<1970年3月15日発行 第163号> | |||||||||||||||||||||||||||||||||
目次 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
| |||||||||||||||||||||||||||||||||
1. ヨメナ | |||||||||||||||||||||||||||||||||
医学博士 遠藤 仁郎
古くから食用されている。古名ウハギ。万葉十に、
春野のうはぎ摘みて煮らしも 栄養価がとくに高いわけではないが、秋おそくから芽ぶき、冬をこして、春さきには、かなり大きくなっているので、冬の間に欠乏した野菜、ことに緑葉の補いには恰好なものといえよう。
本草綱目には
(大明)
また、
「諸瘧寒熱(マラリア発熱)に擣汁を発作の日の早朝に服す」。 「喉痺口禁(扁桃腺炎の類で口のあきにくいもの)に搗汁。 「絞腸沙(乾霍乱)痛に汁」。「痔漏に效あり」。 烈公食薬には、「宣露風(歯クサ)ひたしもの食ひてよし」。とあるが、これは、青物欠乏の口荒れだ。 生でたべたり、青汁にすればなおよい。秋には、まことに可愛い花がさく。 西欧では、騎士時代のむかしから、この花を「神託の花」「奇蹟の花」、「預言の花」などとよばれている。 わかい娘たちは、花びらを一つずつ摘みとりながら、愛されているか、いないかとか、心からか、ほんのちょっとか、ちっともか、独身か、結婚か、尼院ゆきか、などと占らなったのだそうだ。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
2. 食養断想(29) 病気の今昔 その3 主としてかぜ・肺炎について | |||||||||||||||||||||||||||||||||
前回参照 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
かぜといえば、今も昔と相変わらず、これにかかる人が極めて多い。 ところで「かぜは万病のもと」といわれているが、これはひとつには、数多い病気のうち、最初はかぜに似た症状のものが多いので、タカがかぜだと無分別に片づけてはいけないぞ、という意味であり、いまひとつには、タカがかぜだとバカにして養生を怠ると、あれこれと余病を併発するぞ、という意味である。 だが、もっと重大な意味は、タカがかぜにかかるようでは、そして、これがサッサと治らないようでは、体力・抵抗力がダラシがないぞ、万病にかかる素地があるぞ、といういましめである。 そこで重要なことは、かぜが流行してきても、ちょっとやそっとではかからず、かかっても、すぐ治るような体力・抵抗力を養なうことだ。それには、流行前に予防注射をうけることも大切であるが、決してこれで安心することなく、平素からハナ・ノド・気管支の粘膜その他全身の皮膚を寒さにきたえることが大切である。 と共に、もっと大切なこと、そして根本的なことは、毎日の食物を改めて完全な栄養をはかることだ。 それには、まずはさておき緑色の濃い良質の青野菜を、毎日体重の1%以上と、しっかり食べること、その最も有効な方便として青汁にして飲むことが肝要である。と共に、菓子・砂糖・白米飯などを極力ひかえることが大切である。 そして、この青野菜はいうまでもなく、その他の食物もすべて、農薬に汚染されていないもの、着色剤・漂白剤・甘味剤・防腐剤その他の添加物のはいっていないものでまかなうこと、極力そうつとめることが肝要である。 というのは、お互い見比べて深く反省すれば、よく分かる通りだ。 かぜひきの名人・冷え性・さむがりやは、ほとんど例外なく、青野菜が大嫌いであり、そうでなくても、実際なにほども食べていない。そうでなければ、いな、その上、甘い菓子や飲み物が大好きであるか、白米飯の大食家である。 そして、さすがのかぜひきの名人でも、青汁を毎日カップ1杯2杯と飲み、さらに菓子・砂糖・白米飯などをひかえていると、めっそうかぜはひかなくなる。ひいても、すぐ治る。 なお、かぜをひいたかと気づいたときは、こうした食養生に、よりいっそうつとめると共に、夜は早く床について休養を十分とることが大切である。 この場合、アスピリンその他のかぜぐすりを適量のむことはムダではないが、安易にこれにたより、これを乱用しないことが大切である。 というのは、かぜのビールスに効く薬は、まだひとつも開発されていないのであり、かぜを治すのは体力・抵抗力の強化だけがたよりであるからだ。そして、数多いかぜぐすりは、ほとんどすべて、ただその症状をやわらげるだけであり、乱用すると、あれこれと副作用を引き起こすからだ。 肺炎といえば、かぜに併発し易い余病の代表格であり、生命にかかる危険な病気である。そして、かつては、かぜを少しこじらすと、とかく併発して、ときに死亡の原因となったり、意外と長引いて治療に手をやいたものである。 だがこの頃は、かぜにかかって肺炎を併発することが極めて少なくなっている。たとえ併発しても、死亡したり長引いたりすることが目立って少なくなっている。 それはいうまでもなく、抗生物質その他極めて有効な治療薬が開発・普及したからだ。 ところがこの頃は、この治療薬では防止にも治療にも手をやく場合が起こっている。 それは、肺炎の病原菌が、この薬に耐性がついて、意外と強力になったからだ。それだけではなく、こうした治療薬では、どうにも防止も治療もできない肺炎が新たに起こってきたからである。 すなわち、これまで肺炎の主な原因であった、いわゆる肺炎菌ではなく、まだよくえたいの知れないビールスによる肺炎が起こってきたのだ。そしてこれには、まだ有効な治療薬が開発されていないのだ。 そこで、もしかぜがこじれた場合は、それ相応に医薬にたよらねばならないが、決して怠らずに、安静による休養と食物による栄養に十分気をつけることが肝要である。 というのは、これまでの肺炎もさることながら、新しいビールス性の肺炎にかかるのは、そこにいろいろな原因があるが、ひとつには、体力とくに広く病原菌に対する一般抵抗力が著しく弱くなっているからである。 そして、この強化には、それ相応の休養と共に完全な栄養が必要不可欠であるからだ。 従って、肺炎を予防するには、かぜの場合と同様に、平素から、まずもって青野菜・青汁を十二分にとり、菓子・砂糖・白米飯などを極力ひかえ完全栄養をはかること、そして食物すべてをできるだけ安全なものでまかなうことが肝要である。 こうすれば、かぜにかかることも、たとえかかっても、こじらして肺炎を併発することはなくなり、たとえ併発しても長引くようなことはなくなる。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
次回参照 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
3. 所感 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
岡山市 H.N.
今の一部の大学生、高校生に代表せられる、現代の若い方の姿を見る毎に、世のお父さんお母さん方が、日本の歴史、外国の歴史を、別の角度から、もっと異った点でも、読んでほしいものだ、と思います。 (保育所卒園式祝辞より)
| |||||||||||||||||||||||||||||||||
4. 硝子体混濁治る | |||||||||||||||||||||||||||||||||
貝原 邦夫
青汁は毎日1合程度飲んでいましたが、昨年末から新春(44年)にかけて非常に忙がしい日が続いて、とうとう数年振りに風邪をひいてしまいました。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
5. 激務に堪える | |||||||||||||||||||||||||||||||||
山形市 K.M.
極めて健康でおります。東北のこの土地ではあるが、風邪ひとつ引かず越冬することが出来ました。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
6. 弱りきっていたが | |||||||||||||||||||||||||||||||||
四日市市 H.H.
夫は今年57才で、二十年来の糖尿病です。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
7. 胃の具合がよい | |||||||||||||||||||||||||||||||||
釜石市 K.M.
いただいた種子は、体力の都合もあり、一部、秋に蒔き、少し利用出来ました。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
8. ベトナム便り | |||||||||||||||||||||||||||||||||
サイゴン T.T.
ケールの種子ほんとうに有難うございます。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
9. 青汁八年 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
東京都 N.K.
青汁をはじめて8年くらいになりますが、ゼンソクもなおりまして、すっかり元気になり感謝いたしております。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
10. 質問箱:貧血に青汁は | |||||||||||||||||||||||||||||||||
静岡県 M.
問 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
コラム紹介 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
多くの悩は医師の力によって治されるが、 ヒポクラテス 患者に対して空気や日光を与へないばかりか、 食餌的にも殺人的なやり方ばかりしてゐる今日の病院なるものは、 事実、病人の生命を自然の方向に治癒させるといふ大切な效用を、 全然無視してゐるといはれても仕方がないではないか。 ブラウクル(自然療法家)
アラビアの病院 病院には4つの中庭があり、 何れも、その中心に噴水があった。 また講堂や、一定疾病に対する隔離病室や、 外来患者用の調剤所があった。 最も目新しいものは、大広間で、 そこで日夜音楽を演奏し、 また不眠症患者のために話し家が使用する広間もあった。 宗教に熱心な患者には、 日夜絶えずコーランを読誦して聴かせる別室もあった。 全治して退院する患者は各自幾枚かの金貨を受領し、 直に劇務に携はらねばならぬ事のないやうにされた。 (ラウォール世界薬学史)
すぐれたものを認めないことこそ、 即ち野蛮だ ゲーテ
人生の助言 深山旅愁
日本が敗戦に当って以来、戦前派の人達は自信をなくしたのではなかろうか。 一方に於ては、戦後派と云われる若い人達の感情のあり方は鋭く、 その反面、ことにあたり、 耐えぬくねばりを持たないきらいが有りはしないだろうか。 これは此として、わが子を(若い人を)導く上にあっては、 頭からおさえつけるのでなく、 こちらの意見のみを受けさせるのではなく、 或る時は肉親の愛情を持って、 またある時はよき友達になって、 相談相手の立場で話しを交してこそ、 効果があがるように思える。 戦後派は自分の行動に反省して欲しいし 戦前派も時代の空気を吸って欲しい。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
ご意見・ご要望はこちらへ | |||||||||||||||||||||||||||||||||
|
|||||||||||||||||||||||||||||||||