河鹿橋から僅かしておもかげ園。
     ここには五百年前に三十万人の人達が居って掘ったと云う銀山の廃坑の入口があった。
     洞内は縦横上下と恐ろしく細かに掘られていた。
     5分間で一巡が出来た。

    芋煮会
     9時近く宿を辞して約1時間。
     車は舟形の小国川べりに停った。清流近くにカマドをきづき、そこの隠明寺先生ご夫妻や新庄支部の幹部達が、この地方の風物詩とも云われる芋煮会をしようと、カマドには薪を焚き、莚を敷いて待って居られた。
     此地方では、8月末頃から10月にかけて、鍋を持参して河原に出て、里芋に牛肉を入れ、薪を拾ってきては焚き、酒を温めては飲み且歌うと云う習慣が、いつ頃から始ったかはわからないが、年中行事の一つになっている。
     今日も空には一点の雲もなく晴れ渡っていた。
     小国川晴れたる秋の川原辺に先生を迎え芋煮会する
     秋の日の晴れた空の川原辺にむしろを敷いて大の字に寝る
     歌ならぬ作文かも知りません。横着な随行者を御想像下さい。

    新庄支部講演会
     会場は中央公民館。
     1時の開会の前に、熱心な会員のため、すでに、先生は相談に応ぜられていた。
     会衆約30名。統計では我国民の寿命が随分と延びた様であるが、病人の数となると一向減っていないのが現状であり、此頃は日本独特のスモン病などと云うのが出るという状態で、青汁の必要性が増すばかりだ。と先生は冒頭に云われる。
     どうして病人がふえるかと云うと、

    1.  一般の食事はこのみ本意で、栄養のバランスが崩れて居り、調和がとれていないこと。
    2.  近頃では毒のある食品がハンランしていること。

     この二つにつきると思うが、共通している事は野菜が不足している事である。
     白米食の人は米の目方の3倍の野菜が必要なのだが、そんな人は殆ど居ないだろう。
     厚生省の統計では、3合の白米(450グラム)にたいし、平均200グラムの野菜を食べていることになっている。
     その結果、折角体内にとり入れた栄養分も、完全燃焼しないで、くすぶるだけとなり、血がにごることとなる。
     それで、近頃は、成人病と云われる老人病が、なんと10代の人にまで現われる様にさえなって来た。
     尚、次の様なことが私の会場でのメモであった。

    1. 病気の人は青汁2合では足りない。5合6合と飲んで奇蹟的に治ることがある。
    2. 野菜は一般的には人間が食べるものよりむしろ家畜が食べるものの方が良い。
    3. 農薬は使わないに越したことはないが、純粋の除虫菊又はデリス系のものなら使ってよい。(大阪府和泉市府中町 山本農薬KKの「トリピロン」)
    4. 深耕農法による作物が尊い。僅かでも深土にある尊い成分を吸上げているから。
    5. 大根葉を乾して作った粉は、大サジ山もり3、4杯で青汁1合に相当する。これもよい。
    6. 青汁は造りたてが一番味は良いが、1日2日冷蔵庫に入れておいたものでも、味は少しおちるが、成分はそう悪くなるものでない。
    7. 近頃はやっている乳酸菌飲料は、青汁さえ充分飲んで居れば、飲む必要はないと思う。
    8. 慢性病は病院や医薬に頼りすぎてはならない。正しい野菜食のできる家庭の方がむしろよい場合がある。

    寿楽荘会談 青汁運動は北上する
     東根温泉の田圃の中に建つ県営の老人ホーム、ゆっとりとした広い建物である。
     新庄から猿羽根(サバネ)トンネルをくぐり、最上川に沿うてドライブ1時間。快適なものであった。
     宿には秋田県峰浜村の福司福蔵、笠原小治郎、木藤大禄の三氏が来て居られた。
     東根市長阿部勉氏、それに土田正幸、植松実夫妻、松村伝治、岡田みね、新庄支部の幹部諸氏等18人で、懇談会をしようと思ったのであったが、食堂は爺ちゃん婆ちゃんの団体客で満員。
     歌や手踊、さてはフォークダンス等と、話どころではない。
     折角遠く秋田県北からきた3人を交え、先生との懇談は自室に引込んでから心ゆくまでなされた。
     こうして、秋田県から熱のある人が出現した事は、青汁運動は不思議に北上する、と私が曽て予言した事が当った様で嬉しかった。
     秋田市楢山には安藤恭治氏が多数の信者に、青汁を造って毎朝配っていると云うことも、今回同氏からのハガキで知った。
     今回の会合を機会に、秋田県にも支部をつくり、岩手県、宮城県と発展させたい。
     団体客で満員で室の割当がどうにもならず、先生ご夫妻のお室に筆者も入れていただく。
     とんでもない印象の深い思出となった。
    (以下次号)


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7. なま大豆

     大豆には、蛋白分解に関係する酵素が5〜6種類ある。
     その一つに、トリプシン(蛋白分解酵素)の作用を妨げるものがあり、そのため、生大豆をあたえると、実験動物の成長が妨げられる。
     そして、熱をあてると、このはたらきが無くなるので、大豆の栄養価値がたかまる。
     つまり、生の大豆よりは、煮た大豆の方がよいわけで、それには、含水量が20%のばあいは15分蒸すとよいし、含水量60%以上(夜通し水につけた場合)だと、5分間の煮沸で十分だという。
     だから、味噌や納豆や豆腐の造り方は、全く、理窟にかなっているわけだ。
     このように処理した豆乳は、牛乳と同様に栄養価のたかいよい食べものだという。
     また、生大豆には甲状腺腫をつくる作用のあるものがあるが、これも、加熱するか、ヨード添加で防がれる。
     これは、甲状腺のホルモンの生成に干渉して、ヨード必要量が増すためだという。
     その他、生の大豆には、カロチンを酸化し破壊する酵素がある。
     また、生大豆粉または大豆の蛋白は、豚や鶏にセムシを原因するが、これも、加熱でなくなり、ビタミンDを加えてもさけられるそうだ。いまのように、加工食品氾濫の反動として、自然食の必要がやかましくいわれ出して来ると、何でも、生食の方がよいように感じられるが、大豆に関するかぎり、どうも、却って手を加えたものの方がよいようだ。



8. ベトナム便り 難民とともに

    サイゴン T.T. 

     去る7月22日サイゴン発、メコン・デルタの難民を見舞しました。
     カンボジヤ事変で追い出されたベトナム人、現在14万人位がデルタの諸所に居留しています。
     カンボジヤに移住して、二代、三代と永住し、家業に努めていたもの。
     突発の事件で、家も土地も家具も衣類など放棄して、裸で追出された、そして祖国とはいえ、長年彼地に住んだので、殊にデルタ地区に於ては、知人も縁者もなし。
     倉庫や学校の土間に、ゴザを敷いて、疲れた体を横たえています。
     現在は、白米のみの配給で、殆んど飯だけの食事で、中には、アルミ鍋のみ。
     茶碗もないのがいます。情態を見、また彼等からいろいろ話を聞いて、実に気の毒な人達と、胸を痛めました。
     現在の苦しみは、まあ、諦めるとしても、今後の生活の見通しは全くゼロで、何等施設も、補助の目当てがないのに、非常に心痛しています。
     なにはさておき、この人達の生活の道を開くのが急務です。
     幸いなことには、デルタの西端にあたって、千古の未墾地14万ヘクタールが眠っています。
     フランス時代に開発の計画はあったが(1940年ごろ)、中止したそのまま。この大草原の一部を踏査いたしましたが、驚くべき肥沃平坦地です。
     ただ問題は、土地の酸性が強度であるから、多数の小運河を開通するのや、大型トラクターで深耕、あわせて石灰で中和する必要あり。
     その中の一万町歩をテスト・センターとして、難民2000戸を移住さす計画を企画しつつあります。
     民間の統一慈善団体が主となって、仏教徒が協力、立ち上ります(政府は関係しない)。
     小生は、長年、ベトナムの地で百姓に一貫して来たけど、年を重ねるのみで、結局、うだつが上らず、日暮れんとしていましたが、突然降り湧いた、あたかも天がたった一つ取りおいて下さった、最後の仕事であるとして、断然、決意いたしました。
     難民とともに寝食をともにして、旁々、自分の健康法を染めつけるつもりであります。
     今月末入植することになると思います。この上ともよろしくご指導たまわりますよう。



9. 空気を食う

    兵庫県 Y.S. 

     四〇余年前に修得しました「空気を食う」という健康法をご披露いたします。
     時と所をえらばないので頗る簡単です。
     但し、食後は2時間ないし3時間後に、また、両便も排出後にすること。

    姿勢
     1、正坐。
     2、腰掛 椅子、腰掛等の場合は、尻を浅く掛ける。
     3、臥床 必ず仰向け。

    実施要領
     先ず、普通の呼吸をして後、すっかり吐き出し、次に、口からスースーと5〜7回連続下腹へ詰め込む心持ちで、吸い込む。
     満杯になったら、ウンと掛声とともに、両足の指先を屈め、両手を握りしめて、グッと全身の力を入れる。
     同時に、下腹をいっそう堅くふくらし、出来るだけ長時間こらえると、顔が真赤になり、息苦しくなる(この間50秒〜1分間)。
     耐え難くなれば、口からフゥーと、下腹を押してスッカリ吐き出す。
     ちょっと息苦しいが、3〜4回の呼吸で常態に戻るから、必要に応じ、同じ要領で、何回でも繰りかえす。

    実験効果
     慢性胃下垂の55才の男性、毎日朝晩4〜5回の施行で、1ヶ月で全快。

    私の実験効果
     就寝の節、必ず2〜3回実行。
     習慣で、今では臥床5分以内に眠つく。
     カゼ気の時は、5〜6才の子供を、ふくらした腹の上に立たせます。
     約1分位で、全身に汗ビッショリ。これを乾燥タオルで拭きとって就床しますが、大抵、翌朝はなおっています。



10. 7年の療養に終止符

    大阪市 H.K. 

     7年もの長い間、肺結核で入院致しておりました。
     先生からは、もうお薬ではとても癒らない。体力以外には途はない、といわれ、3人の子供の顔を思い浮べては、死ぬにも死に切れない思いでございました。
     その体力も胃が悪くて食事も受けつけず、ご馳走を前に置いて、何度涙をこぼしたことでございましょう。
     その時、何かのご本で先生のケールのお話を聞き、人様にその汁をしぼっていただき、長い間服用させていただきました。
     その結果、好き嫌いも無くなり、十瓧ちかくも太り、それに伴い、大きな空洞もなくなり、7年もの長い療養に終止符をうって、遅まきながら親らしいこともしてやれるようになりました。
     そして、今では、人並に会社つとめも出来、幸せに暮しております。
     私のイトコに、私と同じように苦しんでいる人がいると聞き、私の話を致しましたところ、ぜひにと切望されお願いする次第でございます。
     幸い広い畠のあるお家でございますので、種をお分け頂ければと存じております。



11. 便秘の悩み解消

    川崎市 G.S. 

     「健康と青汁」有益な記事は、いく度か読み返し、参考にしております。
     本気に青汁をのみつけて半年ですが、便秘の悩みが消えて、何よりうれしく存じます。
     気管支性喘息は、スモッグで有名な土地がらのせいか、なかなかよくなりません。



12. 糖出なくなる

    東京都 B.Y. 

     昨年の6月、糖尿病と診断され、種々の方法を使いましたが、今年に入り、食養の大切なことを知り、玄米菜食にして、調子が大変よくなりました。
     しかし、過労になったりすると、糖がプラス1〜2程は出ていました。
     雑誌「新栄養」で青汁のことを知り、さっそく、新橋の青汁スタンドに行き、毎日飲むようにした所、2週間くらいでほとんど糖が出なくなりました。
     5日に1回、プラス1くらい出るまでに減り、この分ですと、全然出なくなる日も近いように思われます。青汁の本も3冊ほど読ましてもらい、大変有益でした。



13. 不飽和脂肪酸と癌

     不飽和脂肪酸は、血液のコレステロールを下げ動脉硬化を防ぐ、といわれているが、果して本当かどうか。従来の食と、その脂肪の大部分を不飽和脂肪にかえた食との比較実験が、方々で大々的に行われている。しかし、どうも、はっきりした成績は出ていないようだ。
     また、いかにも、それによって血液コレステロールは下り、心筋梗塞の発生や、それによる死亡もへるけれども、全死亡率には差がなかった、というデータもある。
     これは、不飽和脂肪群に動脉硬化以外の死亡が多いことを示すもので、それには、気管支癌(つまり肺癌)による死亡率が、対照(ふつう食の)群に比べ高いことが与っていたという。
     なお、不飽和脂肪については、日本やスエーデンに胃癌の多い原因との関係もいわれている。



14. ケール映画全国で上映

    釜山市 K.S. 

     大韓ニュース151号にケールの栽培から加工、出荷まで、全国のスクリーンに上演していますので、ケールにたいする認識は高まる一方です。
     当地でも、日々会員はふえ、区管を設け、分所をおいています。
     今年は創設の年として、あやふやすぎることですが、来年は大いにケールの効力を発揮させたいと思っています。



15. ソ連の長寿村

    千葉県 M.T. 

     先般 ソ連の黒海北岸の長寿健康村を訪問された杉靖三郎教授のお話に、左の一節がありました。
     「此地方は純朴な農村にて、80才90才で終日農耕、夜はダンスをやる。食は、馬乳またはそのチーズ、野菜はケール、コンフリーおよびキャベツを、日本人の数倍食べる」。




16. シンナー酔い

    岡山県 H.T. 

     職業からシンナーを吸うことがある。そして酔ったようになるが、青汁をのんでみたら、大変ぐあいがよい。



17. 肝臓よくなる

    山形市 M.H. 

     青汁の約2年間の飲用で、5年まえの肝臓障害も、徐々によくなり、今では元気に勤務についております。



18. 豆乳

     現在の豆腐の原料は、主として大豆油を抽出した後の豆粕粉。
     しぼりかすだから値が安い。ながい間水にかすこともいらねば、臼でひくこともない。
     水にとかして煮た上、凝固剤を入れるだけで事足るのだから、手数は大いにはぶけ、寒い真冬の朝早く起きることもない。
     それだけ儲けは大きいわけで、手がかかる上に儲けの少い生大豆からだけからの、純粋の昔ながらの豆腐は殆んどなく、少くとも、われわれの一般庶民の口にはいるものには、まず無いといってよろしい。
     昔の豆腐に比べ味が悪くなったのも、そのためと思われるが、それは我慢するとして、気がかりなのは、大豆油をぬき出す時につかう溶媒(トリクロールエチレン)が、大豆の蛋白と結合して毒性のあるものが出来るらしいのだが、もしや、そうした心配が豆腐にもありはしないか。
     なお、夏の豆腐や、ビニール袋入りの日持ちのする豆腐には、もちろん防腐剤がはいっている。
     いずれにしても、必ずしも安心は出来ないし、さりとて自家製も大変。
     そこでわが家では、なるべく豆腐のもとの豆乳をのむことにしている。
     生大豆を、夜通し水に浸け、十分ふくれた所でミンチでくる(ミキサーにかけてもよい)。
     布でしぼって、5分間ほど沸騰させ、適宜に塩加減して飲むわけだが、仲々うまい。(蜂蜜を少し入れるととても美味い飲物になる)
     純粋の牛乳もないので、その代りにも結構なる。
     しぼりかすのオカラは、市販のオカラに比べ、かなり大豆のかけらが残っているので、これまた仲々うまい。
     食べきれなければ畑に入れる。とてもいい肥料だ。
     多少手はかかるが、安心なだけでも、どれだけ有難いか知れない。



19. 質問箱 冬季の青汁材料

    北海道 T. 


     こちらでの最大の悩みは冬季の青汁材料の得難いことです。
     何かよい方法はありませんか。


     よく育ったケールの葉を雪の中に貯えておくのも一法です。
     しかし、とても冬中の十分の量を賄うことは出来ませんから、乾燥葉の利用をおすすめします。農薬のかかっていない大根葉を、熱湯(80度以上)に約30秒つけたのち、陰干して仕舞っておく。
     粉末の大さじ山盛り2杯(約20グラム)が大体青汁五勺に相当します。



 コラム紹介

    われわれの努力は、
    とかく結果にばかり集中されて、
    原因がおろそかにされている。

    (ヴォアサン)   



    もし健康を保ったまま高齢に達したいと思うなれば、
    食事とか体の運動とかを含めて、
    自然の生活様式からあまり離れすぎないということが、
    男の人にとっても女の人にとっても
    重要なことである。
    (ヘンシェン 老化の問題)   



    寄 遠藤先生
    千葉県 八代義昌 八十六耄   
    清容如梅不染塵
    辛酸多年忘其身
    起疾回春終生志
    倉敷秀気作斯人

    千代八千代
    萬代までも栄えませ
    鎮守の森と
    遠藤の君



    岡山市 中吉広
        年毎に受愛の命深みゆき
        明けゆく年を豊かに寿ぐ



    施して報を願はず。
    受けて恩を忘れず
    中根東里   



    今の人は、過(あやまち)あるも、
    人の、それを規(ただ)すを喜ばざること、
    疾(やまひ)を護って、
    医(くすし)を忌(い)むが如く、
    寧(むし)ろ、その身を滅ぼすとも悟ることなきなり。
    (通書)   








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