<1957年9月25日発行 第15号>
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目次
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1.流感の予防
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医学博士 遠藤 仁郎
昨年の冬にもまた今年の夏にも流感が大変はやりました。どうやら世界的の流行らしいというので、この冬が心配されているようです。大正の初、世界中をあらしたスペイン風、あの頃私は高校生でしたが、それは全くひどいことでした。どうぞああしたことにはなりたいくないものです。
さてその予防法ですが、実は今の所ワクチン接種位しかありません。
病原はビールスですが、色々の型があって、流行毎にいつも同じとは限りません。ワクチン注射は、そのワクチンビールスが、その時流行している流感のビールスと同じであれば効きますが、ちがっておれば一向役に立ちません。丁度カギとカギ穴のようなものです。うまく合えばあきますが、一寸ちがっていても、文字通りさっぱりあきまへん。
この夏のがそうでした。ビールスを捕まえてみたら冬のとちがっていたので、冬のでつくったワクチンでは駄目です。新しいビールスでつくるには三〜四ヶ月はかかる。冬までには間に合おうが、今すぐにはどうにもならぬ。カギ穴は見つかったが、合カギをつくるのにひまがかかるという訳で全く手を拱いていた次第でした。
追々いろいろのビールスが見つかって、やがてはすぐに間に合うようになりましょうが、今の所余り頼りになりません。どうしても一般的の予防法を講ずる他ありません。それには罹る機会をなくすることと、一方進んで抵抗力を強くしてビクともせぬからだにしておくことです。
罹っている人に近よらぬ罹る危険のある所ではマスクをかける(反対に自分がひいたら人に会うのを遠慮する。人の中ではマスクをはめる。咳やクサメは人の迷惑にならぬよう注意する)。 うがいを励行して病原体を洗い流す。昔の人はコヨリて鼻をくすぐってクサメをせよ、といっています。これも面白い予防法です。
体力抵抗力をつよめるには、一つには心身の疲労をさけ、充分の休養、睡眠をとって体力抵抗力の消耗を防ぐこと。そして今一つには、平素からの鍛練と正しい食養とによって積極的に体力抵抗力の強化をはかること。 そのよい例は、乏しい粗食でボロをまとっている乞食はめったに風に罹らぬがご馳走を満腹してぬくぬくと厚衣している旦那衆はよく風をひく、という事実でしょう。
皮膚の鍛練
今から始めると丁度よい。暑い間は裸。行儀は悪いがパンツ一つで真黒にやく。そして涼風が立ち、寒くなってもなるべく薄着する。そして皮膚の摩擦をやる。冷水でなくても、手や乾布でこするだけでもよろしい。タワシや荒縄でやればなお結構。
鼻の鍛練
窓や欄間は年中解放しましょう。夏からならせば寒中でも少しも寒くはありません。冷たい水を鼻に吸いこむこと(鼻飲法)も毎朝やってみる。乗物の窓もなるべく開け風にあたることです。これ程よい鍛練法はありません。そして戸外の清浄な空気の所では、寒くなってもマスクはかけず、冷たい空気を吸いましょう。(用心家のマスクの使い方ーー乗物や百貨店など人混の、ビールスのうようよしている所でははずして、外にでるとかける。あれはアベコベです。)
のどの鍛練
冷たい水のウガイをし、扁桃腺が腫れていれば軽いマッサージをする。こうして皮膚、鼻、のどをならしておくと、それだけでも余程抵抗力ができます。
正しい食養
主食をへらし(ことに白米飯を少なくして芋、豆を食べ)肉や魚や卵は適宜に、緑の菜っ葉を充分に、しかもなるべく多くを生でたべ、青汁にしても飲む。間食には菓子をひかえて果物にする。
こうしておけば、そうやたらにやられるものではないし、たとえやられても軽くすむ。前々号「流感と青汁」の条にもありましたように、青汁を飲むだけでも余程罹りにくくなります。夏の流感でも同じ経験を持っています(二面記事参照)。飲む量が多いほど、飲んだ時間が長いものほど抵抗力は強い。今からでも遅くありません。早速にも始めて冬の流行に備えていただきたいものです。
そして、もしそれでも「おかしい」と思ったら、飯をよして青汁だけを飲んでおいてごらんなさい。軽いものはそれだけでも治ってしまうこともあり、薬を服むにしても、アスピリンかうどん屋の風薬くらいでも、結構ことは足りるものです。
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2.完全食の少食で寮生の健康増進
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神戸市山手学園寮 M.W.
昭和三十一年十二月九日現在一番進んだ食生活に関する権威者と確信して居ります遠藤先生の御来舎を頂き、お話を伺う機会を得まして、一同食生活に対する考えは一大革新致しました。
そして私共が過去二年余り様々の困難に遭い乍ら、たゆまぬ努力を続けた小さな足跡をも見て頂きました。
常々先生の御主旨、「お菜を多く。野菜を、ことに緑葉を。出来るだけ生食する」の完全食を心掛けて居りましたら、さして蛋白が何瓦、カロリーどれだけ等と気にしなくてもよいように考えておりましたが、三十一年六月中旬の一週間の栄養価の計算を致しましたところ、平均一日一六九六カロリーで、標準私共の必要とされて居ります二〇〇〇〜二四〇〇カロリーよりはるかに少く、カロリーの少い原因が主食と砂糖の少いためかと考えましたがこのような食事を腹一杯いただき、また糖分も少く少くと申しながら、まだ相当量使っている様にさえ思って居りました。(一ヶ月平均砂糖消費量二五二匁〜一・六斤弱)
一方寮生の健康状態は大変よく、だんだんよくなる様に見られるものですから計算間違いか等考えて居りました。十月下旬上京。母校自由学園に参りまして、先生の御主旨による食生活を始めましてから、寮生の健康が大変よくなったことを話しましたら、その資料を送って欲しいとのこと。十一月上旬一週間の献立、材料、分量及びそ経費を書き送りました。
生活学校の食の勉強に、いろいろ検討して下さり、カロリーが一四五六で大変不足している。それがやはり主食、砂糖、油が少いところからカロリーが上がらないことを指摘されました。生活学校ては二四〇〇カロリー摂ることに大変心して居られ、参考にと献立表を送って頂きましたが、主食が多く、砂糖を使ったものも食事及びデザート共大変多いこと。油脂も多く、調理が手がこんでいるように思いました。
いいと思ってやっていたことに不安を感じましたので、先生におたずね致しましたところ、早速にお返事下さり、完全食だとカロリーは大変少くてよいこと、従来必要と考えられている約半量でよい。一〇〇〇カロリーでも故障を起こさないことを御教示いただき、(青汁読本、緑葉食青汁の話に方々載っている所を読みなおしました) 意を強くすることが出来、ますます先生の御提案に従ってゆきたいと思っております。
今までの食事に対する考えをかえなければいけない。
蛋白質やカロリーに意を用いるより、ビタミンやことにミネラルに力を入れる。そして未知のもののある緑葉を充分にとるよう心がけたいと一層思いました。調理にも、もっともっと心を用い、出来るだけ生食する。そして無闇に手を加えないこと。揚げたものを煮込むとか茹いたものに更に手を加える等のことをさけ、調理によるロスを出来るだけ減じたいと思います。
私どもでは、十二月九日以来、毎食生食できる野菜大根、人参など材料をひき出し生食します。千切りにしサラダオイル、醤油か白す干で極く淡味に致します。みかんの皮も、外皮までいただくように努めて今では全員頂けるようになりました。
次に咀嚼によるロスも出来るだけ少なくしたいと、ゆっくりよくかみ、いただくように心がけて居ります。
先生のお話を伺いまして以来、いいことを知ったら直に実行する熱意を、食生活にももっと積極的に現したいと思っております。大切な食生活をあずかる人達に、自分の家庭から、周囲から、次代へとはたらき出したい意気に燃えて致して居ります。
二月末に健康状態を調べましたところ、寮生活を始めてから一年、また二年で健康状態がよくなったと自覚するもの七〇%。以前と変わりないもの二三%悪くなったのは七%(これは高校の終りに盲腸を手術してから健康が思わしくないものと、現在不眠症の二人)だけでした。
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3.村井弦斎食物選擇八か條
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一、なるべく新鮮なものをとること。
二、なるべく生ものを択ぶこと。
三、なるべく天然に近きものを摂ること。
四、なるべく寿命の長きものを択ぶこと。
五、なるべく組織の緻密なものを択ぶこと。
六、なるべく若きものを択ぶこと。
七、なるべく場所に近きものを摂ること。
八、なるべく刺戟の募きものを択ぶこと。
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4.諦羊心
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四国第六番安楽寺 M.K.
お大師様か人智を十階級に別けて、其第一、最下等を「諦羊心」と申された。即ち羊は食う事と性欲より知らない。その様な人智にたとえたわけです。私も山羊を飼育した時、ほんとに彼は馬鹿だと思った。
然し、人間も山野の緑が全部食糧だと知った時は、無欲、知足の精神が出て来て、山羊の心理状態になるのが自然ではないか。むしろ山羊は聖なるものであろう、などと考えさせられました。
毎日青汁を飲んでおります。木の葉もかんで居ります。木の葉の味を覚えました。酒はカライ、ビールはシブイ。それで美味であり、木の葉もニガイ、シブイ、それで美味である、と思いました。弘法、行基等の先哲の心がカスカに伺い知る事が出来ると思います。
かねて私は、食糧としての草木と、草木を食する事によって生理的変化が精神作用に及ぼす影響、および神経系統に及ぼす影響が、必ずあると信じて居りますし、それを経験してみたいと思って居りました。私の老後に面白い仕事が出来たと喜んで居ります。これによって永年の私の考えに光明を見出す事が出来ました。
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5.青汁無くては日が經たぬ
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船穂町 S.K.
ふとした油断から、昨年の暮に軽い中風に罹りまして以来養生中のものでありますが、此の病気特有とかの便秘が最もわるいとの事で日夜心を痛めておりましたところ、御近所の方から、青汁の飲用を奨められましたので、初めは半信半疑乍ら、毎日根気よく続けておりましたところ、特に何日も通じがなくて困る事もありませんでしたが、四ヶ月前位からは毎日必ず午前中に一回快便が規則正しくある様になり、随って胃腸の具合もとてもよろしく、自然に気分も良好となりまして、これこそ青汁の効果に他ならぬと信じまして、それからは、病人は元より、家人も皆、一層青汁を礼賛する様になりました。
それからは一日、三合宛、その時、その時(一日三回食前一時間位に)、ミキサーで清浄野菜の汁をつくりまして、今日まで一回も欠かさず続けて来ました。忙しい日等ついうっかりして忘れていますと、病人が、何より先ず青汁の催促をする有様で、その間一回も飲みにくいとか申した事はなく一回毎に血液が浄化されてゆく思いで、ほんとうに有難い青汁を御研究下さった事と感謝の念で一杯であります。
正しき医療と相俟って、現在では玉島市の方までなら、附添があれば、時折りはあそびに行っても大丈夫と申される位までに恢復いたしました。青汁か飲み難い等申される方々は、その効果を確認されないためのお言葉かと思うのであります。どうか、青汁の原理を掴まれまして、一人でも多数の方々が御愛用なさいます事を念じてやまない次第で御座います。
尚、私の宅では永久に清浄野菜を作って青汁を飲ませていただく考えであります。
おたずね 中風の病人に、アクのある野菜はいけないとききましたのですが、おなじキャベツでも夏期のものは、汁にして、苦味がありますが(非常に苦い)ホウレン草、水菜等一般に、アクが強いと申しますが、如何でしょうか。
答 味は季節によってちがいます。アクのあるなしも、飲みよいか飲みにくいかの問題だけです。むしろ成分のよしあしが大切です。ホウレンソウは余りよい材料ではありません。ミズナはよい野菜です。
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6.遠藤青汁協同組合について
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当組合員は「遠藤青汁の会」の会員中より選出組織されて居るものです。御家庭で御造りになる方も、御遠慮なく当組合へ御相談下さい。(清浄野菜、其の他、苗、ミンチ等其の他食養について)。責任をもって御世話いたします。私達日本国民はもとより、全世界の一人でも多くの人々に、私達体験者の様な幸福になれる手びきのあることをお知らせいたしたい気持ちで一ぱいであります。
其の為には人々に後指をさされる様なこともやらねばならない苦しさもありますが、最早健康と青汁とは切りはなすことは出来ないという信念をもって実行努力して行こうと思って居ります。皆様の御協力をお願いいたします。
尚本組合の青汁を御利用の方は青汁の会の会費を納める必要はありません。組合で納めて居ります。
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7.若く見え病を癒し長生きする青汁の成分
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貝原 邦夫
年と共に増加して行く青汁の愛飲者。本会の機関紙「健康と青汁」も回を重ねること十五回。この間に寄せられた数々の貴重な体験記。学校、事業場等集団飲用の驚異的な効果をはじめ皆様の御自覚になる青汁の効き目の絶対的であることについては、すでに、度々遠藤先生の著書に講演にとその理由を説明せられているところではあるが。
尚広く世の識者の納得を得るために、現在製造されている「遠藤青汁」の成分分析を大阪府立衛生研究所に依頼してあった。その結果を現在最も必要とされているミネラル、ビタミンについて、それぞれ一合宛の青汁と牛乳を比較考察して見ると、
青汁中のカルシウムは牛乳の約三倍、ビタミンAは牛乳の四、五升分、B1B2は二倍強、Cにいたっては実に二斗一升の牛乳に匹敵することが解った。この事実のみをもってしても、他の栄養品に比較して圧倒的な効果のあることが、御納得頂けると思います。
尚「遠藤青汁」の生命とする所は、決して分析表にある成分にとどまるものではなくして、未だに現代科学の発見し得ない未知の因子(ビタミンB12葉酸等は終戦後に解ったもの)魔の驚異といわれる葉緑素(クロロフィル)等々。
それは太陽のエネルギーと大地の力によって合成せられた、真の生きた生命力をそのまま我々の体内にとり入れようとする所にある。これらの貴重な既知、未知の成分も味つけ、加工、時間的経過によって刻々に変質し、純度の低下することはさけられない。このために本会では、つとに加工しない、生地のままの青汁を出来るだけ早く御飲み頂くよ提唱している所であります。
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8.青汁で九十才
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大阪市 M.Y.
今日お得意先で青汁の話をしていました処、その方の父上は、約四十年程前、当時五十才頃までは大変弱かったそうですが、何から知ったのかヨモギの汁を飲み始め、毎日ドンブリに一杯欠かさなかったそうで、その為スッカリ健康を回復し、後半生は意義ある活動をして、九十才でなくなったそうで、昔にしてはめずらしいことだと感心致しました。九州の田舎の方です。
(附記 青汁の応用は昔からあったことなのです。このことについては拙著緑葉食青汁の話の附録をごらんになれば、なある程と感心されると思います。それがどうしたわけかスッカリ忘れられてしまい、最近になってまた思いつかれたわけです。ですから片田舎などには民間療法として言い伝えられている所もあるようです。調べると面白いのでしょうが、今ではもうゴッチャになって、昔からあったものか、近ごろのものか区別がつかぬだろうと、残念に思っています。遠藤記)
先生、青汁はひろめないけませんな。この様な良心的な健康法というか、薬はありますまい。私の家族でも、飲む者は風邪も引きませんが、飲まんものは故障が出ます。この間家内が唇に出物が出来そうだったのも二日で引っ込んでしまいました。近所の腎臓で悪かった方が青汁でよくなっていましたが、怠って又々足がハレかけまたが、アワテテ飲みましたら一晩でハレがひいたと驚いたり喜んだりです。高松の喘息患者も非常に軽快し不思議がっています。(32、1、25附通信より)
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9.半身不随
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岡山市 S.A.
私は昨年八月に突然半身不随となり医療を受けて居りましたが、青汁の効果あることを聞き、早速野草を採って自分で作って飲みました。材料の採集に困り途中で止めましたが、病気は約八十日程で殆んど完全に迄快復した。本年四月頃より毎日飲み続けて居りますが、今年の夏程健康な事は有りません。毎日三度の食事も待ち遠しく、夜は睡眠もよく出来、便通もよく一寸した作業にも疲労を感じません。また一日として足の倦るいことも知りません。
これは青汁長期間飲用のお陰と思って居ります。
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10.和仁女史のお話によせて
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一面所載の和仁女史のお報らせは大変面白いと思います。
女史は腎臓炎の療養中(昭和ニ九年)からこの食養法は興味をもち、以来ずっと実行され、あずかっている寮生にも熱心にすすめられている方です(本紙十一号参照)。寮生の健康状態はよくなり、体重も増した(中には八〜一〇キロも肥ったものがある)。ところが意外にも、食餌の栄養価値を調べてみると、ひどく熱量が少い。
たとえば普通二四〇〇といわれているのが、僅か一三〇〇〜一七〇〇、平均して一五〇〇たらず、主食を比べてみても、朝食のパンは自由学園(東京、和仁女史の母校)では一一二瓦の所が僅か五五瓦。昼夕食の米飯は、東京では米二六〇瓦平均というのに、神戸では二〇五瓦といった塩梅で母校の方から、主食や糖分や脂肪が足らぬ、と注意された、という次第です。
しかし寮生の健康状態がよくなったことは事実ですから、熱量の少いことは少しも問題ではない筈です。
また完全食であれば、栄養分の体内での利用が無駄なく行われるのですから、不完全食の場合よりは、少くてすむことは理論的にもわかることです。昔から「粗食少食健康長寿のもと」といいますが、この山手学園寮の成果は、まさにそれを、即ち完全食は少食で足ることを、実証した貴い記録といえます。
私はあの日、寮の夕食に招かれて、このお嬢さん方お手並の緑葉食料理をいただいたのですが、それはほんとうに明るい、希望の未来を予見させるかに感じられた、たのしい一時でした。(遠藤記)
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11.流感調査
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この夏にも流感がかなりはやった倉敷西小学校でも、こんどは学級によっては休んだところもあった。七月にまとめられた成績は表のようである。
冬のときよりは率が悪かったが、やはり青汁飲用児は罹るものが少かったし、罹っても軽いものが目立って多かった。非飲用児には三九度以上(中には四一度にも達するものもあった)の高熱を出したものが多かったが、飲用児は熱が出ても多くは三七〜八度程度であった。そして青汁飲用期間のながいものほど罹るものが少なかった。 何しろ伝染力の甚しい病気のことであるから、青汁を飲んでいても、絶対に罹らぬはいえないが、比較的罹りにくいこと、また罹っても軽いことだけは確のようである。(遠藤記)
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12.闘病五年
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倉敷中央病院 T.T.
私は昭和二十七年三月、お腹が次第に大きくなって来るのに気がつき、中央病院に腹水貯溜にて入院しました。毎日牛乳二合、青汁三合を飲用しましたが、二十八年初めから発熱があり六月頃には、四十度前後の高熱が毎日有り食慾もなく青汁のみで七十五日も過した事もありました。
昭和三十一年一月脱腸手術。三月私の病名であるバンチ氏病の治療のため脾臓切除を行い、其の後腹膜炎を併発し全く死ぬ程の苦難を通りました。その後腹痛強く毎日二、三本痛み止めを使用しました。青汁は、づっと毎日二本位平均呑み、幸にして腹水の貯溜も遅延し、しかも悩み続けた腹痛の方も軽減し、体重も次第に増加する等、私には、青汁の効とのみ信じ今では、青汁を全く薬のような気で飲用しています。
医師の言も聞かず、酒も飲み、熱が有るのにも不抱らず風呂にも入り、全く自暴自棄となり、自からの不運に嘆き悲しんだのでしたが五ヶ年と云う長い病院生活と闘い、今日、かく少しでも元気をとりもどし、一歩一歩回復に向かっている事は、入院来続けている、青汁のお陰と感謝致しております。
附記 深酒等した際、二日酔を防ぐ目的で、のどが渇いた時、青汁を飲めば二日酔も無く食慾も出て、全く気分が優れる事があります。
此れは、私の体験談ですが、一度おためしください。
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13.詩 青汁のジュース飲みましょう
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深山 旅愁
一、街の茶房は二人のエデン
交わす笑顔が相呼ぶ胸へ
リボン可愛い娘が運ぶ
グリンのジュースは
ささやくよささやくよ
召しませビタミンジュース
二、ジューサ搾りの野菜の汁よ
今日もサロンで素敵な人気
色もとりどりお菓子をそえて
グリンのジュースは
ささやくよささやくよ
召しませ栄養ジュース
三、医者もすすめる健康ジュース
白いベットへ看護婦運ぶ
暗い心に明るい誘い
グリンのジュースは
ささやくよささやくよ
召しませ緑のジュース
四、お茶のかわりよ自慢で搾る
ママが手製の青葉のジュース
いつか飲んでてこのよに元気
グリンのジュースは
ささやくよささやくよ
召しませ生命(いのち)のジュース
(1954、8、20作)
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14.質問箱
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寝屋川市 S.K.
問
一日も休みなく毎朝青汁を食しております。只今は特殊体質になって少し強い薬だとすぐに気分が悪くなって困って居りますが、何がよい方法はございませんでしょうか。アレルギーのきついのだそうです。
答
青汁を中心とする完全食に心がけるとともに、食品の選択にあたり、なるべく自然物をとり、加工品や貯蔵食品などを避けるよう注意して下さい。理由の詳しいことは次号の講座にのせます。
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ご意見・ご要望はこちらへ
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