健康と青汁タイトル小 <1966年1月15日発行 第113号>
 目次




1. 食の危機

     医学博士 遠藤 仁郎 

     二〇余年来、私は緑葉食・青汁ということを唱えています。質のよい菜っ葉 をうんと食べよう。それも、なるべく多く生で食べよう(緑葉食)。食べにく ければ、しぼり汁にしてでも飲もう(青汁)というのです。
     それは、こうすることが穀・肉・糖・脂に偏って、ビタミン・ミネラルの甚 しく不足した不完全食になっている、今までの習慣食の誤りを直す最簡便法だ と信ずるからです。
     勿論、そのためには良質(ビタミンに富み、吸収しやすい形のカルシウムに も富む)かつ安全(下肥も農薬もつかってない清浄無毒)な菜っ葉が十分なけ ればなりません。
     けれども、今や食品界には一大危機がやって来ており、とても、それだけの ことでは、どうにもならぬようになっています。すなわち、農産物は、化学肥 料と農薬依存の不自然不合理な農耕によって(土壌の荒廃、作物自体の傷害な どによって)、質の低下と農薬汚染がさけられなくなっていること。
     畜産物は、不自然な環境に、不合理不完全な飼料によって、病弱となった家 畜のため、これまた、質の低下をまぬかれず、各種薬剤による汚染の危険もあ ること。
     また、農薬、洗剤の乱用と工場廃液によって、水も水産物も汚染されている こと。さらに、貯蔵食品、加工食品ともなれば、防腐剤、漂白剤、着色剤(色 素)、着香剤(人工香料)、甘味剤(人工甘味)、軟化剤、清澄剤、乳化剤。 その他○○剤××剤と、あらゆる種類の添加物です。
     そして、その中には、先進国では厳禁されているものもあり、量によっては 有害なものも少くありません。また、従来の普通の検査法では無害とされてい るものも、別の検査法、たとえば妊獣による検査では、母獣には特別の影響も ないが、胎児には明かに有害作用を現わすものもあります。
     なお、禁止添加物の使用されていることも、決して稀ではないのです。

     こうして、多くの食は、いや、恐らくあらゆる食品といってもよいでしょう が、質の低下を免れないばかりか、大なり小なり、有害ないし有毒となり、あ るいは、なりつつあり、安全食品といえるものは殆んどないという状態で、こ のままでは、これが健康上に及ぼす影響は、まことに由々しいものがあるので はないか、と憂慮されます。
     しかし、それら食品の一つ一つについては、これこれしかじかの害がでてい るという、はっきりとしたデータは、今のところ、まだつかめてはいません。  また、一つ一つの食品に含まれている有害物の量も、恐らく取るに足らぬ微 々たるものに過ぎないかも知れません。従って、調査してみてもうまく発見で きぬ場合もあるだろうし、たとえ、あるとしても極く僅かなもので、有害とは いえぬという結論が出る程のものかも知れません。
     けれども、毎日食べ飲みしている雑多な食物、飲物の中に、何がしかづつの 農薬や工場廃液がついていたり、添加毒があったり、洗剤が残っているとすれ ば、その一つ一つは問題にするほどではないにしても、全体としては馬鹿にな らぬ分量になるかも知れないし、あるいは、それらが互に影響し合って有害作 用が強くなったり、本来の性質が変って、毒力の増大がないともいえないでし ょう。
     そして、これが、毎日、子供のときから、いや胎内にいる頃から、つみ重な って行けば、ながい間にはついには取り返しのつかぬ結果をもたらすことにな らぬとも限りません。世はまさに有害食時代、殺人食時代、といっても少しも 言い過ぎではないでしょう。
     私どもが恐れているのは、実は、それなのです。勿論、そうしたあやふやな ことを心配するのはおかしいかも知れません。けれども、はっきりした害が現 われてから、いくらあわてても、それはもうおそい。私どもの生命は一つしか ない。やり直しはききません。あやふやだからといって、気がかりなことを続 けさせられるのは、いたずらに動物実験に供せられるのは真っ平です。
     東京オリンピックで、多くの国は、わざわざ自国の食糧を携行したというこ とですが、あれはただ、なれた食物を食べさせるというためだけの配慮ではな く、日本における食物の危険さ、無軌道さが世界周知だった(知らぬは国民大 衆ばかりなり)ためではなかったか。大いに反省しなければならぬことがらで す。
     よく知られているように、現在わが国では成人病が問題になっていますが、 この成人病とよばれている高血圧、動脉硬化、糖尿病、癌などは、その真因が どこにあるか、まだはっきりとはわかっていないのですが、恐らく、バランス の乱れた不完全食を主とする日常生活の不自然不合理さにあるのでしょう。
     そして、また、各種の有害〜有毒食品の摂取も大きくあずかっていることで しょう。なお、近来多くなっているものに、肝・腎など体内解毒機能と関係の ふかい臓器の病気があります。また、喘息、リウマチをはじめとするアレルギ ー疾患がふえ、神経症、精神病がふえ、妊娠中毒、子宮外妊娠、未熟児・精薄 児・身障児がふえて来ていますが、これらも、すべて、何ものか有害〜有毒性 の物質によって、発病ないし発生するものにちがいありますまい。
     そして、その根本は、こうした不完全栄養や、有害有毒飲食物にあるのでは ないでしょうか。少くとも、その関係を否定することは、おそらく出来ないで しょう。それはともかく、現在、市販の飲食物には、何一つとして安心して食 べられるものはない、というのは、情ないことながらわが国の現実の姿です。
     こうした食の危機、有害食・危険食・殺人食といった恐怖時代に対処するに は、どうすればよいのでしょうか。それには、まず、

    1. すべての食品について、今までのように、ただその栄養分のあり方だけを 考えるのではなく、必ず同時に、有害物による汚染の有無、あるいは、その可 能性について、十分吟味し、つとめて有害食品をさけ、そうした心配のない安 全食品のみを摂るようにすること。

    2. 次に、なるべく栄養のバランスのよくとれた完全食とし、体機能ことに肝 機能をよくしておいて、余程気をつけてもなお侵入するかも知れぬ害毒にたい して、十分対抗しうるだけの抵抗力を養っておくこと。

     それ以外の途は恐らくないでしょうが、そのためにも大切なのは良質菜っ葉 ・青汁です。
     もともと緑葉食・青汁の目的は栄養のバランスのうまくとれた完全食を得や すくすることでした。しかし、今では、その上に、この氾濫している有害食品 に対抗するという新しい目的が加って来たので、菜っ葉食、青汁の使命は、以 前にも増して一段と重大になって来たわけです。
     したがって、この問題の解決には、さし当り、安心して食べられる安全良質 の菜っ葉の円滑な供給をはからねばならぬが、根本的には、さらに進んで、日 常必需食品だけでも安全化され、安心して食べられるようにならなければなら ない。


 
2. ナズナ

     七草の惣代としてのナズナかな

     という句があるが、実際私など、子供のころは七草といえばナズナのことと ばかり思っていた。そして、ある日には、母や妹などと、方々あるきまわって ナズナを探し、もし見つからぬと、何か、ひどく物足りなさを感じたものだ。
     さて、ナズナが七草の惣代になっているのは、おそらく、七草にする野草の 中ではナズナが大型のものであること、そして、あの頃にはもうかなり大きく なっていること、などからであろう。しかし、成分表をみて驚くことは、ナズ ナにはすばらしくミネラル分の多いこと、ことにカルシウムの多いことだ。鉄 やマンガンも多いそうだし、ビタミンもそろって多い。
     カルシウム 0.3−0.5、
     燐     0.1−0.2グラム。
     ビタミンA 2500国際単位。
     B1    0.16、
     B2    0.28、
     C     40ミリグラム。
     私どもの習慣食、ことに正月の食物には、餅といい、煮物といい、とかく、 カルシウムやビタミンの乏しいものが多い。これを補う点からだけでもナズナ を食べることの意味は大変大きいわけだ。
     その上、蛋白質も多く(5−7グラム)しかも質的にすぐれているのだから、  すべての点で優秀な野草ということができよう。
     こうしたことは、ナズナがながい間の経験から、七草の惣代にえらばれた科 学的の裏付けというものでもあろうか。

    「苗食ふべし。東坡曰く、天此物を生じ、幽人山居の福となす。これ味よき故なり」
    (大和本草)
     で、ナズナやイヌナズナは味がよい。しかし軍配ナズナのように、辛いもの もある。
    我独りからなつなこそ悲しけれ、身をつみてだに問ふ人もなし
    (清輔集)
     但しこれも、
    「葉を採り(ゆび)き熟し、水に浸し、酸辣味をとり、復(また)水を用い、淘浄して韮あえものを作り油塩に調へ食ふ」
    (救荒本草)
     で、ゆがいて辛味をぬけば結構食べられる。ふつうヒタシなどにするが、こ れ程質のよいものを、下手に料理するのは勿体ない。清潔なところに出来てい るものならばグリンサラダに加えて生食すべきだ。味も、その方がずっとよろ しい。
     効能について、古医書の記載を総合すると、
    「中を和し、気を益し、五臓を利し、目を明かにす」
     というところのようだが、これは成分のよさからも理解できる。
     西洋でも以前は局方薬であり、古くは屡々用いられるらしく、ミトリダテス 王(紀元前小アジア東部にあったポントスの王で、毒殺を恐れて解毒薬の研究 をしていたが、軍に敗れ毒薬自殺をはかった時は、免疫になっていて、毒がき かなかったという)の解毒剤の中にも入れられていたという。なお、最近の検 索によれば、ナズナに止血作用や利尿作用、血圧降下作用のあることも知られ ている。



3. 食の危機(つづき) 安全食品の供給

     理想をいえば、何もかも自給することです。しかし、それは、無論ごく限ら れた一部の人たちだけにしか許されないことで、到底誰れでもに出来ることで はありません。私ども一般大衆には、まず、良質菜っ葉の自給でも出来ればよ い方でしょう。

    菜っ葉の自給
     私どもは、幸い、そこばくの庭があるので、野菜を作ってみていますが、生 食用菜っ葉(サラダや青汁用)が生で、余裕があれば、漬物用の菜っ葉。胡瓜、 茄子、トマトなどがいくらか供給で来る、というのが精一杯のところです。

    共同供給(健康を守る会)
     しかし、こうした菜っ葉にした所が、まさに寸土もないという都市生活者で は、屋上とか窓ぎわで箱または鉢作りという方法もないではないですが、とて も十分のことは望めません。
     そこで同好の士を募って「健康を守る会」といった会を組織し、しかるべき 農家に委託するのが、今のところ可能な唯一の方法でもありましょうか。
     私どもの地方では、青汁用のケール栽培は、もう10年以上も前から、「青 汁の会」が指定した専門の農家にやってもらっていますが、今では毎日数百〆 も出荷するまでになっています。
     また、最近では、生食用の良質菜っ葉を供給しようという「安全青野菜の会」 が倉敷には出来、相当の成績をあげています。

    健康栽培
     さて、こうした良質菜っ葉の栽培で大切なことは、栽培地が適当であるかど うか、栽培法が正しいかどうか、そして栽培者が信頼できるかどうか、という ことです。

    栽培地
     栽培地の条件としては、陽あたり、風通し、水はけのよいことだけではなく、 土壌が清浄であること。すなわち新しい開墾地か、少くとも1年以上、下肥を つかってない所。また付近からの汚水や農薬によって汚染される恐れのないこ と。従って野菜作りにとっては、頗る条件のよくない丘の項とか山裾といった 所になります。

    栽培法
     良質菜っ葉をとるためには、何といっても土です。十分深耕すること。堆肥 ・緑肥・石灰を十分に施すこと。下肥は一切つかわず、化学肥料だけにたよら ぬこと。必要ならば油粕・鶏糞・厩肥・魚肥などの持久有機肥料を適宜施すこ と。また、無毒安全であるためには危険な農薬は一切つかわないこと。という むつかしい、しかも最も大切な条件がつきます。

    栽培者
     このように良質安全な野菜を得るための健康農法としては、今日一般に行わ れている農法とは、およそかけ離れた、余りにも時代ばなれした、いわば旧時 代的栽培法(自然農法)によらねばなりません。
     そこで、こうした点をよく理解し、それを真面目に実行してくれる熱心な農 家を見つけ出すこと――つまり、適当な土地と、実直な農家を発見することが、 この成否のカギというわけです。

    安全食品の会
     私どものところでは、上記のように、こうした良質安全な菜っ葉の供給だけ は一応成功し軌道にのって来ていますが、これをおいおい「安全食品の会」に おしひろめ、一般野菜や果物、さらに穀・芋・卵・乳・肉類・豆腐・味噌・醤 油・漬物など、日常必需食品だけでも、安心して食べられるようにしたいし、 すすんでは「安全食品の家」といったものを設置したいと考えています。

    主食品
     米なれば玄米といいたいのですが、玄米には水銀の心配が大きいので、むし ろ白米が安全なわけです。けれども、白米は栄養的には確かによくないもので すし、水銀の心配も全然ないわけでもないのですから、米は、やはり、なるべ く食べぬことです。パン・ウドンなど小麦製品も、漂白した粉をつかった市販 品はなるべくさけ、自家製の安全な小麦粉製品を食べるようにすること。が、 むしろ、栄養的にすぐれ、安全度のずっと高いソバ・アワ・キビなどの雑穀類 や、豆・芋の類をとるほうが遥かによろしい。
     こういうものを主食にすれば、安全なる主食品の供給の問題は比較的簡単に 解決しますし、自給するにしても、これらは栽培が簡単なだけに、容易いとも いったものです。

    蛋白食品
     動物食品では、得体の知れぬ添加物のされている加工品はなるべくさけるこ と。牛・豚・羊・鶏などの肉そのものも、遠い外国から輸入されているものが 少くないようですから、決して、必ずしも安全とはいえないので、出来れば、 安全なものを自給したいが、私どもに出来るのは、まず鶏くらいでしょう。自 家農場で出来た穀・豆・芋などと十分の菜の葉をあたえた、放し飼い、または、 せめて陽当り、風通しのよい、自由に運動のできるような鶏舎の健康鶏ならば、 肉も安心だし、卵も大いによろしい。魚介類も同様、遠洋から運ばれてくるも のも多いし、近海産のものも、場所によっては安全とはいえません。
     農薬や洗剤や工場廃水の危険のない適地があれば、小魚や介を養殖したいも のです。乳の供給も精々山羊でしょう。放牧するに適した土地があれば大いに 奨励したいものです。なお、誰れでも十分に、また安心して利用できる蛋白源 は豆腐です。大豆はもとよりのこと、雑豆類の蛋白質も含量が多いだけに、仲 々馬鹿になりません。
     その上農薬の心配はないし、自給も、やる気さえあれば決してむつかしいこ とはありません。

    安全食の家
     健康な適地をえらんで農場を設ける。そこでは、本当の自然農法による健康 栽培を行い、青菜っ葉を主とする野菜類・穀・豆・芋・果物など、すべて安全 につくる。そうして出来た健康作物を飼料とする健康家畜を飼い、食肉はとも かく、卵、乳だけでも供給する。また、健康農畜産物から純正良質の加工食品 も製造する。勿論、専従者は必要だろうが、会員も、なるべく自ら農耕や飼育 や食品加工の実際に加わり、生産の楽しみを味わうとともに、自らの手、自ら の汗によって作り出した良質かつ安全な食品だけからの完全食、本当に正しい 自然的完全食を、存分に味うことが出来るようにする。
     そうすれば、健康者はますます健康になるだろうし、病人も、そうした生活 にとけこんでゆけば、普通の医療では治らぬような難病でも、あるいは治るよ うになるかも知れないし、少くとも治りがよくなるでしょう。こういう安全食 の家、自然食の家、健康の家がほしいものです。そうした施設が次々に出来て ゆけば、その恩恵をうける人はしだいにふえるでしょうし、各地の特産品など 互に交換し合うようになれば、安心して食べられる食品の数は豊富になり、食 卓のにぎやかさはさらに増して来ることでしょう。これが私どもの毎日見つづ けている夢です。


 
4. 正月料理

     子供のころ、郷里で、正月の三日間に食べたものは、次のようだった。
     元日の朝、洗面を終えると、床の間の年神様に供えてあるお三宝から、米、黒 豆、勝栗、ゴマメ、昆布、吊し柿、蜜柑などをいただく。
     一家そろって新年の挨拶の後、梅干のはいった茶(福茶)をのみ、このいただ きものを食べる。それから雑煮。雑煮の餅は菓子椀に二つづつ入れ、その上に、 湯がいた輪切りの大根、人参、細長く切った牛蒡、青菜などを山盛りにして食べ る。
     動物性のものは、少しのスルメ(煮出し汁をとった残りの)だけ。汁は味噌汁 が昔からのしきたりと聞いていたが、後には「すまし」のこともあった。餅は一 升三〇どりが標準だったが、子供たちはきそって食べたので、私なども、食べ盛 りには11〜12ヶ食べた。
     中には20〜30も食べる豪の者もいた。ほかに、醤油につけた数の子、重箱 につめた煮〆−大根、人参、牛蒡、里芋、クワイ、青菜、栗、煮豆(黒豆)、小 豆、昆布、ゴマメ、塩づりの小さい切身など。
     なま物には大根・人参・油揚・千柿の酢のものがどっさり作ってあり、昼食夕 食にはご飯にこれらをそえる。という工合だった。これを3日つづけて食べたが、 今では、野菜ものはしだいに減り、魚の切身は大きくなり多くなったし、鶏や牛 や豚の肉も加って来た。

     さてこうしたおせち料理は、多くの郷土食がそうであったように、その原型は、 私どもの先祖たちが、長い間の経験からつくり上げた健康食の名残りをとどめた ものであろうと思われるのだが、今の正月料理は勿論、甚しい不完全食になって しまっているので論外だが、私どもの子供の頃の料理でも、すでに、私どもの考 え方からすれば、どうも「青いもの」が少なすぎ、決して完全食=健康食とはい えないように感じられるのだが、これはどうしてだろう。

     この疑問に答えてくれるものは所謂菜食療法家の食だ。これにも色々の流派が あって同一ではないが、共通していることは、主食が玄米か雑穀であり、しかも その量が少いこと。蛋白源としては、大豆、胡麻などが利用されていること。
     そして、くさぐさの野菜が多量にそえてあることで、青菜の分量は決してそう 多くはない。しかも、それで健康増進、病気治療、体質改善の目的を十分たっし ている事実だ。
     玄米や雑穀だと、少しの菜っ葉でも、よくバランスのとれること(白米では3 倍の大根葉が必要だが、玄米やソバでは同量で完全食になる)、大豆も肉や魚の 切身にくらべ、ずっと少い菜っ葉で釣り合いのとれること(切身では2〜3倍の 大根葉が必要だが、大豆では同量〜半量でよい)などは前にのべた通りだ。だか ら、そういう菜食料理では、青菜はずっと少くてすむわけだし、従って、青菜以 外の野菜が多くても、結構それで完全食になりやすいわけだ。
     昔の主食が玄米飯の盛り切りでその分量もそう多くはなかったことからみて、 正月の餅も、もとは、恐らく、玄米ではないにしても、それに近い粗搗米の餅の 盛り切り(菓子椀に二つだけといった)ではなかっただろうか。
     また、蛋白源も、大豆、ゴマメ、カズノコなどだが、生カズノコは1/4の菜 っ葉でバランスがとれるし、ゴマメは3倍量の菜っ葉が必要だが、もとの生魚で あれば、ワカサギなどと同様、ごく少量(ワカサギでは1/5でよい)の菜っ葉 で釣り合いがとれる。
     だから、これでも、特に青菜ばかりでなく、色々の野菜が多くても十分完全食 となったものと考えられるので、こうした料理が、恐らく本当のおせち料理だっ たに相違あるまい。



    熱量蛋白質カルシウムB1B2
    カズノコ13925.25014050150220
    同+大根葉25g151.326.597.5147.52.480017529522.5
    ゴマメ31763.015001300100110
    同+大根葉300g46778.6207013907.290004001010270
    カロリーmgmgmg国際単位ガンマガンマmg


 
5. 青汁食相談所の話

     田辺 弘 

     7月20日昼頃、心配そうな顔で青汁スタンドに相談に来たM子さん(磯子区磯子)は、先日来、横浜市内の警友病院泌尿科に通って検査をしてもらった結果、輸尿管中央部の細くなったところに8ミリ位の結石のあることがわかった、というので長い間の体の不調もそのための様です。
     ところが、其の石はかなり大きいので、手術しないで出すことはできない。放っておけば大きくなって、痛みがはげしくなったり、尿がつまって来たり等して、自然に出るということは先ずない。手術して早く石を取り出した方がよいといわれたのですが私はおそろしくなって、何とか切らないで出すことは出来ないものかと、お友だちに話したところ、青汁のスタンドへ行って見たらと、いうので、相談に来たというのです、
     食べもののことを聞いてみると肉食で甘党。白米飯、パンが大すきで、大食する。野菜はきらいかと聞きますと、きらいではないがあまり食べない。病院では食物のことを何かいわれましたかとききますと、脂肪の多いものをへらして、其の外は何を食べてもよいといわれたという。
     そこで、私は、貴女が真剣になって食べものに気をつけて見れば、石は小さくなって出るかもしれないが、相当熱心にやらなければ、青汁を少々飲むだけでは、石は出ない、肉や米の大食家はむづかしいのです。あなたにとっては相当苦しいことかもしれませんよ。と話したところ、
     食養生ならいくら苦しくっても手術するより、切らずにすむならやって見ますから教えて下さい。石が出たら1万円でもお礼をさしてもらいます。と言うのです。
     では、大好物の肉、魚、卵、米麦、砂糖類を当分やめることと、野菜と果物、牛乳、大豆等でつくった献立をメモに書いて、それを毎食食べ、青汁を毎日飲めるだけ飲む。外のビタミン剤はやめて、エビオス(1日100錠以上)飲むこと。
     これを、2週間位つづけてごらんなさい。石の出る出ないはわからないが、身の調子がよくなり、何かよい変化があるはずです。石の出る出ないもあなたの心がけ一つです。
     大勢の方がこのスタンドへ毎日いろんなことを相談に来られますので忘れるかも知れないから、2週間たったなら、貴女の方から身体の様子を知らせて下さい。其のころから少々は好物も食べさせてあげます。という様なことで、其の日は青汁を2合飲んで、4合位を瓶に入れて帰り、夕方までに飲むといって、自宅にもって帰りました。

     次の日は7合位はのめるといって、7合位入る瓶を持って来た。以後毎日7合づつ取りに来て熱心に食療法をつづけていました。5・6日目には、身体、特に腹に力が無くなり、栄養失調にでもなりそうな気がする等と言って居りましたが、8日、10日頃からだんだんとなれて来て、あまり苦にならなくなったらしい、腸のいたみもないという。
     丁度其の頃、横浜で遠藤先生の青汁講話がありましたので、其の後で遠藤先生から直接本人が結石のことをお尋ねする等して、大いに、青汁を中心とした食養生の必要性を感じたことと思います。
     そうして8月2日2時頃、いつもの様に瓶をもって青汁を取りに来て、青汁を飲みながら、昨日石が出ましたといって、にこにこしながらハンドバッグの中からチリ紙に包んだものをとり出しました。
     見ると薄茶色の白っぽい、金米糖をおしつぶした様な形のデコボコの多い石で、大きさは小豆位のものでした。石を見せ乍ら、よかったよかった切らなくてよかった。有難うございました。と何度も何度も自分でよろこんで居ました。

     あの時入院して手術していたなら、腹を切られた上に、今頃まだ入院しているかもしれない。とも思って見たり言ったり本当にうれしそうでした。もうにくい肉も薄情な白米も砂糖も食べすぎない様に気をつけます。といって大分肉をにくんでいる様子でした。
     又今日私のスタンドへ来る前に、手術を進めた病院(警友病院)に行って、ご丁寧にも、其の石を医長さんに見てもらって来たというのです。すると、「あ、出たか」といってびっくりして、それもそのはず、一月あまり前にこの病院に慢性腎臓炎で入院中の婦人が、青汁を熱心に飲んで、不思議にタンパクが出なくなり、他の人より、とても早く退院した。病院では、青汁かも知れないということがあった矢先に、又石が出たというので、一層おどろいたことだろうと、私は思いますが、其の後で、青汁には負けだ。まいった。何か不思議なものがある。これから先、貴女の様な石のある患者は青汁スタンドに送るからお願いします、ということを、青汁スタンドに頼んでおいてくださいと。
     それは、レントゲンで石を発見した時、この石は大きいから薬や青汁などではとてもとても出ない。むりですよ、切るより手がない、と診断を下された手前もあってか、冗談で出たのか、答えようがなく、現在の医学では考えられない。とつぶやいておられたそうです。

     其の石は、後で病院の方に戴きたい。貴女の食養生などを何かに書いて発表する。というのだそうです。多分私は、此の病院の本家である東京の慶応病院へでも、もって行くのではないかと思います。

     それから、青汁会や私に、石を出してもらうといって来られたとしても、青汁は石を出す薬ではない。先日、遠藤先生のお話しを聞いて、M様、あなたも御存知の様に、食べものの間違いを青汁で直すのですから、少々青ナッパや青汁だけ飲んでいたのでは、現代の習慣食はよくならない。
     あなたの様に石をつくったり、大きくする様な食べ物飲み物を一さい止めて、血液をきれいにしてくれるもの(野菜・果物類)を充分過ぎる位食べた上、青汁・牛乳などを飲んで、腹はいつも冷やさない様に気をつけ、便秘もしない様にする等、身体の調子をよくすれば石も出るかもしれないがだれでもが、貴女の様に出来るとはいえないのです。
     だから、石も出るとはいえないし、又、他の病気も同じことで、高血圧、胃潰瘍、腎臓炎、リウマチ等、むずかしい病気の人が毎日の様に相談に来られますが食べ物全体の改善は不安で心配されて私が言う様に実行していただけない。
     実行されないと青汁だけでは治りもおそい。これを実行された人はとても治りが早かったり、身体の調子がよくなって来ています。

     中でも相模原市のYさんは、4ヶ月位前から、青汁とリウマチの食養生をメモに書いて帰り、熱心にこれを実行した方ですが、昨日青汁を取りに来た長男A氏の話では、20年も前からのリウマチで、病院へ入ったり出たりの繰り返しで、医者につきっきりで、次々と薬も病院もかえてみたが、よくなるどころか、次第に悪くなる一方で、近年はとても調子が悪く、床に寝たっきり起きられない様になって居た様な母Yさんが、1ヶ月余りで次第に痛みはなくなり、起きて家事も出来る様になり、4・5日前から、20年も持ったことのない鉢をもって、うれしそうに縫物も出来る様になったと、大へん喜んで居ますといって来た様な人もいます。

     ほかにも、高血圧で10年も前から、薬で下げれば調子が悪い、薬を止めると高くなる。病院も本人も手をやいていたという人や、糖尿、腎臓、胃カイヨウ、子供の病弱な家庭等、数え上げればきりがない程のいろいろの難病がいつの間にか不思議に消えて、よくなって来た。あなたは大変なことを無料で教えて下さったが、10年も15年もの間、高い薬をつかって、医者にかよったりなどしたが、其のお金が本当に勿体ない。身体のためになっていない。
     青汁のことを知らぬ一般の皆様に、早くこのことを教えて上げて下さい。遠藤先生は、おそらく、全国にあるりっぱな大病院の院長や専門医などとはちがう。普通の医学博士では勿体ない気がする。医学大博士とでもいうような位をつくってもらって一般の人からも一目でわかる様に、青汁が普及しやすい様にしてもらいたいものだ。という様な人も出て来て、青汁の食餌法は横浜市にも少しづつ根を下ろしつつあります。
     今は国立や市立の病院や市内の病院からも、時々難病人を青汁会へ行けといって送って来たり、よくなった人が病友をつれて来て、病気と食べものの話をしてくれ等といって、毎日の様に相談に来られるのですが、そういう人は特に、今は一般の習慣食その物が偏った栄養物を食べすぎて、ナッパの大不足病にかかっているにもかかわらず、テレビのコマーシャルや宣伝のための栄養学に弱い日本人は、白米、肉、卵、砂糖等、人一倍も二倍も気をつけて食べる様になる、薬も飲むして一生懸命栄養をとって見ても、体は段々弱くなる一方です。
     其のくせ、青ナッパ類は宣伝力もなく、まずいせいもあってか、食べない。これでは、どんな薬を飲んでも、有名病院に行ってみても、どうにもならない。貴女がたは、いつも自分でよく食べものを考えて、体の調子は自分で気をつける以外に誰も見てくれないのですから、世間にだまされない様にして、根気よくナッパを食べたり、青汁を飲み続ける様にして下さい。
     生れかわった様に丈夫になれます。あなたの体でつくった石が、食物をかえて出て来たとういことは、今後石が住みつけない様な体に改造されたという根拠でもあります。
     外科手術によって出したものならば、又、後で石が出来るかもしれない、という心配がありますが、其の根本をあらためたのですから、これからは食べものに気をつけさえすれば、本当の健康な体になれるでしょう。といって話しましたところ、よかったよかった本当に助かりましたといってよろこんで帰りました。

    横浜青汁スタンドにて


 
6. 青汁教室 青汁のねらい そのニ ――健康の土台

     最近、わが国では、平均寿命は、ずいぶん、のびてきたが、どことなく体具合の悪い人や病気にかかる人は、むしろ逆に、ふえてきているようです。
     とりわけ動脈硬化、高血圧、ガン、神経痛、肝臓炎、腎臓病といった厄介な病気にかかる人が、目立って、ふえてきているようです。
     また、青少年の体位は、ずいぶん発達してきたが、実際の体力や病気に対する抵抗力は、これに伴なわず、むしろ逆に、低下しているようです。このため、病気を治療したり予防したり、また、よりいっそう健康になることが、最大の関心事となっていますが、その要点は、こうです。

    病気に打ちかつのは生きた体の体力
     いったい、私たちの生きた体は、もともと、どんな病気にも打ちかつ抵抗力を備えているのです。たとえかかっても、自力で治していく体力を備えているのです。それは、たとえば航海する舟のようなもので、風波にあって、少々かたむいても、やがては元にもどる復元力を備えている通りです。
     けれども、この体力は、決して、どんな場合にも、全能であるわけではありません。また生活環境も、必ずしも常に、無事平穏ではありません。それどころかこの頃は、まことに非衛生的で、私たちは、いわば、つねに病気にさらされているのです。
     よほどよく気をつけていないと、たちまち体具合が悪くなったり、病気にかかったりします。

    病気の治療や予防の根本は体力の補強
     そこで私たちは、こうなると、だれでも、それ相応に、クスリをのんだり、注射をしたり、手術をしたり、その他いろいろな治療をうけます。また、安静にしたり、食養生をしたり、その他いろいろな養生をします。
     ところで、こうした治療や養生は、それが直接、病気を治す。というよりも、体力を援助し補強して、病気を治すのです。また、私たちは、この頃よく予防注射をうけますが、これは、とくに一定の病気に打ちかつ抵抗力を体につけるためです。
     ところで、こういう場合、とかく怠り易いのは養生です。医薬品や医療制度の普及に伴なって、自分でクスリを買って飲んだり、医師の治療をうけたりすることには、そう、おっくうがらないようですが、自分自身つとめなければならない養生は、とかく怠り易いようです。
     けれども、これを怠っては、少々クスリをのんでも、医療をうけても、病気は容易に治りません。たとえ治っても、すっきりとは治らず、やがて再発する恐れがあります。病気を予防する場合も、これと同様です。それ相応に予防注射をうけると共に、決して怠らずに、養生につとめて、体力をつけることが大切です。
     病気の治療も予防も、その根本は体力の補強です。よりいっそうの健康をはかるにも、よりいっそうの努力を払って、体力を増強することが根本です。

    健康と体力増強の土台は完全栄養食
     それには、もって生まれた素質や生後養なわれた体力を、かれこれ、いうだけでなく、毎日の生活に、よりいっそうの節制をはかって、積極的に体質を改善して、体力を増強することが大切です。
     生きた体は、そうすることができるのです。そして、それには、とくに生活環境の衛生や、人間関係の改善や、体力に相応して過不足のない運動や、体力や運動に相応した休養などにつとめることが大切ですが、わけても食物の改善が大切です。
     食物の改善といっても、その根本は、人その人の体力や運動に相応した完全栄養をはかることです。と共に、有害有毒物を食べこまないようにすることです。こうした食物の改善をさしおいては、他に少々努力を払っても、とうてい、思うような効果はあらわれません。
     まことに食物の改善は、数多い健康の工夫の最も重要な土台なのです。

    まずはさておき青汁を毎日しっかり飲んで
     こうした食物の改善にも、いろいろな工夫が大切ですが、私は、まずはさておき青汁を、毎日しっかりと、正しく、飲むようにすすめています。そうすれば、ただそれだけで、確実に、毎日の食物が完全栄養に近づくのです。そして、それだけ体力が増強されて、生理作用、新陳代謝が順調になり、活発になります。
     そして、ちょっとやそっとでは病気にかからず、たとえかかっても、早く、すっきりと治るようになります。昔から万病のもとといわれている、カゼでも便秘でも、また昔から厄介な病気とされている、神経痛でもリュウマチでも、その他どんな病気でも、そうです。
     とりわけ、この頃ふえてきた動脈硬化、高血圧、肝臓炎、腎臓病といった厄介な病気も、そうです。たとえクスリで一時おさえることはできても、毎日の食物を改善しなければ、とうてい、すっきりとは治りません。
     けれども、毎日しっかり青汁を飲んで、完全栄養をはかると、事実、意外に早く、すっきりと治るのです。(なお、ガンについても、ほぼ同様なことが考えられるのですが、私はまだ、自信をもって、そういいきるだけの事例を十分もっていません)。それは、こういうわけです。(つづく)

    付記
     この稿は、毎月第3金曜日の夜、倉敷中央病院の古久賀会館で開かれている青汁教室で、遠藤先生がくりかえし強調されていることの一端をまとめたものです。 (友成左近)


 
7. 寄生虫 海の魚からも惑染

    ガンに似た症状起す
     海の魚に巣食う寄生虫がわが国で人体に障害をおよぼしている事実が徳島、北海道、新潟、岡山大学など、全国15の医学機関の研究でわかり、感染経路などくわしい調査をすすめている。これまで、魚から感染する寄生虫としては、ジストマなど淡水魚系のものだけしか知られず、海の魚からは感染しないと信じられていただけに、日本寄生虫学会でも大きな反響を呼んでいる。

    ほとんどの魚の内臓に
     これはアニサキスと呼ばれ、成虫は体長10−15センチ、カイチュウに似た形で、クジラやイルカなど海のホ乳動物に寄生する。幼虫は体長20−30ミリ、太さ0.5ミリぐらいで、徳島大医学部第一病理学教室の山口富雄助教授の研究によると、アジやサバ、タイ、マグロなど多種類の魚の内臓に寄生している。
     それを食べると壁内にはいりこみ、ガンやカイヨウに似た肉芽腫(にくがしゅ)を起して胃ガンなどと誤診されたり、急性腸閉そくの原因にもなるという。切除された病変部から、アニサキス幼虫が発見されたのは日本各地ですでに50近いといわれる。
     山口助教授も去年秋以来、過去12年間の顕微鏡標本などから8例をみつけている。うち一つは腸閉そくの患者の手術(切除)直後の大腸壁から生きた幼虫が発見された。去年、イギリス、オランダから輸入されたうす塩にした生ニシンを食べて腸閉そくになった12例がアニサキスのためだったと報告されている。
     同研究室が去年6月からさる3月にかけて、徳島港に荷揚げされた38種の海の魚を検査した結果、アジ、サバ、マダイ、マグロなど20種類の魚からアニサキスを見つけた。
     この幼虫を犬とウサギで動物実験したところ、数回くりかえして幼虫を侵入させると芽腫が現われることがわかった。

    猪木正三阪大微生物病研究所教授の話
     これまで淡水魚からしか感染しないと思われていた魚の寄生虫が、海の魚からも感染することがわかったことは、海の魚を食べることが多いだけに影響が大きい。淡水魚の寄生虫だと、感染地域がかたよっているが、海水魚の場合は全国的な問題なので、寄生虫病学会でも研究と対策を急いでいる。

    生焼はあぶない
    徳大山口富雄助教授の話
     アニサキスは日本でとれるほとんどの魚にいるとみられ、感染の機会は非常に多い。切除しないとわからないから@生焼の内臓をたべないAサシミも古い魚だと幼虫が内臓から筋肉に移行するので危険B熱には弱いが、ス(酸)や、低温にはきわめて強い、などの性質をもっているので用心してほしい。

    (40・6・30朝日)



8. 信念をもって

    加古川市 T.S. 

     昨年3月種子をいただき大変よく出来ました。その当時、気まかせのまま、一週に3、4回ていどの青汁飲用でした。その矢先、子供(小学校6年女児)の体重測定の結果をきき、身長の割に腺病質体格といいますか、細いので気になり、また主人が神戸癌センターで診断をうけ、大変悪いとのこと。などが重なりあって、青汁を家内一同がよろこんで飲むようにしむけるのが、私の三度の食事をするのと、同じくらい当然のつとめのようになりました。

     そして、たまにぬける時もありますが、殆んどといってよいくらい続けていましたところ、まず女児の体重が1ヶ月目に0.3キロふえているのにびっくり。また主人も生気をとりもどし、毎日休まず天職に専念致すようになりました。

     もちろん私も、ご近所の方から、元気になって肥えられたね。といわれて、つくづくうれしく存じています。なお青汁は蜂蜜で飲むようにいたしています。そして女の子は食べもののうちでいちばん青汁がすきだといってくれます。今後とも、あくまで信念をもってつづけてゆくつもりです。



9. 韓国だより

    木浦市 M.B. 

     お送り下さいました「健康と青汁」と書籍、目下、ケール愛用者達に回覧して居ります。お蔭様にて、今日まで65人に達しております。毎朝3時起床、手廻しミンチでつぶし、圧縮器にてしぼります。
     6時頃作業が終り、本人と小僧一人で配達に出かけます。7時半頃朝の配達が終ります。
     午後は、3時半頃から同じ作業をくり返します。当木浦市は人口約17万の小さい港で、人口の密度が首都ソウルに次ぐ、面積の小さい所で、服用者達各自がケールを作ることが困難なので、平均2−3日目には一人づつ増している次第であります。
     前月には、ソウルの緑汁会々長金重甲様を招いて座談会を催しました。約80人くらい集りました。
     現在服用者のうちにお医者様が7人、薬剤師が4人もいられまして、前途が有望じゃないかと思います。



10. 情熱をもってすすめる

    東京都 N.M. 

     かって婦人民主新聞に簡単な紹介をして、意外なほど照会が殺到したとき、おどろいたのですが、いまではデパートでケールを売るほど普及しているのに心からよろこんでいます。私自身も毎日の執筆生活のため愛飲するほか、いまでは妻も、娘も嫁も飲用しています。
     最近は、ずっと原稿用紙を購入している店の主人がひどい高血圧で床についたきりなので、くわしく青汁について説明し、貴新聞をあたえ、そちらの住所も教えてやりました。
     私は一切の迷信や民間療法に反揆をかんずる人間で幼少のころノドに骨をたてたとき、母が象牙の箸でなでれば落ちるというのを拒否し、「落ちなくてもともと、万一落ちればいいではないか」と言われ、「理由がなくて偶然落ちれば迷信をひろめることになるからいやだ」と言って逃げまわったほど頑固なのですが、青汁については、実際の効果のみでなく、理論的に一点の疑問も持ちえぬ合理的な意義をみとめ、情熱をもってあらゆる人にすすめています。
     遠藤博士には心から敬愛の念を抱かざるをえません。今後とも多くのものの幸福のために働いて下さるよう祈ります。



11. すっかりよくなった

    栃木県 K.M. 

     毎日青汁を飲みはじめてから1年たちました。お蔭さまで、元来胃腸がきわめて弱かった私も、今ではすっかりよくなって、「180」もの高血圧だったのが、普通人と同様に下って、宇都宮高血圧センターの医者にもおどろかれるようになりました。持薬の必要がなくなりました。



12. 便と尿

    鹿児島市 H.T. 

     飲みはじめましてから、まだ3週間ぐらいしかたっておりませんが、大変よかったことは、便がよく出るようになったことと、大変尿がよく出るようになりました。私は腎炎で、時々尿の量が少なかったのが、青汁を飲みましてからは、よく出るようになったと大変うれしく思っております。



13. 一人でも多くに

    佐渡両津市 S.N. 

     明治22年生れ。数年前肝臓をわずらって、体重は急激に51キロにへり、皮膚もすっかりゆるんで、にわかに老人じみて来たのに気を落してしまいましたが、青汁を始めて約1年後には、病気もすっかり忘れ、体重は59キロを下らず皮膚もすっかり若返って来たので、とてもよろこんでおります。青汁の効果を、一人でも多くの人々におしらせしたいと願っておる一人でございます。



14. 目立って丈夫に

    守口市 K.T. 

     私の家では、主人と子供二人がカゼをひき易く、ことに扁桃腺炎をおこし、3人が月に一度は高熱を出しておりました。今年3月から青汁をのむようになり出して、主人はいちども病気をせず、子供も目立って丈夫になってまいりました。現在、ニンジン、ピーマン、タンポポ、ヨモギ、クローバーなど。大人は朝コップ1杯。子供は半杯ほどのんでいます。



15. 質問箱

    米子市 Y.W. 

     問
    青汁の材料として甘藍の外葉を使用しておりますが、医者やその他の人が、外葉よりは中味の色がうすい葉の方がよいと申しますが? 

     答
     青汁は栄養の改善が目的で、習慣食に不足しているミネラルやビタミンを補うためです。キャベツの白いところには肝腎のこのミネラルやビタミンが少いので余り効果が望めません。外葉にはこれらがともに多いのですから、この方が適当です。



 コラム紹介

    処世のおきて
    気持よい生活を作ろうと思ったら、
    済んだことをくよくよせぬこと、
    滅多なことに腹を立てぬこと、
    いつも現在を楽しむこと、
    とりわけ、人を憎まぬこと、
    未来を神にまかせること。

    ゲーテ   



    健康のことを最も多く心配する者は
    老人と病人とである。
    国家道徳に関する議論の最も盛なる国は
    衰亡に近づきつつある国である。

    ×

    興国とは謙の賜物であって
    亡国とは傲の結果である。

    ×

    興らんとしてあせる国民は、
    興らずして反って亡び、
    興らんとせずして、
    唯だ能く天命に安んずる民は
    反って興る。
    (内村鑑三 興国史談)   



    悪い法律も我等には甚だ必要で、
    それが全くなかったら、
    人々は互に相食むようになろう。
    (エピクルス)   



    法律がなければ、我等は野獣の如くに生きるだろう。
    (プラトン)   



    これらの精神のうちに最もよくないのは、
    はき違えたアメリカ渡来の自由精神である。
    もし日本人が、現在アメリカの新聞を読んでいて、
    しかも、あちらのすべてを真似ようというのであれば、
    その時は、日本よ左様ならである。
    (ベルツの日記 明治12・9・2)   



    或る国民の物質的乃至精神的生活状態の変化が、
    その国民の新しい特色を与えるまでには、
    世紀もかかるという場合が少くない。
    (カレル)   



    世界は毒菌の大巣である。
    但だ健剛なる人は、能く之に抵抗し、
    能く之に打克て自ら保全するを得る。
    此の如、凡有る国家自衛策は、
    何よりも先づ、自から健剛体となるを第一義とする。

    ×

    他国の病菌が、我国に伝染し来るに就ては、
    我に伝染せしむるだけの弱点の存在することを
    否定する訳には参らない。
    物腐って而して後、蟲に生ずと云ふ言葉は、
    宛も我が現状に当はまっている。
    (徳富猪一郎 中庸の道)   



    人生の助言
     深山旅愁   
    追い越したと思ったのもつかの間で、
    また追い抜かれてしまう。
    それが社会での力の姿なのだ。
    他人のしているだけをしていたのでは駄目です。
    他人がしている2倍も3倍もの努力を、
    逞しく続けていく根気があってこそ、
    其は勝利をあたえてくれるのです。



    健康は金銀財宝にまさる健康に比すべき富貴なし



    童謡 みんななかよく
    深山旅愁   
      なにがつらいの おじょうさん
      だれがいけない ことしたの
      いいこよなくのは やめましょう

      かごのことりを ごらんなさい
      けんかなんかは しないでしょう
      とてもなかよし よいこでしょう

      しょんぼりしないで おぼっちゃん
      あんないじわる しないでね
      いいからなかまに はいりましょう








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