健康と青汁タイトル小 <1961年7月15日発行 第59号>
 目次




1. 特集 私の体験 −総会における講演と懇談の要旨−

     遠藤青汁の会は、さる5月14日、倉敷西小学校で、昭和36年度の総会を開きました。
     この会としては、初めての試みでしたが、この機会に、公開の講演会を催しました。
     講師は、フランス文学者として、また評論家として、国際的に活躍されている小松清先生と、フランス料理の専門家として有名な小松妙子先生のご夫妻です。
     また、総会の席上、例年のように、短時間ではありましたが、参会者の懇談会も開きました。
     この懇談会における発言や小松先生の講演には、読者の方々に、ぜひ伝えて、ご参考にしていただきたいことは沢山ありました。
     で、これを記事にして、お知らせすることにしましたが、青汁に親しんでいる間に、どんなことを体験したか、という観点から、この要旨を拾ってみることにしました。(見出しの「わたしの体験」は、小松清先生の演題を、そのまま拝借したものです)。
     なお、わたしの聞きまちがいや誤解によって、正しく十分に真意を伝えていないかも知れませんが、おゆるし願います。

    (友成左近)



1-1. K.K.(フランス文学者、評論家)

    病みきっていたカラダの回復
     わたしは、32年の秋、芦屋の親族宅で静養していたとき、たまたま親切な知人のすすめで、青汁を飲み始めました。
     まえまえから、わたしは、便秘、じ、胃腸病、高血圧などを患っていたのですが、世界ペン大会の準備と運営で、文字通り、疲労コンパイしてしまいました。
     で、大会のお客を送り出したら、後始末もそこそこにして、東京を逃げ出していたのです。
     芦屋では、専ら静養につとめてみたのですが、いっこうに疲れがとれないばかりか、カラダのあちこちに故障が根をおろして、全く病みきった状態がつづいていました、が、そのうち、どうしても断わりきれない講演をたのまれて、大阪に出かけ、やっと40分間ほどの講演をしました。
     ちょうど、この会に来られていた知人の河野さんが、あまりにも疲れきっているわたしを心配して、芦屋まで送ってくれたのですが、その道すがら、ケールの青汁を、熱心に親切にすすめてくれました。
     が、インテリのよくないくせか、どうせ気安め半分の療法と考えて、親切なすすめは有り難いと思いながらも、マトモに受け入れる気はしませんでした。
     ところが、早速、翌日から毎朝、河野さん手作りのケールを、芦屋でも最も高台にある静養先に、わざわざ足をはこんで、とどけてくれるのです。
     その好意が無視できないので、とにかく、わたしは、青汁を作って飲んでみることにしました。
     ところが、意外にも、そのうち、カラダの調子が、少しずつではあるが、確かに良くなってくるのです。
     それまで、おなかを刺すような苦しみに苦しんでいたのですが、これが、すっかりとれ、胃腸の調子が、なんとなく良くなってきました。
     また、便秘がなおり、30年来困りぬいていたじの苦痛が軽くなりました。
     血圧もだんだんさがってきて、頭痛や息切れがしなくなってきました。
     こうして、1ヵ月位たって、すっかり疲れがとれ、心身ともに軽やかになり始めたので、河野さんの身をもって示してくれた好意を感謝しながら、東京に帰りました。

    健康で仕事ができる喜び
     東京に帰ってからは、もう河野さんにケールをとどけて頂くわけにはいきません。
     早速、遠藤先生の著書を取りよせ、これを手引きにして、いろいろな野菜、野草、木の葉で、青汁を作って飲みつづけました。
     毎日、二度三度と、コップ1杯の青汁を飲みつづけました。
     また、青汁に最も適切なケールも、知人にたのんで栽培してもらうようにしました。
     2、3ヵ月たつ間に、いよいよ、その効果があらわれてきました。
     効果があらわれてくるにつれて、これは不思議と、妻や子供や女中も、とにかく、だんだんと青汁を飲むようになりました。
     そして、とうとう、毎日青汁を飲むことが、わが家の楽しい習慣となってしまいました。
     こうして青汁を飲んでいると、意外なことに気づきました。
     これまで患っていると思っていた病気が治ってきただけでなく、体質そのものが改善されてきた、
     いな、体質そのものが改善されてきたので、いろいろな病気が治ってきたのだ、病気にかかりにくくなってきたのだ、ということです。
     わたしも妻も、確かに、カラダが丈夫になり、軽やかになり、若返ってきているのです。
     少々ムリな仕事をしても、以前のように疲れを感じないのです。
     少々疲れても、すぐとれるのです。
     それだけでなく、気分がまことに晴ればれとなってきているのです。
     といって、若いときから、ムリにムリを重ねて、傷つけているカラダは、もう60ともなれば、再び元通り完全になるわけではありません。
     だが、そうしたカラダでも、いたわっていけば、さして苦痛はなく、いな、かえって健康である喜びを、心から味わうことができます。
     たえずカラダのあちこちに苦しみをおぼえ、よく眠れないままに、イライラした気持で、仕事をすることからは、完全に解放されています。
     これが、わたしに、なんとも有り難い体験です。
     すこやかなカラダで、おだやかなココロをもって、精一杯仕事ができるのです。
     人人のために働らくことができるのです。
     つねに希望をもって、はりきって生きていくことができるのです。
     病みきっていたときには、思いもよらない喜びを味わっています。

    好意にあふれた友人
     こうした喜びを味わってくるにつれ、わたしは(実は、専門がら、妻の方が先でしたが)聞かれるままに、友人知人に、わが家の体験を話して、青汁をすすめるようになりました。
     いうまでもなく、なかには、少しも関心を示さない人、疑いをもつ人、小バカにする人もありましたが、心から共鳴し同調する人も少なくありません。
     そして、いったん青汁を飲み始めた人々の多くは、やがて熱心な青汁常用者となっています。
     そして、わたしと同様に、友人知人に青汁をすすめています。
     トンチ教室の石黒敬七氏、作家の湯浅克衛氏や細田源吉氏、数学者の笹部貞市郎氏(青汁を飲み始めたのは、わたしより少し先輩のようですが)その他数少なくありません。
     けれども、わたしは、なにぶん専門外のことですから、公開の席上で講演したり、筆をとったりすることは、さしひかえていました。
     が、ついに、これまで絵画のことで知り合っていた、ブリジストン・タイヤの石橋正二郎氏にたのまれて、同社のPR誌「BSニュース」に、青汁飲用2年の体験を書きました。(公開の席上で講演するのは、今回が初めてです)。
     ところが、これが意外に好評であったので、石橋氏は、これを「青汁讃――グリン・ジュースのすすめ」というパンフレットにして、ブリジストン美術舘の参観者に、無料で配布することにしました。
     かれこれ1年半となりますが、もう5万部以上配布しているそうです。
     いったい、わたしが青汁を飲み始めたのは、全く河野さんの身をもって示してくれた好意があったからです。
     わたしも、また、友人知人の健康を願って、ひたすら好意をもって、青汁をすすめています。
     ところが、この好意に答えて、青汁を飲み始め、心身ともに、すこやかになった友人知人とは、いよいよ新たに深い友情をかわすようになりました。
     また、新たに、好意にあふれた友人がふえてきました。
     なんのヘンテツもない青汁が、人々の間に友情を深めているのです。
     いかにも不思議な体験です。
     わたしにとって、なにより有り難いことは、青汁で、遠藤先生という交友を得たことです。
     遠藤先生を初めて知ったのは、わたしに青汁をすすめてくれた河野さんの言葉であり、それから、先生の著書からです。
     が、わたしは、先生の著書を深く読み、これを手引きにして青汁を飲み、心身ともに健康となるにつれ、ぜひお会いして、お礼を申し上げたくなりました。
     で、飲み始めた翌年の夏でしたが。倉敷に出向いて、お訪ねしました。
     じきじき先生の人柄に接して、わたしは、これまで親しくしている心からの友人にもまして、深い好意と友情を感じました。
     これまた、わたしの有り難い体験です。
     科学として医学を修めつくした医師であるだけでなく、お名前の「仁郎」が示している通り、まことに仁者である医師です。
     全国各地から問い合わせてくる人々に、みずからケールの種子を包み入れて、返信を書いていること、しかも、これが無料贈呈であること、その他いろいろなことを拝見したのです。
     病気に苦しみ、健康になりたいと願っている見知らぬ人々へよせる好意、営利も名声も求めようとしない善意そのものなのです。
     そして、先生みずからは、まことに質素な生活をされているのです。
     こういう先生だからこそ、なんのヘンテツもない青汁を発見したのであり、こういう先生がすすめるからこそ、青汁が普及するのであり、そして青汁が人々の間に好意と友情をはぐくむのであることが、なるほどと、うなずかれました。
     また、貝原先生が、苦心の末、学校給食に青汁を取り入れた倉敷西小学校や、田辺さんが、絶えざる努力と工夫によって開かれたケール畑や青汁の製造販売の施設を拝見して、その苦心談もうかがいました。
     ここにも、遠藤先生の科学的であり庶民的であり、しかも善意にあふれた人柄が、そのまま生かされていました。
     こうした運動に伴ない易い狂信的な、排他的な、独断的なものは全く見あたらないのです。
     ひたすら、だれでも、どこでも、みずから作って飲める青汁を、身をもって謙虚に、ただ人々のためになればと願って、すすめているのです。青汁が、この頃、全く静かなブームをかもしだしているのは、むべなるかな、と分かります。

    偶然でくわすことの重大さ
     わたしは、青汁を飲み始めて、かれこれ4年近くなりますが、この間、偶然でくわすことが、生涯の転機となるほど重大なものとなることがある、ということを深く体験しました。
     人の生涯は、理知的に予見されるような必然的なことのみによって変遷していくものではない、ということです。
     病み疲れていたわたしが、再び、いな、ますます、すこやかに、はりきって仕事ができるようになったのは、全く偶然でくわした河野さんにすすめられた青汁です。
     またこの青汁のことで、友人知人をはじめ、未知の人々にも好意を示すことができ、また、遠藤先生はじめ、多くの好意にあふれた友人を得ているのです。
     偶然でくわすことを粗末にしてはならないこと、そして、自分の日常生活を、つねに善意をもってすごさなければならないことを、あらためて深く体験しました。



1-2. 倉敷市 M.T.

    居眠りしなくなった
     わたしは、毎日、3合ほど青汁を飲んでいるのですが、居眠りするようなことが、ほとんどなくなりました。
     この頃、交通事故が方々で起こっていますが、居眠り運転が、かなり多くの場合、主な原因となっているようです。
     わたしにも経験があることですが、前の晩十分眠っていても、午后の3時4時となると、なんとも眠くて仕方がありません。
     四輪車で、顔に風圧を感じない場合は、なおさらですが、スクーターなどで、顔に強い風があたっていても、フウッと眠りこみそうになります。
     補装道路を走るときは、とくにそうです。
     そこで、唇をかんだりなどして、眠む気をさまそうとするのですが、それくらいでは、とうていシャンとしてこないことが度々です。
     このため、若いものは、スピードを出して、スリルを味わいながら、眠む気をさまそうとするので、ついスピード違反や事故を起こすようになるわけです。
     わたしは、かつて、倉敷岡山街道でスクーターをとばしていたとき、事故を起こしたことがあります。
     前の晩は十分眠っていたはずなのですが、なんとも眠くなってきました。唇をかみしめ、かみしめ、ガマンしていたのですが、つい、フウッとなって並木にブッつけて、ひっくりかえりました。
     幸い、相手が並木であり、そうスピードも出していなかったので、大事故とならずにすんだだけのことです。
     ところが、青汁を沢山のみ始めてからというものは、前の晩ふつうに眠っておれば、スクーターに乗っていて、居眠りがつくようなことは、全くなくなりました。
     少々ね不足をしていても、気を引きしめれば、居眠りするようなことは、ほとんどありません。
     居眠り運転の防止に、青汁が大いに有効であることを、身をもって体験しています。

    居眠りの主な原因はビタミン不足
     いったい、日本人には、居眠りするものが、ひじょうに多いそうです。
     通勤の電車やバスの中で、朝ッパラから、コックリ、コックリやっているものがあり、夕方ともなれば、かなり多くの人々が居眠りしています。
     その原因には、いろいろなものがあるでしょうが、白米メシを食べすぎ、その上、野菜とくに青野菜を、なにほども食べていないため、ビタミンやミネラルが著しく不足していることが、その主な原因である、といわれています。
     居眠りは、決して修養がつんでいるとか、度胸がすわっているためではなく、実は、栄養不良のあらわれなのだそうです。
     前の晩ね不足をしたとか、何かはっきりした原因があって居眠りがつくのなら、ともかく、しょっちゅう居眠りするようでしたら、食事を改めて、栄養状態を正常にすることが、なにより重要です。
     それには、青汁を沢山のみ、その上、生の青野菜を沢山食べることが、一番の近道です。
     そうすれば、また、ごはんの食べすぎも防げます。



1-3. M(フランス料理研究家)

    フランス料理のよさ
    青野菜の多いこと

     この頃、わが国では、方方で、「西洋料理」という看板が「フランス料理」という看板に書きかえられているようです。
     これは、西洋料理のうちではフランス料理が最高、ということが定評となっているからのようです。
     わたしは、まえまえから、このフランス料理を研究していたのですが、今から考えますと、実は、その意味を正確に理解していなかったようです。
     青汁を飲み始めて、身も心も、ほんとにすこやかになり、また若返ってくるにつれて、フランス料理の認識が新たになり、その意味がほんとによく、分ってきたようです。
     確かに、フランス料理は、十二分に手を加え、肉や牛乳や、油や香辛料を上手に使って、ほんとにおいしく、見た目も美しいのです。
     けれどもただそれだけで、西洋料理のうちで最高なのではないのです。
     それは、実は、野菜が多いことなのです。
     どんな皿にも、野菜が沢山ついているのですが、その上、野菜料理が必ず二皿つきます。
     その一つは、必ず青野菜のサラダです。
     そして、どんな食事でも、このサラダが必ずつくのです。
     とにかく、野菜とくに青野菜を、ほんとにおいしく、しかも沢山食べることが、フランス料理の特色なのです。
     いったいに、フランスの人々は、料理を作ること、そして食べることを、たいへん楽しみにしています。
     オカネも時間も、そのために沢山費やしています。
     が、それは、ただおいしく食べて楽しむ、ということだけではなく、その上つねに、健康であるように、ということを忘れていないのです。
     このため、野菜とくに青野菜を沢山食べるようになっているのであって、これが全く習慣となっているのです。
     しかも、フランスは、土地や気温などが野菜栽培に最も適しているので、季節毎に、いろいろな野菜が沢山とれ、それがまた、たいへんおいしいのです。
     野菜だけでなく、季節毎に、たいへんおいしい野草も、いろいろ育っているのです。
     タンポポなどは、春の食卓のシンボルとなっています。
     この点、他のヨーロッパの国々とは比較にならぬくらい、自然に恵まれているのです。
     ヨーロッパの他の国々の人が、わざわざフランスに出かけて、フランス料理を食べたがるのは、こうした野菜をうまく取り入れた、おいしい料理を食べるためなのです。

    サラダのよさ
    生の青野菜をおいしく

     フランス料理で、「サラダ」というのは、生の青野菜のサラダのことです。
     そして、これがフランス料理の最高なのです。
     といって、このサラダは、別に、マヨネーズとかフレンチ・ドレッシングなどで、ゴテゴテ調理したものではありません。
     新鮮な生の青野菜を、おいしく、消化がよいように工夫したものなのです。
     家庭によばれますと、必ず、このサラダが出るのですが、決して台所で調理して運んでくるのではありません。
     よく水気をとって、元葉のまま、大きな皿に入れて、食卓に運んできます。そして、食卓で、お客の前で、お客の好みに応じて、塩、コショウ、酢、油、ニンニクなどで調味して、そのまま差し出すのです。
     お客は、それを手に取って、元葉のまま丸めて食べるのです。
     それはなぜか、というと、こうなのです。
     いうまでもなく、青野菜は、生のままが、最もおいしく、栄養価も高く、消化もよいのです。
     生でも、鮮度がおちれば、それだけ、おいしさも栄養価も劣ってきます。
     きざんだり、その上調味したりすれば、時間がたつとともに、はげしく鮮度がおちてきます。
     それで、できるだけ新鮮なものを、元葉のまま、水気を十分とって(油をうまくそわせるため)食卓に運んで、食べる直前に、おいしく頂けるように調味するわけです。
     サラダは、おいしさと栄養を兼ね備えた最高の料理なのです。
     
    ケールの青汁は最高
     このように、フランスでは、野菜とくに青野菜を、生のまま、おいしく、沢山食べることが習慣となっているのです。
     が、みながみな、必ずしも、つねに青野菜を十二分に食べているとは限りません。
     そのためか、フランスでは、病気といえば肝臓を連想するのですが、肝臓が悪いといえば青野菜が不足している、というのが相言葉となっています。
     けれども、まだ、生の青野菜を青汁にして飲む知恵は持ちあわせていません。
     親しい人々に、これをすすめてみたところ、全く共鳴してくれました。
     そして、青汁を飲む人が、だんだん増してきています。フランス人のことですから、そのうち、青汁をおいしく飲めるように、調味を工夫してくれるものと期待しています。
     また、わたしは、フランスで、よく自動車旅行をするのですが、たびたび見渡す限り青々と牧草のつづいている辺りを通ります。
     以前は、ただすがすがしい眺めと見すごしていました。が、青汁を飲みだして、青野菜に関心が深くなってからは、必ずといってよいくらい、車をとめて、いろいろ聞いてみるようになりました。
     ところが、この牧草は、大部分ケールの一種なのです。
     よく聞いてみると、ニワトリでもウサギでも、ウシでもブタでも、このケールを食べさせるのが一番よいとのことです。
     わたしたちは専らケールの青汁を飲むようにしているので、このケールを食用にしているかどうか聞いてみますと、ただトウだけを食べているそうです。
     日本では、このケールを青汁にして飲んでいる、と話しますと、日本人はえらい知恵をもっている、と感心してくれました。
     ケールは、あらゆる牧草のうちで最も栄養価が高く、その上、年中沢山とれるのだそうです。
     これを、生のまま、胃腸の負担が少なくてすむように、汁だけしぼりとって飲むのは、すばらしい知恵であるわけです。
     ここでも、共鳴者が出てきました。

    青汁若返り法を伝える楽しさ
     わたしは、この頃、会う人々から、よく、若返った、若々しい、といわれます。
     確かに、以前よりも、カラダがほんとに丈夫になっています。荒れ肌も治って色艶がよくなって、若返っているようです。
     そのためか、たびたび、そのヒケツをきかれます。このヒケツは、いうまでもなく青汁です。
     これは、身をもって体験したことであり、専門的に研究しているフランス料理からも、なるほどと、うなずかれることであるからです。
     それに、だれでもできること、しかも別にそう余分に費用や時間もかからないことであるからです。
     自信をもって、この青汁を、若返りのヒケツとして、どなたにも伝えています。
     しかも、だれでも、カラダの丈夫なこと、若々しく色艶のよいことは、心から願っていることです。
     こうした願いに答えるものに、青汁が一つ、しかも根本的に重要なものが加わったことは、全くもって楽しいことです。
     この楽しさが、また、わたしを若々しくしているようです。



1-4. 神戸市 S.O.

    原爆により貧血の治療に極めて有効
     わたしは、原爆がおとされた翌日、広島へ行って、終日、用事をしました。
     その後、なんとなくカラダの調子が悪くなり、そのうち貧血が目立ってはげしくなりました。
     また歯がいたみ、シソウノウロウ状態となって、歯がみんなグラグラするようになりました。
     で、やむをえず、それまで勤めていた会社をやめて、専ら治療をうけ、そのうち、自分で店を開きました。
     が、数年後、カラダがすっかり衰弱してきて、店の仕事も全くできなくなりました。
     いろいろ手を尽くしてみましたが、少しも効き目がありません。
     万策つきて、青汁を飲み始めてみました。
     ところが、意外にも、2ヵ月位で、弱りきっていたカラダが少しもちなおってきました。
     これに力を得て、せっせと青汁を飲み、毎日だいたい7合ほど飲みつづけましたところ、3年位して、どうやら店の手伝ができるくらいになりました。

    正しい食事をしないとカラダはもたない
     この間、たまたま、事情があって、1ヵ月ほど、青汁をあまり飲めなかったのですが、トタンに貧血を起こして、カラダがふらふらするようになりました。
     歯もグラグラして、話すのにも具合が悪いようになりました。
     これはいかんと、前のように青汁を沢山のみ始めましたら、2週間位で良くなり始め、1ヵ月位して、だいたい元通りになりました。
     こうしたことから、なるほどと分かりましたことは、正しい食事をしないと、カラダはもたない、ということです。
     カラダは、打出の小槌でも魔法のビンでもない、毎日の食事で、カラダが必要とする栄養素を十二分に補給しなければもたない、ということです。
     丈夫なカラダの方は、このことがピンとこないかも知れませんが、わたしのように原爆で傷つけられているカラダでは、全くヒシヒシときます。
     そして、青野菜とくに生の青野菜が、いかに大切であるか、ほんとうによく分かります。
     しかも、これを青汁にして飲めば、ずいぶん沢山とれ、わたしのように歯がグラグラして、モノがかめないものには、もってこいです。
     で、わたしは、毎日、7合以上の青汁を飲みつづけています。
     全くお茶代りのように。



1-5. 倉敷市 I.S.

    不良食品がピリッとわかる
     わたしは、青汁に親しんでいる間に、だんだんと、青汁に特有のウマミがあることが、分かってきたようです。
     とともに、食べ物は、自然のままの純粋の味を、そこなわないように調味したのが、ほんとうにうまい、ということが分かってきました。
     その最も代表的なものが、塩などで、ごく簡単に調味した、新鮮な生の青野菜です。
     と同時に、人工甘味や人工色素などを施こした飲み物や菓子などが、舌先でピリッとくるようになりました。
     この頃、食料品店には、色とりどりの食品が並んでいます。
     とりわけインスタント食品がハンランしています。
     その大部分は、いかがわしい添加物で加工してあるようです。
     こんなものを毎日食べていると、そのうち、肝臓、腎臓、神経などがやられてくるそうです。
     まるで病人製造食品か殺人食品のハンランです。
     けれども、わたしには、この殺人食品が舌先にピリッとくるのです。
     なんと便利なものと思います。青汁は、カラダを丈夫にするだけでなく、不良食品の弁別力もつけてくれます。



1-6. 倉敷市 S.Y.

    口でよくかめ
     わたしは、明治3年生れで、当年91才ですが、この通り壮健です。わたしの長生きのヒケツは、どんなものでも、口でよくかむことです。
     “ツルカメのように長生きしたいならツルッとのまずにカメよかめかめ”口でよくかむことの大切なことは、どなたにも、よく分かっていることでしょう。
       まず第一に、
    細かく砕いて、胃腸の消化を助けます。
         第二に、
    ツバキがよくまざって、さっそく消化が始まります。
         第三に、
    食べた物が温められておなかを冷やさないようにします。
         第四は、
    食べすぎなくてすみます。
         第五に、
    食べ物のおいしさが十二分に味わえます。
     それから第六に、
    口でよくかみながら味わっていると、食べ物の有害有毒がよく分かります。
     ロクズッポかまずに、グッと丸のみにすると、これが分かりかねます。
     どんな有害有毒物でも、口がやられた程度であれば、処置も割合に簡単ですみます。
     が、いったん呑みこんでしまうと、全部はき出させることができませんので、胃腸や、肝臓腎臓などがやられて、処置がたいへんとなります。
     生命にかかわることも起こります。
     で、食べ物は、まず口で、よくかみながら味わうことが大切です。
     ふつうの食べ物は、いうに及ばず、青汁でも、お茶、牛乳、水その他の飲み物でも、少しずつ口に入れて、よくかむようにして、ツバキをまぜ、ほどほどに温めてから、呑みこむことが大切です。
     長生きをするつもりなのですから、そう急いで食べる必要はないでしょう。




2. 飲み始めの工夫 すきな味つけで

    倉敷中央病院副院長 O.Y. 

     わたしは、もうだいぶん前のことですが、遠藤先生にすすめられて、青汁を飲み始めました。
     食べ物・飲み物に多少好き嫌いがあったせいか、ちょっと飲み始めには苦労しました。
     が、わたしの場合は、カルピスを加えて飲み始め、どうにか毎日飲めるようになりました。
     が、2、3週間するうちに、別にカルピスを加えなくても、らくに飲めるようになり、やがて、なにも加えない方が、おいしく飲めるようになりました。
     人々に青汁をすすめるのに、この飲み始めの相談にちょっと手がやけます。
     いったいに、好き嫌いの少ない人は、比較的ぞうさなく飲み始めてくれます。
     が、好き嫌いのはげしい人は、アオクサイの、しぶいの、にがいの、ムカツクの、とモンクが先に立って、なかなか飲み始めてくれません。
     ところが、こんな人に限って、栄養状態が悪く、カラダにいろいろ故障があるので、ぜひ青汁をすすめたいわけです。
     いろいろ飲み始めの相談をしていると、人々の好む味は十人十色であるようです。
     これで味つけをしたらよいとか、これで口なおしをしたらよいとか、いちがいには、いきません。
     で、カルピス、牛乳、ジュース、砂糖、ハチミツ、酢、塩、お茶、果物、菓子など、とにかく自分の一番すきなもので、味つけをしたり、口なおしをしたら、とすすめるのがよいようです。
     なれてくれば、そのうち別に味つけをしなくてもよいし、口なおしも不要となり、キジのままが最もおいしくなるので。
     ただ、ナマぬるくなったもの、汁にして時間のたったもの、とりわけ時間がたってナマぬるくなったものは、いやな味となります。
     で、青汁は、家庭でつくり、つくりたてを飲むのが、一番のみ易い方法です。
     すぐ飲めないときは、冷蔵庫かなにかで、日光や空気にさらされないように、冷やしておくことが大切です。
     配達された青汁についても同様です。
     ところが、ときに、砂糖を入れたら効き目がなくなるとか、ハチミツでなければいけないとか、あるいは果汁をまぜたらどうのとか、知ったかぶりをいう人があります。だいたい、こんな人は、実は飲んではいない人に多いようです。
     なるほど、青野菜と果物を、いっしょにすりつぶして青汁を作ると、ある種のビタミン(とくにC)が、いくぶんこわれる恐れはあります。
     青汁と果汁を別々に作って、飲む前にまぜる方がよいのです。
     また、砂糖で味つけしたからといって、別に青汁の効き目がなくなるわけではありません。
     砂糖に限らず、お菓子その他、同じ性質のもの(とくに白米)は、どことも、へいそから食べすぎて、栄養不良の重大原因となっている傾向が強いので、こうしたもの、とくに砂糖や菓子を控えるようにしたいわけです。
     で、甘いものが好きな方は、砂糖よりはましなハチミツをすすめているだけのことです。
     飲み始めの工夫としては、どんなもので味つけしようと、口なおしをしようと、別に差し支えはないのです。
     要は、とにかく飲み始めることと、馴れることなのです。
     いったん馴れてきたら、キジのままが一番おいしく飲めるようになり、よけいな心配は不要となります。




3. グウッと飲んで“ゴチソウサン”

    吉備小学校長 K.N. 

     吉備小学校では、施設費を町財政より援助してもらって、あとは独立採算で、青汁給食を始めました。
     まず、低学年の養護学級には全員飲ませたいと考えて、よく云ってきかせて飲ませてみました。
     が、どれもこれも顔を見合わせて、サッパリ飲んでくれません。
     なかには涙を流してばかりいて、手を出そうともしない子供がいました。
     これは大へんなことを始めた、と心配しましたが、翌日、きのう涙を流していた子が、まッ先に、グウッと飲み、大声で“ゴチソウサン”と叫びました。
     これにつられて、他の子供も、一様にグウッと飲み“ゴチソウサン”の声がうずまきました。
     このときほど、うれしく希望のわいたことはありません。
     こうして、青汁給食の第一歩をふみ出したのですが、またれるものは、やはり、目に見えた効果です。
     まッ先に気づいたことは、これまで、たえずハナ血を出していた子のハナの下が美しくなっていることです。
     きけば、ハナ血が全く出なくなったのです。
     これに勇気づけられて、青汁給食に精を出してきました。
     ただ今、低学年の養護学級40人全員と、その他の希望者350人に給食していますが、そのうち、全員が飲むように、また時機をみて幼稚園にも実施したいと考えています。




4. 青汁材料の配達制

    備前町 Y.T. 

     わたしは、遠藤先生より、つねづね緑葉食、青汁のご指導をうけているのですが、これについて、こういうふうにもなったら、と願っています。
     青汁の製造配達は、遠藤青汁協同組合の方々の熱心な努力によって、だんだん発展しています。
     これは、勤め先でも飲みたい人とか、集団給食で食事をしている人には適切でしょう。
     が、各家庭に配達するのは、宣伝普及という意味からは必要適切でしょうが、必ずしも望ましいことではないように思われます。
     青汁は、この新聞でも、たえず力説しているように、各家庭でつくり、つくりたてを飲むのが、最も適切だと思います。
     が、材料を各家庭でつくることは不可能な場合が多いので、青汁の製造配達と並行して、ケールその他の青汁材料も配達するように、なんとか手が打てないものかと思います。
     と同時に、生のまま安心して食べられるように清浄栽培した青野菜も、広く配達してくれるようにならないものかと思います。
     冷蔵庫も普及しているので、毎日でなくてもよいわけです。




5. 朝礼でブッたおれる子供がいないのは

    倉敷西小学校長 K.O. 

     倉敷西小学校の先生が、他校に転勤して、まず驚くのは、朝礼のとき、貧血を起こしてマツサオになり、ブッたおれる子供が多いことです。
     倉敷西小学校に転勤してきた先生が、まず不思議に思うことは、朝礼のとき、ブッたおれるような子供が殆んどいないことです。
     わたしは、以前、倉敷万寿小学校にいたとき、これをきいて考えました。
     西小学校には、貧困家庭の子供が多いので、カラダの丈夫でないのが多いはずであり、朝礼などでブッたおれる子供が多いはず。
     にもかかわらず、そうではない、これは青汁給食の結果であろう、他に思いあたるようなこともないようだ、と。
     で、よく調査して、万寿小学校でも、これを実施してみました。
     結果、西小学校と同様、朝礼などで貧血を起こすものが目立って少なくなりました。
     また、いうまでもなく子供の発育が目に見えてよくなりました。
     その後、連島の西之浦小学校に転勤してからも、早速、青汁給食を始めて、同じ成果をあげました。
     この後、青汁給食の創設校である西小学校に転勤してきまして、貧しい家庭の子供が多いのに、みな丈夫に成長していくのをみて、こんな楽しいことはありません。
     よく、青汁はアオクサクて飲めたものではない、これを学校で子供に飲ませるのは、かわいそうだ、という人があります。
     が、わたしが、これまで経験したところでは、先生から、よく云ってきかせて飲ませたら、案ずるほどのことはありません。
     初めのうちは、ビクビク、オズオズして飲みづらそうにしていますが、やがては、青汁を飲むことを、たいへん楽しみにするようになります。
     とりわけ、先生や青汁給食係の者が青汁を飲んでおり、これに自信をもっておれば、万事、至って好都合にいきます。
     なお、この頃、青汁給食を実施している学校が、だいぶんふえ、実施しようと調査している学校も、だんだんあるようです。
     で、ひとつ青汁給食学校の連絡会かなにかつくって、研究普及に乗り出したいものと考えています。




6. 生の青野菜は消化がたいへんよい

    倉敷市 G.S. 

     わたしは、まえまえから、野菜・野草を沢山食べていたのですが、青汁を飲み始めて、遠藤先生から、その学問上の裏づけをきくにつれて、これまでの経験が、なるほどと分かってきました。
     わたしの経験では、野菜は、生であれば、至って消化がよい、少々食べすぎても、おなかにあたりません。
     けれども、調理をすると、そうはいきません。
     一夜づけ程度の漬け物でも同様です。
     食べすぎると、おなかにこたえます。
     よくかまずに食べすぎると、なおさらです。
     それは、生の野菜とくに青野菜には、消化を助ける酵素が沢山含まれているが、調理をすると、この酵素の効き目がなくなってくるからです。
     胃腸の消化液だけで消化するようになるからです。
     青汁は、どんな食べ物・飲み物より、ビタミン・ミネラルが沢山含まれているだけでなく、この生きた酵素が、そのまま沢山含まれているのです。
     その上、消化しにくい固いセンイが取り除かれています。
     で、ずいぶん沢山の青野菜がとれるだけでなく、どんなに沢山とっても、おなかに少しもこたえないわけです。
     もし、こたえるとすれば、まだ馴れていないからです。
     少しずつ飲んで馴らしていけば、そのうち、どんなに沢山のんでも、こたえなくなります。




7. 学校付近の家庭にもサービスして

    伊部小学校長 O. 

     伊部小学校では、昨年7月より、青汁給食を始めました。
     施設一切を借入金で賄ない、独立採算制です。
     ただ今、700名の子供の約半数が飲んでいます。
     また、学校付近の家庭にも、希望者に分配しています。
     青汁製造の係りは、倉敷西小学校の経験を参考にして、必ず青汁を飲む者を採用しました。
     幸い、この係りの者は、一家全員、青汁をよく飲んでくれ、その上、貧血とかニキビなどが治ったためか、自信をもって仕事をしてくれるようになりました。
     近処の人のうちにも、本態性高血圧とかで、どうにも治療の仕方がない、といわれて困っていた方が、青汁を飲み始めて、大へんよくなり、青汁の効果が校外にもよく理解されるようになりました。
     学校で青汁給食を始めるに当って、こうした校内校外の理解をはかることが大切です。
     が、いま一つ、その材料を、年間通じて確保することです。
     幸い、理解の深い精農家が、近くにいて、ケールを本格的に栽培してくれるようになって、大へん助かっています。




8.講座 丈夫なこども(2)
前号参照クリック

     医学博士 遠藤 仁郎 

     同じような例は畜産方面でも見かけられます。
     ここでも、今、科学的に合理的に組み合わされた、あるいは強化されたという、いわゆる完全飼料なるものが流行しています。
     これを鶏や牛や豚にあたえると、いかにもよく肥ります。
     産卵も乳の出も、たしかに一時はよくなります。
     しかし、すぐに衰えてしまい、冬は感冒、夏は腸をと、人間並の病気にかかり通し。
     やれ暖房、やれ痛風と、さんざん世話をやかねばならず、新薬なしには畜産はなり立たぬなどと、薬を飲ますことが常識とさえなっている、という状態で「手のかかること、まったく人間の子供と同じい」と、農家をなげかしているのが今の文化的畜産のわらえぬ姿なんです。
     しかも、その及ぼす所は、決してそれだけには止まりません。
     こうした不健康な動物から供給される卵も、乳も、肉も、ほんとうに健康食品であろう筈がありませんし繁用される薬剤の害も、それらの食品を通して私どもに伝えられるおそれが少なくありません。
     たとえば、あの恐ろしいペニシリンに対する過敏症(ショックをおこすかも知れぬ)といったものが、病動物の供給する食品をとおしてひき起こされることは、もうすでに事実としてあらわれています。
     こうした家畜の不健康は一面には、せまい畜舎に入れられ、日光にも、空気にも乏しい不自然生活を強いられている結果でもありますが、さらに大きい原因となっているものは、天然のほんとうにこれらの動物に適した自然の食品が与えられず、なまじっかな科学でわかったことだけで、すべてをおしはかろうとする浅はかな人智の産物である、科学的に合成された、完全と称せられる人工の不完全飼料の招いた害に他なりません。

     農作物また同様です。
     近代科学の進歩はまことにめざましいものです。
     栄養学もたしかに進みました。
     しかし、わからぬことがまだいくらでもあります。
     謙虚な学者であればあるほど、私どもの知恵の浅いこと、未知の世界のあまりにも大きいことを率直に認め、自然の尊さ、自然の峻厳さに敬虔でなければならぬと、いましめているのであります。
     ともかく現在の私どもの食べ方の欠陥の大きな原因の一つは、この未知の因子ことに生きた力(新鮮な食物のみにあって、貯蔵したり加工したりでこわされる成分)にたいする無関心にあるのではないでしょうか。
     私どもの食べものは、ただ栄養学が教えている栄養素だけがあればよいのでもないし、ただそれらがうまく釣合っておればよいのでもなく、この未知の因子もが、すべてそろってはじめて完全食となるのであります。
     つまり、自然の食品のみで出来上り、栄養学のおしえるすべての栄養素がそなわり、しかも自然のままの食べ方、すなわち生食が加えられた完全食によってのみ、はじめて真の健康は約束されるのではないでしょうか。
     このもっとも簡便なものが私どもの提唱する緑葉食であり、青汁であります。

     新鮮な緑葉の中には太陽の神秘の生きた力がたくわえれられています。
     そして、質のよい緑葉には邦食に不足しているミネラルもビタミンもが、すべてそろっており、しかも理想的の割合にふくまれています。
     たとえば、従来の邦食では、カルシウムが不足すると同時に、カルシウムにたいする燐が多すぎるのですが、良質の緑葉は、カルシウムは多く、しかも燐はカルシウムに比し遙に少いので(カルシウムは燐にたいし3−5倍も多い)、邦食に多い燐との均衡をとるにもちょうど適当しており、ビタミンはすべて備わり、とくに邦食に少いB2やAにとんでいます。
     したがって、これさえ十分にとれば、栄養素はすべてそなわって裕に余りがあり、生食(青汁)することで未知の因子もみたすことができ、真に完全な食餌ができ上ります。
     現にまた、この緑葉食、青汁の実施によって、子供たちの体格がよくなり、健康度も向上しています。
     しかも、身長に比べ、体重、ことに胸囲が発達する事実は特に注目されねばならぬところで、これによって、上述のような発育上の欠陥も簡単に解決されるのではないでしょうか。

     ともあれ、私どもはもっと自然に則した、いわば原始的な健康生活になじまなければなりません。
     すなわち、正しい自然的な完全食をとって、抵抗力を増し、夏に鍛え、冬に錬り、雨に風に、暑さに寒さにさらし、元気一杯耐えぬくことができ、ビクともせぬ自然のうまし子として育てあげるならば、かならずやギリシャ、ローマの彫像にも見られるような、均斉のとれた、ほんとうに美しい、そして、たくましさ、頑健さにみちみちた、ほんとうに丈夫な子供がえられることでしょう。




9. 青汁がカラダにあわぬ人はない

    福山市 K.I. 

     青汁を人々にすすめている間に、いろいろな人にでくわします。
     そのうち厄介なのは、わたしのカラダには青汁があわぬ、と思いこんでいる人です。
     確かに、多くの人々のうちには、初めて青汁を飲むと、ムカムカしたり、あげたり、さげたり、フキデモノが出たりする人もあるようです。
     こんな人は、だいたい、食べ物にカタヨリがはげしい人、かなり栄養不良になっている人、胃腸がとくに弱い人、ひどく神経質な人のようです。
     けれども、わたしの経験からいいますと、青汁がカラダにあわぬ人はない、と思われます。
     ただ、まだ馴れていないだけのことです。
     青野菜は、どんな人でも、ぜひ沢山食べねばならぬ大切な食べ物です。
     とくに、こんな人には、青汁にして沢山とることが格別重要です。それには、どんな味つけをしてもよいから、サジ一杯位でもよいから、少々うすめてもよいから、とにかく毎日飲んでいくことです。
     ただ、あげる人は、冷やしたのをグッとひと息きでのみこみ、さげる人は、ぬるめにするか、口で、よくツバキをまぜながら温めて飲むのも一考です。
     が、とにかく、あげようと、さげようと、フキデモノが出ようと、毎日つづけることです。
     そうすれば、必ずカラダが馴れてきます。
     馴れるにつれて、だんだんと量をましたり、こゆめにすればよいのです。
     といいますのは、わたしには、こんな経験があるのです。
     わたしは、一人子で、あまやかされて育って、カラダは弱く、そのくせ、くいしんぼうだったのです。
     大学時代、寄宿舎にはいったとき、おなかがすいて閉口しました。
     たまたま家畜当番をしていたとき、どうにもガマンできず、半分くさったようなナッパを食べてしまいました。
     が、別に、あげもせず、さげもせず、なんともありませんでした。
     ちょっとくさかったのですが、それもハナの下を通るときだけでした。
     それから後、おかしな話ですが、家畜当番が楽しくなり、また人に見られないように、しょっちゅう家畜のエサをシッケイしたのです。
     ところが、そのうち、カラダが丈夫になり、ちょっとやそっとでは、カゼもひかず、おなかもこわさないようになりました。
     また、わたしは、かって仕事の関係で、ミツバチの検査をしていたことがあります。
     最初のうちは、顔などさされると、見るもあわれなカッコウに、はれあがっていました。
     が、そのうち、どんなにさされても、なんともないようになりました。
     蚊についても同様です。
     今でも、どんなにさされても平気です。
     ただブーンという音は少し耳にさわりますが。
     こうは申しましても、これは全く特殊なことで、おすすめするわけではありません。
     が、カラダというものは、馴らしていけば、うまく馴れていくものだ、ということの理解には役立つかと思います。




10. 虫くい虫つきの野菜 大いに安心してよい

    福山市 D.U. 

     青汁用のケールや生食用の青野菜の清浄栽培で、一番苦労するのは虫です。
     下肥だけでなく、農薬も全く使わないので、とくに春から秋にかけては、虫にくい荒らされて閉口します。
     朝夕、よく気をつけて、いちいち手で取って駆除しなければなりません。
     ところが、虫にくわれたハッパ、アマコのついたハッパを、たいへんいやがる人があります。
     が、これは少しも心配する必要はありません。
     危険な農薬がかかっていない証拠です。おいしく栄養価の高い証拠です。
     大いに安心してよいわけです。
     わたしは、かって南方で抑留されて、食料に困りぬいたことがあります。
     いろいろな野草や木の葉を食べねばならぬハメになったのです。
     が、なにぶん見たこと食べたことのないものばかりですから、どれが食用になるか、有害有毒なものはどれか、見分けるのに苦心しました。
     土地の人に聞いたり、マネをする以外、仕方がなかったのです。
     が、そのうち、お互いの間で、うまい手がみつかりました。
     それは、虫がくっているかどうか、ということです。虫がくっているものであれば、まず安心というわけです。
     こういうわけで、野菜には、あまり虫のつかないものもありますが、虫のつく野菜では、虫がついており虫にくわれているものは、決して有害でないという証拠です。
     また、ついている虫も、栄養上有益無害です。
     わざわざこれを食べる人さえあるのです。
     少しも心配する必要はありません。




11. 質問箱 ナツミカンをいれても?

    金沢市 S. 


     キャベツ、ダイコン葉、ヨモギ、ヨメナ、マツ葉で青汁をつくっていますが、ナツミカンをいれてもよいでしょうか。


     結構です。しかしミカン以外のくだものはダメです。
     多くのくだものにはビタミンCをこわす酵素があるので、一緒にすりつぶすとCがひどく減ってしまいます(ナッパだけでは余り減りませんが)





コラム紹介

    編集の都合で、
    日笠氏「私が一番願っていること」(2)は
    次号にのさせていただきます。



    人の己を知らざるを患(うれ)えず、
    人を知らざるを患えよ。

    (論語)



    七月の詩
    深山 旅愁    
      病気は気からと云う。
      心は気分で左右され勝だ。
      真冬にお暑いですナアと云い、
      真夏にお寒うご座居ますナアと云うてはどうだろうか。
      この言葉を耳からたたき込んだら、
      冬は少しは暖く思えようし、
      夏はいくぶんか涼しく思えるだろう。
      暑い夏が過ぎねば秋は来ないのだ。



    内に省(かえり)みて疚(やまし)からざれば
    夫れ何をかを憂え何をか懼れむ
    (論語)




    童謠

      尺取り虫のハイキング
      深山旅愁   
      今日も日和だ 日曜日
      尺取り虫さん つれだって
      トツトコ身がるに ハイキング
      これは丈夫な 足づくり
      風が涼しい 山のうえ

      歩き初めて 三年目
      尺取り虫さん じまん顔
      トツトコ元気で ハイキング
      海が見えるよ ここが良い
      昼の弁当 たべないか

      今日のコースも 長かった
      尺取り虫さん がんばって
      トツトコ歩いた ハイキング
      歌をうたって 帰える道
      山の夕陽よ さようなら







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