<1970年4月15日発行 第164号> | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
目次 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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1. 脂肪 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
医学博士 遠藤 仁郎
しかし、食べすぎると、血液コレステロールが増し、動脉硬化ことに心臓の血管(冠状動脉)の硬化をおこす。 また、色をよくするため着色されているし、酸敗その他変質を防ぐために薬剤も添加されている。
乳の脂肪以外の食用油脂を乳化し、バター様に硬化させたもの。 もともと動物脂(牛・豚・鯨など)が主につかわれていたが、しだいに植物油脂(ヤシ脂・大豆油・落花生豆・綿実油・菜種油など)が多くなり、最近では、殆んど植物油脂ばかりでつくられるようになっている。 風味はバターには及ばないが、ビタミン添加などで栄養的にはバターにくらべ遜色のないものが出来るようになっているらしい。 しかし、色をつけたり、薬剤(乳化剤、酸敗防止剤など)の添加されていることは同じ。 また、過ぎれば血管ことに心臓の血管に変性を招くことも同じ。 元来、マーガリンの主原料である植物油は、ヤシ脂(バターと同じく不飽和脂肪酸に乏しく、血液コレステロールを増す)を除き、不飽和脂肪酸にとんでおり、血液コレステロールを増さないばかりか、むしろ、下げるはたらきがある。 したがって、動脉硬化をおこす心配がないばかりか、むしろ、それを防ぐ力があるわけだが、液状の油を硬化するための操作(水素添加といって、不飽和の脂肪酸に水素を加えて飽和脂肪酸にかえる操作)によって、バターと同じ性質をおびて来る。 もっとも、近頃では、マーガリンのこの欠点を除くため、ヤシ脂(飽和脂肪の多い)の量をへらし、液状油(不飽和脂肪酸にとむ)を増したものが出来ているそうだ。 たとえば、スエーデンでは、もとのマーガリンにはヤシ脂が45%で、不飽和脂肪は6〜8%にすぎなかったが、今では、標準マーガリンで15%、ソフト・マーガリンで30%、液状マーガリンは60%もの不飽和脂肪を含んでいるという。
しかも、すぎれば動脉硬化を原因することは同じ。 旧約レビ記に、「牛・羊・山羊の脂はすべて汝等これを食うべからず」とあるのは、そのためだろうか。 なお、脂溶性の農薬(DDTなど)がたまっているかも知れない。
栄養的には脂肪だけで、ビタミンもミネラルもない。 しかし、これら植物油には、大切な脂肪酸(不飽和脂肪酸)が多くて、動脉硬化の原因とされる血液コレステロールを増さず、まるいは、むしろ低下する作用があることは上記のとおり。 だから、これら植物油は大いに利用すべきだ。 しかし、これでも問題が全然ないではない。 それは、やはり色だが、この場合は着色でなく、色ぬきだ。 また脱臭にも。子供のころ、神棚や仏前に供える燈明には菜種油をつかっていたが、かなり褐色のつよいものだったし、特異の油臭があった。 それが、今では、どの油もまるで水のように澄み、色はあっても、ほんの僅かだけだし、臭も全然ない。 色も臭もがぬいてあるだけだが、問題はその脱色、脱臭法だ。 現に、昨年おきたカネミの米糠油事件は、脱臭につかわれている薬品が洩れこんでいたためだった。 脱色でも、骨炭だけでの脱色ならば、問題はないが、実際には危険な薬品がつかわれている疑いがないではない。 もっとも、たとえそうだとしても、それは極めて僅かだけだろうから、そうやかましくいう必要はない、というのかも知れない。 けれども、ありとあらゆる食品が加工され、また、あらゆる薬品が加えられている今日のこと。 たとえ、箇々の食品にある有害分の量は少なかろうとも、少しも安心は出来ない。 そこで、しぼりとった油よりも、これら油の原料をそのまま、つまり、ゴマ油でなくて、ゴマ。大豆油でなくて大豆。その他、クルミ、ペカン、ナンキンマメ、ナッツ類、カヤの実、松の実、南瓜子、ヒマワリ子などといった、脂肪にとんだものを、そのまま利用することだ。 むかしから、ゴマ、ナンキンマメ、クルミなどが和え物としてよくつかわれている。 これを復活することだ。 雑多な混ぜものがないだけでも、どれだけ安心か知れない。 それに、脂肪だけでなく、蛋白質もあれば、ミネラル、ビタミンもあるのだから、栄養的にもずっと有利といったものだ。 なお、最近20年間のアメリカにおける油脂の消費では、バターや動物脂肪がへって、それだけ植物油がふえて来ている。 そのあぶれ食品がわが国へ輸入され、舶来のバターだ、マーガリンだ(ソフトや液状ものならばともかく)、ラードだ、ヘッドだと、有難がって食用され、昔ながらの健康食は惜気もなく捨てて、欧米流の食(しかも流行おくれの)に転向。 欧米流の病気(たとえば心筋梗塞=こんな病気は少くとも20〜30年まえまでは殆んど無かった)の急増に悩まされているというのは、何とも馬鹿げた話ではないか。 また、欧米人に多い大腸癌にバター・マーガリン・牛豚脂といった飽和脂肪酸にとむ脂肪と関係があるらしいし、日本やスエーデンに多い胃癌には、高度に不飽和な脂肪酸にとむ植物油が関係しているのではないか、ともいわれている。 このごろ、わが国の習慣食の改善のために、もっと脂肪を、という声がたかいようだが、動脉硬化を招く動物脂肪はもとより、その心配のない植物油とて、あまり食べすぎることには問題がないとは、必ずしもいいきれないのではないか。
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2. ヤシ脂 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
多くの植物油は血液コレステロールを増さないか、むしろ減らす性質をもっているので、動脉硬化をおこさないか、治りをたすけるかも知れぬ、という風に考えられている。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
3. 脂肪と癌 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
別項、大腸癌や胃癌と脂肪との関係について記したが、調理によっても発癌性をあらわすようにもなるらしい。
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4. 動脉硬化の予防 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
スエーデン、ルンド大学のH.・Malmros博士が、ランセット誌(1969・8・30号)に発表しているところを要約すると、コレステロールと飽和脂肪を多く摂ると、動物でも人間でも、血液コレステロールがふえ、ついで、動物では動脉硬化がおこるので、人間でも、おそらく同様動脉硬化を原因するのであろうと考えられている。 というので、簡単にいえばご馳走を食べすぎないことというのだ。 これに、ナッパが十分にそえられれば、そして運動すれば、なお一層よいだろう。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
5. 牛乳 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
牛は上古、神代の時代から、農耕用に飼養されたが、肉も乳も用いられなかった。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
6. 食養断想(30) 病気の今昔 その4 主として化膿・水虫について | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
前回参照 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
友成 左近
ニキビがでたり、オデキができたり、その他あちこち化膿する人は、昔に比べて今も、そう少なくなっていないようであるが、その治療は容易である場合が多く、手術後の化膿は極めてまれになっているようだ。 化膿するのは、もとより化膿菌に感染するからではあるが、この化膿菌は、われわれの生活環境至るところにあり、とうてい消毒し尽くすことはできず、だれでも常に、これにさらされているわけである。 しかも、これには免疫性がほとんどないのだ。 にもかかわらず、お互い見比べれば分かる通り、人によって、化膿し易い・しにくい、治り易い・治りにくい、という差が著しい。 それは、ひとつには化膿菌の性質や汚染の程度や汚染物の処置にもよるが、いまひとつには、この化膿菌に対する人その人の抵抗力に、強弱が著しいからである。 そしてこの強弱は、ひっきょう人その人の平素の食物・栄養の良否によって決定するのだ。 すなわち、これまたお互い見比べれば分かる通り、化膿し易い人、治りにくい人は、ほとんど例外なく、毎日の食物にひどい偏りがある。 まずもって、野菜や果物わけても青野菜が大嫌いである。でなければ事実なにほども食べていない。 そして、菓子や砂糖が大好きであり、でなければ、白米飯の大食家か、筋肉部だけの魚や肉の大食家である。 ために、熱量や蛋白質は十分に、いな必要以上にとっているが、これが体内で栄養として役立つのに必要不可欠な各種のミネラルとビタミンがひどく不足して、栄養が著しく不調和・不完全となっているのだ。 だが、こんな人でも、青汁を毎日せっせと飲んで、青野菜を必要なだけ十二分にとれば、そう化膿しなくなり、化膿しても早く治るようになる。 さらに菓子や砂糖を極力つつしみ、白米飯をひかえていくと、ちょっとぐらい傷をしても、別にそう消毒しなくても、めったに化膿しないようになる。 お互い青汁仲間は、みなそうだ。 従って、いったん化膿した場合は、その場所や程度によって、それ相応に外科的処置や治療薬の利用は必要であるが、同時に決して怠ってならないことは、毎日の食物をよりいっそう改善することだ。 でないと、この頃の化膿菌は、度重なる治療薬に耐えぬいて強力になっているので、少々の治療薬では容易に効果があがらず、病気によっては慢性化して、医療のほどこしようがなくなることもあるからだ。 ところで、こうなった場合でも、毎日の食物を思いきり改善すれば、ただそれだけで、だんだん軽快していく。 チクノウが極度に悪化・慢性化して、医者からもみはなされ、毎日の不快・苦痛に耐えかねていた人が、こうして全快した実例もある通りだ。 すなわち、安全で良質な青野菜を青汁にして、毎日カップ4杯5杯と飲み、菓子も砂糖をほとんど厳禁し、白米飯と筋肉部だけの魚や肉をひかえて芋と大豆にかえ、加工食品は、よく吟味して、できるだけ添加物のはいっていないものを使うようにしたのだ。 なお念のため一言。たとえ化膿し易い人でも、治療の場合はともかく、予防のためにと、抗生物質その他の治療薬は決して乱用しないことだ。 思わぬ栄養障害を招いたり、たまには過敏な体質になってショック死したり、いろいろ厄介な副作用を引き起こすからだ。 水虫にかかっている人、これが治らなくて困っている人は、昔に比べてこの頃、かなり多くなっているようである。 それも、夏だけでなく年中かかり通し、度々医者通いまでしている人も少なくないようだ。 ひと口に水虫といっても、ただの湿疹程度のものもあれば、特定のカビに冒された本当の水虫もあり、その上そこが化膿までしている場合もあるが、厄介なのはカビによる水虫である。 この水虫にかかるのは、化膿と同様に、そのカビに感染するからであるが、このカビは、現に水虫にかかっている人が、お互いの生活環境にまきちらしており、これが容易に消毒し尽くせないからだ。 そしてこの頃、水虫にかかる人が多くなったのは、通気性も吸湿性も少ない靴下と靴の生活で、いつも足がむれているため、容易に感染する人が多くなったからである。 と共に、毎日の食物にひどい偏りがあって栄養が著しく不調・不良となり、この感染に対する抵抗力が弱くなっている人が多くなったからだ。 ところで、この水虫が、化膿とちがって、容易に治らない場合が多いのは、まだ有効な治療薬が開発されていないからであり、数多い治療法も、根気よく長期間つづける必要があるからだ。 そこで水虫の予防であるが、それには、実状そのカビが生活環境にちらかっている以上、それが皮下にはいって繁殖しないように、靴下や靴の通気性と吸湿性をはかったり、その清潔につとめたり、足を冷水や消毒液で洗ったりして、とにかく足を清潔にすることが大切であり、これはよくいわれているところだ。 けれども意外にかえりみられていないのは、毎日の食物を改善して感染に対する抵抗力を養なうことである。 ところが、これは極めて重要なことであって、こうつとめたら、ことさら足の清潔につとめなくても、けっこう予防できるのだ。 たとえかかっても、そう困ることなく、秋ともなれば、しぜんと治ってくる。 これは、青汁食養家がひとしく体験しているところだ。 それだけでなく、長年、冬でも年中かかり通していて、もう治らないものとあきらめていた人も、他の病気のため、毎日の食物を思いきり改善したところ、別に治療はしなかったのに、しかも夏の間に、すっかり治ってしまったという実例も沢山あるのだ。 この食物の改善要領は、化膿その他の予防・治療の場合と全く同様である。 (友成)
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7. ウバユリ(姥百合) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
薮かげや山裾の茂みの中にみかける。 春日若葉は茹でて和物、浸物等としてよし味は平で、特別クセはないから生でも食べられ、青汁にもなる。 「花さく時葉は枯れるから、 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
8. ナンバー・ワンの健康 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
ロス D.I.
今から20年前、1949年、私が69才の時、大病をわずらい、天国の一歩手前まで行きましたが、天の神様は、天国のドアーをお開け下さらず、 大介よ、お前は、まだまだ娑婆に用事が残っているから、それらが済んでから来なさい。とのことで、私は致し方なく戻ってまいりました。 お約束どおり、良医をお贈り下されましたので、この通りの、ナンバー・ワンの健康を得、現在90才に入りましたが、何処へまいりましても、何を致しましても、少しの疲れも知らないのであります。 また、時には危険なことが起りました際には、神様の御手にてお護りをうけ、いつも大難の筈のところが、無難ですむ、実に不思議のおめぐみにあずかって、感謝しております。
私は、ながい間保険業を致しておりましたので、同病の者は保険に加入をことわられることを知っておりますし、まず、大抵は不治でありますので、十分に注意を致しておりまして、良医のサゼスチョン(注意)はすべてを守ってまいりました。 医師のいうには、今後の食物は全部かえ、肉・牛乳・米・パン・菓子・キャンデー・卵・バター・澱粉のはいっているポテト等は食さぬこと。 野菜・果実・海草・豆類など。 そして、水を1日1ガロン飲むこと。 私は即座にそれを実行しまして、追々と回復し、2〜3年後、自動車も使ってよいようになりましてから、トレーラーを買い求め、所々方々の山々へ行き、トレーラーの中にて寝食をいたし、すべてのことを頭から取り去り、ただ一心に健康につとめましたので、9年間で全く全快いたしました。 10年目に日本へ行きまして、二木博士の玄米菜食のよき教えを知り、また、遠藤先生の唱える青汁のよきことも知り、ますます健康になりましたのです。 これ全く、神様のおみちびきのためである故、神様へのご恩報じのために、このよき事を、在米の同胞に伝えて来たのでありました。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
9. 青汁と信仰で | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
東京都 T.Y.
いつも恩誌有難く、青汁有難いですね。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
10. 動脈硬化と肉体労働 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
脂肪のとり方が多いと、動脉硬化が来やすいと一般にいわれているが、スエーデンのヘンシエン博士は、その著「老化の問題」(蕨岡小太郎訳)で、次のように述べ、肉体労働の意義に注目している。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
11. 油をぬる | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
医学博士 遠藤 仁郎
皮膚の働きには脂肪が必要なので、清潔のために余り石鹸をつかいすぎて、脂肪をとってしまうのはよくない。 「是の時、菩薩(ぼさつ)、彼の油酥を以て、身に塗摩するに、各毛孔に随って、悉(ことごと)く、其の体に入ること、譬(たと)へば、土聚に、或は復(また)、疎沙に酥及び油を瀉(そそ)ぐに、悉く皆侵入して、並に復(また)現はれざるが如し。とあるが、釈迦が菩提樹の下で断食修行をやった後、その衰弱したからだに酥油(バタのことらしい)をすりこんだところ、まるで土や砂にしみこむようだった、というのだ。 また、昔は、治療的の油剤の塗擦がかなりさかんに応用されたものらしい。 10〜12世紀に勃興したサレルノ学派などでは、吐剤を腹に、?痰剤を胸に、麻酔剤を頭部、鼻粘膜などに用いた(田中香涯)。 溶媒の油には、肝油、バタ、植物油が用いられたが、ラウォールによれば鵞脂が最もよい。 支那では最もはやくから塗擦剤に用いているが、近代の科学的研究で脂肪のうちで滲透力が最もすぐれているという。 私どもの医局時代によくやったのは梅毒と結核性腹膜炎とだった。 梅毒には、必らず水銀軟膏を塗擦した。 両の腕と大腿にすりつけて油紙でくるみ、口が荒れて、口臭がひどくなるので、始終うがいしている患者をよくみかけた。 結核性腹膜炎は、若い女性に多く、肺結核ほどたちは悪くないが、治りにくいもので、水がたまって臨月のようになった大きな腹をかかえて、2年も3年も苦しんだ。 手術して紫外線をあてるといい、などといわれていた以外には、これというよい方法もなく、安静をまもって栄養をとり、腹部に日光をあてたり熱気をあてることと、油剤の塗擦くらいしかなかった。 で、温めた肝油やバタ、オリーブ油などを30分づつ、気ながにすりこむのが、当時の看護婦の日課だった。 もと西洋では、この油剤塗擦のとき、看護の尼さんは一定の頌歌や祈祷をくりかえすことになっていたが、それに大凡そ30分かかったので、この時間はそうきまったのだそうだ。 ともかく、毎日、根気よくすりこんだ。 腹をさするという機械的の効果。 あたためた油の温熱的の効果によって、血行をよくしようというのがねらいだったようだが、脂肪やビタミンの吸収効果も与っていただろう。 さらに、心理的の効果もみのがされぬだろうが、患者も気持がよいといっていたし、われわれも、何だか効くような気がしていた。 今では、よく効く薬が出来て、こういった病気そのものも無くなったし、何でも注射、注射と、栄養補給の途もひらけたので、こういう間だるっこいことは考えられなくなってしまった。 それに、看護婦は不足、家族たちも多忙で、おちおち看病もしていられない当節だから、ああした手のかかる、のんびりしたことはとてもやれるものでもない。 しかし、多勢のものがつめかけ、しかも、何をしようともせず、ただ拱手傍観しているばかり、という光景も間々みうける。 そういう時、ことにけだるさをまぎらすために、さすったり、もんだりするような時には、多少でも栄養の足しになる油(好きな香油を加えてもよい)の塗擦をやってみるのも、決して無駄でもあるまい。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
12. “おかげ”どころか危険な観光地シャモジ | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
東京都 T.Y.
有毒な塗料使う (44・6・4山陽新聞)
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13. サボテン生ジュース健康法 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
渡辺 忠夫
サボテンの生ジュースを飲む。 (サボテン大阪44・10月号より)(日南海岸サボテン公園技師長) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
14. 静脉瘤の予防 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
東京都 T.Y.
下肢の静脉瘤は婦人に多く、 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
15. 青汁教室の忘年会に参加して | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
岡山県 Y.O.
44年最後の月の青汁教室に参加させていただきました。 「血圧の方は絶対心配ありません。と申されています。 眼底も、今より10年前の34年の夏、岡山大学病院で検査をうけました時には、「初期を通りこして中期」と申され、全身の血管が硬化しているとのことでございました。 青汁教室に入会させていただきましてより不思議によくなり、今春、中央病院眼科での検査では、「ほんの初期程度」と申されました。 かねてご指導いただいています食養生、いよいよゆるみやすい腕によりをまき、意志を強固にもち、なおいっそう努力実行いたしたいと存じます。 今回勉強いたしましたグリーンサラダをつくりましたところ、孫娘二人が、おいしいから、また度々つくってくれと申します。 こうしてありがたい大自然の法則にしたがい、神仏のご加護もうけらるることと感謝いたしております。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
16. 80才でテニス | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
ホノルル K.I.
いつも「健康と青汁」を通して健康の道を学ばしていただいております。 (牧師)
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17. 農、医一体の健康法 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
長崎県 N.S.
人間を堕落させ、悪化させつつあると思われる、現在の「貨幣尊重経済社会」の中における、現在の治療医本位の医療法を、「人間尊重経済社会」に進化発展させるため、医師界の有志により、治療医本位から、保健医本位の医療法に、特定の部落を改造し、医師と部落民との協力により、個人別に、部落別に、地域別に、健康程度を誇りあい、心身の健康による人間幸福の見本を作り出し、「農、医一体」となり、人間改造〜社会改造のキッカケを発見することなどは出来得ないものでありましょうか。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
18. 活力がつづく | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
大阪府 K.I.
毎日ケールを飲んでいます。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
19. 韓国にも食の危機 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
釜山市 K.S.
このたび「食の危機と青汁」をお送り下さいまして、まことに有難く拝読いたしました。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
20. 菜食と肉 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
正しい菜食では、肉への欲求がなくなる。 「体質上の菜食者は、動物性食品を見れば、これを試むるまでもなく、直ちに嫌気を催おすので、この上、更に、菜食厳守の持戒は無用である」といっているが、ついには、こうもなるものと見える。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
21. 徐々に浸透してゆく青汁 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
福岡市 K.S.
ご努力の尊さ。地味ながらも、徐々に浸透してゆく青汁に喜びを感じます。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
22. 緑内障(あおそこひ)と青汁 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
倉敷市 H.O.
43年10月下旬、市から老人検診の通知を手にし、年だなと苦笑して読み下しました。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
23. 芳草の汁 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
大阪市 K.S.
芭蕉の「去来、不玉宛論書」に次の一節があります。 「或人俳諸の新味を問う。鴻雁の羹は美味の代表的なものでありますが、この芳草の汁は無論青汁のことではなく野菜汁のことであります。 併し「芳草の汁」という表現が面白いのでお知らせいたします。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
24. 猫の便秘 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
広島市 G.M.
旧年から、のら猫が迷いこみました。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
25. 元気で農業 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
小田原市 Y.O.
去る昭和35年から数年の間入会していました。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
26. 質問箱:子供にのませたい | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
大阪府 I.
問 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
コラム紹介 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
人は常に目の為に欺かれ、 阿含正行経 “誰かがお前を侮辱したり、 傷つけたり、 腹を立てさせたり、 屈従を強いたりした時は、 耐えるのです。 我慢して、 その人間を無視しなさい。 そして20年たってから、 その人間を見つめるのです。” (中国の諺)
人生の助言 沙門悟
日の丸が心の旗で日本人。
人生の声 深山旅愁
あなたが見たり聞いたり、また読むことに於て、 常に心を寄せ、 これは為になると思うことを、 ノートに書き留めて置きなさい。 それは生活の中で、 あなたの役に立ってくれるでしょうから。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
ご意見・ご要望はこちらへ | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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