健康と青汁タイトル小 <1957年3月25日発行 第12号>
 目次




1. 療病講座 痔の悪い方へ

     医学博士 遠藤 仁郎 

     一口に「痔」といってもイボ痔、キレ痔、肛門周囲膿瘍、痔瘻などいろいろありますが、一番多いもので、普通に「痔」といわれているのは「イボ痔」でしょう。
     肛門のほとりにイボのような血管(静脈)のふくれが出来、破れると血が出る。ポタポタ落ちるのもあればシャアと迸り出るのもあります。
     バイ菌がはいって熱をもったり膿んだりして、大変に痛むこともあれば、脱肛といって排便の時や平生にも直腸が肛門からぬけ出しておさめるのに難義するようなことにもなります。痔は人間特有のもので、しかも文明人のもの。どの人種にもありますが、日本人には殊に多いといわれます。
     動物にないのは体が横になっているからです。人間は立つようになったため、内臓の内で一番下にある肛門に、内臓の血が下り、その部の血管がふくれて出来るのです。
     文明人に多いのは便秘するものが多いからです。便が出にくいから気張る。きばるから余計に血管がふくれる。そして日本人に多いのは便所の構造がちがうからだといいます。西洋人の便所は腰かけ式ですが、私どもはしゃがんでやる。それだけ肛門が下り、脚の血までがここにかかって来ることになる。ですから痔を防ぎ、また治すためには、どうしてもまず通じをよくせねばなりません。
     白米飯、ことに餅、肉食、菓子、酒、刺戟物がすぎると痔が出来、悪くなる。これらは消化がよすぎて渣が少いこと、ビタミンが不足して腸管の運動が鈍ること、ミネラルも乏しい(これでも腸管の働きが悪くなる)ために便秘するからであり、酒や刺戟物では充血が強くなるからです。
     通じをつけるのに野菜食ことに生菜食、青汁のよいことはよく知られています。これは野菜ことに緑菜類には繊維が多くて腸を刺戟すること、ビタミンやミネラルが多いこと、その他の作用もあるためと思われます。また穀、肉、糖に偏った食べ方ではバイ菌に対する抵抗力が弱められるが、ビタミンやミネラルに富む菜食ではこの抵抗力が強くなり、熱をもったり膿んだりすることもなくなります。
     痔の悪い方は、穀、肉、糖、アルコール、刺戟物に傾いた食習慣をやめ、つとめて菜食、ことに生緑菜食にし、青汁をやるべきです。そうすればイボ痔だけでなく、出血や化膿もなくなり、脱肛も防げます。
     キレ痔は硬い大きい便が出るために、肛門の辺が切れて痛むので、便が軟くなればよいのですから、これも菜食にして、通じがつけばなくなります。
     肛門周囲膿瘍というのは、肛門の周辺に膿のたまる病気で、大変痛み、ひどく悩まされるものです。すべて膿をもつ病気と同じく、穀、肉、糖、酒など濃厚食に傾く人に出来やすいのですから、緑葉食青汁にして治りをよくしますし、予防も出来ます。
     痔瘻は肛門周辺の膿瘍がやぶれて出来るのですが、多くは結核性のものです。治りにくいものですが、これでも緑葉食青汁でかなりよくなり、また治るのもあります。ともかく、どんな痔でも、何はともあれまず正しい食養生、完全食、緑葉食、青汁が肝腎です。



2. 西日本学校給食研究会で青汁の給食が注目を浴びた

    同 Y教諭 

    ■1956年12月15日〜18日(岡山石井小学校にて)

     西日本学校給食を中心とする学習指導研究集会に於て倉敷西小学校山田教諭が同校教諭貝原邦夫著(子供のからだとグリンジュース)の研究発表があった。
     第3班E組学校給食法第2条第3項の目的達成について研究討議に大いに気焔を吐いことをお知らせしたい。
     氏の熱弁は同班百十数名の会員をして熱心に傾聴さし感銘深いものがあった。
     遂に会終了後十数名の県外会員か実地参観を希望されて遠藤博士にお会し親しく教示を受けられたとよろこばしい次第でした。
     尚同博士著の書物を当日実費で頒布し当研究会は近畿、中国、四国、九州に茨城岐阜を含めた25県から全員650名が参加した。西日本全地域に紹介されたこと青汁普及会としては好機であったと思う。
     尚3日目には同班で清浄野菜の作り方について山田教諭の研究発表の裏づけとして岡山県児島郡東児町胸上小学校長小橋亮氏の特別研究発表を求め青汁と共に有意義なものとなった。
     同氏の壁頭の言葉(倉敷西小学校の青汁給食は学校給食として一大飛躍的な進歩である、学校給食もぐんぐん進歩してゆかなければならぬ。その効績はデーターが証している。須らく研究発表は学説理論だけでなく実績があるもののみ価値があるのである――)
     尚サービスとして全会員に健康と青汁の機関新聞を配布したこと等同普及会として否世人に裨益するところ計ることができぬほど貴重なものがあったと信ずる。
     法を決められた学校給食だけでは、きよ弱児童や特殊児童や精神薄弱児童など救さい出来ないところに青汁の価値が認められなければならぬ(AK生)



3. 「ズルチン」と青汁

     医学博士 遠藤 仁郎 

     前号に「砂糖と青汁」について書きましたが、その中で、人工甘味ことにズルチンの有害なことに、ちょっとふれました。それについて、読者の方から、もっと詳しいことをとのご注文がありましたので、少し書いてみます。
     文明と砂糖の消費は比例するとかいって、今では何でもかでも甘いものが好まれる。しかし砂糖ばかり使っていてはとてもやりきれぬので、安いサッカリンやズルチンが代用される。サッカリンはまず無難らしい。ズルチンも以前は少量ならば差支あるまいとされていたので、厚生省でもまだその使用を許されています。けれどもその後の研究でたとえ分量は少しでも、ながい間つづけていると、しまいには癌が出来ることがわかって来ました。

     それで、すべての文明国で厳禁され、野放しにされているのは、今では日本だけなんです。菓子、パン類、サイダー、ラムネ、ジュ−ス、乳酸菌飲料類はもとより、毎日食べているミソ、醤油、佃煮その他いろいろの食品にはいっており、その分量も随分ひどいものがあります。全く恐ろしいことです。
     私共も、もと青汁に活性乳酸菌飲料を入れることをやっていましたが、これに人工甘味が入っていることがわかったのでやめました。
     厚生省で認可されているのだし、世間では普通につかわれているのだから、青汁に入れたってちっとも構わぬじゃないか、という人もあります。
     けれど、私どもが青汁にもとめているものは、多くの嗜好飲料のように、おいしい「味」ではなくて、正しい栄養をうるための一方便として、よりよい健康のため、また病気を治すためなのですから、少しでも健康上面白くないと思われるものは、つとめて除かれねばなりません。
     また一般市販の飲食品にそうした有害なものが氾濫しておればおるほど、せめて私どもの青汁だけでも安全なものにしたい、と私どもは考えます。そこで、一昨年の粉ミルク事件を契機として、一切人工甘味の使用を止め、皆さまにもさようお奨めしている次第です。
     それに、青汁は純粋なものであれば、それだけで充分に効果を現わすもので、乳酸菌もその他の何んにも入れる必要はないのです。もし、それでも、どうしても乳酸菌がほしければ、甘味のつけてない、酸っぱい素菌がよろしい。活きた乳酸菌は乳酸をつくりますから、酸っぱいのが本当の味です。ブルガリヤに始りハウザー博士も健康長寿食として賞用しているヨーグルトも同じで、とても酸っぱいものです。
     念の為申添えますが、今ここにあげたヨーグルトは本物のヨーグルトのことです。牛乳にブルガリヤ菌という乳酸菌を加えてつくるもので、豆腐のように固っています。もとが牛乳ですから、とても栄養にとんだすぐれた食物です。
     しかしどうも酸っぱくて、食べなれぬ私どもには向きかねるので、乳酸菌だけを培養して、おいしい味をつけた(人工甘味で)飲物が売出され、このヨーグルトとまぎらわしい名前で誇大に宣伝されています。その成分は甘味と乳酸菌の少しだけにすぎぬのですが、宣伝に迷わされて、子供たちにもかなり与えられているようです。これももとは甘さへの誘惑からです。ともかく甘味には慣れぬように注意しましょう。



4. 又もや脱疽患者青汁で治る

    井原市 S.Y. 

     私は、昭和31年5月、非常に治癒しにくい特発性脱疽と言う病気に右手をやられ倉敷中央病院に入院加療を受けました。
     始めは、一寸した右手の傷でしたが、次第に拡がりしかも局部の疼痛は激しく昼夜、泣き続ける程のものでした。此の痛みは、注射や頓服等では軽滅しない程強力なものです。

     私は余りの事で幾度か、医師に手を切断して下さいと願いました。10月の或る日、笠岡の芋博物館の館長さんが私の病舎に来られ、青汁新聞を見せて下さいました。
     丁度その新聞に脱疽が青汁に依って治ったと言う体験の記事を見たのです。そこで元気を取りもどし、それまでも6月から青汁一日1本を飲用していましたがその時から、多い時は、米食を摂らず6本から5本位を、づっと続けました。しかも肉食や甘い物はさけ野菜一点張りとしたのです。

     青汁のお陰であれ程悩み続け泣き続けた疼痛が段々と軽くなって来たのです。もう此の頃(12月)では痛み止めの注射も必要でなくなり29日に退院する事になりました。
     若し、この私の様な病気の方が居られましたら、一日も早く、青汁を実験的に飲用なさいます様お奨め致します。本当に、此の青汁こそは、私の心痛を救い手を切断するまでにひどかった病気を治癒せしめた不思議な、生命を保持していると信じ且つ、今だ知らざる多くの方々に青汁の効果をお知らせする次第であります。此の紙上をかりて、青汁生産に従事しておられる方々に対し厚く御礼を申上げます。



5. グリンジュースの作文集

     さじ かずみ
     ぐりんじゅーすは、あめがはいっているから、みんなのめるとおもいます。それでもくさくてのめないひともありました。
     わたしたちは、くさくてもがまんをしてのんでいました。
     ちかちゃんが、ぐりんじゅーすをのんでいないひと、といって、のんでる人にいいました。
     ひかさ きよし
     ぼくは、はじめはががでそうになったけど、いまごろは、だいぶんにがくなくなり、もおっとのめます。
     ふなこし まさのぶ
     みんないつもあおじるをのんでいる。あめもおいしくてたまりません。ぐりんじゅうす。ぼくはいつもたりません。そしてぼくがのんでいるぐりんじゅうすはからだがげんきになります。
     ひかさ わたる
     ぐりんじゅうすを、のむとき、むねがどきどきして、それからのんだあとすーとします。
     ぐりんじゅうすをのむとき、ぼくがいちばんのように、とんでのみます。
     ごはんとはおいしいぐりんじゅうす。りんごとはおいしいぐりんじゅうす。あめとはおいしいぐりんじゅうす。ぐりんじゅうすをのむたびにはよろこんでのみます。
     とてもおいしいぐりんじゅうす。あしたものめるぐりんじゅうすを、たのしみにしてまっています。
     あかし かつ子
     わたしはきのうからあおじるをのんでいる。のんでみるとにがかった。
     のんですんだらどろっぷがついてありました。わたしはあおじるをのむのがはじめてなので、つぼいのたっちゃんといっしょにのみました。
     ふなこし けん一
     ぼくは十がつよりのんでいます。これを、のんでいますから、からだが、じょうぶになり、一にちもやすまず、がっこうへいけています。
     それから、おとうさんと、おかあさんが、けんいちはあおじるを、のみだして、かおいろがよくなり、またなんでもよくたべる、ようになったと、いっています。いもうとのきよこも、がっこうへいくようになったら、おとうさんにいって、のましてあげよう。
     こうぐち ちよこ
     わたしは、ぐりんじゅうすをのむのに、へんなにおいで、のむのにこまりましたが、いまでは、へいきでのめます。
     五ねんせいと、一ねんせいのにいさんものんでいます。にいさんたちはのみだしてから、めかたがだいぶんふえたそうです。
     わたしもじょうぶで、がっこうをやすんだことはありません。これからもぐりんじゅうすをつづけてのみます。
     佐藤 悦子
     わたくしは、いつもぐりんじゅうすを、のんでいます。
     わたしがのむのをわすれていたら、たにざわくんがゆうてくれます。
     それでわたしがのんだら、はらさんがまだのんでいないので、わたしがいってあげます。
     そしてはらさんがのみます。そしてあそびにでて、べるがなったからはいったら、またわたしに、のんでねんじゃろうが、としんちゃんがわたしのところにもってきます。
     わたしがのんだよとゆうと、しんちゃんが大原くんのところにもっていきます。大原くんのんでいなかった。
     原  晴美
     わたくしは、ぐりんじゅうすをのむと、おいしいので、いつもたのしみにしてまっています。
     そして、いつも、だんだんたいじゅうがあがってくるようにおもいました。
     つぼい たちこ
     一ばんさきには、くさくてのみぬくて、なかなかのめませんでしたが、なれてくるとのめるようになりました。
     なつやすみには、びょうきをしたので、あおじるを、のまなかったので、二学きには、とっていました。
     なれてくると、すぐにのめます。わたしたちの組では、13人もたくさんのみだしました。
     安原 ゆき子
     わたしは、十月三日からのみだしました。
     はじめてのんだ時はにがかったけれど、二かいめにのむとあまかった。
     いつものんでいたらあまい時もにがい時もありました。
     たいていあまい時のほうがたくさんたくさんありました。
     きのうはあまかった。にがいといった人もありました。
     谷澤 公之
     ぼくは、あおじるが、大すきです。
     きょねん、おとうさんが、しゅじゅつをしてから、あおじるをのみはじめました。
     時々ぼくが、もらって、のみました。はじめは、おいしくないと、思いましたが、だんだんおいしくなってきました。七月に、学校であおじるがとれるようになったので、一番にもうしこみました。
     おとうさんも大へんからだがじょうぶになりましたので、ぼくも、もっともっと元気に、なれると、思います。
     綱島 要子
     「グリンジュース」こう聞いただけでも思い出されます。
     あの青い、のみにくい汁を一ばん、はじめに、のんだ時どんなに思ったことでしょう?
     でも今のんで見ると、あじもずっと、おいしくなって、そればかりか、体重もふえて、うれしいばかりか、毎朝がまちどうしくなりました。
     そして、今ごろはやっている風もこの冬は、このジュースのおかげで、すごすつもりです。
     今一本のんでいる、たった。このグリンジュースにこんなふしぎな力があるのだとおもうと一本一本とふやしていくつもりです。
     体重もふえた。風もひかないで、すごせる。グリンジュースありがとう。



6. 十八の娘が?

    倉敷市 M.O. 

     今年18才になる娘をもつ母ですが、今から4年程前より、頭が痛い、足がだるいと言い、学校へ行っても勉強が出来ぬと申しますので、病院に行って診断して戴いたのですが、どこも悪くないと言われました。
     そこで目が悪いのではないかと思い、眼科に長い間通って見たのですが、何の効果もなく、又病院に通い、カッケではないかと毎日ビタミン注射を致して見ましたが、それでもよくならず、今年の4月の下旬から毎日青汁をかかさず飲ましました所、今年は夏の暑さでも足がだるいとも痛いとも申さず、毎日元気で通学致しております。
     これも皆青汁の御蔭で、喜んで知人にも、進めて居ります。



7. 著しく良くなった血色

    奈良市 T.N. 

     中村栄先生から青汁の価値を教えられ、今まで一年あまりつづけて居ります。
     はじめは青臭くて困りましたが、今では青汁の実効が身にしみて、主人もともに有難くいただいて居ります。顔の血色は見ちがえるほどよくなり、疲れをおぼえず、肥えてまいりましたので、人様にもすすめております。

    (30・11・16通信より)



8. 発育の遅れた子供に

    清音 K.K. 

     その後も、子供は続けて服用しておりまして、可成元気に勉学にいそしんでおります。
     先日部落懇談会の節、一父兄から、「子供を東京から見えた立派な先生に診察していただいたら、この子には青汁がよい、青汁を飲ませたらきっとよい身体になるだろう。」といわれたという話がでました。
     この子は、身体知能共に発育の遅れた子なのです。家の者はあちこちに願かけなどをして一生懸命なのです。一人前の子供にしてやりたいとほんとに涙ぐましいまでに熱心なのです。私は子供の青汁服用の効果を力説し、他のお母様方へもとくと話しておきました。その後の様子はまだきいておりません。その子は青汁は毎日飲んでいると話しておりました。身体の健康を保持する為一人でも多く飲用せられることを希望致します。



9. 子供を思う親

    早島 K.K 

     青汁に付きましては、まだ日があさいので体験と言う事は無いのですが、体のちょうしは大へん良い様です。食物はなんでもたべますし、げりなんか一度もした事はありません。健康をたもつためには、子供がのむかぎりには、つづけたいと思って居ります。



10. 少し飲み良ければ

    早島 G.E. 

     私の三女で、1年生ですが、小さい時から心身貧弱で偏食烈しくて困って居りましたが、学校で青汁を飲みだしてから約3ヶ月余りになりますが、最近では偏食が減り、食事の量も以前より大分増して、間食は殆んどなくなりました。非常に有難い現象で喜んで居ります。
     夏休み中は家庭で飲まして居りましたが、時に飲みしぶりしますので、私が一回だけ味わって見ましたが、大人の私でさえ飲みにくい感じが致しました。今少し飲みよい風味に改良されたら一人でも多くの利用者が出来ると思います。



11. 夏冬がすごし良い

    岡山 K.A. 

     満7才の女児が、毎年11月下旬より翌年4月頃まで鼻汁とセキが絶え間が無く、病院やお医者と絶縁出来ませんでした。
     所が一昨年冬以来青汁を自作して一家揃って飲む様になってからは、鼻汁が出なくなったばかりかセキも止み、昨年来一度も風邪にかからず、皆んな元気且つ霜やけも出来ず、健康な明るい冬を通し、今夏も至極健康で家族挙げて元気な事は青汁のお陰だと思っています。
     面白いのは頭髪と爪が良く伸び御飯が美味しい事です。年中御飯のまずい事がありませんし、頭が何時でも軽い感じで気分が明朗です。



12. 高血圧との苦闘

    佐賀県 K.S. 

     永年の高血圧は養生の至らざる不徹底とでも申しまするか、遂に心臓の結滞までも生じ、下肢の腫れと、毎夜1時か2時頃よりの激しい盗汗に、夜明けまでを悩まされねばならない状態とはなりましたが、ただひたすらに信ずる道、先生の御説を守ることに万難を排して努力専心致しました。
     メチャメチャにこわし切ってしまった体。一朝一夕にして期するが如き目的を達することは甚だ容易でないことは申すまでもございません。
     人が何と言おうと、兎も角必死に、耳を蔽い、見る事も言う事もせず、三猿主義を以て、ただ信じて実行致しました。

     御恵送賜りました青紫蘇も先生の温き御心を身近かに感じつつ、重い足を引ずりながら早速にまきました。その頃既に他の場所からはチシャ、かき葉大根、チキンケール(所謂羽衣甘藍という奴)が芽をふき、だいぶ延びて居りました。頃はよし、野菜は無尽蔵に近い絶好のチャンスを迎えつつありました。
     青汁、青汁、青汁。明けても暮れても青汁。病棟の療友たちも鷲の眼を瞠るのみであります。
     然しながら残念にも心臓の関係か疲労激しく、続けるのが甚だ苦痛でありました。
     看護婦や療友たちの奇人、変人視するのを耐えながら極力、ただ実行あるのみの信念のもとに、自分でミンチを廻すほかありませんでした。かくして血圧は105、60という状態を保ち、チシャ、かき葉大根、ケールが出来て参りましたので、青汁を1回として、量を少くし、毎食毎食3、4百グラム位のこれ等野菜の生食を始めました。
     バリバリと食う。全く野蛮人としか人々の眼にはうつらないのも当然であります。しかしこの頃、初めお薬だと思って努力して食べていた生野菜が、おかしな事に、美味しくなって来たのは実に有難いではありませんか。野菜と共に食事をしなければ淋しい、物足りない。もう生野菜を食べるのにちっとも苦労しない。ただ歯が悪いのには困りました。歯がよかったら、もっと生野菜食の真味がわかりそうで残念な気持でありました。
     かくて私の生野菜食もいよいよ佳境に入り、とでも申しますか、血圧は140以下で落着いて居ります。

     ただ病院の高血圧食がやはり先生御提唱のものと甚だ縁遠いものであるのが、何となく物足らないのであります。
     これまでの体験よりすれば、頑固な病なればなる程、青汁を飲用する事のみを以て能事了れりとしてはならないことです。
     高血圧の如き病に於ては如何に青汁を飲用しても、療養所からの給食の如く結核本位の(高血圧には全く逆の)食餌では、プラス、マイナスで、全く高血圧を治すということは出来ない。青汁の効果をブチ壊してしまうからです。
     先生説の如くミネラル、ビタミンを充分に考慮せられた、緑葉菜を充分に配されたものでありますなれば、これほどの苦い失敗はなかったかも知れませんが、残念ながら穀肉偏食の給食ですから、チットやソットの青汁飲用では高血圧を克服するなど到底無理であったと思われます。
     然しながら先生説に近づけるという事、これを熱心に続けるだけでも、私如き頑固な高血圧を略正常に近いまでに落ちつけ得ると、はっきり体験いたしましことを確信を以って申上げるのであります。

     いろいろな悪症状は大体去りました。ただ耳鳴りがどうしてもぬけきらない。これが抜けるまで油断がならぬ様な気が致します。逆戻りする怖れがあります。数年前、薬で一応140まで下ったのでありますが、この時、耳鳴りだけが取れなかったのであります。しかし当時として何もわかりませんから、もう治ったものと早合点して薬を中止されたのですが、日ならずして早速逆戻りしてしまったのであります。その後再び薬を使用されましたが、食事の注意とて何等されるではなく、薬を飲んでも飲んでも一向に下らなくなってしまい、主治医先生も匙を投げられた格好でした。
     今度は青汁と生野菜で下ったのですから一寸趣がことなりますが、この耳鳴りを克服する程度まで治すには、やはり食餌を緑葉菜、あるいは乳菜食として、主食も玄米や玄雑穀、芋類として、「健康と青汁」第7号療病講座に於ける先生のお話の如く青汁絶食や果物、野菜の無塩生食等も実行する程度に、「青汁緑葉食」の極致を極める位いやる必要があると思います。

     そうしますなれば絶対に根治すると確信を持つに至りました。
     先生説、極意の摂食法をやるならば、如何なる頑固な高血圧も絶対根治すると信じて疑いません。
     然しながら多くの人々の模様からして、仲々熱心に続け得る人は少なそうに思われるのです。
     否、仲々信じないから困ったものです。医師、看護婦にしてすら信じないのですから、まして一般人の信じないのも止むを得ないと思います。
     現在私としてこの程度まで、先生のお蔭様をもちまして血圧も落ちついて参りました。
     私は玄米も好き、芋も大好物。牛乳も好き、緑葉職の極意に徹底すれば血圧の根治はおろか、根本的な体質改造も完全に可能であると思い実行いたしたいものと思わない日は一日とてありませんが、残念ながら事情が許されず如何ともなりません。
     しかしともかく血圧は下り、体の調子もだんだん好調となり、心臓の工合も徐々によくなってまいりました。足の腫れも殆んどとれ、午後から夕刻になるとボトボトする様な重い下肢がだんだん軽くなり、盗汗もグンと減って参ったのであります。
     生野菜の味、自然の神が与えられた真味。緑葉食三昧境というも過言ではありませぬ。

    (31・7・7・通信より)



13. 青い葉を搾ろ

    深山 旅愁 

     今日も青葉を手つかみ摘んで 野菜畑に笑い顔
     ヤアサホーイ唱うてる
     搾り汁には滋養がござる
     サアサ摘みましょ 手籠にたんと

     水で洗うて鉢なか入れた 青葉とことこくるりくる
     ヤアサホーイ愉快だね
     緑きらきら栄養は光る
     サアサ搾って 青汁飲もう

     こちら田舎はすり鉢つくり 街は電気のジューサーで
     ヤアサホーイ汁つくり
     野菜ジュースでからだは丈夫
     サアサ青汁すすめよじゃないか

     土と太陽のビタミン、カロリ 溶けて出来てる青葉だよ
     ヤアサホーイ摘みましょう
     生命源(いのち)生きてる緑の野菜
     サアサ搾って ジュースを飲もう

    (1955・1・1・作)








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