健康と青汁タイトル小 <1966年10月15日発行 第122号>
 目次




1. 糖尿病

     医学博士 遠藤 仁郎 

     糖尿病は、尿に糖(ブドウ糖)の出る病気。
     口が渇く、水を飲む。小便が多い。しだいに体力、気力、精力が衰える。
     細菌感染にたいする抵抗力がよわくなって、化膿しやすくなったり、結核にかかりやすくなる。
     痒みや神経痛が出たり、眼が悪く、ソコヒになる。などといった症状が出て来ます。

     原因は、糖代謝ホルモンであるインスリンの不足による、とされています。
     このインスリンは、膵臓(胃の後にあって消化液を分泌する臓器)にある、ランゲルハンス島(ラ島)という特殊の組織から分泌されるホルモンで、糖分の利用をよくし、血液中のブドウ糖(血糖)の量を下げるはたらきをもっています。
     このラ島の機能が正常であれば、必要に応じて十分のインスリンが分泌され、摂り入れた糖分は十分に処理され、血糖はつねに正常に保たれます。けれども、インスリンが不足すると、とり入れた糖分の利用がうまく行かず、血糖が高くなって(過血糖)腎臓からあふれ出るようになる。
     これが糖尿病。そこで糖尿病では、食餌ことに糖質の摂取を制限し(減食)、ちょうどインスリンの活動能に適合するよう、その範囲内の量にとどめること。または、薬として不足分のインスリンを補い、あるいは血糖降下剤(血糖を下げる薬)をのんで、糖代謝を正しくすること。などが治療の根本方針となっています。
     さて、このインスリンの不足は、これまで、ラ島が傷害されて、インスリンの分泌が減るため、とされていました。
     ところが、最近になって糖尿病の多くで、血中のインスリン量は、決して、正常人に比べて少くない(つまり、ラ島のインスリン分泌能は悪くない)ことがわかり、糖尿病の原因は、インスリンの活動能がよくないためだ、と考えられるようになって来ました。

       ところで、これまでの説のように、インスリンの分泌がラ島の何らかの病変によって減るとしても、そういう変化が生ずるためには、それを起すだけの、何か別の、も一つさかのぼった原因がなければなりません。
       それには、素質ということもありましょう。すなわち、生れつき抵抗力の弱いラ島であれば、負担の過重(過食、とくに糖質の)によって、疲労に陥りやすく、ついには傷害されることにもなるわけです(糖尿病が遺伝病といわれる所以)。
       また、糖尿病の多くは、美贅食の飽食家で、肥満し、運動不足、あるいは精神的の過労傾向のつよいものの病気ですが、そうした不自然不合理な日常生活によって、何らかの代謝異常をまねき、何ものか有害物が出来、それが、抵抗力のよわいラ島、あるいは、その他の糖代謝に関連のある組織や臓器を傷害するのであろう、とも想像されます。
       糖尿病に、動脈硬化、高血圧、肝・腎疾患、結石症(胆石や尿石など)の多いこと(いずれも代謝異常によると思われる病気)。コレステロールや、脂肪や、蛋白質その他の代謝にも異常のあることなど、ともに、これを思わせるものです。

     また、最近の説のように、生産されたインスリンの活動力の弱いことが原因だとしても、それも、何ものかインスリン作用を妨げるものがあるのか、初めから構造上に欠陥のあるインスリンがつくられているのか、正常のインスリンが、何らかの変化をうけて不活性に変えられるのか、でなければならぬわけですが、そのいずれにしても、やはり、何か広い意味での代謝の異常の結果、そういうことになると見るほかはないでしょう。

     なお、化学薬品の繁用、あるいは濫用されている今日のこと、医薬品(これによっておこる糖尿病もある)のみでなく、食品添加物、農薬、洗剤その他の影響もあずかっているかも知れません。
     ともかく、糖尿病における代謝の異常は、決して、ひとり糖質代謝だけに限られたものではなく、もっと広範囲のものであり、そこに生ずる血液変化(古方のいわゆる悪血=血の濁り)にもとづく複雑多彩な変化であって、糖尿は、ただ、その一表現にすぎぬ、と理解すべきものです。

     したがって、糖尿病の治療には、ただ糖代謝だけを目標とした狭いものでなく広くすべての代謝が正常に行われるようバランスのよくとれた完全食でなければならぬし、心身の安定、適度の運動、勤労、休養、睡眠、便通など、日常生活を合理化し、また危険な薬品類はつとめてさけるよう注意し、代謝の完全化と、体液の正常化をはかることが肝要であり、またこれこそ糖尿病治療の根本というべきだ、と私どもは考えています。

    糖尿食
     糖尿食で大切なことは、

    1. 食べすぎないこと(減食)。
    2. 糖代謝能に適応する食構成であるとともに、すべての栄養素のそろった食(完全食)。でなければならぬことです。

    減食  糖尿病は、もともと食べすぎの病気、ふとりすぎの病気、です。
     そのよい例は力士。十両三役ともなると、たいてい糖尿病であることは周知の通り。そこで、治療の第一は食をへらすこと。いや、食と体重との調節にある、といってよいでしょう。

    現在の糖尿病食では、
       熱量 必要の最低限とし標準体重に応ずること。(標準体重は、身長糎−100、大型体格では−110キロ)
      所要熱量は、瓩当り30カロリー。たとえば60瓩で1800カロリー。
       糖質 多すぎれば悪いことはいうまでもないが、少なすぎてもよくない。まず最高300−最低150グラム。
      蛋白質 体重1瓩当り1.2−1.5グラム。
       脂肪 あとの熱量は脂肪でみたす。ただし、多すぎるのはよくないし、血管病変をまねくおそれもあり、まず40−50グラム。というのが基準になっています。

     しかし、それとともにミネラル、ビタミン類が、うまくバランスするだけ十分そろっていなければならぬことは、いうまでもありません。なお、食構成だけでなく、調理や調味にも、また嗜好品にも、十分の配慮が肝要です。

     ところで、糖尿病の多くは、平素、飽食の癖がついているので、減食でもっとも苦痛を感ずるのは、――満腹感がえられぬことです。ですから、糖尿食としては、ただ栄養的に十分病状に適合した食であるだけでなく、それとともに、十分腹ごたえがあり、しかも、実際には減食になっているような食の工夫が望まれます。

     今では、糖尿病協会といったものもあり、食餌指導はよほど合理化されて来ています。けれども、私どもからみれば、それでもやはり、ミネラル、ビタミン類の不足、つまり良質菜っ葉のとり方が足らず、全体としてのバランスにおいて、必ずしも満足でないように感じられます。その一例として、某大学病院でサンプルとされている食構成の一つをあげてみましょう(表一)。

    表一
    米飯     600白米飯サツマイモ仝左
    牛乳     360市乳同左
    卵      100鶏卵
    魚介      80サバワカサギ
    獣肉      50牛肉
    (もも)
    ウズラ豆
    (煮豆)
    同左
    +凍豆腐30
    大豆製品    20煮豆同左同左
    豆腐     100豆腐
    味噌      20田舎味噌
    緑黄菜    100コマツナ
    その他野菜  200大根
    果実     200ミカン
    海藻       3浅草海苔
    油       10植物油
    熱量    (カロリー)178716821813
    蛋白質    (グラム)79.967.682.6
    脂肪     (グラム)37.234.342.2
    糖質     (グラム)255.0251.8253.9
    カルシウム(ミリグラム)95312211398
    燐    (ミリグラム)131316971910
    ビタミンA (国際単位)363036683668
    ビタミンB1 (ガンマ)86016111621
    ビタミンB2 (ガンマ)148017261738
    ビタミンC(ミリグラム)253421421
     これは、糖質250、蛋白質80、脂肪50、熱量1800のもので、これに食品をあてはめてみると表一Aのようになります。
     なるほど熱量、糖質、蛋白質、脂肪の関係は注文通りです。しかし、B1が少く、熱量(脂肪を除いた)とB1との比(至適比1:1)は1:0.59で、B1が不十分。カルシウム対隣の比(至適比1:1−2)は1:1.38で、理想的ですが、カルシウムの絶対量が不十分(厚生省の基準量(0.66)では十分ですが、私どもの理想量(1.5以上)には遙かに及びません。
     もっとも、これが、ただB1やカルシウムの不足だけのことであれば、それは、薬でも簡単に補うことが出来ます。
     けれども、栄養がこのように不完全だということは、決して、ただB1やカルシウムのことだけではなく、これ以外にも、恐らく欠陥のありうること(ことにまだ十分明かにされていない、しかも大切な栄養分、いわゆる未知因子の)を示唆するものなので、ただ、不足分だけを薬で補うのでは、本当に完全な食にすることは、とうてい出来ません。
     この意味で、私どもは、すべてのほかのばあいと同様、緑葉食青汁を中心とする食べ方、とくに、主食には、米はなるべく避け、麦類、ソバなどの雑穀か、むしろイモ・マメにし、蛋白食は獣鳥魚介の切身はさけ、なるべく、全体食べられる小魚類か大豆にする。そして、十分の菜っ葉をそえ、しかも、なるべく生で食べ、青汁ものむ。といった食をすすめています。


    表二
    A1A2BC
    熱量    1885196517621893
    蛋白質   90.398.175.490.4
    脂肪    38.639.835.543.4
    糖質    269.4283.8266.2268.3
    カルシウム 1333178316711848
    燐     1343147718312044



    A9630162301026810268
    B11060136019111926
    B22080273023762388
    C433684672672
    備 考表一A
    +ケール200
    (青汁一合)
    表一A
    +ケール400
    (青汁二合)
    表一B
    +ケール200
    表一C
    +ケール200
     こころみに、上記の食構成のままで、これにケール200(青汁にして約1合)を加えてみると、表二A1のようになり、カルシウム量もかなりふえ、カルシウム対燐の比は理想的。熱量とB1との比もずっとよくなります。
     さらに、ケールを400(青汁約2合)にすれば、表A2のように、すべてのバランスがうまくとれて来ます。また、表一Aの食構成の、白米飯をサツマイモに、魚肉をワカサギに、牛肉をウズラマメ(煮豆)にかえると表一Bのようで、熱量と蛋白質はやや減るが、その他の点ではAよりは遙かによく――熱量対B1比は理想的、カルシウム対燐比もよくなります(もっともカルシウムはなお不十分)。
     また、これに、凍豆腐30を加えると、蛋白質も熱量も十分になり、カルシウムもふえます。(表一C)
     なお、青汁を1合そえれば、表二B・Cのように、それだけでも栄養素はそろい、バランスのよくとれた完全食になりミネラル・ビタミンには十分の余裕ができます。もっと青汁が多ければ、さらによくなるわけです。またこのように、主食、蛋白食に、なるべく栄養的にすぐれたものをえらび、良質菜っ葉を十分にそえた食では、栄養的に完全(ことにミネラル・ビタミンに余裕のある)になるばかりでなく、十分の満腹感もえられます。

     問題はただ、こうした食が果たして実行可能かどうか、ということです。
     何分にも、糖尿病者の多くは、もともと美食家です。そういう人々が、こうした粗食に堪えられるだろうか。
     確かに、それは一つの問題です。けれども、ものごとはすべてやってみることです。ともかく、まず、現在一般にすすめられ、行われている糖尿食に、良質菜っ葉をうんと添え、青汁も毎日少くとも2合(出来れば3合でも、4合5合でも)飲んでみる。
     また、週一回か、十日に一回くらい、青汁だけを飲むか(青汁絶食日)、生野菜と果物だけを食う日(野菜果物日)にします。そうするとそれだけでもよほど完全食に近いか、殆んど完全な食になります。
     そして、健康状態がよくなるにつれておのずと、主食や蛋白食の量が減って来るし、しだいに嗜好にも変化があらわれ、精美食よりは、栄養価にとんだ食、あるいは自然食品――主食には白米飯よりも雑穀、マメ・イモ、蛋白食には小魚・大豆の方が好ましくなり、それらの本当の持味がわかって来るので、そうした食べものへの転換にも、その続行にも、さまで困難も苦痛も感じることはありません。

    食品の安全性
     食品はすべて純正安全なもの。自然物か、なるべく自然に近い状態のもの。危険な農薬・洗剤・工場排水などの汚染のおそれのあるもの、有害有毒な添加物のおそれのある加工食品や貯蔵食品はつとめてさけること。
    調理 なるべく簡単に。出来るだけ生食。ことに野菜の生食は腹ごたえがあって減食するのに都合がよろしい。
    調味 うすく。糖分の多いのはもとより(味つけの砂糖は目に見えぬ主食)、塩分の多いのも感心できません。人工甘味がすすめられていますが、ながい間には害がないとはいえません。なるべくうす味になれることですが、これも、緑葉食青汁をやっているうち、しだいに淡白味が好ましくなるものです。
    嗜好品 菓子はやめるに越したことはありませんが、どうしても欲しければ、安全純正品の少量。しかも主食とみなし、その許される範囲内にとどめること
    果物 果物はよいが、農薬汚染に注意。なお甘味の強い乾し果物は菓子に準じ注意すること。
    緑茶、番茶、抹茶はよいものですが、お茶うけの甘味が問題。
    紅茶、
    コーヒー
    砂糖を少くするか、ストレートの砂糖なしで。
    清涼飲料 なるべく糖分のないか少いもの。人口甘味入りや人工着色などの加工品はさける。
    酒類 やめるか控えめ。どうしても飲みたければ、純正品の少量。許される熱量の範囲内で。アルコール分の強いものは水割り。

    一般注意
    便通 毎日快通をはかること。
    運動 糖尿病者には運動不足のものが多い。筋肉運動は糖代謝をすすめ、血糖を下げます(但し過激な運動はかえって不利、病状を悪化する)、適度の運動が大切。
    心神の安定 僅かの精神的刺戟でも血糖が上り、病勢悪化の因になります。つねに心神の安定をはかること。安心するだけでも糖尿がへったり無くなったりするものです。
    糖尿薬 今ではインスリンだけでなく、いろいろ有力な糖尿薬(血糖降下剤)ができています。そして、医者にも病者にも、どうも薬にたよりすぎる傾向が強いようです。
    もちろん、病状はいろいろですから、薬だけでよいこともありましょう。けれども、糖尿病の治療の根本になるものは、あくまで食を中心とした日常生活の合理化で、薬剤はこれを補うだけのもの。あるいは、一般注意だけでは無効な際、いわば、窮余の策として用うべきもので、薬だけにたより切るのは、出来るだけ避けるべきだ、と私どもは考えます。
    それは、やり方しだいでは、必ずしも避けえられない病気でも、治しえない病気でもない、と思われるからですし、また、糖尿薬の目的が、血糖を下げ尿糖をとるか、へらすことであっても、糖尿病の真因と考えられる一般代謝の改善、正常化ということには、何らの影響をももっていないからです。
    また、薬にたよりだすと、食その他日常諸般の注意がおろそかになり、ために、たとえ血糖は下り、尿に糖は出なくなっても、同時にある一般代謝の異常は、そのまま存続し、血管や心臓、眼、神経系、肝腎などへの影響がさけられないばかりか、場合によっては、薬そのものの害の可能性もないとはいえないからです。
    また、現に、糖尿病学者の間でも、糖尿薬の効力について、しだいに懐疑的な意見が出て来ているほどです。


 
2. 滞米中のノートから

    日産厚生会玉川病院内科部長 I.Y.

     このニューヨークにも、数多くの公園が街角にみられる。
     ビルの谷間の所々に横わるオアシスである。これらの公園のベンチを占めているのは、99%までは年老いた男女である。
     朝から夕方まで、本をよんだり、編み物をしたり、あるいは何もせずにあたりをながめている老人たち。時折り立ち上って、屑籠から新聞をひっぱりだしては、それによみふける。よみおわるとまた屑籠へ。
     そんな老人の一人から、ある日声をかけられた。
     「あなたは支那人ですか?」
     「いや、日本人です。」
     「そうですか、支那では老人を大切にするそうですね。全くうらやましい。お国では如何ですか?」
     
     当直のある夜、私は電話の彼方に興奮した看護婦の声をきいた。
     「Mrs.F.がコロナリー(coronary)らしい。直ぐ来て下さい」
     エレベーターのゆっくり下るのももどかしく病室にかけこむと、彼女はすでに蒼白になり、冷汗をうかべ、脈は糸の如く細くかつ結帯をしめしていた。
     各種強心剤の効果もなく4、5分の中に心臓は完全に停止した。心筋梗塞による死亡と診断された。
     そこで看護婦と相談して、いきなり患者が死んだでは患者の家族が驚くだろうから、先ず患者が重態におちいったと患家に電話をかけさせ、15分位たったところで遂に死亡しましたと電話をかけた。
     ところが直ぐ様病院にかけつけると思った家族の返事は明朝うかがいますとのこと。

     さて翌朝家族がきたら解剖を交渉しようと待ちかまえていたところにあらわれたのは、家族ではなく、何と葬儀屋であった。
     一年の滞米中に私は3人の患者の死亡に立ちあったが、家族が病院に顔を出したのは一例だけで、二例は患者が死んでも家族はあらわれず、葬儀屋が来ただけであった。
     どんな様子で最後の息を引き取ったのか聞きにもこないで不人情。死んだ患者のさびしさを思うと怒りが心にうずまくのをおぼえたものである。
     今日も街角の公園に甲羅をほす老人達、直径70〜80センチもあろう太きな屑籠から、新聞紙をひっぱりだしてはなめるようによんでいる老人達に木枯しが音をたてて吹きぬけてゆくことであろう。
     敗戦で家族制度を破壊されたわが国であるが、東洋の美徳である敬老の精神までは失いたくないものである。

    (医薬の門6・5(163)より抜粋)



3 残留農薬は少ない
  厚生省、実態調査の中間発表 一部のリンゴに不安

     厚生省はさる39年度から「米、野菜、果実の残留農薬実態調査」を進めていたが、5日その中間結果を発表した。
     発表されたのはリンゴ、キュウリ、トマト、ブドウ、玄米の五品目についてで、それによると「各品目とも少量の残留農薬が検出されたが、アメリカはじめ諸外国の許容基準にくらべると、総体に残留量はすくなく、健康に悪影響を及ぼすほどではない」という。
     しかし、他よりはきびしいニュージーランドの基準に照らすと、一部リンゴで亜ヒ酸の量が上回ることもわかったので、同省はこの調査をもとに、おもな農産物について残留農薬許容基準を定めることになった。

     残留農薬の問題は、さる29年、パラチオンが付着した生キュウリを幼児が食べて、死亡した事件が起きたことが、きっかけとなって、クローズアップされ、さる31年から厚生、農林両省は、有機リン製剤を散布後、一定期間は収穫しないこと、リンゴについてはアメリカの許容量を暫定基準とすることに決めた。
     しかし、これは外国のものをそっくり借用した暫定措置であり、わが国でも本格的に実態を調べ、適正な基準をつくるべきだとの声が強まったため、39年度から、これら五品目の生産地調査(リンゴ=青森、長野。キュウリ=茨城、神奈川、高知。トマト=千葉、長野。ブドウ=山梨、岡山、大阪。玄米=新潟、山形など7県)および市場調査(東京、大阪)を行なっていた。

    (朝日41、7、7)


 
4. 食養断想

     病気療養の根本は食養である。毎日毎度の飲食物で、各種の栄養素を必要なだけ十分とり、その間に過不足がないように調和をはかることだ。と共に、飲食物すべてを、有害有毒物のはいっていない安全なものにすることだ。


 
5. 農薬の食品残留毒性

    東京歯科大学教授 K.U. 


     農薬の多くのものは、散布収穫までの数週間の期間に分解、無毒化される。
     猛毒のパラチオンなどの有機燐剤もこの例で、残留性の点では良性の農薬と言えよう。
     これに反して永く残留して問題を起こすものは、DDT、ディルドリン、エンドリンなどの有機塩素殺虫剤と、水銀、鉛、砒素などの金属である。

    一、有機塩素剤
     欧米では、Carsonの名著Silentspringが強調したように、牧草、牛、牛乳、バター、牛肉のルートを通り、一方は直接そ菜、果実からも入り、人の脳神経、内臓に蓄積することが注目を集め、無数の分析、研究があり、また実際に慢性中毒が報告されている。
     米国は先年、牧草に塩素剤を禁じ、本年からはドリン剤を米を含めて二三種の穀類に使用を禁止したという。
     英国もドリン剤を早急に禁止するようとの勧告が国会で承認された。外国政府はこのように積極的にこの問題を処理している。
     日本では幸いにDDTを農薬としてほとんど使用しなかったが、イネにBHCが、そ菜にアルドリン、エンドリンが盛んに使われているので、やがてこの問題もとり上げられるのであろう。

    二、有機水銀農薬の残留
     これは外国では播種前の種子消毒に専用され、したがって収穫した農作物には残留しないことが常識とされている。もっとも分析方法が進歩した現代では、天然に土中にある超微量水銀までも捕えてしまうので、上記の「検出されない」とは、ほぼ0.05ppm以下と米国では解釈されている。
     種子、もみを有機水銀で消毒して後に播種すれば、水銀は成長によって稀釈されてこの数字以下になるが、日本では独特の使用法、即ちフェニール水銀を直接イネに散布すること、および土壌殺菌の目的で、そ菜の播種直前にアルキル水銀を土中に注ぐことに問題がある。
     フェニール水銀が、イネの三大病害虫の一つであるイモチ菌に対して卓効があることが日本で発見され、戦後の困難時に食糧増産に貢献した功績はもちろん認めなくてはならぬが、その後十数年無反省に使用を続け、さらに大規模に航空散布が行なわれる点が現在追求されている。

    三、米の中の残留量
     厚生省では3年計画で数種の農薬の残留量分析を続け、来年3月に終了する。先日の新聞紙上の中間発表では、玄米の水銀は平均0.17、最高0.3ppmであった。
    表一 米の水銀含有量(ppm)(藤村)
    水銀粉剤
    無散布地区
    水銀粉剤
    1回散布地区
    白米0.040.07
    玄米0.070.14
    ぬか0.210.37
    もみ0.050.06
     白米に換算すればこれの60%程度低くなる(ぬかに多いから)。農林省発表の数年前のデータも0.1〜0.2ppmであった。私どもの教室で、隣接した水田の一方にフェニール水銀粉剤を1回散布した成績を表一に示したが、無散布対照区の2倍になっている。
     農家は平均して1回半散布するのが現状であるから、これより多いものもあろう。ことに穂が出てからの「ほくびいもち」に対して水銀を散布すると、外部から胚に侵入して濃度が高くなる。

    四、人体内蓄積量
     水銀は特に肝、腎に蓄積する。その現状を示すには個体差が大きいから100例に近い屍体の分析を行なわねばならぬ。
     しかし重金属は毛髪に濃縮される性質を利用して、東大薬学部の浮田教授は外人との比較を試みた。
     日本人毛髪(73名)6.02±2.88ppm 外人毛髪(30名)1.89±1.47ppm 即ち、私どもの毛は欧米人の3倍水銀が多い。
     ことに面白いのは、日本から欧米に留学した人の毛を分析すると、1年半ぐらいで外人のレベルまで下がり、日本に帰国後は1年半で元の値にもどる。
     毛髪の水銀のすべてが米食に原因するとは考えない。それにまぐろ、さけなどの魚肉も白米以上の水銀を含有しているから(海水の天然水銀が原因であろう)、日本人の魚食の習慣も関係があろう。
     しかし、白米一日量300グラム中の水銀0.03ミリグラム(0.1ppm)が寄与していることも確実である。

    五、水銀の慢性毒性
     現在の米を食べ続けると水俣病になるかと心配するものがあるが、それは非科学的なノイローゼである。
     水銀の毒性は表二に示したように無機水銀、フェニール水銀、アルキル水銀を区別して考えねばならぬ。
    表二 水銀、有機水銀の慢性中毒症状
    無機水銀ノイローゼ様症状(意思集中不能、記憶力不良、頭重、不眠、悪夢)、振顫(手、唇、舌のふるえ)、精神不安定症状(過敏興奮)、歯齦炎
    有機水銀(ことにアルキル水銀)上記の症状のほかに振顫(企図性)、運動失調、言語(構語)障害、視野狭窄、蛋白尿
    フェニール水銀アルキル水銀より良性(比較的体内で分解されやすく、したがって脳に入りにくい)
    有機水銀合成工場、農薬工場、食中毒例では水俣病
    病理組織変化  肝、腎の変性、小脳、大脳の細胞変性脱落
     水俣病を起こしうるのはアルキル水銀(メチル水銀、エチル水銀など)だけで、最も土壌殺菌用使用は禁止すべく、種子消毒も近い将来に他の薬剤に切り替えたい。
     イネに用いるフェニール水銀は、実験上も人体中毒例でも水俣病を起こした例はなく、実際に脳に入りにくい。
     障害は主として肝、腎に現われる。フェニール水銀は分解されやすく、米の中ではもはや無機化しているという説もあるが、水銀そのものに一定の毒性があるから問題は解決しない。

    六、水銀残留毒性の意義
     米の水銀量は微々たるものであるから、吸収と排泄はバランスしていて、それ自体でここ数年に危害を及ぼす量ではない。
     しかし、野菜、果実から来るもの、年々に水田に落ち、河川に流され、魚介に濃縮される量、海産魚類、煤煙、自動車排気中の水銀等の総量が一日の吸収量である。工業化の進展とともに、環境汚染は必然的に進行する。したがって人工的、積極的汚染は極力避けるべきもので、農薬のような合成品は、研究によって残留性のない低毒性のものに切り替えられるはずである。被害が現われてからでは遅すぎる。


 
6. 【青汁教室】 青野菜食・青汁のちえ その2
前号参照クリック

     友成 左近 

     ――これが容易に納得されないのは

    ところが実状、多くの方々は容易に納得しないのですが、それは、おそらく、こういうわけではあるまいか、と思われます。

    健康の土台は安全な完全栄養食であるのに
     第一に、健康の土台は毎日の食物であって、これが完全栄養食であり、それも安全なものでなければならない、ということについて、しっかりとした理解と自覚が足りないことです。
     病気で診療をうけているときでも、もっと丈夫になりたいとつとめているときでも、とにかく健康をはかるには、それ相応に、安静にして養生をしたり、環境衛生をはかったり、運動と休養の調和をはかったり、その他いろいろ工夫しなければなりません。
     このうち最も重要なことは、毎日の食物で、各種の栄養素を必要なだけ十分とり、その間に過不足がなく、うまく調和するように工夫することです。そして、この食物がすべて、生理上有害作用をしない安全なものであることが肝要です。

    青野菜が完全栄養食に必要不可欠であるのに
     第二に、こうした完全栄養食をはかる実際的な方法について、的確な理解が不足していること、それには、青野菜をもっと沢山食べることが必要不可欠であり、これ以外に、これにまさる妙手はない、ということについて、しっかりとした理解と自覚が欠けていることです。
     私たちが毎日とっている食物で、ただ一種類で完全栄養となるものは、一つもないのです。いろいろな種類の食品を、相当量ずつ、うまく取りそろえて、初めて完全栄養となるのです。そして、そこに相当量の青野菜が必要不可欠であり、これが最も簡便なのです。
     ところが、この青野菜が、あまりにも身近なものであるためか、値打のないものと思いこんでいる方が、以外に多いようです。また、その値打を理解していても、実際は、なにほども食べていないようです。しかも、その食べているものが、至って栄養価の低いものばかりです。栄養価の高いものでも、とかく調理しすぎて、大切な成分を著しく損失しているようです。
     また、この頃の既成の加工食品には、殆んどすべて、多かれ少なかれ、有害な添加物がはいっているのです。さらに、その他の食品、原材料の食品でも、有害な農薬その他で汚染されているものが少なくないのです。けれども、殆んどすべての人々は、これをさけようと工夫していないようです。

    とかく好き嫌いに走って正しく食べる努力が不足
     第三に、とかく目先・鼻先・口先の好き嫌いに走って、正しく食べようとする努力が不足していることです。
     いったい、好きなものは食べたく、嫌いなものは食べたくない、というのは、私たち人間の本性です。
     ところが、人間の目・鼻・口は、至って頼りなく、たやすく迷わされるのであって、生後養育され、その後この世の中で生活していく間に、だんだんと迷わされてしまうのです。
     現に私たちのもっている目先・鼻先・口先は、かなり迷わされているのです。そして、青野菜が嫌いになっている方が、まことに多いようです。
     このため、習慣通りに、好きなものを食べ嫌いなものは食べない、といって、青野菜をなにほども食べないようでは、大間違いが起ってきます。
     そこで私たちは、完全栄養食について正しい理解をはかり、好き嫌いのわがままを一時おさえて、正しく食べるように努力することが大切です。
     とりわけ、そこに必要不可欠な青野菜を十分食べることが肝要です。
     そうすれば、そのうち、目・鼻・口がだんだんとマトモに働くようになって、ぜひ必要なものが好きになり、そう必要でないものは、あまり食べないようになります。
     けれども、この頃、多くの人々は、こうした努力を怠っているようです。
     そして体具合が悪くなれば、安易に薬剤とりわけ栄養剤にたよっているようです。

    宣伝されていない食品はとかくおろそかにする
     第四に、商品化して大いに宣伝されている食品は、重宝がって利用するが、そうでないものは、とかくおろそかにすることです。
     この頃は流通経済の時代で、農家以外では、すべての食品を商品として買い、農家でも、数多くの食料を商品として買って利用しています。
     このとき、だれでも、長い間の習慣に従うわけですが。これも、だんだん変わっていきます。
     この流行をつくり出すのが、なんといっても企業とその宣伝です。ところで、商品化する場合、とくに流行をつくり出すほどの宣伝力をもった大企業が取り上げるものは、大いに儲け易いものばかりです。
     商品化して儲け易いものは、多くの人々の目先・鼻先・口先にあうものであり、保存し易く輸送し易いものです。
     従って、必要不可欠なものでも、商品化しにくいものは、本気になって取り扱いません。その代表的なものは青野菜です。青汁に至っては、なおさらで、これは商品化に極めて不向きなものです。さらに、商品化する以上は、人々の目先・鼻先・口先にあうように、また保存し易く輸送し易いように、いろいろ加工します。
     ところが、この加工に使う添加物は、程度の差はあるが、殆んどすべて有害なものです。従って、こうした商品は、殆んどすべて、栄養価が云う通りでないばかりか、多かれ少なかれ、有害食品ともなっています。
     けれども、人々は、こうした理解と自覚がしっかりしていないためか、つい宣伝されている食品を、宣伝文句通りに、ありがたがって利用し、青野菜のようなものは、とかくおろそかにしているようです。

    健康と食物に自主的な総合判断と責任の不足
     第五に、自分の健康と食物について、自主的に綜合判断して、みずから責任をはたす努力が不足していることです。
     いうまでもなく、私たちは互いに分業し協力して生活しているわけです。自分の健康と栄養をはかる場合も、自分一人ではどうにもならず、いろいろと人々の協力をうけています。けれども、互いに分業し協力するのは、それぞれ、食物や知識のごく一部分です。
     この一部分については、そう間違いのないようにしているわけですが、一人一人の健康と栄養と食物については、そうそう行き届かないわけです。
     そして、この頃は、とくに企業と宣伝とマスコミによって、ごく一部分のことが強調されすぎています。
     このため、私たち一人一人は、こうして強調されていることに目や耳が奪われて、強調されないことは、ついうっかりすることがあります。
     けれども、これでは、とうてい健康と栄養ははかれません。そこで私たちは、めいめい、こうして強調されている断片的なことに、とらわれることなく、健康と栄養とについて、食物全体的に、よく行きわたって自分自身よく考え、みずから責任をもって、いろいろ工夫し努力することが大切です。
     生命と弁当は自分もちです。けれども、この頃、社会の無責任な親切ぶった協力に振りまわされているようです。

    心を開けばよく分かり身をもって納得できる
     ところで、青野菜食・青汁の知恵は、お互い日本人の健康と栄養と食物の実状に関する、ごくありふれた調査研究に基づいて綜合的に判断したもので、その根拠は至って簡明なものです。前にもふれたように中学校や高等学校の教科書にも出ていることです。
     ゆがめられている習慣や宣伝や流行に心を奪われることなく、すなおに心を開けば、容易に理解できることです。そして、これを毎日の食物に正しく取り入れたら、やがて身をもって納得するようになります。それでは、この青野菜食・青汁の知恵とその根拠はどうなのかというと、つぎの通りです。

    (つづく)

    付記 この稿は倉敷の月例青汁教室で遠藤先生が繰り返し強調されていることの一端を主題にそってまとめたものです。(友成)


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7. ながい間の病気

    横浜市 S.H. 

     二年程前から、何時も身体がだるく、まぶたがはれぼったく、夜は8時になると、目がしょぼしょぼして開いていられない程疲れました。
     何がもとでそんなになるのかも知らず、相変らず、御飯を食べ、まったく良く食べ、良く寝ました。
     昨年頃から頭痛で良く眠むれなくなり、8月頃ジン臓のために打った注射がもとで顔面神経痛となり、お岩さんの様にはれ上り、我ながら恐しい様になりました。早速別の病院にて手当を受けました。ここは神経痛専門の医院でしたが痛たさに平口して止めてしまいました。

     そして、なおすすべもなく、我が家で頭をかかえて居ましたところ、日頃弱い弱いと云ながら薬をあびる程飲んで居た妹が、何年か前に買ってあった青汁の本を思い出して、横浜にもスタンドのある事を知り、早速買いに行き、田辺様の御指導を受け、一杯の青汁を持って私の前に出したのです。
     鼻をつまみながら、のんだその味を、一寸しり込しましたが、話を聞いて何んとなく明るくなりました。
     田辺様の食事指導のお蔭で、今まで何をやってもすっきりした事のない私の身体の血行が良くなり、しかもあんなに肥えて苦労していた身体が、半年経った今では68キロにまでなり、動きが軽く、調子がとても良くなったのです。始めは、果してこんな青汁でと思って居りましたが、今ではまったく青汁様々で、もう今日では御飯の味も忘れる程になりました。
     当分は好物とは縁がありませんが、これも健康の為めなり、と本当に良い事を知ったと喜んで居ります。

     まだまだこういう良いものを知らないで医者通いをして、病気を治す事も出来ない人がたくさん居ると思いますが、まったく私は幸福だと、毎日感謝して居ります。
     たった一杯の青汁から、こんなに快復出来たなんて夢の様です。これも皆、遠藤先生を始め御熱心に健康指導をなさって居られる会の皆様のお蔭と、今日あるを家族一同喜んで居ります。そして我が家にも可愛いケールが青い芽をふき希望を与えて呉れて居ります。

    1. 小児の時より、あせもでもおできにならなければ治らない体質であった。
    2. 神経痛をおぼえたのは昭和20年頃。当時は、全身を動かす事も困難であった。
    3. 其後治ったかに見えたが、時々腰、ひざ、手の指に出る。
    4. 30年頃、全身30ヶ所くらいにヨウが出来る。
    5. 34、5年頃から目がはれぼったく、足がむくんで来る。時々医師に見てもらう。
    6. 38年頃から肥え方が急に目に見えて来る。20貫余になった。食事は肉食は余りしないが御飯を普通に食べていた。其頃より、かかとの痛みをおぼえ、道を歩いていても突然うずくまる程、全身殊に腰が痛い。
    7. 40年8月22日より青汁を飲み、食生活も馬鈴薯、豆腐、果実、納豆、牛乳、野菜に切替える。時々そば。御飯も少々にて青汁食にしたお蔭で41年4月現在、68キロ。
    8. 腰の痛み、かがとのいたみもほとんど消えて、前身のむくみが取れた。まだ少々まぶたのむくみあり、タンパク少々。
    9. 顔面神経痛もまったく回復。青汁に切替えてより一度も医者に見てもらう事なし。
    10. 半年間にて血色良く、歩行等楽になった。頭痛等ほとんどなくなりました。



8. まづ女性へ

    東京都 Y.T. 

     「食の危機」は全くご同感で、先生の夢は一日も早く実現せしめたく、また、これがためには、我邦の現状では、先づ、女性の啓蒙が必要と信ずる次第です。
     これは、私の終戦以来の約20年間の経験では、男性よりも女性の実行性が強いと思いますからです。
     理窟が多くて仲々実行に着手しない人は男性に多いようだからです。
     生菜食、青汁の摂取等は夫唱すれば、婦随は容易ですが、婦唱しても夫随は仲々困難なのは事実です。
     従って、一度男性が生菜食、青汁に踏みきればよいわけですが、これが仲々容易ではありません。
     そこで、だいいち着手は全国のあらゆる女性の会に働きかけること、だと思います。
     そして実効があれば、男性の多くも腰をあげましょう。一度、その有効性を認めましたら、力強い活動となりましょう。



9. ひどい便秘

    名古屋市 Y.T. 

     ひどい胃下垂のためか、便秘がひどくて、トイレに行くのが苦になる程でありました。
     お蔭さまで、一日おきに必らず快適にトイレに行けるようになりました。
     肝臓の検査で、尿もずい分反応が強く(+3)でしたが、きれいになり(−)になりました。



10. すっかり驚く

    須坂市 T.T. 

     偶然にグリーンジュースのあることを知り、さっそく、去年の秋、実行いたしましたが、その素晴らしいキキメに、すっかり驚いています。



11. 腎臓回復

    神戸市 T.U. 

     高校2年の女子ですが、去年の10月頃に腎臓をわずらい、約一ヶ月間病院生活をして、退院後も病院へ行っていますがはっきり直らず、一人なやみ、涙を流す日もありました。
     ところが、2月頃、たまたま父が買ってきた遠藤先生の「青汁の効用」を読んで、私もいちど飲んでみようかなと思い、幸いにも、私の家にはジューサーがあるので、母にたのんで市場からダイコンの葉をもらって来てもらい、飲み始めました。
     一日1合ですが、一ヶ月間だけでも飲んだおかげか腎臓のほうもだんだん回復し、今では、蛋白が全然でていないといわれるほどになり、うれしくてしかたがありません。
     友だちにも、「青汁って体にいいからお飲みなさい」とすすめています。
     ところが、一日1合ほどしか飲まないのですけど、ダイコンの葉は、大変、からくて飲みにくいので、時々、見るのもいやになるほどです。
     それで、もし出来ることなら、ケールの種子を、少しわけていただきたいと思い筆をとったしだいです。



12. 見ちがえる程

    岩手県 E.T. 

     胃腸病と痔瘻のため、手術等の外科療法にて長い間悩み続けておりますが、その効果少なく、やはり内科より徹底的に治療しなければならないと考えて居ります時、友人より「青汁の効用」という本を見せていただき、さっそく青汁を始めてより、はや一ヶ月間近になりました。
     家の近くよりハコベを採集し、一日に3回。一回の量として1合コップで一杯づつ飲用いたしてまいりました結果、最近では、自分が見ちがえる程、身体が軽く、軽快な腹心地で毎日をすごすことができました。
     ところで、最近では畑を田にかえる農家が多く、ハコベも少くなってまいり、原料にもこと欠く状態になってまいり、本当に心細くなってまいりましたので、ケールの種子をわけていただきたいと存じます。



13. 若い者より身が軽い

    清水市 S.S. 

     毎日青汁をやること二ヶ年。50才にちかい身で、毎日若い人たちと工場ではたらいています。
     よく、若い人が、あんたは年をとっているが、私たちより身が軽い、といいます。
     これも青汁のおかげと思います。妻は血圧が高くて困っていましたが、青汁一年で下り、今では、何事もなく働いています。



14. 鮮度のおちた野菜でも

    北海道 I.M. 

     店にならんでいる鮮度の落ちた野菜の青汁が、僅かでも効果のあるものかと、思いつつ飲んでおりましたが、全然無駄ではないと感じます。
     つきに二三回頭痛をしていたのが、今月に入って忘れていたのに気がつきました。
     私の体から、一つ一つ悪いところが解消されて行くのだと、ほんとうにうれしい思いでございます。
     最近青葉(雪の下ともいいます。質のよいものであるかはわかりませんが)が出まわり、それも飲んでおります。



15. 食生活には心をくだいていたのだが

    神奈川県 M.O. 

     私どもも食生活には大変心をくだき、ビタミンや無機質を含むものには、とくに気を配っておりますが、どうしても風邪ひきやら、疲れやら、不機嫌やらと、時にはよくないことがおこります。
     このたび先生のご本を拝見いたし、早速大根やカブの葉、カキの葉などで、私自身試してみました所、二ヶ月経ちました今、これまで、すぐに咽頭をいため、風邪のような症状を、いつも引きおこしておりましたのに、このごろは、それが全くなくなったことに気づきまして、心から感謝いたしております。



16. 質問箱

    長崎 H. 


     電気ジューサーではビタミンが無くなると聞きましたが本当でしょうか


     青汁にするばあい、変化をうけるビタミンは主にCですが、私どもの調べたところでは、電気ジューサーで破壊はもっとも少く次がミンチ、もっともひどいのがミキサーでした。



 コラム紹介

    成せし事は説るべからず。
    遂げし事は諫むべからず。
    既往は咎むべからず。

    (論語)



    俳句
    下曽我 林 雄 山
      秋晴の ケール畑や 曽我の里
      ケールの葉 欠ぎに来し畑 天高し
      爽昧の 露曼陀羅の ケールかな
      青汁を 呑めば万緑 腹中に
      青汁を 呑んで謡うや 小袖曽我



    歌謡 ずるいこころ
    深山 旅愁
      起にゃいけない 思っても
      ずるいこころが 勝ちすぎる
      空が曇って いるせいか
      もっと居たいよ 寝間のなか

      起なさいよと 云うように
      鳩の時計が 九時をうつ
      どうせひとりの 朝ごはん
      ままよも少し 寝ていよう

      ずるいこころで いたけれど
      腹はすいたと 云いだした
      起にゃ朝飯 たべられず
      尻をつめって 起きちゃった



      余は他人に毫もすぐれてはいない。
      すぐれていると思っていないことによってだけ、
      やっと賢者であるにすぎぬ。
      我が神は、自ら学問あり、知恵ありとすることを、
      人間特有の愚なりと考えている。
      余が最上の学説は無知の説であり、
      余が最上の知恵は単純である。
    (ソクラテス)



    人生の助言
    深山 旅愁
    力を全部出しきってしまわず、
    三ぶほどは餘有を残して置くことが必要です。
    それは、万一の時に使う力を育てる源動力になる。



    上工は未病を治し
    中工は己の病を治す
    難経








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