健康と青汁タイトル小 <1964年4月15日発行 第92号>
 目次




1. クスリ狂日本(1)

     医学博士 遠藤 仁郎 

     日本人は薬がすき。いや薬好きというよりは、むしろ、薬狂といったほうがあたっているかも知れません。薬とさえいえば何でもとびつき、ジャンジャンのみまくる。舶来の薬ともなれば、とくに目がない。「売れ残ったら日本へもって行け」というのが、製薬業者のかげ口だそうです。医薬であろうが、食品添加剤であろうが、農薬であろうが、日本へもって来ればどんどん売れる。日本は世界中で最良の薬の市場だといいます。

    医薬
     医薬には、もとより無難なものもあります。とくに民間薬のように、あるいは流行の強肝薬のように、大してきかぬ薬、毒にも薬にもならぬ薬はまだよろしい。しかし、最近の新薬にはもの凄くよくきくのがあります。そして、それだけに危険も少くないし、事実いろいろと警告もされています。それでも、医師の処方によるものはともかくですが、わが国のように、薬局で大抵のものが自由に買えるところでは、出鱈目に素人療法が行われやすい。そうした乱用薬の二三をひろってみると、

    睡眠剤  胎児を奇形にすることでよく知られているサリドマイドほどのことはないにしても、睡眠剤はすべて神経毒です。決してむやみに使うべきものではありません。夜泣きしてうるさいとて赤坊に睡眠剤をのますインテリ・ママがあるということですが、とんでもないことです。睡眠剤遊びというにいたっては全く言語道断。麻薬はもちろん、ヒロポンなどと同様、青少年の健康をむしばむこと甚しいもので、ついには廃人にもなってしまいます。
    鎮静剤  ある種の鎮静剤の乱用で不治の慢性腎臓炎がおこることは、欧米でははやくから問題になっています。わが国でも近来原因不明の腎臓疾患が多く見られるのですが、こうした薬の乱用があるいは関係しているのではないでしょうか。ごくふつうに、無難な鎮痛剤、解熱薬として多くに人に愛用されているアスピリンでも、むやみな使い方をすれば、やはり害があります。
    精神安定剤  近ごろ流行のノイローゼによろこばれる精神安定剤も、もとは副作用も習慣性もないといわれたものですが、しだいに、いろいろの害を伴うことがわかって来ました。
    ステロイド剤  最新の医療界の寵児ともいうべきステロイド剤――コーチソンの発見以来、次々に登場している副腎皮質ホルモン系統の薬剤で、多くの難症に奇効がある――も喘息、レウマチ、神経痛などの慢性難治症でとかく乱用されがちで、往々おそろしい副作用をおこしています。中には習慣になって一日に数十ないし百錠ものまなければならなくなっているものさえできています。その他いろいろのホルモン剤がありますが、いずれも、必ず医師の指導のもとに用うべきもので、素人細工は断じていけません。

    食品添加剤、農薬
     日本人の薬狂は医薬だけではありません。食品加工で添加される薬品や農薬 あるいは洗剤にいたるまで、まことに夥しいものです。そして、これらも医薬品と同じく、無害といわれているものでも、ながい間にはしばしば恐るべき影響をあたえるものがあります。

    薬品の有害性
     さて、これら薬品の有害性ですが、もともと薬剤そのものの有害なものであれば、それはいうまでもないことです。医薬にはもちろん毒薬も少からずあります。しかしそれらは、それに関する知識を十分にもった医師や薬剤師にまかされているのですから、まず問題はありません。食品添加剤には有毒なものは勿論禁止されているし、許可されているものは使用法がきびしく規定されています。農薬はすべて毒物ですがこれまた、同じくその使用には厳重な規定があります。したがって、これらもすべて少しも懸念すべきことはない筈のものなのです。
     しかし無害の筈のものが実際には有害であったり、後で有害とわかるものも少くありません。それは、一に規定が正しく守られているかどうかにかかっています。たとえば食品添加剤の場合、一定の%であればよろしいというので許可されているものが少くないのですが、よりよい効果をあげるため、規定外の量が用いられたり、あるいは有害物と知りながら禁止薬剤が使われています。こういうものが保健所から摘発され、販売停止、製品回収、または製造禁止処分をうけていることが屡々報道されています。
     しかし、それはほんの氷山の一角にすぎず、検査の目をのがれて私どもの口にはいるものは、いくらあるかはかり知れません。また、たとえ規定の薬品を規定通りに使ってあるとしても、決してそれだけで手放しに安心は出来ません。それは、一つ一つの食品には、無害とされる分量しかはいっていないとしても、殆んどすべての食品が加工されている今日のことです。あれこれと食べているうちに、つもりつもって有害量に達することがないとは保証できないからです。
     このことは農薬でも全く同じで、一つ一つの食品に含まれている農薬の量は、あるいはとるに足らぬ微量かも知れません。しかし、どの野菜にも、果物にも、穀物でも、いくらかづつ含まれているとしたら、一つ一つの分量が少いからとて、少しも気は許せません。

    混りもの
     なお、本来の薬品自体は無害の筈でも、不純物が混っていて、これが有害作用をなすばあいもあります。
     先年の森永のドライミルク事件も、また宇部の毒醤油事件も、そうしたものでした。どちらも、加工の途中で使われた薬品が精製品でなく、粗悪な工業用薬品であったため、それに砒素がまじっていたからでした。医薬品はとくに精製されていますから、まず間違いはありませんが、食品添加剤や農薬の材料には、ともすると粗悪品が使用されるおそれがあるのです。

    (以下次号)


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2. ふえつつある青汁党

    釧路市 S.A. 

     昨年夏来、妻と二人で、毎日1合づつのんでいます。
     しかし寒い北海道のこととて、冬季は生野菜が不足で、専らキャベツの青汁で1月から現在まで通しています。
     私は新聞記者という特殊職業な上、地方支局廻りを永年やっていたのや、軍隊で食糧不足な南方々面で五年も暮したなど悪条件と不規則な生活で半生を過ごした関係で、根性的には頑健とはいえ、胃弱、冷性などになやまされて来たのですが、最近は胃の調子は大変よく、毎日のようにのんでいたグロンサンはこのところのまずにいますが、酒の悪酔いもない好調さです。
     妻も便秘症で苦しんでいたのが、今は楽だとよろこんでいます。幸い自宅付近には多少の空地もありますので、これからは自宅菜園が楽しめ、野菜を大いに食べられると同時に、青汁には、秋までこと欠かさずに暮せますが、北海道でも北の涯の釧路では、家庭菜園も5月からです。そして10月には終りとなりますのが残念です。
     今は当地の支社勤務で、社内の連中に青汁の効用を説いているのですが、流石に、若い連中は市販のジュースに魅せられているので一笑に付しますが、老兵組は大分青汁党が増えています。
     しかし、この連中も、冬季間なので、野菜をもとめかねて、結局、キャベツとニンジン、それにリンゴやミカンなどでやっているようです。それでも、ともかく青汁党の増えたことを喜んでいる次第です。

    (37・4・9)



3. 青汁教室
前号参照クリック

     友成 左近 

    丈夫であるということ
     人々に青汁をすすめていると、別に、そんなものを飲まなくても、この通り丈夫ですよ、という人に出くわします。青野菜を、生の青野菜を沢山に、といわれるが、別に、そんなにしなくても、けっこう丈夫な人が多いではないか、という方がいます。わたしたちは、確かに、青汁を飲み、青野菜を沢山食べているから、丈夫であると思っていますが、丈夫である、ということは、どんなことなのでしょうか。青野菜を沢山食べねば丈夫になれない、というのは、どんな意味なのでしょうか。

    丈夫であるといってもいろいろな程度がある
     ひとくちに、丈夫であるといっても、それには、いろいろな意味があります。その程度には、だいたい、三段階あるようです。
     第一が、見たところ、体が大きい、とりわけ胸囲や体重が大きい、という意味です。身長計や巻尺や体重計などで計ることができる体格が、立派である、という意味です。けれども、大きなナリをして、からきしイクジがないことも、よくあるように、ただ体格が立派であるだけでは、まだ丈夫であるとはいえません。
     そこで第二に、それ相応の労働や運動に耐えるだけの体力をもっていること、そして、少々やっても、そう疲れないし、疲れても、すぐ回復するようでなければなりません。けれども、立派な体格をもち、すぐれた体力をもっていても、ちょいちょい病気にかかる人があります。かかったら治りにくい人があります。これでは、やはり、まだ、ほんとうに丈夫であるとはいえません。
     で、第三に、さらに、ちょっとやそっとでは病気にかからないし、かかっても、すぐ治るような抵抗力がなければなりません。

    栄養上よく調和した食物が丈夫になる根本
     ところで、体を本当に丈夫にするには、いろいろなことが大切ですが、人その人の体と年令と労働に応じて、栄養上よく調和した食物を十分とることが根本です。
     けれども、この頃は、この食物に、熱量素(主として米、麦、油、砂糖)と蛋白質(主として肉、魚、卵、豆)に対して、ビタミンとミネラルが著しく不足し易いのです。
     そこで、わたしたちは、このビタミンとミネラルが最も豊富に含まれ、しかも、よく調和している青野菜とくに生の青野菜を、毎日300グラムいな500グラム以上と、十二分にとって、毎日の食物を、栄養上よく調和した完全なものにしようとしているわけです。それは、こうするのが、最も確実で安全で、しかも手ッとりばやいからです。こうする以外、これといった妙手はないのです。

    青野菜が少ないようでも体格や体力は一応できる
     けれども、米麦などの熱量素食品や肉魚などの蛋白質食品には、それぞれ、それ相応に、ビタミンとミネラルが含まれています。それで、野菜果物とりわけ青野菜を、そう沢山食べなくても、栄養は、不完全ながらも、ある程度まで調和してくるのです。また、人間の体というものは、まことに巧妙なものであり、従ってまた、人その人の食習慣は、ごく特殊な場合を除いて、一見、偏食しているようであっても、よく見ると、栄養上、一応まとまっているものです。それで、少々偏食しているようであっても、また野菜果物をそう食べていないようでも、一応、立派な体格は備えることができるのです。
     けれども、野菜果物をあまり食べていないと、体力が劣ってきます。もっとも、短時間のはげしい運動には耐える体力を備えていることはあります。が、長時間の運動に十分耐える体力は出来ないようです。この体力は、体格のように、簡単に計ってみることができませんが、何か実際やってみる、例えば、いっしょに歩いてみると、よく分かります。

    青野菜が少ないと抵抗力が劣ってくる
     ところが、偏食があり、野菜果物とくに青野菜を十分食べていないと、病気に対する抵抗力が劣ってきます。
     これがよく分かるのは、長い間航海している場合です。どうしても青野菜が欠乏してくるので、立派な体格と体力をもっていながら、いろいろな病気にかかり易いのです。また、人工栄養で育てている乳児をみると、よく分かります。ミルクを十分与えて、丈夫に発育しているようでも、病気にかかり易く、かかると治りにくいのです。うっかり野菜や果物の汁を与えるのを怠っていると、さらに目立って、そうなります。

    青野菜を十分食べるとシンから丈夫になれる
     青野菜を、しかも生のまま、十分食べていると、立派な体格と体力を備えた上、さらに、ちょっとやそっとでは病気にかからないし、かかっても早く治る抵抗力を備え、シンから丈夫になれるのです。そして、これは、長生きの土台なのです。

    付記
     倉敷では、毎月第3金曜日、午后7時から2時間、倉敷中央病院構内の古久賀会舘で、公開の青汁教室が開かれています。この記事は、ここで遠藤先生その他の出席者が話されたことの一端です。



4. 土の条件

     これは伊東清先生(熱帯植物研究家、元農林技官)のお話の中から土壌に関することだけをぬき出したものです。

    (文責在記者)

     青汁をしぼる上にもっとも大切なことは、新鮮で良質の清浄野菜を確保することである。野菜の出来は次の三条件による。
     すなわち天候、土壌、肥料。

    まず土壌について
     今では水耕栽培法といって、土を全然つかわぬ方法もあるが、われわれの普通の栽培方法では土壌の性質が基本になる。
     土壌には、水はけ、空気の流通、地温などの物理的条件。窒素、燐酸、加里、石灰などの化学的条件。さらに細菌学的の条件がある。
     青汁の主要原料であるケールのように、成長速度のはやいものでは多量の水分が必要。しかし、それと同時に、十分の空気があり、呼吸のできることが大切。(鉢植で、根が鉢の辺りに多くできているように、空気のあるところに根の発育がよい)。土壌がしまりすぎると、空気が乏しいため根の発育を妨げられるので、鍬を入れて耕さねばならぬ(中耕)。
     土壌には単粒組織と団粒組織とがある。単粒組織というのは、同じような小粒子からなりたつもので、これでは空気が乏しいし、毛細管現象によって地下水が蒸発しやすいため、やけやすい。団粒組織というのは、小さい粒子の集った団粒からできているので、その隙間に空気が保たれ、また毛細管現象による地下水の蒸発を防ぐ。
     そこで、植物成長上には単粒よりも団粒のほうが望ましい。これがためにも中耕が必要なわけである。ただし、中耕の度がすぎると、水を蒸発させ乾燥をはやめる結果となるから、注意を要する。
     なお中耕は土壌の細菌条件にも影響する。空気の乏しい、固くしまった土壌には有害菌、たとえば硝酸を亜硝酸にかえる亜硝酸菌が繁殖し根をいためるが、この菌は、空気を嫌う菌(嫌気菌)であるから、中耕して空気を入れてやると繁殖せず、反対に、好気菌である有益な硝酸菌の繁殖がよくなる。
     なお団粒組織にするためには、有機質を十分にふかくすきこむとよい。これには緑肥がいちばんよい。堆肥にしたものでなく、生のまま入れてよい。豆科のクローバー、ゲンゲ、ザードウイッケン、などならば窒素の含有率が多く窒素肥料にもなる。その他、枯草、枯葉、わら、など。根でもよい。ただし、イチジク、モモ、クルミの根は害がある。松葉は作物によってはよくない。
     乾燥を防ぐには敷わらを十分にする。これは、水の蒸発を防いで水分を保ち、団粒質の単粒化を妨げる効力がある。ただし、降水や灌水が土にしみこむのには邪魔になる。また石をおくと、土との間に空気を保ち、土壌の毛細管現象を中断することで、水分を保ち、乾燥を防ぐ。

     灌水 少しづつ度々やるよりは、時々十分にやるほうがよい。



5. 「青汁・緑葉食より、我を救う道なし、此の道を歩く」

    倉敷市 H.M. 

     私は本紙9月号へ、「青汁は素晴しい。」と云う題で体験記を掲載させて頂きましたが、其の原稿を書きましたのが、実は、7月でございました。
     以来、益々意慾的に、特に、緑葉食の方を続けて参りました処、まことに、調子良く、ついつい嬉しさの余り、「体験記続編」を、掲載させて頂きたく、かくは、ペンをとった次第でございます。
     
    一、水虫の追放………  真夏から秋にかけて、絶対に下駄乃至は草履で仕事をしなければならない程、永年の苦しみでしたが、今夏は、靴ばきで少しも症状は起りませんでした。
    二、低血圧の追放……  5年程前に、血圧測定をして貰った処、最高100で、御馳走をしっかり食べるよう、医師から云われましたが、胃、腸が調子悪く受付けず、常に、眼まいに困って居りましたが、青汁を始めて2年2ヶ月の間に、最高137迄上り、現在、低血圧としての症状は、皆無となりました。
    三、弱った心臓の追放  坂道を登る時、冬西風に向って自転車を走らせる時、食後直ちに、荷を積んで自転車を走らせる時等の場合、胸部から左肩辺が締めつけられるような苦しみを覚え、常に不安な気持でおりましたが、最近になり全く、右のような症状は無くなり、今更乍ら青汁・緑葉食のききめに、唯々驚くばかりです。

     以上、三つの病気を追放し、現在では、全く不調な個所はなくなり、真の健康をとりもどした幸福感で、毎日張り切って働いております。
     青汁・緑葉食は、多い程其の効果が顕著であることも体験致しました。此の秋は野菜の豊作に恵まれ、笑えばただで貰える、実は貴重な大根葉ですが、一日約400グラム程度と、青汁は1合を毎日美味しくいただいております。
     終りに、「青汁・緑葉食より、我を救う道なし、此の道を歩く。」

    (38・11・15)



6. 食品添加物の危険性

    医学博士 A.H. 

     食品添加物、例えば保存料は、現在の社会機構上、ある程度の使用は止むを得ないであろうが、少なくとも着色料とか、着香料とか調味料は食欲を増進させるということに仮に役立つとしても、それ以上には人間の健康保持のための食品栄養価維持、または増進上に、決して必要不可欠なものではないことは明らかである。それどころか、これらのもののうちかなり多くのものについて、人命を脅かす最もいまわしい疾病の一つの癌を発現させる危険性が益々考えられつつある状況である。
     しかし、それにもかかわらず、かような食品添加物を用いることにより、食品の販売量が増加し、あるいは利益が上がるために、業者は益々種々雑多な食品添加物を同時に、どしどし用い、又消費者も健康への顧慮を十分には払わずに、見てくれの良さや便利さに気を奪われ嬉々として買って行くという現状である。

     添加物一つ一つでは、たとえ許容量以下であっても私達が一日に摂る日常食品全部の中には多数のものが同時に入って来るために、その総計量はかなり内輪に見積っても一般都市生活者では一日250mg以上場合によっては1gになるという。急性中毒致死量(LD50)(動物半数致死量)が500mg/kgの程度のものは防腐剤では珍らしくなく、人間の体重を仮に50kgとすると安全率は100〜25倍にしかならない。
     これも動物と人間が同じ反応を示すと仮定した場合の急性中毒の安全率である。しかし、たとえば昭和35年日本で開催された国際癌学会での「食品添加物及び食品の汚染による癌発生の危険性に対する第2回シンポジウム」で英国のピーコック博士が強く警告したように、動物では発癌性を示さないのに人間では発癌性を示す場合があるのである。現行の許容量は、すべて動物実験を基礎として規定されている。

     また同シンポジウムで西独のドラックレイ教授は

     「連続して与えられた発癌性物質各個の量の発癌作用は不可逆的に実験動物の全生涯に亘り継続するもので、快復因子が認められず、発癌効果は連続投与量の合計の函数であり……癌発生に対して時間因子が重要であって、食品添加物のように長期摂取する場合には少量でも危険があると考えられる。……マウスあるいはラットの実験で一生涯検体を投与した場合に発癌を示さない低用量を『安全な閾値下の量』と考えることのできないことを示すもので、癌発生に至るほど当該動物の寿命が長くないと考えるべきであって、適当な看護で寿命が延長されるなら、このような低用量でも実際に癌を起すであろう。……他種の毒性物質と異なり発癌作用は何等の予告なしに長い潜伏期を経て現われるのでなお危険であり、これらの理由から癌の予防における実際的な方策として人間の環境及び食物から、あらゆる発癌性物質を排除するということは絶対に必要であると考えられる。」
     と警告し、
     また中原和郎癌研所長は化学的に関連のない強力な発癌性物質には総合作用があり、明らかには腫瘍を発生せしめないような量の発癌性物質でも作用を受ける臓器が同一である限り、長期間持続して動物に投与すると、総合して発癌させるという実験成績を報告した。その他添加物の発癌の危険性についての警告的研究が各国の癌学者から数々発表されたのである
    (池田良雄氏、日本医事新報、1192号、25頁)。

     また1956年のローマでの国際癌学会での第1回シンポジウムでの決議文中には、検討を要するもの、添加してはいけないものの名前を列挙し、合成着色料では使用不可のものとして32種を指定しているが、この中には日本で現在許可されているものが10種もある(日本での許可合成着色料は全部で24種)。即ち赤色103号、だいだい色1号、2号、黄色2号、3号、緑色1−3号、青色1号、紫色1号、(だいだい色、緑色、紫色はそれぞれの許可合成着色料の品目全部になる)。
     又第2回シンポジウムで採択された勧告文には
    「ある物質が動物実験の結果に基き『発癌性がある』と判定されるが、これと同様な確実性をもって、ある物質が『発癌性を持たない』ということはできないので、食品添加物の数はできる限り制限すべきものである。大抵の添加物は発癌性という見地からは未だ十分に検討されていない。従って最も広範囲に使用されている添加物の試験と規制が優先的に行なわなければならない」
     とあり、2回のシンポジウムの要点をまとめた国際対癌連合の発癌性添加物に関するWHO(世界保健機関)への提出勧告書に
    「食品添加物は必要やむを得ないもので、また科学的に安全を保証できるものに限り認める。……生産加工工程中に混入する不純物(農薬、肥料等)も消費者に危険を及ぼさない最小限度に留める……」
     とある。
     ところが日本の現状はどうかというと天野慶之農博等の提唱で昭和28年以来、食品添加物の濫用すべきでないことがかなりPRされ始め、大衆の認識を一応深めて来たことは事実であり、大衆の自覚や、監督の比較的行き届く大都会では、特に着色料に関する限りは著しく改善されて来たが、地方あるいは着色料以外の点ではまだまだかなり改めるべきものがあるようである。

     食品添加物の許可品目数からいうと昭和23年に61、昭和28年には78、昭和31年に99、昭和32年に194、昭和36年には272、昭和38年には322種と増加の一路を辿り、又食品全般での総使用量も甚だしく増加しつつあるという。だが諸外国での一般情勢は年々規制強化に向っており、従来許可されていたものについても許可取消が次々と発表されて来ている。どうも日本は諸外国と較べて添加物に対してかなり寛容性を発揮していると考えられる。
     以上述べただけでも相当の危険性が予想され今後の検討こそ重大であると考えられる食品添加物が、少くとも日本においてはいとも安易に広汎に日常の食品加工に用いられるということは人間自らが人間を軽視することに他ならないのではなかろうか。
    (「自然食」より)



7. 今度は有害ジュース

    富山で回収を指示 防腐剤、許容量越す
     富山市内で製造された有毒防腐剤入り果汁ジュースが愛知県岡崎市で見つかり、富山県厚生部は28日製造元に同ジュースの製造中止と残品の販売停止、回収を指示した。
     このジュースは富山市中川原、北陸ヤクルト(平尾菅雄社長)製造“紅玉ドリンク”で180c.c.入り。防腐剤としてデヒドロ酢酸と安息香酸が使われている。この二つは食品衛生法によって長期保存用の金属王冠を使う容器にのみ使用を認められているが、北陸ヤクルトは紙キャップをかぶせてあるので違法。
     愛知県で調べたところデヒドロ酢酸が1kg当たり0.07g(金属王冠の場合の許容量0.05g)安息香酸が0.576g(同0.5g)も含まれ、26日富山県厚生部へ抗議してきた。デヒドロ酢酸は一度に5g以上飲まない限り生命に別条はないが、長い間飲用すると肝臓、ジン臓、胃腸障害を起こすといわれている。同社は37年7月から製造を開始、日産3千本、11月中に15万7千本が県内および愛知、三重、石川、福井、新潟各県に出荷されている。

    (38・12・29・毎日新聞より)



8. 食用人工色素

     食料品店でも薬屋でも、店頭に、美しい色とりどりの食品や薬品がならんでいます。いかにもおいしそうで、思わずつばきが出てきたり、いかにもたのもしげなので、ひとつ服用しようかという気になる方々もおられると思います。人生は、美しく楽しいに越したことはありませんけれども、美しい色合いの食料品や薬品に、美しい色彩をつける人工色素のなかに、もし人体に少しでも有害なものがあるとしたら、皆で考えてみねばなりますまい。

     この方面の専門家の天野慶之博士の御報告によりますと、アメリカでは、前に18種の人工色素を公認していたのに、今では12種に減らしているのに対し、日本では、依然として24種類もの人工色素が公認されているということです。博士は、

    「アメリカで有害とされている着色料が日本では無害なのだ。同じ化学構造をもっているものが太平洋の向うとこちらで、毒性が違うなどといったら、まさに気違いである」
     と言っておられる。日本は神国だから、アメリカ人に毒でも、日本人には毒ではないなどと、頭から考えないほうが無難のようです。

     アメリカは確かに先進国です。真似をするなら、コカコーラやツイストより先に、こうした保健方面の周到さにしたいものです。
    (12・6・朝日新聞)



9. 害虫発生期をさけた蔬菜健康栽培(その2)

    (奈良県五条市健康を守る会) 蔬菜健康栽培


10. 乾燥青汁で喘息なおる

    布施市 H.Y. 

     私の家では、終戦直後現在の乾燥機械の他に電気冷蔵庫の修理もやっておりました。当時電気冷蔵庫は東芝製が大部分で、多少三菱製もありました。又輸入品もありましたが、冷媒には無水亜硫酸を使用したものが多くありました。この無水亜硫酸は、気密に保存せられておる時は臭気のない、頗る有効なる冷媒ガスでありますが、空気に触れると大気中の湿気と化合して亜硫酸ガスになります。つまり硫黄臭を猛烈に発散致します。
     偶々22年11月頃風引に罹り、身体の調子の悪い時に修理作業中に放散せられた無水亜硫酸のガスにあてられた訳です。つまり硫黄臭にあたりまして、激しい咳を起し、終りには咽から血が出る始末でした。それが原因で、今回青汁の粉末「グリーンジュースの素」を服用するまで、16年間苦しみの長い生活が続きました。
     天候の悪くなる前日とか、梅雨期のような湿度の多い時にはきまって発作が起きてきて、とても苦しく、死するような苦しみです。喘息の苦しみは罹病したことのある人以外にはわからないと思います。到底筆舌にて表現することは出来ません。勿論家族や親類の者も大変心配してくれました。その都度、医者や法者と幾多の手をかえ品をかえて療養につとめましたが、とんと効果がありませんでした。死なねば治癒せんものと半ばあきらめておりました。
     所が、去る4月、主人が友人から教えられたとのことで、「グリーンジュースの素」を持ち帰りました。又かと思いながら、勿体ないことながら、半信半疑で暫く箪司の抽斗にしまっておきました。ある日のこと、どうも身体の調子が悪く、喘息の出てくる前兆のように思われるので薬を探しましたが、主治医師の薬が折悪しく品切れでした。又発作の時の救急処置にと平常より準備してありますエフエドリンも皆無でした。苦しい時の神たのみと、青汁の粉末を箪司より出してオブラートに包んで茶匙に二杯位を服用致しました。早速というても効果はあがりません。しかし便通もよく、重苦しい頭の調子もはっきりとして、身体の調子がとてもよろしいのです。
     とうとう8月まで、朝夕二回宛毎日服用致しました。8月は酷暑の候で健康体の人でも衰弱する時ですから服用した訳です。お蔭様でこの4月から8月までの間に軽いものを二回やったのみです。本年は梅雨期も例年と異り60日も続きましたが、幸いにも至極軽症でありました。現在では根治したように思われます。
     口でこそ簡単に16年と一口に申しますが、随分と長い苦しい生活でした。世間には、私と同様、喘息にて困りておられる人も多くおられることと思いますが、一度試用してみられたら如何ですか。そうして健康体となりて、天与の稼業に精進せられますことが唯一の幸福なる人生と存じます。

    (38・11・7)



11. 尿結石ができた

    岸和田市 N.A. 

    「青汁の効用」を読み、私のような生れつきの虚弱体質者には、青汁の飲用がいちばんよいと思い、一昨年秋より続けてまいり、昨年中は風邪ひとつひかず、疲れも少くなり、胃弱症状も全く影をひそめ、毎日の仕事が楽しい生活をおくっていました。ところが先月末日に突然左脇腹がものすごく痛みまして、入院しましたが「尿路結石症」とのことです。青汁の材料はケール、ホウレンソウ、トウチシャ、ハコベ等で、量はだいたい2合位です。今までこんな痛があったことははじめてで、不安でなりません。結石のできないような青汁の材料及び飲用量をご指示下さい。


     ホウレンソウ、トウチシャ(フダンソウ)がいけないんです。「青汁の効用」にあげてあるような良質の材料にして下さい。そうすれば分量に制限はありません。



12. 生命も危ぶまれたが

    大阪市 I.M. 

     昨年4月、生命危きところ、「青汁の効用」を入手(友人の進言に依る)。
     8月中旬より、毎日午前午後の二回服用いたしましたところ、不思議にも病状好転し、活力が出て病床に居れず、軽作業するようにまで軽快してまいりましたので、今日にいたるも一回も欠かしたことなく、生菜食と青汁を励行して、今では家族一同とともによろこび感謝いたしています。
     このよろこびを、一人でも多くの人におすすめしておりますが、二、三人の知人の主婦も、永い間胃潰瘍で苦しんでおられたのですが、飲みはじめると気分がよいので、今では一日もやめられぬ、と申して、毎日飲用しております。



13. 肝炎全快

    愛知県 K.T. 

     専心青汁をつづけ、当時相当悪かった中学2年の次男の肝炎も、1ヶ月余ですっかり全快いたしました。
     先月、黄疸で非常に困っていられた方にもおすすめしましたところ、一日3回懸命に青汁をつづけて、1ヶ月足らずで全快され、かかりのお医者様もおどろかれたそうで、大変感謝されました

    (37・6・27)



14. 心房細動発作

    京都市 H.Y. 

     心臓神経症、心房細動、絶対不整脈の発作に悩まされていましたが、青汁のおかげさまで、暑い夏を、時々の発作のみで働きましたし、神経をつかう12月の多忙期も働き得ましたことは、まことにうれしいしだいです。主治医の指示で投薬をうけ、青汁を朝夕併用しております。先生の著書の賜と感謝するほかはありません。



15. たった4、5日なのに

    東京都 N.K. 

     こんなによい本がありますのに、どうして、もっと早く入手出来なかったかと残念なくらいです。
     と申しますのは、一昨年12月より、右手と肩が苦しくなり、首筋が右へまわす時に痛むようになりました。お灸でもと思いながら昨年4月を迎えてしまいました。友人から紹介されて、4月初めより、毎日一回づつお灸の治療に通いましたが全快には仲々ほど遠く、7月半ばで一応中止。それからは、ちょっと無理をすると背中が痛みますので、不愉快な日々をおくっておりました。
     今年に入りまして、2月風邪熱で三日程休み、それからはしだいに食欲もなくやせてしまいました。4月になって、また熱を出し、二日で下がりましたが、左半身が悪くて、夜床に入ると苦しく、1−2時間はねむれませんので、またお灸に通い始めました。主人も1月初めよりジンマシンでお医者様に行っております。いろいろと、飲み薬も塗り薬も、よいものよいものととりかえ、漢方薬も飲んだり、ドクダミやハコベの煎じ汁で洗ったり、いたしておりますが、顔がだんだんむくむようになりました。
     ジンマシンはいくらかよくなっていますが仲々全快いたしません。何かよい本はないものかと本屋さんに行き、目についたのが「青汁の効用」でした。
     読んで行くうちに、食生活のまちがいに気づき、青葉食と生野菜に重点をおいて、手近かの青葉で汁をつくり、もう5日ほど飲みましたら、主人の顔のむくみがだんだん無くなってまいりました。私は数えて47才ですが、20才前後の時のように足取りが軽くなりました。高校2年の子供も、疲れやすい体質ですが、元気で勉強ができるようになりました。まだほんの4−5日ですのに、こんなによいものですから、これからも長く続けたいと思います。



16. とても若がえった

    新潟県 S.S. 

     昨年「青汁の効用」を購読。実際にツリーケールの青汁を飲用いたしましたところ、長年大腸が弱いため常に苦しんでおりましたのも、約1ヶ月で非常に効果があらわれました。今では57才の若年寄りとは思われぬ程の元気に立ちかえり、青年とランニングをやり、冬はスキーに日曜毎に高原に出かけても、決して疲労して翌日の学校勤務に差しさわりが来ることもなく、この上なくよろこんでおります。
     このような効果が顕著なものを、自分のみ飲用して幸福感に浸っているのでなく、他の多くの人々にもお知らせしたい気持が湧然とわき起ったしだいでございます。



17. 腎炎・高血圧

    熊本市 H.S. 

     その後ずっと続けておりまして、現在尚お好調です。有人の慢性腎炎の人に、無理にすすめて見ましたところ、意外な効果に、今ではまったく健康を恢復し、蛋白もなくなり、すっかり青汁党になり、人毎にすすめています。
     現在近所の人3人に分けています。一人は高血圧で、私同様、昭和27年頃から200前後のものが、飲用一週間くらいで効果があり、その後1−2回ちょっと上ったことがあるが、今尚(2年半)正常血圧になっています。ほかの方も、一年と二年になりますが、今では一日飲まぬと工合が悪い、と熱心に続けておられます。



18. 老父のすすめで

    名古屋市 T.H. 

     老父(68才)が昨年から青汁をはじめましたところ、ほとんど完全な回復は覚束ないと思われておりました脳溢血後遺症が、完全によくなりまして、一年足らずでめっきり健康になりました。このため老父は非常に感謝いたしまして、私どもにも是非飲用をはじめるよう奨めております。このような次第で、私どもも青汁の恩恵に浴したいと念願し、最近手許にある野菜で飲用を始めさせて頂いております。

    (37・3・29)



19. 歌謡 夢を消さないで

     深山 旅愁 

    あおい若葉に つつまれて
    あなたと私は ベンチです
    風に揺れるよ 歌声が
    海がきれいね 遊園地

    夢よ 夢よ
    夢を消さないで……居てよ

    人の近ずく 影もなく
    あなたと私 だけの午后
    とても美味い あじだわネエ
    わけて食べてる フルウツよ

    夢よ 夢よ
    夢を消さないで……居てよ

    時を愉しく 燃えながら
    あなたと私は ベンチです
    声はほほえむ 歓びに
    いまがしあわせ 遊園地

    夢よ 夢よ
    夢を消さないで……居てよ

    (1963・4・26)



20. 歌謡 今日もハイキング

     深山 旅愁 

    雲が行くゆく 空の下
    今日もハイキング ハイキング
    君たちは 僕たちは
    声も明かるく ほほえむよ
    今日も手と足 はずんでる
    はずんでる

    青い立木の 山みちを
    今日もハイキング ハイキング
    君たちの 僕たちの
    汗を持ち去る 風涼し
    今日もコーラス 流れてる
    流れてる

    夕陽きえゆく 野の道を
    今日もハイキング ハイキング
    君たちが 僕たちが
    話す声にも 夢がある
    今日も目と胸 燃えている
    燃えている

    (1963・4・22)



21. 質問箱

    栃木 Y.K. 


     青汁は字の如く緑色の汁で、赤とか黄の有色野菜をジュースにしたのでは、いけないのでしょうか。


     いけないことはありませんが、赤や黄色菜の成分は、緑の、質のよい野菜にくらべると、ずっと劣っています。それだけ効力も少い道理です。「青汁の効用」よくよんでみて下さい。




     ニキビで困っている娘さんがいます。薬品によらず治す方法はありませんか。

     あります。緑葉食・青汁に徹底し、栄養のバランスをとり、主食や糖分をすごさぬことです。熱心にやれば必ず効果があります。くわしくは、東都書房発行の「緑葉食青汁の実際」をごらんください。



 コラム紹介

    天運の寒暑は避け易きも、
    人生の炎涼は除き難し。
    人生の炎涼は除き易きも、
    吾が心の氷炭は去り難し。
    此中の氷炭を去り得ば、
    則ち満腔皆和気、
    自ら地に随って春風有り。

    (菜根譚)



    植物は過度の低温或は高温で、生長を妨げられ、
    最適温度に接近するに従ひ、生長率が増加するが、
    最適温度が確実に維持せられる時は、生長は止るのみならず、
    反対に阻害作用が始まり、生長率は減少する。
    最適温度を離れ、数時間後再び帰来することも、
    適当な温度の変化はこの阻害作用を妨止し、
    植物をして最高限度の活動を維持せしめる。
    寒暖計が最適温度の両側を前後に昇降するごとき状態は、
    最適温度が確実に維持せられてゐる状態よりも明に有利である。

    (ハンチントン 文明と気候)



    俳句

    読人知らず
    青汁はまだかまだかと靴をはいており
    青汁をかかえて急ぐバスのりば
    青汁を飲まねば安心してゆけず
    何となう物たりぬなり今日は来ぬ



    其位に在らされば其政を謀らず(論語)








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