健康と青汁タイトル小 <1965年5月15日発行 第105号>
 目次




1. 講座 主食のよしあし

     医学博士 遠藤 仁郎 

     いままで、主食になるものを、あれこれ考えてみてきましたが、これらの特長は、いずれも熱量にとんでいること。
     それは、主として糖質(澱粉)と蛋白質とで、脂肪に乏しいこと。
     蛋白質は、含量にはかなりの差があるが、マメ以外には一般に少なく、質的には、いずれも一般に劣っていること。
     カルシウムは、大体に乏しいが、マメにはやや多いこと。
     イモは、アルカリにとんでいるが、その他は、いずれも燐が多く、酸性度がつよいこと。
     ビタミンBは、いずれも、相当多いが、加工(搗精や漂白など)で失われるものが少くないこと。
     イモや生マメには、Cもあること。
     といったぐあいで、栄養的に、多少の優劣はあっても、そのちがいは、まあ、いわば量的のもので、根本的、本質的の差があるわけではないこと。
     そして、悪いといわれる米食も、食べ方しだいでは差支はないこと。また、たとえ、米食を、栄養的に多少すぐれている小麦、大麦、ソバ、マメ、イモ食などにかえてみたところが、それだけで、栄養のバランスが完全になるわけでもないこと。
     つまり、主食には、白米飯でも、パンでも、ウドンでも、ソバでも、マメでも、イモでもよろしいが、そのいずれにしても、多かれ少なかれ、補正食品である良質ナッパを添えなければ、完全な食にはなりません。
     もちろん、これら、主食になる食品の欠陥をうめあわす方法には、ほかにもいろいろあり、かならずナッパでなければならぬのではありません。
     ここに、ナッパをとりあげているのは、これであれば、ただ、それだけで、簡単に完全食にすることが出来ることと、そのために必要なナッパの分量によって、ただちに、その優劣を知ることが出来るからにすぎません。
     まえの各項でのべたように、大根葉でいえば、
     白米には約3倍をそえなければ完全になりませんし、半搗米には2倍、玄米には同量。
     麦(小麦粉、大麦)では半搗米なみに2倍。
     ソバや小豆では、玄米とおなじく同量。
     サツマイモでは1/2量で十分。
     となっており、これで、これらの良否のだいたいの傾向がわかります。
     ところで、主食はもともと、あまり食べすぎないほうがよいものなのですが、今までは、偏った白米の過食になっていました。
     そして、このことが、今までの習慣食の誤りの根本になっていたのですが、それは、白米が栄養的に不完全であるためというよりは、むしろ、その軽さ、満腹価に乏しく、腹ごたえのないため過食になっていたことが、主な原因でした。
     そこで、主食のよしあしを決めるには、ただ栄養的の面だけでなく、満腹価の面、つまり腹ごたえがあって減食するのに都合がよいかどうかの、二つの点を目安にする必要があります。
     これらの点を考慮にいれて、主食品に順位をつけてみると、

     イモ類が栄養的にも腹ごたえの点でも最上=A級品。
     次がマメ類、ソバ、玄米=B級品。
     小麦粉、大麦、半搗米はその次=C級品。
     白米は最下=D級品。となります。

     これで、主食としては、なるべく米、ことに精白米を少くし、出来れば玄米、せめて祖搗米とすること。
     また米よりは麦、ソバなどの雑穀のほうがよく、マメ、イモならばさらによいこと。
     したがって、これら、いわゆる代用食品を出来るだけ多く利用すべきであり、これらの利用が多ければ多いほど、栄養的にはすぐれた主食になること。
     つまり、食べすぎにならず、添えるナッパが少くてすむ、それだけ完全食になりやすい、ということが、よく理解できましょう。
     また、農薬や、添加あるいは混在する有害薬品などの危険にかんがみ、なるべく、そうした心配のない、あるいは、そうした危険の少ない純正食品をえらぶよう努むべきですし、根本的には、そういう良質無毒の、安全食品の供給をはからなければなりません。  なお、嗜好上から、これまで、あまりにもとらわれすぎている、純白米飯の淡薄さへの執着をすて、麦その他の雑穀、あるいはマメやイモなどを併用すべきこと、また、満腹価をたかめるため、良質の植物油を利用すること、さらには、粉食またはマッシュ食に慣れることとともに、そうした形態の調理法にも、いちだんの工夫がのぞましいわけです。


 
2. 極妙 ホルモン健康法 掬弄法

     「続明通雑志に曰く、劉几字は伯寿、年己に70余。精神衰へず、体幹軽健なり。中略。その術、外腎を暖むるのみ。その法、両手を以て下し、之を暖む。黙坐、調息千息にいたる。両腎融液泥の如きもの八腰の間に淪る。この術至って妙なり。」
     と緒方惟勝の杏林内省録に出ている。
     両手で外腎(睾丸)をあたため、同時に静座調息、養気の法を行うわけで、血行をよくして、ホルモンの生成を促がそうというものであろう。
     右来、不老長寿の法とされている。
     天海僧正の「陰嚢温浴」もこの類で、家康が長寿の秘訣をたずねたとき、僧正は、別にこれというべきものはないが、毎朝、陰嚢を湯であたためて後、衣服をつけるのを例としている、と答えたという。
     似た健康長寿法に次のようなものもある。
     宮脇仲策の導引口訣抄に「喉朧と言ふは喉笛なり。燥き尖りて堅くなれば臓府も斯の如しと知るべし。
     或は腸胃酒食などに傷められ、燥き枯るれば喉朧も共に病むなり。中略。
     喉朧沈まば宣しく喬引すべし。硬く燥かば按摩すべし。
     喉笛の下、或は両傍を挟み、結肉あらば爪して砕き、鍼して去るべし。極妙、秘伝あり。面授すべし。」とある。
     喉笛の下、あるいは両傍といえば、ちょうど甲状腺のあるところだ。
     これを按摩したり。鍼して、血行をさかんにし、衰えた機能をたかめて、全身の抵抗力を強めようというのだろう。
     台湾や南洋の土人、また南支などでも、カゼその他でからだの調子の悪いときに、頸部、甲状腺のあたりを引っ張る風習があるということだが、一般健康法としての効果も、おそらく、少くないだろう。
     エス、ベンネットの健康長寿法に、「頸部や耳の前後の摩擦」というのがある。
     これは、耳下腺その他の唾液腺の刺激というものか。
     むかしから、唾液をのむことが、「津のみ」といって、健康長寿法としていわれているし、緒方博士によれば、耳下腺のホルモン「パロチン」に若返り効果があるという。
     さしあたり、そういうものの分泌をたかめようというのであろう。



3. 居住地と性格

     居住地によって、人の性格にちがいのあることは、よく知られているが、動物にもそうしたことがあるらしい。
     それについて南方先生は、次のように記されている。
     「フムボルトの回帰線内亜米利加旅行自談に、所によりワニやサメが人を犯すと犯さざるの異なる由を述べ、サルも同様で、オリノコやアマゾン河辺のインジアンは、同一種のサルながら、ある島に住むはよく人に懐き馴れるが、その近所の大陸に住む奴は捕へらるるや否、甚しくおそれ、又いかって、忽ち死するを熟知する故、サル取りに無駄骨を折らぬ。
     どうも地勢が違うばかりで、かように性質が異ると説き去り難いところが、定めて食物とか、物の乾湿とか、雑多の原因があることとおもわる。
     したがって、わが邦のサル舞はしが、四国サルは芸を仕込むによいの、熊野ザルは生れつきが荒いのというも、年来の経験で、根拠ある説らしい。」(南方熊楠全集。おことわり、原文には難漢字か多いので一部読みやすく改めました)


 
4. 歌謡 好きだから

     K.H. 

    川の流れの 清らかさ
    明かるく話す 君だから
    きっと 心も良い人さ
      好きさ 好きさ 好きだから
     靴音だって 弾むのさ

    5月の街の 微風さ
    君とのデート 二度だが
    今日も愉しい 口笛さ
      好きさ 好きさ 好きだから
     肩よせ もっと歩くのさ

    青い柳の あの色さ
    希望に満ちる 君だから
    とても話して 居たいのさ
      好きさ 好きさ 好きだから
     まだまだ言えぬ 左様ならさ

    1963年9月26日


 
5. 青汁教室のアオキチさん その3

     S.T. 

     ボクは青汁のおかげで
      もう10年以上も 生きのびているのだ

     このアオキチさん、友人知人に会えば、必ず、こういって、青汁をすすめる。話が青汁に及ばないのは、よほど重大な仕事で会う時である。アイツ、青汁意外に話の種がないのか、といわれているらしいが、とにかく一言、青汁のことを話さないと、内心ムズムズするらしい。
     ムリもない。もうダメだと言われたとき、青汁をしっかり飲んで助かり、その後も、青汁のんで生きのびているのだ。

    青汁をしっかり飲んで 死地を脱出
     ちょっと説明をきいても素人わかりがしない。ややこしい病気で、病院にかつぎこまれた。1カ年近く長患いをした後で、流動食以外はノドを通らず、衰弱しきっていた。
     いろいろ手当をして、やっと精密検査をしたところ、開腹手術をすれば、あるいは助かるかも知れない、だが、こう衰弱していては手術ができない、体力の回復が先決だ、ということである。
     体力の回復には、まず食べろ、というわけ。だが、長い間、流動食だけを流しこんでいたのだ。うどんを2、3回すすると、息がはずんで、もうすすれない、といった状態である。
     そこで、遠藤先生の指図で、青汁を飲み始めた。だいたい日に5合である。他に牛乳3合、卵、とうふ、重湯ゆど、かまずに食べられるものばかり。だが、食べられるだけ沢山食べた。もちろん、おなかはビックリ。シャーシャーと、よくくだした。だが、先生曰く、少しは歩どまりがある。しっかり続けよと。
     なるほど、そうだった。だんだん体力がついて、かんで食べることもできるようになった。パセリを、枕頭台のコップにさしておいて、終日ムシャムシャ食べた。こうして、かれこれ8カ月。やっと手術ができるようになった。といって、まだ体力が心配なので、一度で完全な手術ができず、間に3カ月おいて、2度に分けてやってくれた。

    病後も青汁のんで 健康を回復、保持
     そうして、やっと退院できたのが、養生には十分気をつけないと危いぞと、シカと注意された。だが、苦痛にみちた1年3カ月の病院生活から解放されると、ホッとする。しかも、時は春である。ビタミン剤は引き続き飲んでいたが、食事は人並にもどった。青汁も、いつの間にか、やめてしまった。病気の時に飲むものと思っていたのか。
     ところが、そのうち、ひどい貧血だ。冬と共に、体がこごえるように冷えこむ。時には、ふるいもつく。やっと助かった生命が心細い。
     なんということだ。人並の食事では、生命がもたない体であることを、うっかりしていたのだ。先生に、カタク注意されて、再び青汁を飲み始め、食事も全面的に改めた。
     確かに、その甲斐があって、だんだん貧血が治ってきた。そのうち、成人病検査をうけても、どこにも異状のない健康体となった。それだけではない。カゼを引いて休んだことは、ここ10年間、一度もないのだ。ひいても、2、3日クスンクスンしたら、カゼの方が逃げていくらしい。

    健康のもと青汁が 固い信念
     このアオキチさん、生命をかけて、青汁がわかったのだ。青汁をしっかり飲む、青野菜を生のままパリパリ食べる、その他の食べ物もいろいろ工夫する。そして、これが、どこの、どんな御馳走よりも、おいしいのだ。楽しいのだ。
     他の食べ物も、さることながら、まずはもって、安全清浄栽培した生の青野菜を、毎日、体重の1%以上食べる、それには、青汁にして飲む、ということが、病気の治療にも、病気の予防にも、そして健康の保持にも、絶対に必要で、欠いてはなない、ということが、固い信念となっているのだ。そして、友人知人に、さらに多くの人々に、本当の健康の喜びを味わってほしいと、ウズウズしているのだ。

    付記
     倉敷では、毎月第3金曜日の夜、7時から2時間、倉敷中央病院の古久賀会館で、遠藤先生ご指導の、公開無料の青汁教室が開かれています。この稿は、これに出席された方の体験談の一端です。


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6. 青汁教室に参加して

    倉敷市 H.M. 

     「健康と青汁」の紙齢100号突破を、衷心より御同慶申上げます。さて、現在、当市では、〃倉敷遠藤青汁教室の会〃を、毎月1回開催し、遠藤先生を講師として、御招きし、「健康と青汁」の、ことに関し、徹底的にご指導を、戴いております。この催しは、恰も、100号記念紙の、発刊された、昭和39年12月の例会で丸3年を経過しました。
     私は幸いな事に、第1回から、参加する機会に恵まれましたが、此の間を、常に、ふり返って、自分の幸運というものを、しみじみと、感ずるもので、ございます。
     最初「青汁は、健康に良い」と、人様から教えられ、5勺程度を約3ヶ月位続けているうちに、此の教室が開かれるようになったのですが、〃青汁の効力と意義〃を教わり、5勺が1合となり、それと併行して緑葉食のいいことを教わり、又、之れの量も次第に、ふえる一方、砂糖、菓子類の食べる事を止め、米飯を減らし、芋食、豆食を次第にとり入れ、食品添加物(色素、防腐剤、甘味剤、漂白剤)の加工された食品一切止めるよう努め、現在は、専ら、栄養の調和を図り、全く完全食に近づいて参りました。
     斯くして、自分の体が、手の指先から足先迄、次第に若返って、心よい、鼓動に、きれいな血が、全身を駆け巡る様で、健康に関する一切の心配が無くなって参りました。
     本紙へも、既に2回、体験記を掲載させて頂きました。
     金もうけでは、大いに人後に落ちましたが、長生きすることでは、〃人の前へ出るぞ〃と、冬の冷い風も、涼風の如く感じ、毎日一生懸命に働いて居ります。
     想えば、最初1枚の葉書に依る、ご案内を頂いた時、恰も、1月の寒い夜の事、炬燵でぬくぬくと、テレビでも見ている方が余程保養になると、思いながらも、何か目に見えぬ糸に、操つられる人形のように、会場へ足を運んだ、3年前の自分の姿を、実に感概深く思い出さずには、居られません。
     人間の〃幸福〃は、常に、柔軟な精神で、人の声を、即ち、〃天の声〃と思って、有難く聞くことの重大さを、しみじみと、感じ、此の様な尊い、人生教訓までも、併せ得られた、此の3年間は、誠に尊いものであったと、深く感謝致しております。
     此の上は、今尚健康に、恵まれない、多くの人々に、此の気持を分ち合う為にも、益々此の道の勉強を、怠らず、教室での無欠勤を目指して、希望に、満ちた、此れからの半生を送りたいと、念願致しております。私の目標語〃正しく(青汁を飲む)強く、(健康で)柔かく(楽しい)〃。 

    昭和40年2月2日


 
7. 通じがよい

    福岡市 A.I. 

     青汁のみます以前は、1週間ぐらい通じがないことがたびたびでございましたが、近頃は1日おきや毎日気持よくいっております。青葉のあるかぎり続けたいと思っております。


 
8. 永らく悩んだ 慢性胃炎

    福島県 K.K. 

     自家野菜で青汁をつくり、飲用しはじめましてから、約5、6年にわたって悩んで来ました慢性胃炎が、うす紙をはがしたようによくなり、胃の消化力も旺盛となり、毎日疲れのない体で町役場に勤務しております。  青汁の効めの偉大さにおどろき、今では役場の人たちに話す度毎に、青汁をすすめているしだいであります。


 
9. 老人病

    兵庫県 S.O. 

     老人病で、一時は歩行もあぶなかしい状態でしたが、青汁を飲用し、薬も医師に相談して服用しだして以来、元気をとりもどし、以前とかわらぬくらい働いています。


 
10. カマボコなどの赤色色素 2種の許可を取消す 厚生省

     厚生省は食品に使われている赤色タール色素11種のうち、カマボコやタラコにつかわれている「食用赤色101号」と「食用赤色1号」の使用許可を4月1日から取消すと31日、発表した。  同省はさる37年いらい、食品に使う化学物質の人体への影響について総点検をしているが、国立衛生試験所での動物実験の結果、この2種類の色素を長期間使った場合いはじん臓障害や肝臓に悪影響を起すおそれのあることがわかった。使用許可の取消しは4月1日付の官報で告示され、即日生産禁止、この色素を使った食品も6カ月間の猶予期間をおいて10月1日からは売ることができなくなる。

    (40年4月2日朝日)


 
11. うれしい悲鳴

    藤沢市 M.N. 

     ケールが見事に生育しましたので、朝夕青汁を飲んでおります。
     高血圧の不快症状に悩まされていましたのが、いつとはなしに軽快し、この頃では愉快にすごせるようになりまた。
     はじめは見向きもしなかった家族も愛飲するようになり、生育が間にあわず、嬉しい悲鳴をあげております。
     このよろこびを一人でも多く隣人にわかち合いたいと思っております。


 
12. 不安におびえた生活

    岐阜県 T.I. 

     今まで悩まれてきた高血圧も、いただいたケールのお蔭でよくなり、快い毎日をおくっております。
     不安におびえた生活も遠のいて、こんな明るい日々がおくれるとは夢にも思えず、なぜもっと早く気がつかなかったのかと心にくいほどです。


 
13. 質問箱

    尾鷲市 K.N. 


     ケールに人参、リンゴを混合すれば悪いですか。


     人参(根)やリンゴにはビタミンCをこわす成分があるので、一緒にすりつぶすのはさける方がよいと考えています。


 
14. (詩)小石の方向

     H.H. 

    胸の底の方で
    険悪な黒雲が沸いていた
    石を見つけたかった
    でも手頃のがないので・・・・
    さらに庭を歩いた
    やっと拾った石を握ると
    血は野火のように燃えた
    目標を定めて数分のあと
    からのビール瓶だったけれど・・・・
    気味のよい音を発してから
    餘韻も消えていった
    心はさわやかだった
    胸の黒雲を払いのけてくれた
    その気持のなかで
    心を濡らしていた涙を
    にぎり拳はぐうっとぬぐい去った
    蒼い空のあったことを、その時・・・・
    わたしは始めて知った
    ・・・・それが
    本当の歓喜でなかったとわかると
    恥づかしくなった








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