<1970年10月15日発行 第170号>
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目次
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1. 土を食う
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医学博士 遠藤 仁郎
食土という風習は、欧州にも、アメリカにも、アフリカにも、アジアことに南方諸地域にも、古くからあり、ひろく行われていたようだ。その多くは、婦人病、ことに妊娠と関係のあるもので、悪阻の予防や治療、陣痛をつよめ、分娩をたすけるため、あるいは乳の出をよくするため、また便秘をさけるため、などに好んで用いられた。
栄養学者マツカラムは、その著「栄養新説」の中に、「テキサスのクラークスピル近くの黒人は赤粘土を食う。そのまま食うこともあり、かまどで赤く焼いて食う。そして、粘土をもとめて何マイルもあるくくらいだ」と食土の例をあげ、「おそらく、ある無機成分の不足によるのであるう」と説明している。
さて、この食土と同じ目的――悪阻の嘔吐を鎮めたり、催生・胞衣を下すなど――に好んでつかわれる漢方薬に伏龍肝がある。伏龍肝というのは、いかにも恐ろしげな名だが、実は、多年火で焼かれたかまどの底の土のことだ。これを削って粉にして飲んだり、煎じてのむ。
以前(今は知らぬが)京都の大学の約束処方集には「伏龍肝煎」が載っており、私どもも、悪阻の嘔吐はもとより、その他の原因による嘔吐にも、よくつかった。もっともこれは、本物のかまどの土ではなく、素焼のかわらけの煎じ汁だということだったが、ともかく、こうした焼土の煎汁にも食土と同じ効能があるわけだ。
インドでは、同じ目的に水を冷やすために使うアルカラザという薄い瓶をこわして食べるという。
本草網目には、
伏龍肝煎は、分娩を促し、胞衣を下す。帯下や、子宮出血その他の出血(吐血・衂血・喀血・血尿)や、遺精、小児の夜啼をとめる。
また、古かわら(烏古瓦)を漬けた汁や煎汁は消渇(糖尿病などかわきの病気)に。
ふるい敷石(古磚)の水煮汁はシャックリに。
黄土の煮汁は赤痢、諸肉、野菌などの毒によい。
などとあるし、わが民間薬には、
伏龍肝は嘔吐、産難、中風、発狂、諸中毒(獣肉)菌など。
また霍乱(はげしい吐潟)や菌毒に、壁土を熱湯に入れて、上清をのむ。
菌・芋・銀杏にあたったのに、土を掘り、水を入れてかきまぜ、澄んだところ、あるいは、赤土や古壁土を水にかきたてて上澄みをのむ。
などとある。
つまり、伏龍肝だけでなく、土の煮汁や泥水の上澄みでもよいというのだ。
すると、土(生土・焼土)を食うことも、その煎じ汁や泥水の上澄み(地漿という)と同様、粘土の中の水にとける成分、つまりカルシウム、マグネシウム、鉄、銅、マンガン、硅素、その他のミネラル(いわゆる痕跡成分をふくめて)の効果によるのでなければなるまい。
ところで、私どもの一般食でも、ミネラル分が不足していることはよく知られるているところであるが、妊婦では、嗜好の変化のため、ことに偏食になりがちであり、いっそうミネラル不足に陥りやすい。そこで、健康の不調をまねき、ひいては妊娠障害をおこしやすくもなっているわけであろうが、こういう機会に、土を食ったり、土の煎じ汁を飲むことは、マツカラムの説くとおり、おそらく、不足しているミネラル分の補給というところに意味があるのであろう。
寺院や神社でいただく「おこうずい」や、何とか霊泉といった洞窟のたまり水が、しばしば著効を奏するのも同じで(あるいは特殊成分によるのかも知れないが)、少くとも、ただ暗示的、心理的のものとばかりはいえないだろう。
こう見て来ると、この食土は、ちょうど、農家が地力回復のためにする客土や焼土に相当するのではないだろうか。農家では、土地がやせて来ると、堆肥を施し、緑肥を入れる。それでも足らなければ、客土したり、焼土する。客土は、山の新しい土(ミネラルにとんだ)を入れることで、焼土は、土を焼いて、有機分をへらし、不溶性のミネラルを利用しやすくするのだ。
私どもは、不足しているミネラルを補うために野菜や果物を食べるが、それは、ちょうど、堆肥や緑肥にあたる。しかし、これら野菜や果物のミネラルも、さいきんの不自然不合理な耕作法によって、しだいに乏しくなりつつある。
そこで、私どもは、自然農法(堆肥緑肥を十分に施した)による良質ナッパで、これを補おうとしているわけだが、この食土は、こうした植物の力をからずに、いきなり口の中に客土したり、焼土を入れる、といったものだ。だから、この際の土は、白陶土・カオリン・アドソルビンなどという精製品ではなく、夾雑物に富んだ自然土の方がよいわけだ。
掘って来た粘土(赤土・黄土)そのままを食べるか、水にかきまぜた泥水やその上澄みをのむ。
また、焼土(伏龍肝)・炮烙・カワラケ・素焼の鉢・屋根瓦・レンガなど、何でもよい、粉にしてのみ、煎じ汁にしてのむ。
私どもの健康は、栄養のバランスのよし悪しにあることはいうまでもないが、それとともに、食べものそのもののよし悪しにかかっている。
そして、食べもののよし悪しは、栽培土の成分のいかんに左右される。
この大切な土の成分を、もっとも豊富にもっているのが良質の緑のナッパだが、土を食うのは、いま一歩さかのぼって、直接に土そのものに求めようという、ながい経験がおしえた知恵ともいうべきであって、決して、いわれない野蛮や風習とばかり、わらい去るべきものではない、と私は思う。
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2. 動脉硬化の出初め
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大動脉や心臓の冠動脉などに、動脉硬化の徴候が出初めるのは、だいたい5才から15才の間だという。
完成した動脉硬化は、もうどうにもならないが、こうした初期の変化は、もちろん治り得る。
だから、動脉硬化を防ぐためには、子供のころからの注意が肝要。
したがって、この節の若ものや子供たちのように、脂濃い肉や卵ばかり好んで食べるのは、たしかに考えものというわけだ。
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3. パセリ
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西洋料理にはつきもの。
ビタミンにも、ミネラルに富み、成分は非常によい。私どもが特級品に数えている3種のうちの1つ。
あとの2種はシソとニンジン葉なのだが、これらはともに刺身のつまに無くてはならぬもの。
パセリが肉の多い西洋料理に、シソやニンジン葉が刺身に添えられるということの事実は、それらによって、肉や魚の毒を消そうというので、そのいずれもが、素晴しい良質緑葉ばかりであるという経験の正しさには、ただただ驚嘆するのほかはない。
パセリは、紀元前数世紀、ローマ・ギリシャ時代から人口に膾炙しており、宴席にかざり、ソースやサラダに欠くべからざるものであったし、酒の異臭を消し酔を防ぐために用いられた。
また、オリンピックの優勝者の頭冠にこれを飾ったこともあるという。
香味料と同時に蔬菜であり、生葉を食べると、血色がよくなり、脳精をつよめ、強心、催眠、通便、利尿の効があるといわれた。
西欧では、パセリに魔除けの効があるといわれているそうだが、おそらく、これに親しんでいれば――ということは、よく食べるということだろうが――どんな魔物(病魔をくるめて)からも守られることを示しているのだろう。
大いに利用したいものだが、大抵のばあい、ほかの料理は食べてもパセリだけは残されている。
せっかく、大切な成分を十分にもったパセリ、さぞかし、ひそかに悔し泣きしていることだろう。
大昔はもっと沢山につけ、うんと食べたのではないかと思うが、今では全くのアクセサリー。食べるのは行儀が悪いようにさえ考えられているようだ。
なるべく生食すべきだが、十分たけた葉は、少々かた過ぎ、ちょっと食べづらい。
揚げるのもよかろうが、むしろ、細かくきざんで生のまま利用すべきだ。
スープや味噌汁に入れたり、おかずに振りかける。
飯に直接まぶしてもよい(パセリ飯)。
コロッケやマッシュポテト、キントンにも十分混ぜる。
小麦粉、ソバ粉、キナ粉、イモ粉、マメ粉などの粉食料理にもうんと入れる
もちろん青汁にもなる。
私ども青汁党のものが旅に出ると、困るのは、どこにも安心して食べられる青ナッパのないことだ。
この際、都合のよいのはこのパセリ。
しばらくならばビニール袋で携行できるし、どこの料理店にも旅館にも、必ずあるから、注文すれば、いくらでも出してくれる。
百貨店の清浄野菜コーナーで求めることも出来る。
乞食のようだが、会食の時、人の残しているのを集めて持ち帰ってもよいわけだ。
栽培はやさしく、素人にもらくに立派につくれる。
春と秋にまくと、年中利用でき、種子もとれる。
虫の害の少いのもありがたい。
アパート暮しでも、箱、植木鉢で結構つくれるから、ぜひ植えておきたいものだ。
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4. 犬の蛔虫
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犬の寄生虫で人間に害をあたえるものの一つに蛔虫がある。
この蛔虫は犬に特有のものだが、親犬はかかりにくい。
たとえば、妊娠している犬が卵(虫卵)を食べても親犬には感染せずに、胎内の仔犬に寄生する。
で、親犬の糞には卵はなく、仔犬の糞の中には卵が出る。
人間でも、とくに子供がかかりやすいが、寄生した幼虫はからだ中をめぐっていろいろの臓器にはいる。
そして、眼に来ると失明することがあるし、脳に来るとテンカンなど脳腫瘍症状をおこす。
という厄介なものだそうだから、青汁用や生食用の菜園には、犬の糞を入れたり、仔犬をあそばせたりなどしないよう十分注意すべきだ。
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5. 肥満と月経
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肥満している婦人には月経の異常(量が少なかったり不順だったりする)が多い。
こういうばあい、いきなりホルモン療法をやらずに(ふつうはそうされているようだが)、ともかく、まず、やせてみることだ。
それで順調になることが少くない。
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6. 土の中の発癌物
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医学博士 遠藤 仁郎
土の中にある発癌物質には、発癌性ならびに発癌促進性物質による土の汚染、それらに汚染された水による汚染、および土中における発生、とが考えられる。
1、土の汚染
大気を汚染している発癌物の降下による汚染。
工場・暖房からの煙やすす。自動車・航空機の排気ガス、原水爆による放射能塵。
発癌性のある農薬の散布(DDTなど)肥料の施用(合成硫安には相当の3・4ベンツピレンがある)、工場・鉱山の廃水、乱用されている洗剤(発癌促進性がいわれている)、などによる汚染。
2、水による汚染
上記発癌物質に汚染された水による土の汚染(灌漑や滲透)。
3、土中での発生
一定の条件下では土中での発生も考えられる。
たとえば、アフリカのトランスケイには食道癌が多いが、その地域の土壌にはモリブデンが欠乏している。
そして、そこにそだつ植物には、強力な発癌力をもっているジメチール・ナイトロサミンが証明されるという。これは、土壌にモリブデンが不足すると、植物体中に硝酸塩がふえ、これが亜硝酸になり(植物体内または細菌作用で)、この亜硝酸が一定の条件の下で、アミンと化合してナイトロサミンになる、というのだ。同様のことは、除草剤2・4・Dをつかった場合にも、硝酸塩肥料が乱用される場合にも、おこりうる。
さて、胃癌は沖積層の低湿地や、有機質にとむ泥炭地、あるいは遊離硝酸分の多い土地、などに多発するといわれている。こうした有機分の多い低湿地では、一方、有機分の分解(腐敗・醗酵)によって各種のアミンが出来るし、他方、亜硝酸菌の繁殖(通気の悪いところでよく繁殖する)により、亜硝酸も出来やすい。
そこで、何かの都合で、土壌の中でも発癌性のあるナイトロサミンが出来るのではないか。
2・4・Dも、硝酸肥料もよく使われているので、その可能性は、いっそう大きいように感じられる。
また、亜鉛や硅素にとむ土壌や水の地域にも癌が多い。しかも、この影響は、石灰の存在で弱められるか、なくなる。なお、一体に、石灰岩性土壌地方には癌は少いそうだ。
ただし、亜鉛や硅素には発癌性は知られていないようだから、あるいは、これらの場合でも、何か発癌性のものが出来るのでもあろうか。
それはともかく、土壌中の発癌性ならびに発癌促進性の物質は、植物に吸収されて、食用植物からは直接に、牧草その他飼料植物は、それらによって飼育される家畜の供給する食品(乳・卵・肉)をへて間接に、あるいは、また、飲用水として、結局はわれわれのからだにはいって来るわけだ。
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7. 土と牛
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岡山県南部の沖積層地帯でそだった牛は、骨格が軟弱で毛色もよくないが、これを、北部の石灰岩地帯にうつすと、見ちがえるほど頑丈になり、毛色も目立ってよくなる。
ホルスタイン牛をアフリカに送ると、数代の後にはゼブ(アフリカ原産の瘤牛)ようの外観を呈して来る。しかし、アフリカ生れの仔牛をホルスタインに送りかえすと、数代をへたものでも、また、もとの美しいホルスタイン牛に戻る、という。
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8. 腹巻きと腹帯
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腹巻き
「大凡そ生を養ふ術、上部は常に清涼ならんことを要し、下部は常に温暖ならんことを要す」(白隠)。
腹部の臓器はことに感じやすく、秋口など、ともすると寝冷えするので、腹当てや腹巻きがすすめられる。それも、腹だけでなく、腰から太股にまで及ぶものがよい、といわれる。
また、こんなのもある。
「温臍兜肚、医学入門に温臍兜肚の方を載す。その方は、艾葉と真綿に薬末を雑ぜて、腹当の内に挟み入れて、臍を温め、諸病を治する法なり。
先考、兜肚の功を悟って、予、幼年の時、昼夜脱することを許されざる故、生長後、今年に及びても、初夏より初冬まで常に着るなり。偶々脱せば腹中気力衰ふ如く覚ゆ。
予が親友に、生質多病の人ありて、兜肚の效あることを発明し、四季とも昼夜着て、他出の時にも脱さざること45年に及びしが、自然と諸疾癒えたり。よって生涯兜肚は脱ずと、会する度に兜肚を見せて談ししなり。」(緒方惟勝 杏林内省録)
但し、いずれにして、虚弱者、過敏性のものにだけ必要なもので、健康者には無用のものだし、弱いものでも馴らして行けば、やがていらなくなる。
幼児など、とくに腹当てや腹巻きをはずすことをひどく恐れるが、これとて同様で、はやくから馴らせば、ついにはいらなくなるし、初めから一切使わずにいれば、ずっとそのままなしで済む。
腹帯
腹当てや腹巻きは、ただ腹を冷さぬだけのことだが、腹でもっと大切なことは腹の皮(正しくは腹筋)のはりだ。腹の皮はからだ中でもっとも運動の不足するところで、とかくたるみがち。ダワダワと綿のように締りなく感じられるのさえある。腹の皮がたるむと、内臓は下るし、多量の血液が腹の中に滞り、全身をめぐる血液がへって来るので、ねむくなったり、倦怠感が強かったり、疲れやすかったりする。
そこで、昔から臍下、気海丹田に力をいれる、といわれているわけで、そのために下腹をしめる。武士の胴巻、禅僧の禅帯、力士の褌、みなこれだ。
北欧神話の雷神トールも力帯をしめているが、これをつけると、日頃の力が倍になるという。
腹帯を締めると腰は生きて来る(川柳)
腹の皮の薄弱なものはもとより、健康者でも、腹部をしっかり締めることは、確かに気持のよいもので、とても腹当てや腹巻きの比ではない。しかし、それにしても、たた外からの支えを与えるだけで、ごく消極的な補助手段にすぎない。かならず同時に、積極的に腹筋の強化をはからねばならぬ。常に腰をのばし、姿勢を正しくして臍下に力を入れる。そして、つとめて腹筋運動をやる。そうしていれば、しだいに腹筋が強くなり、ついには腹当て、腹巻きはもちろん、腹帯の着用も不要になる。
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9. 真事の伝え
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二宮尊徳翁曰く、
人々は能く其の根元を押極めて見よ
身体の根元は父母の生育に在り
父母の根元は祖父母の丹精に在り
祖父母の根元は其の父母の丹精に在り
欺の如くに極める時は天地の命令に帰するなり。
されば天地は大父母なり故に天地を元の父母と云へり。
夫れ、我も人も、1日の命長かれと願ふ心、惜しいほしいと念ずる心天下皆同じ。何となれば、明日も明後日も、日輪(太陽)出で玉ひて萬世替らじと思へばなり。若し明日より、日輪出ずと定まらば、如何にするや、此の時は一切の私心執着惜しいほしいも、有るへからず。
されば天恩(天照大神の御徳)の有難き事は誠に顕然たるべし。
汝輩よくよく思考せよ、恩を欠けて報いざる事の多かるべし、又徳を欠けて報いざるの事少なからざるべし。徳を報う事を知らざる者は、後来の栄えのみを願ひて、徳を欠けたる本を捨てるが故に、自然に幸福を失ふ。能く徳を報う者は、後来の栄えを後にして、前の丹精を思ふが故に、自然幸福を欠けて、富貴其の身を放れず。と。
宗忠神の御書翰中より、
人と申す者は、とかく少しのことに心かかり、其の所より、いつの間にか元の道を忘れ候こと、甚だ恐ろしきことにござ候。申上ぐるまでもごさなく候へども、萬事其の元をお忘れなさるまじく、元あっての枝葉にてござ候。
(青木五郎)
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10. カヤ(榧)の実
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医学博士 遠藤 仁郎
カヤの実は南京豆そっくりで、味もよく似ている。
生でも食べられ、炒ればこうばしい。
お八つによし、酒のつまみによし。
本草書には、「穀を消し、筋骨を助け、営衛をめぐらし、目を明にし、身を軽くし、人をしてよく食せしむ」とか、「陽道を助ける」(生々編)など、消化・強壮・強精効果がいわれており、正月の篷筴に供えて縁起を祝うのも、そのためだろう。
食品成分表(3訂)によると、
熱量は612カロリーとかなり高く、
蛋白質12・2グラム、
脂肪58・3グラム、
糖質15・5グラムで、
蛋白質や脂肪にとんている。しかも、この脂肪は、パルミチン、ステアリン約9%にたいし、オレイン19%、リノリンあるいはその異性体が72%もあって、血液中のコレステロールをへらす働きのある不飽和脂肪酸にとんでいる。
ミネラルでは、カルシウム9ミリグラムだけで、燐や鉄は記載がないので、詳しいことはうかがえない。
またビタミンでは、
A 40国際単位、
B1 40ガンマ、
B2 110ガンマ、
C 7ミリグラムで、
B2はやや多いが、Aはごく僅かだけだし、B1も少い。
なお、「寸白を療ず」とあって、クルミや南瓜子と同様サナダムシを出す効能があるらしい。
「多食すれば腸を滑する、五痔の人によろし」(宗爽)というのは、脂肪にとみ、通じがよくなるからだろう。もっとも、また、「多食しても病を発せぬ」で、いくら食っても大丈夫だ、ともある。
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11. インジアン
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アメリカ・インジアンのナヴァジョ(Navajo)族には癌が少いというので、アメリカの科学者たちは広汎な研究を行った。
その報告によると、特別なことは発見されず、おそらく人種的の特長だろう、と結論されている。
しかし、Voisin氏は、「土」のことが忘れられていることに着目し、
「ナヴァジョ族では、かれらが土から生れたとの信仰から、トウモロコシの粉に、シーダ−の枝の灰を加えて食べているが、これは、木の灰によって、かれらの『土』のミネラルを補っているのだ。」
また、「他所の粉には、自産の粉を混ぜて用いているが、これまた、よその食べ物に、かれら自身の『土』を加えることが有利であることを知っているからだ。」
水については、「アメリカの研究家がのべているように、かれらが飲む水は、すべて泉の水である事実をみのがしてはなるまい。その成分や、ミネラルのバランスについてはわかっていないが」
といっている。
(Voisin著 土・草・癌より)
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12. アイヌ人の胃癌
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アイヌ人には胃癌がないそうだが、北大の並木正義氏の調査によれば、
その食習は、近年になって和人と大差がなくなったが、それでも、食塩のとり方が少い。
そして、「中年以上のものは、いわば、チャンコ鍋式の調理法を好み、いまなお、アイヌ特有の山野草を副食としているものが相当いることに、なにか関連があるのかも知れない」。
(メヂカル・トリピューン。43・10・10号)
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13. アンデス高原人
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14. タバコと未熟児
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15. 緑葉食の特異な効能
総会での先生のお話から(その3)
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友成 左近
青野菜・緑葉を、それも必ず良質で安全なものを煮て食べ、生で食べ、さらに青汁にして4合ないし6合と飲んでいると、すなわち、原材料で日に1キロないし1キロ半以上と多量に食べていると、そしてそれ以外は、芋や大豆などのように栄養に調和をとりやすいもの、それも必ず安全なものを適量食べていると、ふつう医学では不治といわれているような難病でもだんだんと治ってくる。
それは、そうした食物で、ふつう栄養学で考えられる限りの完全な栄養になるだけでなく、さらに本当に完全な栄養になって、そうした難病でもみずから治していく体力が養なわれるからであり、そしてそれは、多量に食べこんだ緑葉の特異な効能である。
緑葉だけで本当に完全な栄養になる
それは動物の食べ方をみれば、ほぼ見当がつく。
まず野生の草食動物は、もっぱら緑葉を食べて健康に生きている。それはすなわち、緑葉だけで本当に完全な栄養になるからだ。
そして肉食動物は、この草食動物を食べて健康に生きているが、小さいものは全部食べ、大きいものは、まず血を吸い、つぎに内臓を、それも食べこんでいる緑葉といっしょに食べ、それから骨をかじり、最後に少しばかり肉を食べる。それはすなわち、ただそれだけで完全な栄養になるものから食べていくわけだ。
こうしたことは、家畜の場合でも同様である。
たとえば犬に、ふつう人間が食べているようなものだけを餌に与えると、人間と同様に、とかく病気にかかるが、これに緑葉を(青汁のしぼりカスでも)沢山加えると丈夫になる。 また子牛を育てるとき、親牛の乳だけでは丈夫に育たず、早くから必ず緑葉を加えている。成牛には、必ず緑葉をそれ相当量与えないと、乳の出方が悪くなり、病気にもかかりやすい。
さらにニワトリには、必ず緑葉をしっかりやらないと、卵の生み方が少なくなり、病気にもかかりやすい。
なお、ここに興味深い試みかある。上野動物園ではライオンやトラといった肉食動物の餌に青汁をまぜているのだ。というのは、野生のときと同様な飼料を与えることが予算その他で困難であり、ために病気にかかって困ったが、緑葉をそのまま与えては食わないからだ。そこで青汁にして餌にまぜてみたわけであるが、どうにか食べ始めて、だんだん丈夫になってきたそうである。
人間は緑葉だけでは栄養が十分とれないが
ところが人間は、草食動物のように緑葉だけでは健康に生きていけない。それは、直立歩行で胃腸の構造がちがっているため、そうは多量に食べきれないからであり、また緑葉中のセンイ分を消化する酵素が出ないため、これを栄養として利用できないからだ。
そこで人間は、動物とちがった食べ方をしているわけであるが、完全な栄養にするには、緑葉をそれ相当量食べねばならないことには変わりはない。それは、緑葉を食べることが容易でないエスキモー人が、トナカイの胃の中にある岩コケを必ず食べている通りだ。
究明されている栄養は完全栄養のごく一部
ところで、人間は、直立歩行によって動物に優越したが、その昔の食べ方はともかく、文化がすすむにつれて食べ方に栄養上厄介なことが起こってきた。そこに栄養学が発達したわけであるが、すでに究明されている栄養成分は、本当に完全な栄養のごく一部にすぎない。それは、たえず新しい栄養成分が発見されている通りだ。
従って、栄養学で究明されている限りの完全栄養にしても、ただそれだけでは、まだ本当に完全な栄養にはならないわけである。
それは、こんな実験も示している通りだ。動物に平素与えている餌を人間が食べている通りに精製して、そのため損失した成分を栄養剤で補足して、考えられる限りの完全栄養にしてみたところ、著しく病気にかかりやすくなったのだ。
緑葉・青汁はすべての栄養成分が最も豊富
そこで重要なことは、栄養学で究明していることは適切に活用すると共に、さらに広く長い歴史につらぬいている食べ方の知恵や、生きものとして人間に近い動物の食べ方に学んで、ことを誤らないようにすることである。
そうすればおのずから、緑葉が既知未知すべての栄養成分に最も豊富であり、これ以外に、これに代わるもはないということ、従って、緑葉はそれ相当量必ず食べねばならず、できるだけ多量に食べれば食べるほど本当に完全な栄養になるということが、よく分かってくる。
そしてこの緑葉を、できるだけ多量に、そして最も有効に食べる工夫が青汁なのである。すなわち、野生の動物が食べている通り、いっさい精製せずに全く生きた自然のまま、ただ人間の胃腸にかなうように、厄介なセンイ分の大部分を取り除いただけだ。
このため、青汁を日に4合ないし6合以上と飲んでいと、栄養学で究明されている限りの完全栄養になるだけでなく、さらに既知未知すべてにわたって本当に完全な栄養になるのだ。そして、医学では不治とされているような難病でもみずから治していく体力が養なわれてくるのだ。
だんだん究明されている緑葉中の栄養成分
というと、いささか推測にすぎはしないかと思われるかも知れない。だが最近の研究によれば.、そう判断して、さして誤りはないのであって、それはこういうしだいである。
完全な栄養には、糖質・脂質・蛋白質といった多量成分だけでなく、ミネラル・ビタミンといった微量成分が必要である。そしてこの微量成分には、その毎日所容量が今日の分析化学で容易に定量できるものもあれば、痕跡成分といったものもあるのだ。
そしてそのうち、多量成分はいうまでもなく、微量成分も、カルシウムなどのようにミリグラム単位で定量できるものから、ビタミンBなどのようにガンマー単位で定量できるものまで、大部分はすでに究明されているが、最近はさらに痕跡成分まで究明され始めている。
たとえばガン発生の動物実験によれば、飼料にゲルマニウム(例の朝鮮人参に多いといわれているもの)を痕跡程度にでも加えると発生しにくくなり、また、セレニウムを痕跡程度に加えると、やはり発生しにくくなるが、それ以上に加えると逆に発生しやすくなる、といったことである。その他モリブデンなどについても、ほぼ同様なことが究明され始めている。
従って、本当に完全な栄養には、こうしたまだ十分究明されいない痕跡成分までも必要なのであって、これが痕跡程度に一定量あれば、体力わけても病気に対する抵抗力が格別強化されるものと思われる。
こうしたことは農業方面でも研究され始めているのであって、そうした成分はいずれも土の中にある。そして草木がそれを吸収して成長し、その緑葉にこれが多いといわれている。
そこで緑葉を、できるだけ多量に有効に食べると、いな、そうして初めて本当に完全な栄養になり、医学では不治とされているような病気でもみずから治していく特異な抵抗力がついてくるわけなのであろう。
(だがこの緑葉は、そうした意味で良質なものでなければならないのであるが、食物として適切な品種と栽培については次号で。)
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16. 遠藤青汁の会 昭和45年本部総会レポート
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山形県 K.K.
永年の宿題であった倉敷行きが、支部会員のおすすめと、自分が勤めをやめて自由の身になったことなどから、今回、実現出来た。私にとっては、云わば本山詣。教祖の遠藤先生の日常のご生活を目のあたり見聞することが出来ることなので、心はずんで5月29日に山県駅を出発した。
30日の朝9時新幹線ヒカリ号で東京駅を立ち、新大阪で正午過ぎ急行玄海号に乗換え、3時すぎなつかしの倉敷駅に着いた。直にタクシーで倉敷中央病院に遠藤先生を訪ねる。聊か近代的ではないが、樹木に囲まれた落付いた大きな総合病院。立派な院長室に先生自らご案内される。2年振かでお会いするのだが少しも変らない若々しさが嬉しかった。
入院患者に対し、青汁は無理にはすすめないが、約3分の1の人が飲んで居られると聴く。然し近頃は人手不足なので、病院内での青汁づくりはやめて、外から求められているとのことであった。先生のお宅は病院の隣接地にあって、すぐであった。大病院の院長先生のお宅は素晴しいものと想像していたのに、全くその反対なのに驚く。然しもう一つ驚いた事がある。それは先生手作りの畑である。
地面から盛土した様に30センチも高く、黒々とした肥土に、大根・ケール・シソ・レタス等々の野菜が作られていることであった。あの土こしらえには、藁や木の葉や堆肥や色々の有機質肥料が、幾年も幾年も投入さて出来たものと思えてならなかった。
その面積は10坪位しかないであろう。然しこうまでに入念に手入れされた畑からは、先生達お二人だけの食膳には充分間に合う生野菜となるのであろう。百姓もその辺の園芸家も及ばない医者農園を見て、ビックリしたのであった。先生のお宅には米1粒もないことも事実であった。
やがて東京から田辺氏や佐藤久市郎氏、松浦夫人(元運輸相の)、豊橋の川上氏、亀山市の朝倉氏、大阪の田辺氏等が見えられ、前夜祭が繰りひろげられる。奥さん手作りの青汁料理の出ること出ること。健忘症の筆者は何々だったか忘れたが、精進揚、生野菜と、最后はジャガ薯(ご飯代り)が出た事だけはおぼえている。此時細荀を生で食べることも生れて初めて経験した。食卓に出たバナナとビールを除いて、一物も電話注文ですむものがないのに数々のご馳走には、奥さんにほんとうに頭が下がるのであった。
和気藹々のうちに青汁談義が進められ、9時頃かと思うが国際ホテルに送られたのであった。大原財閥が建てられたとあって、筆者には不相応なデラックスな宿になったわけだが、亀山市の朝倉さんと相宿で、色々と話合いながら寝につく。
明日は月曜日で、大原美術館は休館と云うことがわかったので、今日31日は是が非でも見たいものと、総会の始まる10時まで1時間むさぼる様に見入った。流石に名だたる美術館だけであって、タメ息の出る様なものばかり。もう青汁の会の総会に出ないうちから、これだけでも倉敷に来た値打があった様な満たされた気持になるのであった。泰西の逸品ばかりで、そう点数か多くないので、本館だけなら1時間でもどろうにか見られる。
総会は西小学校の図書室で10時から始められた。「健康と青汁」新聞紙上で幾度か読んだ西小学校の名、青汁と極めて関係の深いこの小学校は内容も充実した気持のよい学校であった。
友成氏の司会で、故矢野先生を始めとする物故者先輩の霊に黙祷してから、例の如く決算予算などの議事が進められた。集った人々は60名位かと思う。山形県の新庄支部からも、荒川・五十嵐の両氏が今朝会場に駈けつけられる。みちのくのミヅなどの山菜を沢山持参されて中食の時、一同にご馳走され喜ばれたのであった。
青汁会は営利事業でないのだから数字にこだわる必要がないと云うもの、その内容に聊か活気がない様な気がしないでもなかった。会の基金となる様なものもないことも、物足りなさの一つであった。会としての経済面の充実は今後の課題でなかろうか。新聞についても、もう少しフレッシュなニュース的な若々しい記事をのせられないのかと註文をつけておいた。
会長遠藤先生の講演に移る。医者がサジを投げたスモン病、青ソコヒなどの治療の結果を発表される。体験者が眼前に居ってのことだから何等の疑点がない。是等の人達は何れも第1日目は青汁4合ないし6合だけの青汁絶食を行い、あとは生野菜、イモと食べる様にする。是等の難病の場合は特に青汁の量がモノを云うのであって、量足りて微妙な働きが出る様になると聞いた。尚自然食の中にある微量成分には大切なものがあって、是等は多く土中の深部にあるので、深耕作物の貴重なことを力説された事が注目された。青汁よい事は解って居り乍ら自分も、周囲の人達も、まだ飲み方が足りないと、反省されられた。
女医の宮尾先生の率直な体験発表は我事の様に思えて興味深かった。人間と云う厄介な存在は、ぢきに自己と妥協して、うまい物が食べたくなり、体重一つ減らすことすら容易でない、と云われるのであった。
尚数多くの体験談が自己紹介と共になされる。流石に会長遠藤先生の下にあってのことだから、真剣そのものの感があった。中食には地元の方々の献身的なご協力で盛沢山の青汁料理が出される。豆乳などなつかしく珍しいと思った。最後はご飯でなく矢張ジャガ薯とサツマ芋である。生野菜は何杯でもお代り放題と沢山出た。
尚遠藤先生は玄米飯は否定的であった。その理由は昨年あたりから稲熱病防除のための水銀薬は使わなくなったとは云え、水銀はまだ地中に残存するので危険だと云われる。全く科学的には驚くほどきびしい先生なのである。
総会は3時に終了した。然し又先生宅で晩餐会が催され、今夜は新庄支部から来られた二人を交え、何時果てるともなく、懇談がつづいたのであった。
(遠藤青汁の会 山形支部長)
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17. 『白』ご注意 マスクと紙ナプキン 長期使用肝臓も痛める
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市販されているガーゼマスクや紙ナプキンのほとんどが、色を真っ白にするため、発ガン性のある危険なけい(蛍)光増白剤を使っていることが4日、東京都消費者センターの調べてわかった。清潔な感じのガーゼマスクまで、人体をむしばむ〃伏兵〃だったわけ。この増白剤は、医療用ガーゼ、食品にふれる食器や包装紙などには、薬事法、食品衛生法で使用が禁止されているが、ガーゼマスク、紙ナプキンは、〃直接食べ物にはふれない〃という理由で野放しになっている。このため、東京都は同日、厚生省に食品衛生法、薬事法を改正して、ガーゼマスクや紙ナプキンにもけい光増白剤の使用を禁止するよう厳重に申し入れた。
消費者センターが調べたのは、駅の売店や薬局で買ったガーゼのマスク21点(21メーカーの製品)と、デパートの食堂、レストラン、バーなどで集めたナプキン30点。けい光物質を使うと白さや明るさが増し、製品が真っ白にみえるが、紫外線をあてると青紫色か緑青色のけい光を出すところから、同センターはこれらの製品に紫外線をあてて分析した。
この結果、ガーゼマスクは21種類全部、ナプキンは30種中28種類からけい光物質を検出。けい光増白剤を使ってなかったのは、中華料理店と喫茶店のナプキン2点だけだった。
このけい光増白剤は「ジアミノ・スチルベン系化合物」を主成分として長期間、多量に体内に蓄積されると発ガンのおそれがあるほか、内臓―とくに肝臓をいためるといわれる危険な化学物質。現在、薬事法、食品衛生法により、医療用ガーゼや食品に直接ふれる紙容器類には使用が禁止されている。
ところがガーゼを使ったマスクや、紙ナプキンは直接、食べ物にふれないので規制外とされ「衛生マスク」とか「ナイロンマスク」といったかんたんな表示だけで、零細企業の手で野放しに製造、販売されているという。
しかし、実際には、ガーゼマスクは直接口にあてるし、紙ナプキンで口をふいたり、サンドイッチやナイフ、フォークをまいたりするので、けい光物質が口にはいり込むケースは大いにありうること。
このため都は「病気を予防するはずのマスクに危険な物質がはいっているのは許せない」として、厚生省に「食品衛生法や薬事法を改正してこれらの製品についてもけい光物質の使用を禁止してほしい」と文書で申し入れた。
ところでこの有毒ガーゼマスク摘発のきっかけとなったのは、同センターの消費者リーダー養成講座。食品添加物の実験の一つとして着色剤のけい光度を暗室でテストしているうち、カゼをひいてマスクをかけていた主婦に紫外線があたり青白く光った。これに不審をもった主婦たちがマスクばかりでなくナプキンや紙容器類を買い集めて検査してわかった。
(サンケイ 45・7・6)
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18. 半年もたぬといわれた
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新潟県 S.H.
この写真は、去年の初夏とりましたもので、ケールの花がまさに開かんとしております。
青汁愛用して丸4年になり、もはや半年も持たない、といわれた私が、ごらんの通り、すっかり丈夫になり、まだ5年や10年は心配ない、といわれるようになりました。
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19. 野菜に毒性の農薬 エンドリン 洗っても、煮てもダメ
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ハクサイ、キャベツ、レタスに毒性の強い農薬がかなり多量に含まれている――との研究が長野県佐久総合病院の若手グループでまとめられ、30日から日本で開かれる「第4回国際農村医学会議」で発表される。
研究グループは、農協組合立の厚生連・佐久総合病院薬局長の河西朗医師ら4人。昨年春から2年がかりで東京上野、池袋、長野県内の八百屋から一般に売られているハクサイ、キャベツ、レタスを買集め、殺虫剤のエンドリン、アルドリン、BHC、DDTの4種がどれだけ残留しているかを調べた結果、きれいに水洗いしたあとも殺虫剤を検出、最高値はエンドリン1・2PPM(PPMは100万分の1の単位)アルドリン0・01PPM、BHC0・12PPM、DDT0・35PPMとなっていた。
とくに注目されるのはエンドリンで、この4種の殺虫剤のうち、農薬毒物指定を受けているのはこれだけ。毒性がDDTの15倍、無色、無臭、有機塩素剤の一つで、からだにはいるとなかなか排出しにくいが、それがかなり多量に残留していることがわかった。
エンドリンは洗っても煮ても防除できず、万一中毒を起こしたとしても治療薬はない。
動物実験によると、ハツカネズミにエンドリンを飲ませた場合、体重を1キログラムに換算して6ミリグリムが致死量となる。
(44・9・28・朝日)
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20. 腎臓炎快癒
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岡山県 H.M.
昨年来、病魔の床にありました二男も、今から2ヶ月前より、尿は全くきれいになり、近所の医師に往診してもらったところ、「何処も悪いところがないのに、何故ねているのか」といわれましたが、ことが腎臓であるだけに、慎重すぎる程慎重にせねば、と思いおります。
昨日も、畑にケールを見に行きましたが、すくすくと育っているのもあるかと思えば、花が咲きそうなのもあります。青汁は、私達の唯一の健康の泉でありますので、今年こそはウンと作ってみたいと思います。
昨年、当町のある病院に入院いたし、全てをその医師にまかせましたところ、注射は毎日8本、その上に投薬がつづき、食事は普通の人と同じもので、ぃくらでも栄養食をとるようにいわれました。
本人が好きなもの、にぎり寿司でも何でもしっかり食べて、尿から失われる蛋白が多いのだから、口から充分補給するよう、との指示で、いうが儘、いわれるが儘に食べさせたところ、病気は一向によくならず、腹に、頭に、あるいは足の裏まで腫れる有様でした。
これではいかんと、注射はどんどん打つがよくならず、薬は毒とかわり、素人目に、これでは死ぬと直感いたし、先生のご指示通りの療養に踏み切り、頑固なこの病気をようやく治すことが出来ました。
その間心痛は常につきまとい、濁りきった尿が透明になる期間は本当に長かったものです。
部屋を暖め、安静に心がけ、大便も便所に行かせず、その部屋で便器にとりました。
これが、効果が相当あったように思えます。
薬は、漢方薬を気休めにつかいました。
食事療法は徹底的に行いました。青汁に心がけ、イモを主食としてまいりました。
この実行は、病人と看護人である母親との一体化で実行されたことが、また大きな効果でした。
本当によくなりました。
しかし本人の体は随分とやせ細っていますので、元のような状態になるまで養生させたいと思います。
高校の方は、入学したというだけで、一歩も学校に行くことなく、友人が3年になる来年に、1年生というハンディはございますが、健康第一ですから、しっかりした体につくり直した上で、という考えでおります。
世間には、誤った方法であたら尊い生命を失っている人が多いのですが、幸いにも私宅の方は救われました。
長い間の苦闘で本人も、尿毒症で最後かなあ、ということもありましたが、尿の出もよく、今は心配なく、一家ホッとしているところでございます。
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21. 冷え性
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手足や腰が冷える冷え性にも、いろいろ原因はあるが、栄養のあやまりも大きく関係しているようだ。
そういう人には、ご馳走好きが多いのたが、本人は、栄養が足らぬからだろうと、いよいよ、肉類・卵・糖分といった、いわゆる栄養物をとろうとする。ためにひどく偏った(熱量、蛋白質ばかり多くてミネラル・ビタミン類の不足した)甚しい不完全栄養となり、皮膚の血行が悪くなるのが原因らしい。
ものはためし。せめて今から、うんとナッパを食べ青汁をのんで、栄養のバランスをとってみることだ。
すぐに、というわけには行くまいが、そのうち、必ず、効果があらわれるだろう。
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22. エンサイの乾燥粉末
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東京都 H.E.
昨年は、エンサイで夏から秋まで、青汁に大変重宝させていただきました。
冬中は生の葉がないので、よく繁った時にとって、日に干して、粉にして貯えました。
少しビンに入れてとっておきましたが、色も全然、味もかわらず、作った時と同じようです。
生汁ほどには行きませんでも、冬中のむのを休むより、少々でも、粉にしたのを飲んだら、血もきれいになるよう思えます。
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23. いつまでも続けたい
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島根県 S.Y.
青汁のおかげと、「健康と青汁」紙を拝読させていただいて、食物につきましても、いろいろと考えさせていただきます。おかげで、よわかった私も、この節、よほど元気になり、毎日、少しづつの仕事をして楽しんでいます。
青汁だけは、いつまでもつづけるつもりでおります。
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24. こよなく嬉しきこと
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25. 御礼の言葉
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和歌山県 S.S.
5人家族、私夫婦65才、農。長男36才(工高教諭)、妻31才。孫長女9才。
私と長男は胃弱、妻と長男の妻は腰痛神経痛でございまして、たえず困っておりましたところ、地方某医師より「健康と青汁」の新聞を一部、本年1月いただき、早速、乾燥粉末をもとめ飲用。
5月より、栽培ケールをミキサーにかけ、朝夕、家族5人飲用。1人当り2合であります。
おかげ様にて、さいきん医薬一切無用で、家族一同元気にくらしております。
これみな、ケール種子無料でご恵送下さいましたおかげ、感謝の申上げようもなき次第でございます。
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26. 質問箱
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京都府 R.S.
問
青汁論者のいうことのみにて、肉・魚など摂らないでいるのは変則的な栄養であると、有名な栄養学者の言でしたが?
答
有名な学者ほど、民間の無名の者のいうことは小馬鹿にして、ふかく研究しても見ず、無責任な発言を平気にします。本当に真面目な学者の態度ではありません。
私どもの主張は、ナッパ・青汁で食べものの調和をとろうというので、肉を魚を食うなとは、一度もいったことはありません。
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