健康と青汁タイトル小 <1957年1月25日発行 第11号>
 目次




1.療病講座 心筋梗塞の食べ方

     医学博士 遠藤 仁郎 

     心筋梗塞(こうそく)というのは、狭心症をおこす病気の一つで、心臓をやしなっている冠状動脉という血管が硬化して、ついにふさがってしまうものです。欧米諸国には非常に多いが、わが国では、今までは世界一少いといわれていました。しかし最近はかなりふえて来たようで、新聞の訃報などでも、よくみかけるようになりました。
     この梗塞のもとになる、冠状動脉の硬化の原因については、今さかんに研究されていますが、どうやら食餌中の脂肪の食べすぎが一番問題になっているようです。からだで始末する能力以上に多く脂肪をとることが原因になるというので、アメリカなどでも、この病気のものや、そのおそれのあるものは、1日20−30グラム以上の脂肪を食べてはならぬといわれ、そのようにすると病気もよくなるといわれています。
     なお最近の発表によれば脂肪の中でも、陸棲動物の脂肪(バタや牛豚脂など)や、加工して固形にした植物油(マーガリン)は悪く海棲動物の脂肪や、生の植物油では、そうした害はないという学者もあります。これらのことがらは、この病気が、欧米人のように脂肪、ことに陸棲動物の脂肪やマーガリンを沢山(1日100グラムもそれ以上も)食べているところに多く、従来の日本人や沖縄人のように、脂肪のとり方が少い上に、主に植物油や海棲動物(魚介類)の脂肪を食べているところに、少い事また最近のわが国で、欧米流の贅沢な生活にかぶれている人々、ことに上流の富祐階級者に多いこと、などの事実をよく説明してくれるように思われます。

     ところで、一方ではまた、こうした大量の脂肪の害もビタミン類ことにB群ビタミンを充分にとることで防ぐことが出来るということもわかっています。ここでもバランスが必要なわけで、この病気の原因でも、ただ脂肪のとりすぎだけか、まだ他の原因があるのかはともかくとして、要するに、熱量ことに脂肪や蛋白質に偏った過食と、それに釣り合うべきビタミンやミネラル類の不足、つまり、ひろく不釣合な不完全食(偏食)の飽食が原因のように考えられます。
     そこで、この病気の食べ方としては、何はともあれ、ただしく釣合のとれた、ことにビタミン、ミネラルに富む食餌の少食が適当でありましょう。この意味で私は緑葉食、青汁をすすめたいと思います。また事実、なるべく菜食にし、青汁を励行してよくなった方も少くありません。

     ついでに1、2の注意を書きそえます。

       適度の運動の大切なこと−
       ロンドンのバス(名高い2階つきのバスです)の乗務員での調査によると、運転手よりも、車掌にはずっとこの病気が少い。それは車掌が運転手よりよく運動するからだ、といわれています。もっとも、運転手に多いのは、運動が不足するためだけではなく、神経をつかうことが多いからだ、ともいわれています。

       心の持ち方−
       これは、心の持ち方の大切なことを教えるものといってよいでしょう。実際精神的の興奮でもよく発作がおこるものです。要するに、この病気の人は、つねに心神の安静をはかり、適度の運動と、菜食に傾いた完全食の適量をとることが大切で、昔からいわれている健康長寿法、頭寒、足熱、腹八分と全く一致するわけです。

     なお発作時には、心身の安静をまもり、すべて医師の指示にしたがって静養すること。その他タバコ、酒に対する注意は、どの病気でも同じ。糖分もすぎぬよう。狭心症をおこす病気は他にもいろいろありますが、大体これに準じた療生法をすればよろしい。



2.青汁と砂糖

     医学博士 遠藤 仁郎 

     青汁はうまくない。もっとうまくならぬものか、という声は確にあります。また初めのうちは少しも無理はないとも思います。しかしなるべく皆さんが生地(しぼったままの純液)を飲まれること、また飲まれるよう慣れられることをおすすめします。味つけも、塩とか酢とか梅酢などは少しも差支はありませんが、砂糖やその他の甘味では折角の青汁の効めも消えてしまいます。
     青汁の値うちは、私どもの毎日の食餌に、ミネラルやビタミン類が甚しく不足しているという、栄養上の重大な欠陥を直す、いちばん手っとり早い方法だ、という所にあります。しかしたとえミネラルやビタミンの多い青汁を飲んでも、一方で余りにも甚しい不完全食(白米飯や砂糖が多く野菜の少い)をとっていては、とても埋め合すことはできません。砂糖でも黒砂糖のような粗製品はまだしもですが、精製した白糖となると、純粋の糖分(カロリー源)だけで、他の栄養素は何んにもありません。この糖分(穀物の澱粉も同じですが)が体内で燃えてエネルギーを出すにはビタミンBがいります。そしてBが不足すると酸性の有害物ができ、それを中和するためにカルシウムを奪いとります。もともとビタミンBやカルシウムの乏しい私どもの食餌に、糖分がさらに加わることは、不完全さを倍加するわけで、ビタミンやカルシウム不足の害を一層大きくすることになります。

     高血圧には青汁は大変よくきくものですが、どうもよくならぬという人もあります。こういう人によくききただしてみると、大概菓子や砂糖がすぎています。また便秘でも同じことがあります。青汁は大抵の便秘によいものですが、ききめの見えぬ方には菓子や砂糖の好きな人が多いものです。これは折角青汁はのんでいても、その効力が糖分の多過ぎるために帳消しされてしまうからです。

     それでも甘味がどうしても欲しければ糖蜜にしましょう。糖蜜は砂糖の原液(砂糖キビや砂糖ダイコンの汁を煮つめた)から砂糖の結晶をとり去った残りのカスです。黒褐色のどろどろした、いかにも見かけのよくないもので、甘味も少い。けれどもビタミンBにもミネラルにも頗る富んでいるすぐれた食べ物です。
     アメリカでは、ハウザー博士が健康長寿食品の一つにかぞえているように、一般家庭でもかなり使われているようですが、貧乏なくせに何もかも贅沢になっているわが国では、一向に見むきもされず勿体ないことに飼料や酒精の原料にされています。ぜひとも砂糖がわりに使うようになりたいものです。

     そのほか菓子や甘味飲料でおそろしいことは、有害な人工甘味(ズルチンなど)や有毒な色素が、随分とつかわれていることです。サイダー、ラムネ、ジュース類その他のあまいものはすべて同じです。こういう健康上よくないものを少しもおかまいなしに、それもただ甘いもの欲しさだけのために、食べたり飲んだりすることは、全く寒心にたえぬことです。
     子供のお八つなどは特にそうです。子供の健康状態のよくないことには、菓子なり砂糖なり、こうした有害な甘味品がかなり大きな原因になっています。毎日子供にあたえる間食なかでも甘いものには余程気をつけないと、結果として、可愛い子供に毒を食べさせたり飲ましたりしていることにならぬとも限らないのです。このことは世のお母さん方に特にご注意申上げたいと思います。いや、子供だけではありません。健康がすぐれなかったり、病気の治りがはかばかしくないのも、多くは食物のあやまり、白米飯やことに菓子の食べすぎ、砂糖のつかいすぎからです。青汁はこのあやまりを補おうとするものですが、それら(白米飯や菓子砂糖など)が多いままでは、とても追っつきません。青汁を少々のんでいても三度の食事や間食が直されねば実際の効果はのぞめません。

     また、これが直って来れば(白米飯が減り菓子砂糖が少くなれば)、青汁に少々の甘味をつけるくらいのことは問題ではなくなります。私どもが躍気になって、生地の青汁をおすすめするのは、つまりは毎日の食餌を直そう、完全にしようという所にあります。又皆さんが青汁を飲まれようというのも、決してうまさのため、嗜好飲料としてではなく、必ずや、よりよい健康をかち得、少しでも早く病気を治したいため、いわば薬のような気持で飲んでいられるのでしょう。

     前にも記しましたように青汁の目的は、普通の食べ方で不足する青野菜――栄養分でいえばミネラルやビタミン類――の補いのためですから、濃いものほどよいわけです。青汁の味は濃いほどよくないものですが、なるべく為によくないものは入れずに飲むようにいたしましょう。そして、それとともに平素の食べ方にもよく注意して、白米飯や砂糖の多すぎぬよう、菓子類はなるべく食べぬよう、またズルチンなど有害な人工甘味のはいったものはやめるようにいたしましょう。そうすれば必ず健康状態はよくなり、病気の治りもはやめられます。また甘いものもさほど欲しくはなくなるものです。

     ともかく砂糖だけでも減らしましょう。これになれると、ほんとにやめられなくなり、ついには有害と知りながら人工甘味さえもとめるようになってしまいます。世の多くの人は、酒やタバコの害についてはよく知っていられ、随分やかましくもいわれますが、甘味品については存外無頓着です。しかしその害は少しもそれらと変らぬのみか、安心して濫用されやすいものだけに、却って大きい害を及ぼしています。実際現在の不健康の最も大きい原因であるといっても少しも言い過ぎではありません。青汁もよいが、同時に白米飯や、ことに糖分が多かったら、少々くらい飲んでも――あるいはうんと沢山飲みでもせねば――とてもききめは望めぬ、ということを、くどいようですが、もう一度くりかえしておきます。



3.青汁は完全食のために

    神戸市山手学園 M.W. 

     私が青汁を飲みだしたのは、退院後の29年11月からでした。腎臓炎で入院中、先生の“緑葉食青汁の話”を初めて拝見し、二度と病気になりたくない、青汁はきっといいと思ってからでした。
     その後満2年続け、だんだん其効果は日を重ねるにつれて明らかで、信ずることも一層加わり、今では全く青汁信者で、どんなに多忙でも万障繰合せ、毎朝作り飲みます。同時に、三度の食事にも“完全食を。主食よりお菜を多く。その内野菜を多くことに青(有色)野菜を多く、そして出来るだけ生食を”と先生の御主旨にしたがって致して居りますが、30人近くの若い人達を預って居りますと、其の健康は一番気懸りなことでございますが、その様に心がけて1年、健康状態が大変よくなったように思われました。

     寝つく程の風邪ひきや、疲れて床につくものがなくなり、その為医師を迎えることが全くなくなりました。そして満2年を迎えました此頃では、皆の理解も進み、一層強化して居りますが、皆が集った感じは、生々している様に思います。そして調子が悪いと私共の青汁の相伴をして貰います。青汁は特効薬ではないから、数日ではと思いますが、その間の栄養補給に、と思って居ります。
     青汁を奨めましても、なかなか党になるものがございませんが、休暇に帰省し、家中風邪をひいて居たり、夏痩される家人の為に、早速青汁を作った、とは微笑ましいと思いました。私も以前は、一冬2,3回必ず風邪をひいて居りましたが、青汁を飲みだしましてから、全く風邪とは縁切れになり、歯槽膿漏も余程よくなりました。髪も又毛がすっかりなくなり、色もいくらか黒くなった様に思います。そして皮膚の艶が特別だ、と申して下さいます。

     私の青汁作りは、約2坪の畠から自家製の清浄野菜(青作りのキャベツ、ケール、春菊、小松菜、パセリ)4百−6百瓦のとりたてを、ミキサーで長くかけない様に心懸て作り、粉ミルクを入れていたゞきます。2合から3合あります。新しい食生活によって、みんながもっともっと体力を、そして健康をと思い、いろいろな方にお奨めして居ります。先生のおっしゃる食生活が、もっともっと広く行われ、青汁が普及されます様に。そして其時皆の体力が、健康が、今よりずっとレベルの高いものになることを確信致して居ります。



4.砂糖の喰い過ぎを反省

    水島町 Y.M. 

     私は永年頑固な便秘症でございまして、放って居けば10日でも20日でも便通がなく、医薬、買薬を用いますと便が固いので、逆に上げそうになって倒れるのです。其の苦しさ何とも申されません。ある時近所の人から、便秘には青汁がよいと伺いまして、早速1本づゝいただいて居ましたが、きゝめがございませんので、2本づゝに致しましたが、其間6ヶ月以上、未だ通じがありません。
     或日玉島の普及会の人に、白米、砂糖等の偏食の害についていろいろ親切に教えて頂だきまして、早速砂糖を用いることをやめて、白米をずっとへらし、朝夕二食にして菜っ葉、豆、芋食致しまして、其の上青汁2、3本づゝ配達(進呈)していただき、ようやくのんで居りました。すると間もなく2日置き位いから毎日今では楽に便通があるようになりまして、其のうれしさ何にたとえようもなく、感謝いたして居ります。
     其の他胃が悪いので、ほんの少し食過ぎしても、変ったものをいたゞきましても、胃膓が苦しく夜眠れませんでした。それがいつか消えて忘れたようでございます。風もひきません。何となく体がすがすがしく、軽くなった様な気が致します。これで血圧さえ下れば申分ない健康体でございます。私は永年砂糖がすきで、白米、肉食で誠にあやまった食事をして居たことを青汁普及会の方に教えていただき、心から感謝致します。此の青汁を遠くの身よりの者にもすゝめて居ります。

     ○ 青汁だけでも大抵は通じるようになるものですが、効かぬようでしたら道家さんのように砂糖やお菓子、白米のご飯がすぎていませんか。よく御考え下さい。青汁はそれらの害をとるものですが、余りすぎておれば、とても少々の青汁だけではききません。他の病気の場合も同じです。



5.結核と青汁

    佐世保市 匿名 

     私は療養中の患者でございます。28年発病しまして、29年2月に入院しました。病状は両肺で、左は特に悪く、左肺上葉を切除せねばならぬとの事でした。本年4月九州大学結核研究所の教授の診療を受けましたけど、結果は同じでした。知人の奨めで青汁をはじめましたのは29年6月でした。
     当初は変なことをやるものだと患者連は笑っているのみでした。野菜を入手する事は出来ませんが、幸い病棟の横が山で種々の木も繁り草もありますので今日までどうにか曲りなりに1日1回実施して来ました。本年6月末のレ写真の結果では、直径3糎余りの蔭が消失し、小さい病巣は硬化状態となり、9月4日の診療では、来春は退院してよい、職場復帰も可能との事で、全く夢の様です。
     大きい左病巣は化学療法では消滅不可能との事でしたので、将来の復職という事は考えた事もありませんでした。長崎大、九州大学、名のある医者、教授にも診療をうけましたが、どこでも見立ては同じでした。私が今後やることは、これのみだと今日まで懸命に実施して来ました。職場の課長その他見舞に来ますが、「君は顔色も普通人より大変によい」、といって行く位です。私は将来とも緑葉食グリンジュースは継続してゆくつもりです。今日では3合は飲用しています。(30.9.30通信より)



6.薬より食物

    神戸市須磨 K.N. 

     青汁のよさというものは服用1ヶ月より2ヶ月半年より1年という工合に、日を経るほど、その素晴しい効果が、認識され小生が過去3年間におすすめした方々から、次々と喜びの御報告を受け今更ながら、その著効に驚いて居ります。
     新聞紙上で御承知の通り目下阪神地方の学童間に感冒が流行し、御多分に洩れず当須磨区内の小中学校も続々閉鎖学級を出し、その対策に困り果てた有様でありますが、小生の知る限り平素青汁を愛用している家庭の子女で、まだ1名の感冒患者も出していない事実を何として見逃す訳にはまいりません。
     現代の医学が細菌のまんえんにのみ、気を奪われ市民の体質の改善、食生活の改革を無視している愚劣さは、丁度防犯にやっきとなって、その根原をつく思想の頽廃、生治不安の除去を等閑に付している今日の政治の貧困さと同様のものであります。
     須磨区稲葉町在住のO氏(M鉄工所技師63才)は、5年前より高血圧(210−220)に悩まされあらめる治療を試みましたが効果なく、半ば本人もあきらめている状態でしたが小生のすすめで去る10月初旬より、青汁を服用今日まで僅々2ヶ月で175まで低下、先月末より1日も休むことなく通勤しています。今もその奥さんが来られて、本当に食べものから注意しなくては、いくら薬を飲んでも病気は治りませんね、といわれましたので、その通りです。極道息子の罪の一端は、蔭から小遣銭を貢ぐ母親にあることを考えねばなりません、と大笑いいたしましたことです。(12、10日通信より)



7.6人の結核全快

    神戸市須磨 K.N. 

     小生も数年来青汁の効用を提唱し、今日では友人知己数十家族が日夜愛用、もの言わぬ野菜野草の恩恵に感謝いたして居ります。最近一部の学者が青汁を非謗するが如き説をなして居りますが、青汁の真価を身を以て体験しない机上の空論でありまして、憂うべき妄説というの外ありません。すべての薬物は厳密なる動物実験を行い、然る後人体に試ることは勿論でありますが、青汁こそはこの地上に動物が棲息して以来幾億年、幾十億万の動物がこれを食して来たのでありまして、かのマンモスも恐龍もシナントロプス、ペキネンシスも青草の愛用者であった事実を想起しますと、これ程大がかりな動物実験は無いと思います。
     小生の知る限りにおいて青汁の効果が無かったという一人の例外もありません。肺結核の如きは6人が6人全快の喜びを得て居ります。しかもその内の一人は農家の主婦ですが、今年の田植は自分が陣頭に立って働き何の異常も認めて居りません。愚息で本年16才(高校2年在学)の子供は、発育中程度でしたが、約1年半青汁を飲用せしめました処現在では身長5尺5寸5分体重16貫に達し、親爺の畳を摩す状態となって居ります。全日本人が一人でも多く青汁を服用し、心の平和と肉体の健康をかち得て貰うよう日夜念願をいたして居ります。(31、7、1、附音信より)



8.明日止めようと思いつつ一年余り

    玉島市 M.T. 

     青汁を飲み出してから1年余りになりますが、初めは大変飲みにくく、明日はやめようかと思いつゝ今日に至りました。便通が悪かったのが、青汁を飲みかけてより、良くなりましたので、2日位止めました処、早速悪くなり、又飲みますと大変お腹の調子が良くなりました。葉緑素が多い関係でしょうか、皮膚の色がよろしいようでございます。この青汁がも少し飲みよくて、――又朝のが晩に飲んでも、かわらない位、保存時間があればよろしいのにと思います。



9.注意

    玉島市 T.K. 

     一言申上げます。時々ある事ですが汁がねばくて非常に呑みにくい時があります。又寒い時分に、かすがおどおどとして、なんだか呑むのに気持の悪い事があります。

    お答  汁が濃いからです。それだけに効きめは大きいのですから御辛抱下さい。余り飲みにくいようでしたら、うすめて下さい。冬におどおどすることがありますが、これも濃いからで、うすめていただけばとけます。



10.フンザ人の健康

    京大講師 N.H. 

     (原田直彦氏は京大外科の講師で昨年5月から約4ヶ月間ヒマラヤ山脈の西方地域カラコラム、ヒンズークシ方面を探検した京都大学探検隊に参加された。)

     フンザは高さ2500メートルの高原地帯にある人口約2.5万の部落で、この地方の人々はアリアン型の顔、金髪、碧眼の白人である。50年前この地方を調査した英人Mac Carrisonの報告では、フンザ人は大変健康で殆ど病気がないといわれていたが、私は彼らに多くの病気を発見して驚いた次第である。
     先ず私はできるだけ多くの患者に接するため、行く先々で必ずテント張りの診療所を開いだ。そしてこの地方に多く見られた水のたまる甲状腺腫や陰嚢水腫に対して単に注射器で水を抜いてやるだけで、見かけ上治ったようになるので、彼等は大変感心して、あらゆる患者が続々と押しよせた。私達がジープで小部落に入るともう患者達が待っていた。即ちドクター来るの報は私達のジープより早く村々に伝わっていたわけである。
     さてフンザ人は一室に家族全員が住み、その中央の炉で薪をたくが、防寒のため煙出し口が極めて小さいので室中煙だらけで、往民の80%は慢性結膜炎で目やにをためていた。病気の中では結核が最も多く、上記の生活から家族感染は当然で、今後大きな問題となるであろう。
     またこの地方をとりまく乾燥し切った砂漠地帯や常にほこりっぽい空気のため気管支喘息やリウマチの患者が多かった。彼らは又常時ひどく濁った水を飲用しているので、これが体内で石をつくる原因となりそうで、膀胱結石で尿が出にくいという者や脇腹が痛いと訴える者が多かった。以上結核、喘息、リウマチ及び結石症がこの地方に広く蔓延している病気であった。
     50年前の報告と大変ちがっていたのである。これは何故か。彼等は50年前まではすべての食物は現地品を生食し、そこに大地と植物と人間との間に栄養が循環して大きい輪をつくり、それで十分生きていたが、英国統治以来、文化の余恵を受けて、生食の風習を忘れて調理の味を覚え、更に高価な、従って僅かの量しか入手できない輸入食料による偏食の影響は、やがて病気に対する抵抗力を失わしめ、これに彼等の無教育が手伝って病気が蔓延したのではないかと考えられる。(実験治療所載「カラコラム探検記」より転載)



11.歌 感謝

    宇治市 Y.K. 

     秋空にコップかざして青汁の効讃へけり恢復者われ
     青汁のコップさし揚げ秋空に「神は愛なり」とさけぶ吾かも
     よくぞ病に堪えて来し水道栓より迸り落ちる水をすくひいる吾手の白さよ



12.編集後記

     旧年中は何かと御指導又御支援下さいまして有難う御座居ました。今年も倍旧の御鞭撻を賜ります様お願い致します。皆様の御協力により創刊以来1年半の歳月は過ぎ11号の発刊となりました。此の間に御投稿下さいました手紙は皆尊い体験又は御注告として普及会の発展にとって、貴重なものばかりでしたので出来得る限り掲載させて戴いて居ります。
     編集者の無能が多大の御迷惑をお掛けした事を深くおわび致します。今年も体験談や健康に関係ある諸事件、又は質問、詩、歌、小説、写真、漫画、評語、何でも沢山お送り下さいませ。中でも青汁又は普及会に対する苦言をお待ち致します。今年は編集部の無計画により新年号を発行出来ませんでしたが、今年中にバンカイしたいと思って居ります。今後とも「健康と青汁」を御愛育下さいます様お願いします。








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