健康と青汁タイトル小  <1968年10月15日発行 第146号>
 目次



1. くだもの

     医学博士 遠藤 仁郎 

     嗜好品として好ましいものは果物。日常食にとかく不足がちなビタミンやミネラルの補いにも、いくらかはなるので、間食には、なるべく果物といいたいところ。だが、困ったことに、今では濫用される農薬のため、殆どすべての果物が、必ずしも安全とはいえなくなっているのではないでしょうか。
     リンゴにも、ミカンにも、イチゴにも、モモにも、ナシにも、ブドウにも、スイカにも、メロンにも、カキにも。病害虫防除のためや、鮮度保持のため。または、味をよくするためにも、危険な農薬が、ずい分無造作につかわれているようです。
     リンゴ地方で、学童が中毒したこと、ガスマスクをつけて通学している姿が、いつかのテレビに紹介されていたが、この辺でも、果樹の消毒期には非農家にも肝臓をやられる人が少くありません。イチゴ狩に誘われ、知人の畑に行った。真紅に熟したイチゴがいかにも美味しそう。摘んで食べようとすると、「おっと、それは市場用」と、別のところに案内された。マサカと思われようが、本当の話です。
     この頃のミカンは春晩くまで、まるでとり立てのような新鮮さと色彩を保っています。その秘密は、採取後の着色ワックス処理と冷蔵によるようですが、農薬につける「手」もあるらしい。一粒十何円、いや季節によっては何十円、もする高級ブドウの房の切口には綿がくるんであり、説明書には、鮮度がいつまでももつ、と書かれています。菜っ葉や、トマト、キウリ、ナスなどの鮮度をながくもたすために、出荷前ホリドール液に浸ける、ということを思い合わせ、なんとも気味のわるいことです。
     あの酸っぱかったナツミカンが、最近甘くなった。農薬の砒酸鉛のせいだといいます。吸収されて、酸が少くなるためらしい。食べよくはなったが、砒酸にしても、鉛にしても、決してためによいものではありません。等々。ともかく、いろんな農薬が、いろんな目的で、ジャンジャンつかわれています。

     もっとも、いかに猛毒がつかわれていようが、食べる時分に毒力がなくなっているか、取り去ることが出来るものならば、少しも差支はありません。農薬の中には、ただ表面についているだけのものもあれば、滲透性で中までしみこんで行くものもあります。また、その毒性にしても、はやく分解して消えてしまうのもあれば、いつまでも残るものもあります。表面についているだけの農薬は、よく洗うか、皮をむけば、その毒はさけられるが、滲透性のものは、いかによく洗っても、皮をむいても、とり除くことは出来ません。そして、やがて分解して毒力のなくなるものは、ともかくですが、分解しにくいものは、いつまでも残っているわけです。もちろん、中毒するかしないかは、食べる分量にもよります。少々の毒はあっても、食べる量が少いか、たまさかであれば、無論、大した影響はありません。私は果物が大好きなのと、人間が下種に出来ているので、つい食べすぎるからでしょう。
     モモでも、ブドウでも、スイカ、リンゴ、ミカンなどでも、ともするとジンマシン様のかゆがりが出ます。以前にはなかったことなので、どうも、農薬のためと思えてなりません。そこで、果物については、安全であることのハッキリしているもの以外は、せめて皮をむいて、お上品に、少しだけ食べるべきで、無鉄砲な大食いなど、決してやってはなりません。
     先年、見知らぬ行商人から買ったスイカで生命をとられた事件があったそうですが、おそらくこれは、消毒直後と知らずにコッソリ盗んで来たものではなかったろうか。ともかく、素性のわからぬものは食ってはならないし、昔、悪戯によくやった水瓜泥や果物荒らしなど、うっかりやってはなりません。

     かなり旧聞に属するが、香港で日本産リンゴの中毒事件がおき、輸入が禁止されたことがありました。リンゴは皮ごと食べる方がずっと香りもよいし、外国ではみなそうしているので、ついていた農薬にあたったわけです。ミカンの外皮には、果肉よりも栄養分は多いし、香りもよいので、皮ごと食べる方が遙かにうまい。私も以前はそうしていたし、すすめてもいました。けれども近頃では、農薬(有機弗素剤がすごくつかわれている)のおそろしさと、収穫後処理の色づけの不安さとのため、皮をすてるのは勿体ないと思いながら、やめてしまいました。
     もっとも、最近、厚生省はリンゴ、トマト、キウリなどの残存農薬の許容量について発表しました。それは、一生涯食べつづけても安全な量だということです。しかし、はたして、これが真面目に守られるでしょうか。また、当局は、どのようにして監視するのでしょうか。なんでも、抜きとり検査をするのだそうですが、その結果がわかるのは、もう売りさばかれた後だともいいます。これでは全く無意味に等しい。たまさかの検査だけで実効の上る筈はないが、現在の手薄な陣容で、十分頻回の検査が出来るだろうか。甚だ心もとない次第である上に、汚職流行の当今のこと、検査そのものが、はたして、どこまで信頼できるだろうか。これでは、いかに立派な法律が出来ても、結局はいわゆるザル法に終ってしまうのではないか。たとえ、また、きめられたものだけについては厳重に実施されるとしても、多くのものはまだ野放しになっているのですから、まだまだ、手放しで安心するのは早すぎるわけです。

     ともあれ、こうした薬剤の応用は、いずれも、科学のめざましい進歩、撓まぬ研究のたまもの、輝かしい成果というものではありましょう。問題は、ただ、その際に使用される薬剤の人体への影響です。それが絶対安全、無毒無害のものばかりであれば、われらとて、双手をあげて喝采し、感謝するにやぶさかではないが、はたしてどうでしょうか。缶詰果物 缶詰、瓶詰などの加工品ともなれば、なおその上に、人工甘味、人工着色、人工香料、あるいは防腐剤、その他もろもろの薬剤が添加されており、その中には有害なものがないとは保証のかぎりでありません。
     少くとも最近まで、人工甘味には、諸外国では厳禁されているズルチンが使われていました。たとえば、輸出用のモモの缶詰は砂糖で味つけされているが、内地向けはズルチンでした。(ズルチンはいよいよ全面的に禁止されることになりましたが、許されている他の人工甘味料も、今のところ無害ということになっているだけで、ながい間に、はたして、どういう結論が出るか、知れたものではありません)缶詰をもとめるばあい、かならず、レッテルを念入りに隅から隅まで、よく見てください。小さい活字で(時には虫メガネでなければ見えぬほど小さい字で)「人工着色、人工甘味使用」と記入してあります。中には、ビタミンを強化したものもあるようですが、加工品はあくまで加工品。自然のものの味もなければ栄養価もありません。こうした加工品は、(次のジュース類も同じ)、健康なものが、たまに食べたり飲んだりするのは、まだしもでしょうが、常用するのは断じて不可。まして、病人や子供や老人には、もってもほかのことだし、妊婦などには、とくに注意が肝要です。
     果物ジュース ジュース類も同じです。天然果汁と銘うっているものでも、純粋のものはない、といっても、まず間違いはないでしょう。すべて人工品。色も、味も、香りも、すべて薬品。それに防腐剤もはいっていようし、ネバリをつけたり、沈殿をとめて液を濁らせておくのも、みな薬品だ。いわゆる濃厚ジュースはいうまでもない。果汁がほしいなら(もともと、そう有難たがるほどのものでもないのだが)、かならず生の果物からしぼった純粋の汁にすべきです。なお、果汁をつくるにあたっても、ミキサーなどにかけると、栄養分の減ったり無くなるものもあるし、だいいち味が不味くなる。したがって砂糖など入れることにもなる。果物というものは、歯さえよければ、そのままかんで食べるべきです。そして、どうしても、しぼり汁がほしければ、手おしジューサーのような圧搾するだけでとった汁にする方がずっとよろしい。



2. 乾浴

     医学博士 遠藤 仁郎 


     これから寒くなるとカゼがはやって来る。その予防法にもいろいろいわれているが、結局は、からだの抵抗力をつけておくことが第一だ。その一つに皮膚の摩擦がある。皮膚をまさつする機械的の刺戟だけでも、確かに抵抗力がたかめられるが、冷水摩擦だと、寒冷刺戟が加わるので、一層効果的だ。

     私はもともと腺病質で、よくカゼをひいていた。色々と健康法をこころみたが、やはり、冷水摩擦が一番よかったようだ。大学にいた頃だった。大抵のことが三日坊主に終るのに、これだけは、丸2年つづけた。それこそ年がら年中、熱心にやった。底冷えのつよい京都でのこと、真冬など相当きつかった。けれども、その間じゅうと、それからかなりの間は、全然カゼをひかなかった。よいのは確かだが、どうも憶劫で、チョットなまけくせがついたら、もう、それっきりになってしまった。
     この点、むしろ乾布摩擦の方が無理がない。ともかく、機会あるごとに、こすればよい。以前は、どこの小学校でもやっていた。寒中に素っぱだかになって、皮膚が赤くなるまでこするのは、冷水摩擦ほどの効果はないにしても、まことに気持のよいものだ。風呂にはいっても、なるべくタオルでこする。いつも石鹸をつかうより、こすって垢をとる方がよいともいわれているし、摩擦の効もあるわけだ。また、ただ素手でこするのもよい。

       巣元方の諸病源候論に、
      「手掌を摩して熱せしめ、以て面を摩すること二七。
       正に肝気を去り、面をして光あらしむ。
       また手を摩して熱せしめ、体に従って上下せしむ。
       名づけて乾浴という。
       人をして風寒は勝(た)えしめ、
       時気(カゼの類)、発熱、頭痛、百病皆癒ゆ」

    とある。
     もっとも簡単で、どこでも、いつでもやれるから、せめてこれ位はやりたいものだ。なお、ことしは、新型A3ビールスによるインフルエンザの流行が心配されているが、ワクチンがうまく間に合うかどうかわからぬしこれという特効薬もないので、とくに、こうした一般健康法が大切なわけだ。



3. 89才岩滝さんの健康長寿法

     倉敷の青汁教室には時折珍しい来客がある。
     5月の教室には、ロスアンゼルス在住の、近く満89才になる岩滝さんが出席され、遠藤先生の指導に従えば、これこの通りと、心身ともに健康そのものの見本を示して、約50分間、健康長寿の秘訣を語られた。まことに貴重な体験と、参会者一同、感銘深く拝聴したので、その概要を広く本紙の読者にも伝えたい。(文責在友成)

    65才で隠居、そのうち病気にかかったが、
     生まれたのは、1879年(明治12年)、千葉県の佐倉である。24才のとき移民として渡米したが、排日運動がはげしく、まともな職に安定することができず、あれこれと雑役をして、まことに苦しい労働に明け暮れした。
     が、幸い、生来頑丈な体であったので、これに耐えてきた。40才のとき、考えるところがあって、日本人のために、生命保険の代理店を始めた。それというのは、日系移民中、主人を亡くした後、引き続き在住するには生計の道がなく、帰国しようにも旅費がない、といった、まことに気の毒な遺族が多かったので、生命保険にはいっておれば、主人が健在であれば貯金ができ、もし万一亡くなって帰国しなければならないときは、その旅費に困らないように、と考えたからである。

     この仕事を約25年間つづけて65才となり、また戦後は対日感情も好転したので、隠居生活にはいった。そして、食べたいものを食べ、したいことをして、安楽な生活を始めた。ところが、それまで病気をしたことのなかった体が、だんだんおかしくなり、69才になったとき、とみに息苦しくなった。
     医者にみてもらったら、心臓肥大という厄介な病気であり、さすがにガクンときた。これを治すには、まずもって、やせることが大切であり、それには、さしあたり食量、わけても肉・砂糖・塩などを思いきりへらし、野菜・果物をうんとふやすと共に、もっと運動をしなければ、とのことである。
     なるほど、155cmほどの身長なのに、体重は68kg以上もあったし、肉や砂糖その他、うまいものを、くいたいほうだいに食べており、また、以前のように体を動かしていなかったのだ。そこで、気を取りなおして、早速そう努力したところ、どうにか健康を取りもどすことができた。

    80才で再発し弱気になったが
     ところが、そのうち、そうした努力をだんだん怠るようになり、80才になった頃、再発して、またまた息苦しくなった。ために、つい弱気になり、日本には妹がおり、家内には姉がいるので、生まれ故郷に帰って、すきな魚つりでもして余生を楽しもうと、家内と共に日本に帰ってきた。
     つもる四方山話をしている間に、兄嫁が中風にかかったとき、二木先生の指導する食養生で、丈夫になったことを耳にしたので、早速、先生を訪ねて玄米菜食の小食主義をきいた。考えてみれば、米国で受けた指導も二木先生の指導も、その原則は同様であり、再発したのは、かつての美食にもどり、運動も怠っていたからである。そこで早速、玄米菜食の小食主義に従って養生につとめたところ、だんだん健康を回復してきた。

    玄米菜食に青汁を取りいれて
     こうつとめている間に、「主婦の友」で遠藤先生のすすめている青汁のことを知り、玄米菜食といっても、この菜食には青野菜が大切であること、それも、青汁にして、思いきり沢山とらねばならないことが、よく分かった。そこで早速、玄米菜食に青汁を取りいれることにした。そのうち、先生の「青汁の効用」を読み、さらに、昭和36年でしたが、東京で先生の講演をきき、直接お目にかかって詳しく指導をうけた。そこで、いよいよ毎日しっかり青汁を飲み、玄米菜食の食養生につとめたところ、すっかり健康を回復した。

    食養生の普及につとめ老いてますます元気
     そこで、元気百倍して米国に帰り、みずからそうした食養生に徹底すると共に、これを広く在米日系人、とりわけ老人に普及し始めた。それはいうまでもなく、かつての私と同様に、美食に走り運動を怠って、高血圧や糖尿病その他厄介な病気で苦しんでいるものが多いからである。
     こうして、大いに張りきっていたのであるが、83才のとき脱腸を患った。けれども、正しい食養生で体力がしっかりしていたので、手術して間もなく元通り丈夫になった。また、その後、大腸に傷ができて出血するようになったが、これも手術して元通り健康な体となった。
     このときは、輸血しながらの大手術であったので、息子たちが心配して全治の見込みをきいたところ、若い人でも3ヶ月以上はかかるとのことであった。けれども、平素の正しい食養生で体力が人一倍しっかりしていたので、2ヶ月で全治した。この度は、観光をかね、これまで指導していただいた先生方に、健康な体を見せて、お礼を申し上げ、さらに深く指導をうけようと考え、かたがた広く日本人にも、食養生の大切なことを語りかけようと思って、日本にやってきた。
     また、在米日系老人には、子どもたちとしっくりいかず、その上、英語が不自由なため、物的生活には何不自由はないが、なんとも孤独に苦しんでいるものがいるので、日本の養老院に入れてもらい、老後を故国で心安らかに暮せるようにできないかと、厚生省に相談するためでもある。

    96才の矢野さんと10年後の再会を約す
     本日は、遠藤先生に案内されて、矢野さんを訪ねた。私と同様に80才をすぎ、二度も大病をしたが、先生の指導した食養生で丈夫になった96才の方である。ともに先生に感謝すると共に、その食養生に徹底して丈夫で長生きをし、大いに人に役立つ仕事をしようと話しあった。そして、10年後、お互い丈夫な体で再会しようと約束してきた。なお、家内も、77才であるが、私と同様な食養生につとめている。ために、若いときは、そう丈夫ではなかったが、老いてますます丈夫になっている。その上、気分がよいので、至って愛想もよくなっている。

    食養生の概要
     こういうふうに、丈夫で長生きしているのは、まずもって、二木・遠藤両先生が指導している正しい食養生につとめているからであり、その概要はこうだ。

       朝は、黒パン一切れ半(約50g)、マジュリン(各種の植物油をまぜあわせたもの)とチーズ少々、コーヒー(うすめにし、ハチミツまたは黒砂糖を少し入れて)1−2杯。
       昼は、青汁4合、クラッカーまたはチーズ少々。夕は、玄米飯4分の1杯、トウフと各種の野菜をどっさり入れた、うすいミソ汁2杯。こうした食物が、ドロドロになって自然にノドに流れこむまで、自分のペースで、ゆっくりと、しっかりとかむのである。
       もし、そこまでかみきれずに、形のあるものが残れば、口から出して、のみこまないのだ。それは、ひとつには、総入れ歯であるからだ。30年ほど前から歯が悪くなり、20年ほど前に総入れ歯にした。なお、酒は、いっさい口にしないことにしている。父が大酒家で家族を困らせたので、若いときから、みずからそう誓ってきているのだ。タバコは、ナマイキ盛りの青年の頃から、すっていた。その後、度々やめようと、いろいろ努力したが、どうしても、やめきれなかった。が、35才のとき、結婚するため日本に帰ったとき、兄も弟もやめていたので、みずから深く恥じ入って、堅く禁煙を決心し、それ以後は、いっさい口にしていない。

    運動の概要
     こうした食養生と共に、ほどほどの運動につとめている。朝起きて、まず冷水マサツをする。それから1時間か1時間半、散歩をする。そして朝食をとるのだ。こうした日課のほか、つとめて用事をつくって外出する。そして、ぜひ必要でない限り、テクテク歩くことにしている。

    同胞に対する奉仕
     こうして健康をはかっているのは、ほかでもない。まずもって、自分自身、心身ともに快適であることを楽しむためである。また、病気をして家族や友人に迷惑をかけないためである。さらに重要なことは、健康な体で、人々に何か役立つ仕事をするためである。生来頑丈な体でありながら、65才をすぎて、だんだんあやしくなったのは、美食と運動不足に陥ったからではあるが、それまで精出していた仕事をはなれたからでもある。生計上働く必要がなくなったからといって、なんぞ人に役立つ仕事までも怠ったので、生きていく張り合いを失なったからである。
     そこで、80才をすぎ、再度健康を回復してからは、これを深く感謝すると共に、仁木先生の「健康への道」と、遠藤先生の「健康と青汁」や青汁キカイなどを在米日系人に宣伝販売して、同胞の健康長寿に奉仕し、大いに生きがいを味わっている。

    もう年だからといって決して養生を怠らない
     ところで、人々だれでも、病気をすれば、とかく医療ばかりにたよって、みずからつとめなければならない養生を怠り易い。とくに老人となれば、「もう年だから」といって、まともな養生を怠り、「もう長くはないから」といって、すきなことをすきな通りにして横着になり易い。
     ときには必要な医療さえも怠ることがある。だが、養生の仕方には、年令のことを考えねばならないが、養生そのものには年令の制限はない。何才になっても、それ相応の養生をすれば、必ず丈夫になるのだ。神様のお召しがあるまでは、丈夫に生きていけるのだ。お召しがあるまでは、正しい養生につとめて、丈夫に生きていかねばならないのだ。

     80才をすぎ、正しい養生の指導をうけてからは、堅くそう決心するようになった。二度も大きな手術をしたのに、意外に早く回復したのは、正しい養生で体力がしっかりしていたからであり、また、必ず治る、という堅い信念があり、どうしても治さねばならない、という堅い決心があり、生きていく気力がしっかりしていたからである。そして、この気力によって、ますます正しい養生につとめたからである。

     ところで、正しい養生には、まずもって平素の食物を改めばならない。だが、これまで食べてきた通りに食べたく、たとえ健康によくないからといって、とかくおいしいものばかり食べたいのが、人情である。けれども、健康長寿に深く責任を感じ、それをはたそうと堅く決心すれば、そうした人情に打ちかつことができる、玄米菜食といい青汁といい、また小麦といい、最初は、まずくもあり、辛くもあるが、これが健康と生命のもとであると、正しく理解し、堅く決心して努力すれば、それほどでもなくなる。やがては、体がしんから丈夫になって、かつておいしいと思っていたものより、なおいっそうおいしいものとなる。これが人の心と体の真実である。


4. 今から

     よい季節になった。しかし、やがてきびしい寒さがやって来る。いまのうちに、からだを鍛え、抵抗力をつくっておこう。うす着。まさつ。冷水うがい。正しい食。ちょうど青菜の最中だ。うんと、しかも、なるべく多くを生で食べよう。青汁もしっかり飲もう。これから、味もぐっとよくなる。


5. マスク

     カゼが流行りだすとマスクをかけるが、大抵の人は、寒い風のふいている屋外ではかけ、あたたかい人混みのところでははずしている。マスクをかけるのは、カゼの病原ビールスの侵入を防ぐためなのだが、このビールスをもっているのは人間だ。そして、人混みのところには、ビールスはいっぱいいるが、寒い風のふく外気の中には、たとえいても、うんとうすめられているわけだ。
     だから、マスクは人混みのところでかけるべきで、寒い外ではかける必要はないし、そうして、いつも冷たい空気を吸っていれば、しだいに寒さに慣れ、たんれんされ、カゼに強くもなる、といったものだ。



6. 鼻のうがい

     カゼの予防法の一つに「うがい」がある。いつも冷たい水でやっていれば、確かに抵抗力ができる。流行期には咽や口の中についているビールスを除く役にもなる。
     ところが、カゼのビールスは鼻からもはいる。これを除くには鼻飲法がある。鼻から水を吸いこむのだが、べつにそのまま飲みこむわけではない。鼻から吸いこんでは流し出して、鼻を洗うわけだ。まずは、鼻のうがい、といったところ。冷水で、いつもやっていれば、これも、よい鍛錬法だし、まことに気持ちのよいものだ。ぜひ毎日(朝の洗面時がよい)やって、カゼにつよい鼻になりたいものだ。


7. あと断たぬ不安な商品 規制いつも後手 生産性より人命を

     燃えだす電気アンカ、スズのとけだすカン詰ジュース・・・・・・と、消費者に不安を投げかける商品があとを断たない。それでも、規制のはっきりしているものは、監視の目さえ光らせば出まわりを防げる。やっかいなのは不安を問題にされながら、研究や規制のおくれているものだ。樹脂加工の布地、農薬の残る農産物、火災時の新建材に対する「不安」をさぐってみよう。

    泣かせる布地
    はだ着にもホルマリン
     大阪・ミナミで、ある大衆向き衣料品店をのぞいてみた。色あざやかなプリント地やカーテンの反物を積上げた売場はプーンと薬くさい。しばらくすると目が痛くなり、涙が出そうになった。
     この目を痛くする“犯人”はホルマリンである。樹脂加工のホルマリンが分離してとぶのだ。樹脂加工は、これまで主として木綿やレーヨンの防縮シワ防ぎのためのものだった。ところが最近は、型くずれを防ぐなどの目的で、合成繊維をはじめウール、絹にまで一部で使われている。
     はだ着類も例外でない。名古屋市立大学医学部衛生学教室の青山光子助教授が、さきごろ名古屋付近の婦人服縫製工場を調査した。アイロン仕上げ担当の従業員40人がホルマリンのために強い刺激をうけ、うのうち20人は指先がガサガサ、4人は皮膚炎を起していた。
     洋裁店を調べたら、ノドがかれる、という苦情が多かった。いつも布地を扱っている人たちだけではない。

    • 「綿プリント地を買って、家で体にあてながらデザインを考えていたら、数時間後に顔が赤くはれた」
    • 「小さな部屋にレーヨンのカーテンをつるしたら、目がチカチカして2、3日頭痛がした」。
    • 「買ったばかりの下着を着たら湿疹ができた」

     など、ホルマリンのしわざらしい事故が報告されている。
     浜松市内にある一流染色工場。樹脂加工の建物にはいるとクラクラッときた。「安もののカーテンや服地では採算がとれないので、仕上げの水洗いを省略する場合もままある」という。そして「ホルマリンは目が痛む程度で、人体にたいした害はない」と業者は断言する。

     だが、青山助教授はこれに強く反論している。「目や粘膜、皮膚を刺激し、体によくないことはたしかだ。衣料のホルマリンの量を規制するべきではないか」。
     新繊維が出そうにないので、近ごろの業者はあれこれ手を加え、目先を変えようとする。樹脂加工のほかに、手ざわりを柔らかくするための柔軟剤、合繊が静電気を起さないようにする帯電防止剤、真白に見せるけい光剤、それに防虫剤、防水剤・・・・・・ときりがない。しかも規制は野放し状態。科学技術庁が、やっと今年度から「衣料処理剤の諸影響に関する研究会」を発足させたばかりだ。

    農薬リンゴ
    水洗いでは落ちぬ毒物
     色あざやかなリンゴが出回りの最盛期。そのリンゴに「付着している農薬が多い」という声が保健関係者の間に強まっている。東京のベターホーム協会にある「暮しの研究室」が国立公衆衛生院の末永泉二薬学博士らの指導で、さいきん実際に調査した。
     その結果「リンゴを皮ごとたべるのは避けた方がいい」ということだった。調べたのは、店先で買ったばかりの「国光」(昨年産)と「祝」「スターキング」(今年産)の3種類のリンゴのほか、キュウリ、トマト、リンゴジャムなど全部で16品目。
     洗わないままでは

    • 「祝」から5.8PPM(1PPMは百万分の1)、
    • 「スターキング」から4.2PPM、
    • 昨年の「国光」からは1.9PPM

     の鉛が検出された。
     リンゴのほかでは、ブドウ、キュウリ、トマトが1PPMをわずかに越えただけだから、リンゴの鉛がきわ立って多い。鉛は体の中にたまる性質があり、少しずつでも蓄積されると内臓や神経をおかす。そのため食品に添加することはいっさい禁じられている。
     しかもリンゴの場合、鉛が多ければ砒素(ひそ)も多いことが推定できるという。リンゴの害虫を防除するため砒酸鉛という砒素と鉛の化合物を年に数回まくからだ。このリンゴを2分間水洗いしたが、とれた鉛はわずか2割前後だった。
     農薬がきく間、雨に打たれても流れないよう展着剤を吹きつけているためだという。
     中性洗剤で洗って半分程度。
     1%の酢酸溶液につけて7割程度。
     最後に皮をむいてやっと9割まで鉛がとれたという。
     さいきん学校給食にもよくリンゴが出る。たいてい皮つきだ。大阪のある小学校では「でも中性洗剤で洗っていますから」と安心しきった口ぶりなのだが・・・・・・。
     店先のリンゴに農薬が付着していることはかなり前から問題になっていた。3年前、国立公衆衛生院が生産地で白い粉のついているリンゴを調べたら、16PPMもの鉛が検出されたし、中性洗剤で洗っても3分の1ぐらいしかとれない実験結果も出た。
     リンゴの鉛ばかりでない。昨年春、浮田忠之進東大教授らが米にふくまれている農薬の水銀について警告しているし、別の実験では、牛にある有機塩素剤の農薬を与えたところ、牛乳からその農薬が検出されたこともある。それなのに、なぜ手が打たれなかったのか。ひとことでいえば「生産第一」という考え方が強いためだ。いまある制限といえば、暫定的な厚生省の局長通達だけ。やっと来春までにリンゴなど数品目の農産物について、残留農薬の許容量を決めるというが、それでも10年近く前にほとんどの野菜、果物について決めているアメリカなどにくらべると、まだまだ不十分といえるようだ。

    毒ガス建材
    火災起すとたまらぬ煙
     最近の火災は煙が多い――消火に、人命救助に、危険な火災現場にとびこむ消防士の嘆きである。煙の量をふやしているのは、各種の新建材、と建設省などでははっきり目ボシをつけている。
     大阪・西区にある日本建築材料協会の展示場。ひと昔前からみれば、ほとんどが新しく開発された建材だ。ポリ製タイル、同浴そう、ビニールのトイ、スダレ、化繊の壁布、合板はほとんどが表面をプラスチック塗装だ。発泡(はっぽう)スチロールの断熱材、タタミも並ぶ。
     展示場にはなかったが、電気の絶縁材料やガラスにもプラスチックが使われている。どの新建材がどれほどに煙を出すのかは、まだはっきりしていない。ゴミを燃やすとき、プラスチックなどの化学製品がまじっていると、もくもくとたいへんな煙が出ることは、たいていの主婦が知っている。
     ビルや地下街の火災では内装材料が猛煙を出すうえ、煙の逃げ場がない、と大阪市消防局などでは頭の痛い顔だ。見える煙だけならまだよい。見えない煙―有毒ガスも発生する。消防庁の調べでは、塩化ビニールを普通の空気中で燃やした場合、炭酸ガスや一酸化炭素のほかに、ホスゲンや塩化水素が発生。さらに火災の進んだ場合を考えて酸素を約半分にすると、シアン化水素やアンモニアまで出てくる。
     ポリエチレン、ポリアミドなども同じようにアルデヒドなどの有毒ガスを出すことがわかっている。昨年一年間の焼死者は全国で1111人。10年前にくらべると2倍近くにふえている。しかも、消防庁への報告では、その半分以上が煙にまかれたためだ。新しくふえた煙や有毒ガスのための犠牲者はなかった、といいきれるだろうか。これまでの火災対策は、耐火、防火中心のものだった。いったん燃えだしたあとのことは、まったく考えにはいっていなかった。建設省もおそまきながら腰をあげ、煙による災害防止のための建築物構造基準や発煙性新建材の使用基準作成などの研究にやっと手をつけはじめた。
     便利なもの、きれいなものを作るために、また生産性を高めるために、さまざまな化学薬品や材質が使われだした。だが、それらの目的にだけせっかちで、安全性の確認があとまわしになっていることが指摘される。ベターホーム協会大阪地方協議会の藤原叔子会長は「大きな事故が起る前にきちんと規制してほしい」と次のように訴えている。
     「私たちはまったく不安な商品にとりかこまれて生活しているといえる。欧米のように、有害の疑いのあるものはまず使わせないという方針で、安全性を確かめてから、国が使用許可を出すべきだ。日本では、大量の犠牲者が出ないと規制を考えてくれないのではなかろうか。国民の健康を、命を、もっと真剣に考えてほしいものです。」
    (朝日 42・12・12)



8. 中共だより

    営口県 S.T. 

     ケールの種子、度々ありがとうございます。全国的にひろめたいと意気込んでいます。青汁クランケ(患者)ナンバー1(この度の)をおしらせします。

     73才、男子、農民。肝腫と嘔吐で、某病院に約2ヶ月、カルチノーム(癌)のうたがいで入院。カルチノームのうたがいは否定しましたが、嘔吐、便秘が治らない。また、別に入院しましたが、便秘が3週間続き、嘔吐は止ったり、悪心がつづいた。
     病名不明のまま退院して私のところに来ましたが、軽い心悸と、下肢に軽い浮腫があり、膝蓋腱の反射が鈍い。肝脾は、ともに触知できない。
     全身状態、中等度の栄養失調を呈している。ベリベリ(脚気)と診断して、ビタミンB1の内服、注射とともに青汁200c.c.を服ましたら、翌日、宿便と軟便を排出した。
     浣腸とビサチン(2倍量)で下らないのが、キャベツの青汁200c.c.で、実に奇効という見事な効果。本人も家族も、半信半疑で服んで、こんな素晴しい効目に驚いています。
     ズット200c.c.宛のましていますが、10日で食欲も出、悪心は軽くなり、緑軟便が続き、すこぶる爽快となり、足元に力がはいって来たとよろこんでいます。青汁療法のスタートとして、まことに幸先のよいことで、自然、自信をもって天下の病者に、先生の健康増進法を推し拡めて行きたいと思っています。ケールの進出は順調で、北は吉林省、内蒙古、西は寧夏自治区、南は江西省まで、少数人ではあるが、広い面に行きわたりつつあります。山東省の青島からは、かなりの病人がケールを求めて来ました。(6・6)



9.亜硝酸塩と癌

     医学博士 遠藤 仁郎 

     食品添加物にはいろいろ問題が少くないのだが、新たに問題になって来たものに亜硝酸塩がある。
     これは、塩漬けにする肉類の色をよくするためと防腐の目的に、ハムやソーセージに入れてあり、チーズにもはいっているらしい。この亜硝酸塩は、狭心症の時に吸入するアミール・ニトリトやニトログリセリンの類で、血管を拡張したり、血圧を下げるほか、正常の血色素と結合してメト・ヘモグロビンをつくる(メト・ヘモグロビン症と)いった中毒。
     また、肝臓のビタミンAをへらしたり、甲状腺の機能を下げるなどの影響がある。しかも、幼いものほど犯されやすいので、乳児ではそのためのメト・ヘモグロビン症で死んだ例もある。
     こういった点でも注意されねばならぬものだが、さいきん、ナイトロサミンというものに強い発癌性その他の毒作用のあることがわかって、いっそう問題が大きくなった。というのは、ある条件のもとでは、このナイトロサミンが、亜硝酸塩とアミン(蛋白質が分解してできる)との間に生ずるらしいふしがあるからだ。ナイトロサミンの類の発癌性は非常に強いもので、ネズミの各蔵器に出来るし、生まれて間もないうちだと、唯の一日あたえるだけで癌がつくれ、妊獣だと仔獣にまでも出来るという。
     こういう物騒なものが食物の中にあっては全くたまったものではないわけだが、どうやら、あることらしい。ノールウェイで動物に多数の重症の肝臓病がみられたことがあるが、それは亜硝酸ソーダで貯蔵したニシンが原因らしく、多分、ナイトロサミンが出来たのだろうとされ、有毒と無毒ニシンについて調べたところ、有毒ニシンからはジメチール・ナイトロサミンが30〜100PPMも証明された。このものは、ネズミだと5PPM、いや2PPMでも肝臓に腫瘍が出来るものだ。
     つまり、食品中の亜硝酸塩とアミンとの間の化学作用で、このおそろしいナイトロサミンが出来るし、アミンの量が多ければ多いほど、その危険は大きい。だから、ハムやソーセージその他、亜硝酸塩の添加されている蛋白食品を始終食べることは、余ほど気をつけぬと、癌の原因になるかも知れぬというのだ。



10. ぜひおすすめしたい

    岡山市 S.N. 

     皆さん、うっとうしい梅雨がやって来ましたね。
     でも、皆様は、青汁のおかげで、元気で、暗い雨の日もおすごしの事と思います。私たちも、去年10月よりお仲間に加って9ヵ月程になります。実は7、8年前に、次女が湿疹で小びん(5勺瓶)を1本づつ頂いていましたが、あまりかんばしくないので、以後休んで居ました。
     青汁教室でのお話に、飲み方が少なすぎた様です。良いと聞いただけで、何もわからずに飲んでいたのです。この度、近所の奥様が飲まれるのを見て、思い出し、主人が貧血気味なので、又飲みかけました。

     ある日、あまりひどいので、かかりつけの先生に見て頂きました。その時、青汁を主人が飲んでいることをお話し致しましたら、奥様もお飲みなさい、と申されたので、私も頂いています。主人は、今から41、2年前、子供の頃、神戸で電車の事故に会い、足の踵をめちゃめちゃにしたそうです。今の医学でしたら、整形も出来たでしょうが、昔故、縫合だけで長い入院生活で治しましたが、其の後、年に1、2度は、そこから血やうみや汁が出て困っていました。去年は、又、一だんとひどく半年以上もたちますのに、お風呂に入るのに片足上げて、なんぎしながら入浴致して居ました。
     それが、青汁を頂きかけて10日もしたかと思う頃、主人が、「なんと、汁が出るのがとまって、くつろいだ」と申しますのでびっくり致しました。それ以後、かたい皮はありますがきれいになりました。寒い寒中でも、これを飲むとからだが温くなると言って、朝、青汁が来るのを待ちかねています。

     あれよりからだの調子が良いと喜んでいる。私も、41年暮に、胃と十二指腸の大手術を、大学で致し、胃も4分の1程で、食事がとても苦しく、一口たくさん頂いてもうごけない程苦しいことがあります。其の時青汁をこさえて頂きますとしばらくして、胃がかるくなり、後片づけが出来てほっとします。
     大分、貧血もなおり、くたびれもかるくなり、皆様から、元気になったと言って頂く様になりました。今は主人と2人で大きい瓶(1合瓶)を3本頂いていますが、皆様にも、ぜひ、おすすめしたいと思います。



11. 冬期の工夫

    北海道 K.N. 

     毎月中頃に来る薄い封筒に入った健康と青汁紙は、私の待ちこがれる便りの一つです。手術台に4回あがった私は、7ヶ月入院して退院したのが満6年前。青汁のおかげを沢山いただきました。
     北海道や東北、北陸など雪の中になる地方は、冬期の青いものには、誰れも不自由します。毎年秋になると、大根葉乾燥粉末をつくりましょうと心に期していながら、左上腹部の痛みに6年間悩まされたり、他の作務の都合で、つくることができませんでしたが、昨秋、念願の粉末が一斗鑵に軽く一杯つくることができました。
     この冬は、人参、玉ネギ、漬物類などと共に、盛んに利用しています。毎食のお味噌汁、ふりかけに、うどんやそばにも、小麦胚芽、きな粉にも混ぜます。大そう濃い緑色にて、乾燥のため細かくなり、少々のシンは口の中でかんでいるうちに、結構食べられます。生葉の時には、ニガ味やカラ味があり、ちょっとキツくて飲みづらいのが、乾燥すると、全くそれらのイヤ味がなくなり、そのまま食べても甘いくらいで、歯ざわりも美味にいただけます。
     青汁を作るのに摺りこ木と摺鉢を用いていましたが、鈴木式ジュースマシンを求めて試みました所、矢張り、スリコ木とスリ鉢が操作が簡単で、昨秋は、桑の木で握り太のスリコ木をつくりました。雪の中でも笹は青々としていますので、細かく切ってゴリゴリ摺り、少し水を加えてつくりましたが、笹のある場所へ行くのが難儀なので、続きませんでした。近くに手廻る人は利用をおすすめします。私も、今一息で痛みからも解放されるものと、努力しています。「嘉言躍々として人に迫る。唯、人これを行わざるのみ」と嘆かせないようにつとめねばならないと精進しております。



12. 韓国だより

    大邱市 S.K. 

     昨年はご無沙汰いたしてまいりましたが、青汁の方は継続しております。
     冬の間、温床栽培も成功しまして、会員数を500にして普及してまいりましたが、冬の間は青菜が少い季節なので、大いなる歓迎をうけました。今年は、道知事をはじめ、道内の有名なる人士達を訪問し、国家の援助をうけて青汁活動を積極的にいたす覚悟です。
     支部設置以後、2年間続けて服用している会員の内、多くの人が体質改善をなしとげ、好評を受けております。昨年来の統計では、青汁を服用した会員数が延べ三千余名を超過しておりますが、種々な事情により中止した会員が多くおりますが、大部分が認識不足によるものだと想像し、今年はもっと細密なる企画をたてて青汁普及に全力を上げる覚悟です。
     ある人の紹介で、大統領閣下がいられる青互台内にて、ケールを栽培しているとの話を聞きました。まことによろこばしい消息です。ソウルの金重甲さんも大邱支部を訪問され、種々な指導と意見を交換いたしました。今年は、江原道、原州にある鉛筆工場社長の友人を通して、原州にも普及することにし、釜山にも、釜山日報社を通じ、普及することになりました。その他、慶尚北道内にも永川、および他の地方にも種子および苗を分配いたし、普及する計画です。


    ソウル J.K. 

     牛耳洞農苑にて、従来ケールを供給していましたが、去年は千戸洞蔓村にて栽培しました。しかし周囲が蔬菜栽培地帯でありますので、人糞尿や農薬を、こちらでは使用しなくても、周囲で使用するので、止むなく、この地を処分して、ソウルと接続している広州郡西部西広岩里の山間にある土地と買換えて、ここに、人糞尿、農薬、化学肥料を一切使わず、油粕、鶏糞、靭がらや藁の炭粉、腐葉堆肥だけをもって、模範的な試作をしてみるつもりであります。
     さきにサモア出漁中でした豚児、66年8月帰国、休養中でしたが、今度また、3月9日釜山出港。横須賀に寄港。約10日間準備の上パナマ運河経由、アフリカのガーナ共和国データ港へ27箇月の契約期間をもって出漁することになりました。ケールの種子も持参し、アフリカ大陸にも、植えられる都合がつきしだい植えて、緑汁を飲んでもらうつもりであります。


13. このペースで

    倉敷市 S.A. 

     数年前より、職場の定期健康診断で血圧が少し高目「170〜110」で、あまり老年でもないのに、こんな状態では心配だから早く手当をしたのが良いのでは、とすすめられ、医師の手当を受けることにしました。
     降圧のための投薬や注射をうけながら、日常の生活や、食事についての注意を色々と聞きました。しかし、全般を通じての食養生の知識があまりにも不足でした。此処で大きな失敗をしました。

     只米食をすくなくすれば良いと思い、御飯「米」の代りにインスタントラーメンを度々口にするようになりました。当初、血中コレステロールは220でしたが、投薬を受けながらも、検査の都度コレステロールの度合は上昇するばかりで、ついに290にもなってしまいました。其の頃、新聞の家庭欄で、ラーメンの製造の際の油に大量のラードが使用されている事を知り、コレステロールの犯人はこれかと、やっときづき、知識不足とは言え誠に驚きました。

     早速ラーメン食をやめ、当時、倉敷徒歩の会のM氏にすすめられ、41年11月青汁教室に入会、参加させてもらいました。これまでの食事のまちがいであった事をしみじみとかんじ、肉類、米、甘味等の思い切った減食をなし、青野菜のサラダ「一日百瓦以上」と、朝夕コップ1ぱいの青汁(ケール、シーオーが材料)を飲用し始めました。
     これについては、家内もこころよく共に協力してくれました。飲用を始めて約4ヶ月頃、これまで投薬時のみ下降していた血圧が130〜90の値で、次第に安定するようになりました。夏期の血圧安定期を過ぎて10月になっても、この安定は続き、医師も、もう大丈夫と投薬をうち切りました。
     ことさら寒いこの冬を迎えましたが、ときどきの検圧にも140〜80と安定し、コレステロールも160となり、もう大丈夫と安心しました。其他、20数年間軽い神経痛になやまされ続けましたが、今冬はそれもなく、又、服装も薄着で寒さ知らずで毎日を元気で送っています。これもみな、生食、青野菜と青汁による食事改善のたまものと感謝の毎日を送っています。これからもこのペースで、ますます健康な毎日を楽しく送るべく心掛けて行きたいと思います。


14. つかれに青汁

    広島市 W.O. 

     一昨年より肝臓、高血圧をわずらっておりますが、この3月頃より青汁をのんでおります。どす黒かった皮膚も白くなって、元気が出てまいりました。つかれた時など、つくってのみますと気分がスーッとするようです。


15. 80才体力一変

    神戸市 J.K. 

     ご寄贈賜わりましたケールの栽培によって、じらい、この青汁を朝夕愛用継続いたしました結果、中年病弱の身が、今日、80才の馬齢を迎えながら、体力一変、内臓諸器官なんら故障もなく、健康の幾月を、愉しくおくっておりまして、大変ありがたく感謝いたしております。


16. 実践しなくては

    東京都 I.T. 

     日本人に求められることの一つは、傍観的態度から一日も速やかに脱却することです。考えること、反省の必要なことは周知ですが、いくら考えても、実践しなくては意義がございません。


17. 質問箱

    山口県 S. 


     高血圧でヨモギの青汁をのんでいます。よくないという人がありますが

     べつにさわりさえ無ければ飲んで差支えはありません。ただヨモギには強い揮発成分があるので、人によって却って血圧が上ることがあるようですから、そういう人は注意した方がよろしかろう、というだけです。


 コラム紹介


     医者をほんとに信頼することができないのに、
     しかも医者なしではやって行けないところに
     人間の大きな悩みがあります

    ゲーテ



    宮崎県 姫野 千年
     朝夕にただありがたく思うかな 青汁飲みて今日も楽しき
     牛の餌に青草やれという翁の 八十すぎて声のすがしさ
     先生の聖なる願い遂げるまで 歓喜勇躍共に進まむ



    これこそ我が道。
    どこまでも真すぐに続く。
    さ、歩いて行け。
    いろいろな横道にはいりこんではならぬ。
    コーラン



    人生の燈台
     目はいらない姿を見てはいませんか
     口はいらない事を話してはいませんか
     耳はいらない物を聞いてはいませんか
    沙門  悟



    多食と健康とは同行せず 
    (葡諺)



     人の天寿の長短は先天の毒あると毒なきとによって強弱あるなり。
     禀受さへ強き人ならば少し飲食の度を過ぐるも、
     動作を能くし決断よければ気も滞らず血液も不潔にならず長命になるものと見えたり。
    (杉田玄白)








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